「ChatGPTの原稿は誤字もなく読みやすいので、ざっと読み直せば公開できそう」。AIが出す原稿は表記の誤りが少なく、見出しや箇条書きもそろっているため、直す所はないように見えます。ところが、読者とGoogleが見ているのは表記より中身で、AI記事の品質を下げるのは、誰が書いても同じ一般論の段落と、出典を確かめていない数字です。AI記事の品質チェックは、誤字を探す校正ではなく、判断と事実を足す編集です。
本記事では、GoogleがAI記事の品質をどう評価するかから、公開前に見る5つのチェック項目と見る順番まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- Googleは、AIで書いたかどうかではなく内容で記事を評価する
- AI記事で直すのは、判断が書かれていない段落と、確かめていない数字
- 別の記事に貼っても違和感がない段落には、自分の判断を書き足す
- チェックは構成から始め、大きい直しから小さい直しへ進める
- 最初の1本は、検索機能で「でしょう」を探せば、直す量の見当がつく
AI記事の品質をGoogleはどう評価するか
GoogleはAIで書いたかどうかではなく、記事の内容で品質を評価します。Googleが2023年2月8日に公開した「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」には、「作成方法ではなく、内容が評価の対象となります」と書かれています。AIを使ったからといって、順位で特別に有利になることもありません。
同じガイダンスには、検索結果のランキング操作を主な目的としてAIでコンテンツを作ることは、スパムに関するGoogleのポリシーに違反するとも書かれています。健康や行政、金融のように情報の質が強く問われるテーマでは、Googleのシステムが信頼性のシグナルをより重く見ることも明記されています。

問われるのは、AIが書いたかどうかより、検索した人の知りたいことに答えているかです。
AI記事の品質チェックは校正ではなく編集
AI記事の品質チェックは、誤字脱字を直す校正ではなく、「この原稿で読者が答えを得て動けるか」を判断する編集です。最初に、原稿を通読して「この記事は結局何を言いたいのか」を一文で書き出します。一文で書けない原稿は、まだ記事ではなく、素材の段階にあると考えてください。
なぜAIの原稿は、整っているのに直す所が残るのか。生成AIは、学習した大量の文章から、もっともありそうな言葉の並びを返す仕組みです。何も材料を渡さなければ、どの記事にも書ける平均的な文章がそろい、書き手の判断や経験は入りません。
誤字もなく、見出しもきれいに並んでいます。どこを直せばよいのでしょうか。
編集部
直すのは表記ではなく、判断が書かれていない段落と、出典を確かめていない数字です。検索してきた読者が探しているのは、一般論の言い直しではなく、書き手が条件を絞って出した答えのはずです。
AIで下書きにかかる時間が短くなった分は、公開前の品質チェックに回してください。

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AI記事を公開する前の5つのチェック項目
AI記事を公開する前に見るのは次の5つのチェック項目で、上から順に見ていきます。構成を直すと段落が入れ替わったり消えたりし、段落を書き直すと数字や固有名詞が増えるので、事実の確認は書き直しの後に回します。

構成が読者の疑問の順になっているか
AI原稿の構成は、見出しがきれいに並んでいても、読者が知りたい順ではなく分類の順になっていることがあります。AIは漏れなく並べることを優先するので、全部の見出しが同じ粒度と同じ重さで並びがちです。構成では、次の3つを確かめます。
- 「ここが一番大事」「余裕があれば読めばいい」という優先度の差がついている
- 分類の順ではなく、読者の疑問に答える順に並んでいる
- H2を順に読むと、導入から結論へ向かう流れがある
誰が書いても同じ段落になっていないか
誰が書いても同じ段落とは、情報は正しいのに、「〜が大切です」「〜を意識しましょう」のような一般論だけでできた段落です。5つの中で品質をいちばん左右するのは、一般論の段落の書き直しだと見ています。
リモートワークでは、コミュニケーションが重要です。定期的なミーティングを設けることで、チームの連携を強化することができます。
週次ミーティングの時間を固定した経験がある書き手なら、同じ段落を次のように書けます。
週次ミーティングを「火曜14時から30分」に固定してからは、Slackでの「ちょっといいですか」が減りました。決まりが1つあるだけで、各自が安心して自分の作業に戻れます。
書き直した段落には、曜日と時間、減ったこと、そこから言える判断が入っています。別の記事に貼っても違和感がない段落は、書き直す対象になります。固有の経験や数字、判断が入っていないからです。AIは書き手の経験を知らないので、足す経験と判断は人が書くか、材料としてAIに渡します。
一般論の段落に足す自分の判断を、話して記事にしませんか
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数字と固有名詞は一次情報と合っているか
記事の数字と固有名詞は、全件を一次情報の原文で確かめます。生成AIは、存在しない調査や改正前の制度を、実在するかのような書き方で出すことがあるためです。「厚生労働省の調査によると」と書いてあれば、その調査が本当にあるかを、厚生労働省のサイトで探します。
特に誤りが残りやすいのは、次の3つです。
- 統計データ:年度がずれている、存在しない調査を引用している
- 法律や制度の説明:改正前の内容を最新として書いている
- 他社の事例:事実と少し違う内容を事例として作っている
一般論の段落を書き直したときに足した数字も、確かめる対象に含めます。健康や金融のテーマでは、数字だけでなく、効果や条件を言い切った文も出典と照らし合わせてください。
判断を避ける表現が残っていないか
AI原稿には、情報がないのにもっともらしく見える、判断を避けた表現が残ります。代表的なのは次の3つです。
- 「〜と言えるでしょう」:言えるのか言えないのかを書いていない
- 「〜も重要です」:すべてを重要と言い、何が一番かを書いていない
- 「画期的な」「革新的な」:何がどう変わったのかを数字で示していない
見つけ方は、検索機能(Ctrl+F)で「でしょう」「かもしれません」「重要です」「画期的」を探すだけです。1本の中で3回以上見つかったら、その原稿は判断を避けていると見て、1文ずつ「書き手はどう考えるのか」を問いながら書き直します。
AI活用は今後ますます重要になると言えるでしょう。企業にとっても画期的な変革の機会かもしれません。
判断を書いた文に直すと、たとえば次のようになります。
AIで記事の本数を増やすと、公開前に人が確かめる時間も本数に比例して増えます。本数を決める前に、確かめる人の時間を確保してください。
読者が次にすることが書かれているか
AIは記事の終わりを、「以上のポイントを押さえて、ぜひ取り組んでみてください」のような、具体的に何をするのかを示していない文で締めがちです。チェックの基準は、読んだ人が5分以内にできる具体的な行動が、1つ以上書いてあるかです。書いていなければ足し、書いてあっても曖昧なら、何をどこで行うかまで具体的にします。
よくある質問
AI記事の品質について、よくある2つの質問に答えます。
品質チェックもAIに任せられる?
AIに任せられるのは、確かめる箇所を拾い出すところまでです。原稿の数字と固有名詞を一覧にさせたり、判断を避ける表現を拾わせたりする作業は、AIでも短い時間でできます。ただ、数字が正しいかの判定までAIに任せると、誤った数字を出したのと同じ仕組みに、答え合わせをさせることになります。一覧にした数字は、出典の原文を開いて人が確かめてください。
AIっぽい言い回しを直せば品質は上がる?
言い回しを人が書いたように整えても、中身が一般論のままなら品質は上がりません。Googleが評価するのは作り方ではなく内容なので、文末を変えただけの段落は、別の記事に貼っても違和感がない段落のままです。
まとめ|AI記事の品質は校正より編集で決まる
AI記事の品質は、誤字の少なさではなく、公開前に人が足す判断と、確かめた事実で決まります。整って見えるAI原稿ほど、一般論の段落と出典のない数字を探す編集が欠かせません。
全部を一度にやる必要はありません。最初の1本は、判断を避ける表現を検索機能で探すところから始めると、30秒ほどで直す量の見当がつきます。見つかった数が多ければ、5つのチェック項目を構成から順に通してください。
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