
オウンドメディア費用の相場と内訳|構築から運用まで徹底解説
「オウンドメディアを導入したいけど、いったいいくらかかるの?」「予算をどれくらい確保すればいいの?」このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
オウンドメディアは自社ビジネスの認知拡大やリード獲得に効果を発揮しますが、構築から運用まで様々な費用が発生します。予算配分を誤ると、期待した効果を得られないリスクもあります。
本記事では、オウンドメディアの構築から運用までにかかる費用相場や内訳、費用を抑えるためのポイントについて徹底解説します。ぜひ最後までご覧ください。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業や個人が所有・運営するWebメディアのことです。自社Webサイトの一部としてのブログや、独立したサイトとして運営されるメディアなど、様々な形態があります。
オウンドメディアの主な目的は以下のとおりです。
- 認知拡大:自社やサービスの認知を広める
- リード獲得:見込み顧客の情報を集める
- ブランディング:企業のイメージや独自の価値観を伝える
- 顧客育成:潜在顧客を顕在顧客へと育てる
- 採用強化:企業の魅力や文化を伝え優秀な人材を集める
こうした目的を達成するためには、戦略的な構築と継続的な運用が必要となります。では実際にどのような費用が発生するのか、詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアにかかる費用の内訳
オウンドメディアにかかる費用は、大きく「構築費用」と「運用費用」に分けられます。まずはそれぞれの内訳を詳しく解説します。
オウンドメディアの構築にかかる費用
オウンドメディアの構築費用は、以下の項目から構成されています。
戦略設計・マーケティング費
オウンドメディアを構築する前に、まずは戦略設計が必要です。戦略なしでただコンテンツを量産しても、期待した効果は得られません。
戦略設計では、以下のような項目を明確にします。
- メディアの目的(認知拡大、リード獲得、ブランディングなど)
- ターゲット設定
- コンテンツのテーマや方向性
- KPIの設定
- 競合分析
- キーワード選定
戦略設計・マーケティング費用の相場は15万円〜50万円程度です。規模や専門性によって大きく変動します。
デザイン・コーディング費
オウンドメディアのデザインやコーディングにかかる費用です。ユーザーにとって使いやすく、かつブランドイメージに合ったデザインは重要な要素となります。
デザイン・コーディング費用に含まれる作業は以下のとおりです。
- トップページのデザイン
- 記事ページのデザイン
- カテゴリーページのデザイン
- レスポンシブ対応(スマートフォン・タブレット対応)
- HTMLやCSSのコーディング
デザイン・コーディング費用の相場は30万円〜100万円程度です。テンプレートを活用するか、オリジナルデザインにするかによって費用は大きく変わります。
CMS構築費
CMS(コンテンツ管理システム)の導入や設定にかかる費用です。CMSを利用することで、専門知識がなくても記事の投稿や編集が可能になります。
代表的なCMSには以下のようなものがあります。
CMS名 | 特徴 | 導入コスト |
---|---|---|
WordPress | 最も普及しているCMS。拡張性が高く、プラグインで機能追加が可能 | 無料〜30万円 |
MovableType | セキュリティが高く、大規模サイトに向いている | 10万円〜50万円 |
Clipkit | メディア特化型のCMS。SEO対策機能が充実 | 初期10万円〜+月額1.5万円〜 |
ferret One | マーケティング機能が充実。MA機能も備えている | 初期30万円〜+月額10万円〜 |
CMS構築費用の相場は10万円〜50万円程度です。オープンソースのCMSを利用するか、専用CMSを導入するかによって費用は異なります。
初期コンテンツ制作費
オウンドメディア立ち上げ時に必要な初期コンテンツの制作費用です。サイト公開時にある程度のコンテンツ量があることで、サイトの信頼性が高まります。
初期コンテンツに含まれる要素は以下のとおりです。
- サービス紹介ページ
- 会社案内ページ
- プライバシーポリシーなどの基本ページ
- 記事コンテンツ(5〜10記事程度)
初期コンテンツ制作費用の相場は20万円〜100万円程度です。制作する記事数や内容の専門性によって費用は変動します。
オウンドメディアの運用にかかる費用
オウンドメディアは構築して終わりではなく、継続的な運用が重要です。運用費用の内訳は以下のとおりです。
サイト維持費
オウンドメディアを維持するための基本的な費用です。主に以下の項目があります。
- サーバー代:月額1,000円〜5万円程度
- ドメイン代:年間1,000円〜3,000円程度
- CMS利用料:月額0円〜10万円程度
- SSL証明書:年間0円〜5万円程度
- セキュリティ対策費:月額3,000円〜1万円程度
サイト維持費の合計相場は月額5,000円〜15万円程度です。サイト規模やCMSの種類によって費用は異なります。
コンテンツ制作費
オウンドメディア運用において最も大きな比重を占めるのがコンテンツ制作費です。質の高いコンテンツを継続的に発信することが、オウンドメディア成功の鍵となります。
コンテンツ制作に関わる費用項目は以下のとおりです。
- ライター費用:1記事5,000円〜5万円
- 編集者費用:月額10万円〜30万円
- 画像・イラスト制作費:1点3,000円〜1万円
- 動画制作費:1本5万円〜30万円
コンテンツ制作費の月間相場は10万円〜50万円程度です。月間の記事更新頻度や内容の専門性、外注の割合によって大きく変動します。
分析・改善費
オウンドメディアの効果を最大化するためには、定期的な分析と改善が欠かせません。分析・改善に関わる費用は以下のとおりです。
- アクセス解析ツール利用料:月額0円〜5万円
- SEO分析ツール利用料:月額0円〜10万円
- コンサルティング費用:月額10万円〜30万円
- A/Bテスト実施費用:1回5万円〜20万円
分析・改善費の月間相場は5万円〜30万円程度です。自社でどこまで対応するか、外部のコンサルタントにどこまで依頼するかによって費用は変わります。
マーケティング連携費
オウンドメディアを他のマーケティング施策と連携させるための費用です。主に以下の項目があります。
- SNS運用費:月額5万円〜20万円
- メールマーケティング費用:月額3万円〜10万円
- リスティング広告費:月額10万円〜
- MA(マーケティングオートメーション)ツール費用:月額5万円〜30万円
マーケティング連携費の月間相場は10万円〜50万円程度です。どの施策と連携させるか、その規模によって費用は異なります。
オウンドメディア構築の費用相場
ここからは、オウンドメディア構築の費用相場について、予算帯別に詳しく解説します。
無料〜20万円未満でできること
最も低コストでオウンドメディアを構築する方法です。自分の時間と労力をかけられる個人や小規模企業に向いています。
無料〜20万円未満でできることは以下のとおりです。
- WordPressなどの無料CMSを自力で導入
- 無料または低価格のテンプレートを利用
- 自分でコンテンツを作成
- 基本的な機能のみ実装
この価格帯のメリットは初期投資を抑えられることですが、時間がかかる、専門的なノウハウが必要、デザイン性や機能性に限界があるといったデメリットもあります。
20万〜100万円未満でできること
中小企業やスタートアップ企業に最適な価格帯です。コストパフォーマンスが高く、ある程度の質を確保しながらも予算を抑えられます。
20万〜100万円未満でできることは以下のとおりです。
- 半オーダーメイドのデザイン
- 基本的なSEO対策
- 5〜10記事程度の初期コンテンツ制作
- 簡易的な分析機能の実装
- 基本的なマーケティング機能の実装
この価格帯ではある程度の質を確保しながらも、予算を抑えることができます。本格的にオウンドメディアを始める企業には、この価格帯がおすすめです。
100万〜300万円未満でできること
中堅〜大企業向けの価格帯です。本格的なオウンドメディアを構築したい企業に適しています。
100万〜300万円未満でできることは以下のとおりです。
- フルオーダーメイドのデザイン
- 本格的なSEO戦略の策定と実装
- 10〜30記事程度の初期コンテンツ制作
- 充実した分析機能の実装
- マーケティングオートメーションとの連携
- SNSとの連携機能
この価格帯では、専門的なノウハウを持ったチームがオウンドメディアの構築に関わるため、質の高いメディアを構築できます。
300万円以上でできること
大企業や専門企業向けのハイエンド価格帯です。エンタープライズレベルのオウンドメディアを構築したい企業に適しています。
300万円以上でできることは以下のとおりです。
- 完全オリジナルのシステム開発
- 高度なマーケティング戦略の策定と実装
- 30記事以上の高品質な初期コンテンツ制作
- 詳細な分析・改善体制の構築
- 社内システムとの高度な連携
- グローバル対応(多言語化など)
この価格帯では、ほぼすべての要望に対応できるレベルのオウンドメディアを構築できます。大規模なプロジェクトや、特殊な要件がある場合に適しています。
オウンドメディア運用の費用相場
次に、オウンドメディアの運用費用について、月額費用の相場を解説します。
無料〜月額5万円未満でできること
最も低コストでオウンドメディアを運用する方法です。個人や小規模企業、自社で運用リソースがある企業に向いています。
無料〜月額5万円未満でできることは以下のとおりです。
- 自社でのコンテンツ制作(月1〜3本程度)
- 基本的なサイト維持(サーバー代、ドメイン代)
- 無料の分析ツールの利用(Google Analytics など)
- 簡易的なSNS連携
この価格帯では、自社の人的リソースを活用して運用する必要があります。専門知識がないと効果が出にくい、更新頻度が限られる、コンテンツの質にムラが出やすいといったデメリットもあります。
月額5万〜20万円未満でできること
中小企業に最適な運用価格帯です。一部の業務を外注しながらも、コストを抑えた運用が可能です。
月額5万〜20万円未満でできることは以下のとおりです。
- 一部外注によるコンテンツ制作(月3〜5本程度)
- 基本的なSEO対策の継続
- 簡易的な分析と改善
- 基本的なSNS運用
- シンプルなメールマガジン配信
この価格帯では、一部の業務を外注しながらも、コストを抑えた運用が可能です。専門的なノウハウを持った外部のリソースを活用することで、効果的な運用ができます。
月額20万〜50万円未満でできること
中堅企業向けの運用価格帯です。本格的なオウンドメディア運用を継続したい企業に適しています。
月額20万〜50万円未満でできることは以下のとおりです。
- 外注中心のコンテンツ制作(月5〜10本程度)
- 本格的なSEO対策の継続
- 定期的な分析と改善
- SNSとの積極的な連携
- メールマーケティングの実施
- 簡易的なコンテンツマーケティング戦略の実行