「AIに『〇〇について3000字で書いて』と頼めば、記事制作のワークフローはほとんど自動になりそう」。生成AIに頼むと、見出しも文法も整った原稿がすぐに返ってくるので、人の仕事は残らないように見えます。ところが、テーマだけで書かせた原稿はほかのサイトにある内容の並べ直しになりやすく、切り口を足して事実を確かめる手直しで、かえって工数が増えるのです。AI記事制作のワークフローは、「何を書くか」を人が決め、「どう書くか」をAIに任せる分担で組みます。
本記事では、AIに丸投げしたときに起きることから、5つの工程の分担、AIに任せる工程の決め方、始め方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- テーマだけを渡されたAIは書き手の経験や自社のデータを足せないので、書かせる前に切り口を決める
- KWと切り口の決定、構成案の確認、事実の確認と公開の判断は人が受け持つ
- AIには構成案・本文・図解・入稿を任せ、工程ごとに渡すものを決めておく
- 判定の決まりを書ける確認は機械のチェックに任せ、書けない判断は人に残す
- 最初の1本は、切り口と読者を書いた指示でAIに構成案を作らせるところから始める
全部AIに丸投げすると何が起きるか
AIに記事を丸投げすると、構成も文法も整っているのに、ほかのサイトにある内容の並べ直しになりがちです。テーマだけを渡されたAIは、学習した文章からもっともらしい内容をつなぐので、書き手の経験や自社のデータのような、ほかの記事では読めない情報を自分では足せません。
ほかの記事では読めない情報を入れるには、書かせる前に切り口を決めます。切り口とは、誰に向けて、どの経験やデータを使い、どんな結論を言うかという、記事ごとの視点のことです。
Googleが見ているのも、AIで作ったかどうかより内容です。Google検索セントラルのブログには、AIや自動化は適切に使っている限りガイドラインの違反にならず、作成方法ではなく内容が評価の対象になると書かれています。ただし、検索結果のランキング操作を主な目的として、AIを含む自動化でコンテンツを作ることは、スパムに関するポリシーへの違反です。

有用なコンテンツかを自分で評価するための質問にも、「コンテンツは、独自の情報、レポート、研究、分析を提供していますか。」が挙げられています。テーマだけで書かせた記事は、この質問に答えられる情報を持っていません。

構成も文法も整った原稿が出てくるなら、人は最後に読んで直すだけでよいのではないでしょうか。
編集部
最後に直す進め方だと、切り口を足すために見出しから組み直すことになり、書かせる前に決めるより手間が増えます。切り口と読者は、書かせる前に決めて指示に書いておきましょう。
関連記事:【2025年最新】AIでの記事作成完全ガイド|初心者でも使える実践ノウハウ
AI記事制作ワークフローの5つの工程と分担
AI記事制作のワークフローは、KW選定から公開の判断までの5つの工程に分かれ、人が受け持つのは、何を書くかと公開してよいかの判断です。構成案・本文・図解・入稿の作業は、AIが主に受け持ちます。

KW選定と切り口の設計
KW選定と切り口の設計は、後の4つの工程で書く内容を決めるため、人が受け持つ工程です。人は事業の課題をもとに、どのKWで、どの読者に向けて、どんな切り口で書くかを決めます。同じ「AI 記事作成」というKWでも、ツールの比較記事にするか、運用の設計の記事にするかで、読者が得る答えはまるで変わります。
AIに任せられるのは、検索データや上位ページの見出しを集めて、判断の材料をそろえる作業です。切り口まで任せると上位ページの多くと同じ切り口になりやすいため、選ぶのは人です。
構成案の作成
構成案の作成はAIが受け持ち、人が確かめます。検索意図の整理や上位ページの見出しの比較は、AIの方が速く、抜け漏れも少ないからです。AIには、決めたKW・切り口・読者と、上位10ページの見出しの一覧を渡します。
人が確かめるのは、読者の疑問に答える順で見出しが並んでいるかと、途中で答えが抜けていないかの2つです。構成案の段階で直せば、本文を書き直さずに済みます。
本文の執筆
本文の執筆はAIが受け持ちます。AIに渡すものは、次の3つです。
- 構成案:前の工程で人が確かめたもの
- 一次情報:自社のデータ、取材の内容、公式資料など、記事に入れる事実
- 表記の決まり:用字用語、文末、使わない言い方
生成AIは、元データの無い数字を引用の体裁で書くことがあります。指示に「渡した資料に無い数字や事例は書かない」と入れておくと、出典の無い数字が混ざりにくくなるでしょう。
書いた後の表現の確認も、決まりで判定できるものは機械のチェックに任せられます。「画期的な」のような中身の無い形容詞や、「〜と言えるでしょう」のような結論をぼかす言い方は、文字列の検出で見つかります。
図解の作成と入稿
図解の作成とCMSへの入稿は、AIと自動化の仕組みに任せやすい工程です。AIには、画像の指示文と、記事の見出しと本文、CMSへの接続情報を渡します。入稿は下書きまでにとどめます。人は、下書きの表示が崩れていないかと、図の内容が本文と合っているかを確かめ、公開するかどうかは次の工程で決めます。
事実の確認と公開の判断
事実の確認と公開の判断は、人が受け持ちます。公開した記事はすぐに読者の目に触れ、誤った数字は直すまで読まれ続けるからです。
人は、事実を書いた文を一次情報の原文で確かめ、上位ページの文章を書き換えただけの段落が無いか、切り口が最初に決めたとおりかを読んでから公開を決めます。
5つの工程を誰がどの順で受け持つか、社内で決まっていますか
AIを組み込んだワークフローを社内で回すには、工程ごとの担当と、表記や確認の決まりを先に決めておく必要があります。記事コンテンツの制作支援の制作体制構築では、編集者・ライター・監修者のチーム編成から、レギュレーション策定、品質管理フローまでを構築します。
AIに任せる工程の決め方
工程をAIに任せるかどうかは、出来の良し悪しを決まりで判定できるかで決めます。表記ゆれや使わない言い方、出典の無い数字のように、正しいかを決まりで判定できる確認は、毎回「丁寧に書いて」と指示するより、機械のチェックに組み込む方が確実です。指示は守られない回があっても、チェックは毎回同じ基準で動きます。
一方、切り口の決定と公開の判断は、事業の課題や読者の状況を踏まえて選ぶもので、判定の決まりを書き切れないため、人に残します。
人とAIの境目は固定ではありません。AIが判断に使える材料と決まりが増えれば、人が受け持つ範囲は狭まります。

AI記事制作ワークフローの始め方
AI記事制作のワークフローを始めるなら、最初に試すのは、切り口と読者を決めてからAIに構成案を作らせることです。「〇〇について書いて」ではなく、「〇〇について、△△という切り口で、□□な読者に向けて書いて」と指示するだけで、AIが返す構成案は変わります。
指示に書く項目は、次の5つです。構成案を作らせるときも本文を書かせるときも、同じ指示を使えます。
KW:〇〇
読者:□□(検索した時点の状況)
切り口:△△(この記事で言う結論)
入れる一次情報:自社のデータ、事例、公式資料など
書かないこと:渡した資料に無い数字と事例工程は、1本目から全部をAIに移さず、確かめられた工程から1つずつ渡します。全工程を一度に移すと、切り口の決定と事実の確認が抜け落ち、公開前の手戻りが増えるためです。
切り口と読者を書いた指示で構成案を作らせ、人が見出しの順を確かめます。
構成案と一次情報、表記の決まりを渡して書かせます。
画像の作成とCMSへの下書きの投稿を、決まった手順で自動で行うようにします。
人が直した箇所のうち、決まりで判定できるものをチェックの項目に加えていきましょう。
まとめ|何を書くかは人、どう書くかはAI
AI記事制作のワークフローは、「何を書くか」と「公開してよいか」を人が決め、「どう書くか」をAIに任せる分担で組みます。切り口の設計と事実の確認を人が受け持てば、構成案から入稿までをAIに任せても、ほかのサイトの並べ直しになりにくくなります。次に書く1本では、切り口と読者を書いた指示でAIに構成案を作らせるところから始めてください。
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