結局のところ「質の高いコンテンツ」って何だろう
SEOの世界で「質の高いコンテンツ」っていう言葉、よく聞きますよね。でも、実際のところ、これって一体何なんでしょうか？
今回は、現代のSEOにおける「質の高いコンテンツ」について考えてみようと思います。
SEOでよく聞く「質の高いコンテンツ」って何？
SEOに取り組んでいると「今のSEOでは質の高いコンテンツを作ることが成功の鍵だ！」というような話をよく聞きます。
「今のSEOでは」という書き方をした通り、一昔前までSEOの戦略は検索エンジンを欺くような小手先の戦術が横行していました。
かつてのSEOといえば、とにかく大量の被リンクを獲得することが王道。「リンクファーム」なんて言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。また、キーワードを詰め込みまくるテクニックも主流で、白い文字で背景に同じキーワードを繰り返し書くなんて手法もありました（今思えば姑息すぎて笑えますね）。
しかし、Googleを始めとする検索エンジンは、このような「裏技」を次々と無効化していきました。Panda、Penguin といったアルゴリズムのアップデートにより、コンテンツの質そのものが重視されるようになったのです。
こういった歴史を経て、現在のSEOトレンドはユーザー中心のコンテンツ作成に移行した。つまり「質の高いコンテンツ＝ユーザー中心のコンテンツ」という話なんですが……
これで終わりにするにはあまりにもふんわりしすぎているので、今回はその「質の高いコンテンツ」を3つの視点で考えてみましょう。
Googleが考える「質の高いコンテンツ」
Googleは、設立当初から現在まで、「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」を使命としています。
そして検索結果の質を評価するためのガイドラインを公開しています。これを見ればGoogleが何を「質の高いコンテンツ」と考えているかが大体理解できるでしょう。
主な評価基準を紹介します。
- Page Quality（ページ品質）： ページの目的が明確で、その目的を達成しているか。例えば、ニュースサイトならば最新かつ正確な情報を提供しているか、通販サイトなら商品情報が詳細かつ正確であるかなど
- E-E-A-T（Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness）： E-E-A-Tとは、コンテンツの作成者や発信元の経験、専門性、権威性、信頼性を評価する指標。医療情報なら医師が、法律情報なら弁護士が執筆しているかなど、トピックに応じた適切な専門家が関与しているかが重要となる
- メインコンテンツの質と量： ページの主要な内容が十分な質と量を持っているか。「薄いコンテンツ」や「コピペコンテンツ」ではなく、オリジナルで深い洞察を提供しているかがポイント
- Webサイト情報/制作者情報： 誰がこの情報を提供しているのか、その背景は何かが明確に示されているか。匿名性の高いサイトよりも、情報源が明確なサイトの方が高く評価される
- Webサイトの評判： Webサイトや制作者が、業界内でどのような評価を受けているか。これにはオフラインでの評判も含む
参考：検索品質評価ガイドライン
かいつまんで書きましたが、実はこのGoogle検索品質評価ガイドライン、170ページにわたる超大作です（しかも全文英語）。
この記事だけでGoogleの考えをすべてお伝えするのは難しいので、ざっくり芯になる部分だけお伝えすると……
Googleが考える「質の高いコンテンツ」は、“単に情報を詰め込めば良いというものではなく、ユーザーにとって本当に価値のある情報を、信頼できる形で提供すること”と覚えておくと良いでしょう。
ユーザー視点で考える「質の高いコンテンツ」
次に、ユーザーから見た「質の高いコンテンツ」について考えてみます。
Googleの評価基準は重要ですが、最終的にコンテンツを判断するのはユーザー自身です。ユーザーにとって「質が高い」と感じられるコンテンツとは、どのようなものでしょうか。
私自身、日々SEO記事を執筆・編集するなかで、以下の要素が重要なのではないかなと考えています。
- 問題解決力：ユーザーが抱える問題や疑問に明確に答えてくれること
- 読みやすさ：長々と続く文章ではなく、適度に区切られていて、図や表も使ってわかりやすいこと。難しい概念を噛み砕いて誰にでもわかりやすく表現すること
- 信頼性：情報の出所が明確で、最新のデータや専門家の意見が入っていること
- オリジナリティ：ありふれた情報の寄せ集めではなく、新しい情報や視点があること
- 情報の鮮度：最新の情報が提供されていること
- エンゲージメント：最後まで読みたくなる、もっと知りたくなる工夫があること
SEO記事って上位表示されている記事を分析して作成することが定石ですから、似たりよったりな内容になりがちです。
しかし、例えばあなたに深刻な悩み事があったとして、検索したときに表面的な情報ばかり出てきたらどう感じるでしょうか？おそらく、そんな当たり前のことは知っているよ、もっと踏み込んだアドバイスが欲しい、と思うはずです。
あなたが本当に欲しいのは、あなたの悩みを解決してくれたり、背中を押してくれるような情報のはず。それこそがユーザー視点から見た「質の高いコンテンツ」ではないでしょうか。
と言いつつ、そんなコンテンツを作るのって簡単じゃあないんですよね…… この解決策については下記の記事でお伝えしていますので、ぜひこちらも読んでみてください。
関連記事：「他社と似た記事ばかり」を解決するには
SEO視点で考える「質の高いコンテンツ」
最後に、SEOの観点から見た「質の高いコンテンツ」について考えてみましょう。
SEOの観点から見ると、「質の高いコンテンツ」には技術的な要素も重要になってきます。ユーザーにとって価値があるだけでなく、検索エンジンにも正しく評価されるコンテンツを作る必要があるんですよね。
具体的には下記の要素が必要となります。
- 検索意図との適合性：ユーザーの検索意図に的確に応えられていること
- キーワード最適化：適切なキーワードを自然に使っていること
- 内部リンク構造：関連する他のページへのリンクが適切に張られていること
- ページの読み込み速度：ユーザーの離脱を招かないよう、素早く表示されること
- モバイルフレンドリー：スマートフォンでの閲覧に最適化されていること
- メタデータの最適化：検索結果に表示されるタイトルや説明文が魅力的であること
- コンテンツの鮮度：古い情報のままではなく、定期的に更新されていること
- オリジナルコンテンツ：他サイトからのコピーや、AI生成コンテンツの無修正での使用を行っていないこと
ただし、上記は単に検索順位を上げるためだけのものではなく、ユーザーにとって価値ある情報をスムーズに提供するための手段です。
過度な最適化はかえってペナルティの対象となる可能性があるため、あくまでもユーザーにとって自然で有益な形を意識しましょう。
まとめ：「質の高いコンテンツ」を作るには
ここまで3つの視点で「質の高いコンテンツとはなんぞや」ということを見てきました。
重要なのは、今回紹介した要素をチェックリストのように機械的にこなすのではなく、常にユーザーファーストの姿勢を持つこと。「このコンテンツは本当にユーザーの役に立つだろうか？」「もっと分かりやすく伝える方法はないだろうか？」といった問いかけを自らに投げかけ続けることが大切です。
そのうえで技術的な最適化にも取り組み、ユーザーと検索エンジンの双方に価値を提供し続けることが、真の「質の高いコンテンツ」につながります。
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