「オーサーランクを上げれば、記事の検索順位も上がりそう」。Googleは2011年に著者情報のマークアップへの対応を始めたとき、検索結果の順位付けに役立てる方法を検討していると書いていたため、著者の点数が順位を決めると思われがちです。ところが、Googleは2014年に検索結果での著者情報の表示をやめ、今は誰が書いたかを読者に分かるように示すことを勧めています。書き手が複数いるサイトなら、点数の上げ方より先に、誰の名前と経歴をどう載せるかを決めます。
本記事では、オーサーランクの定義と経緯から、複数の書き手で著者情報を運用するチーム編成とレギュレーションの決め方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- オーサーランクは、著者ごとの評価を点数にして検索順位に使う考え方で、Googleの特許「Agent Rank」をもとに語られてきた
- 検索結果に著者を表示するGoogleのオーサーシップは、2011年に始まり2014年に終わった
- 今のGoogleは、誰が書いたかを明確にし、著者の経歴にたどれるバイラインを載せるよう勧めている
- 書き手が複数いるサイトは、署名に出す人を役割で決め、表記とプロフィールの載せ方をレギュレーションで決める
オーサーランクとは
オーサーランクとは、記事を書いた人ごとに評価を点数にし、その人が書いたページの検索順位に反映させるという考え方です。よく元として挙げられるのは、2009年7月に米国で登録されたGoogleの特許「Agent Rank」です。
Agent Rankの特許では、コンテンツを書く・直す・確かめる個人や組織を「エージェント」と呼びます。エージェントは著者や編集者といった自分の役割を示してコンテンツにデジタル署名を付け、署名したコンテンツをもとに点数が付けられます。点数は、スポーツや医療のような話題ごとに変えられるとも書かれています。

特許には、点数の高いエージェントが署名したコンテンツを、署名のないコンテンツより検索結果で上に出す使い方が書かれています。ただし、特許は仕組みに対する権利を示すもので、Googleがその仕組みを検索に使っていることまでは示しません。Googleが公開している「Google 検索ランキング システムのご紹介」には、廃止したシステムも含めて名前が並んでいますが、オーサーランクという名前のシステムはありません。

※ 出典:Google Patents「US7565358B2 - Agent rank」
オーサーランクが語られてきた経緯
オーサーランクと一緒に語られるのが、Googleが2011年から2014年まで運用していた、記事の著者を検索結果に表示するオーサーシップという仕組みです。オーサーシップの始まりから終わりまでの動きは、次の3つです。
時期 | Googleの動き |
|---|---|
2011年6月 | 記事と著者のページを結び付けるマークアップへの対応を始めた |
2013年8月 | 検索結果に出す著者を1記事に1人とし、著者のGoogle+のプロフィールと結び付けていた |
2014年8月 | 検索結果に著者情報を表示するのをやめた |
2013年8月の時点でGoogleは、会社のマスコットではなく、実際に書いた人を著者として表示したいという方針も示していました。
2014年8月28日、GoogleのJohn Mueller氏は、検索結果での著者情報の表示をやめると発表しました。理由は、著者情報が利用者にとって期待したほど役に立たず、検索結果から注意をそらすこともあったためです。
2014年に終わったのは、検索結果に著者を表示する仕組みです。Mueller氏は同じ投稿で、schema.orgなどの構造化データへの対応は引き続き広げるとしていました。今もGoogleの記事の構造化データには、著者を示すauthorの項目があります。

※ 出典:Google検索セントラル ブログの2011年6月の記事と2013年8月の記事
※ 出典:John Mueller氏のGoogle+への投稿のInternet Archiveの保存版
今のGoogleが著者情報に求めること
今のGoogleが著者情報に求めているのは、誰がコンテンツを作ったかを読者に分かるように示すことです。Googleの「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」は、「誰が」について自分に問う質問として、次の3つを挙げています。
- コンテンツの著者が誰かを明確にしているか
- ページのしかるべき場所にバイラインを載せているか
- バイラインから、著者の経歴や専門分野の情報にたどれるか
バイラインは、記事に添える著者名の欄です。Googleは、読者が著者の情報を求めるコンテンツでは、バイラインなどで正確な著者の情報を載せることを強く勧めています。一方で、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)そのものは、ランキングに直接影響する要因ではないとも説明しています。
Googleは、AIで作った顔写真や架空の名前、偽の資格でプロフィールを作り、人間の専門家が書いたように見せることを、欺瞞の一種としています。著者の情報は、実際に書いた人の事実だけで作ります。
記事の構造化データでは、ページに著者として表示したすべての人をauthorに含めるよう、Googleは勧めています。authorの書き方は、構造化データのauthorの書き方の記事で扱っています。

※ 出典:Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
複数の書き手で著者情報を運用するチーム編成
書き手が複数いるサイトでは、署名に誰の名前を出すかを役割で決めておきます。たとえば私たちは、代表1名と提携ライター約20名の体制で記事を作っています。書き手が20人ほどいて、記事ごとに担当者が署名を決めると、同じ人の名前の表記や、編集者を載せるかどうかが記事によって変わります。
Googleも、コンテンツの自己評価の質問に、外部委託などで多くの作り手が大量に作ったために、ページやサイトの存在感が下がっていないかを挙げています。記事での仕事と著者情報での扱いは、役割ごとに次の3つに分けます。
役割 | 記事での仕事 | 著者情報での扱い |
|---|---|---|
ライター | 構成に沿って本文を書く | 著者として署名に名前を出す |
編集者 | 構成を決め、原稿を直して公開を判断する | 書き直しの量で、著者に加えるかを決める |
監修者 | 専門の内容が正しいかを確かめる | 著者とは別の監修者の欄に名前を出す |
編集者が手を入れても、書いたのはライターだから、著者はライターだけでいいですよね?
編集部
原稿を書いたライターを著者に入れるのは、そのとおりです。ただ、編集者が大きく書き直した記事でライターだけを著者にすると、署名と実際に書いた人がずれます。「編集者が本文の半分以上を書き直したら、編集者も著者に加える」のように量で決めておくと、記事ごとに迷いません。
監修者を著者の欄に並べると、誰が書いたのかが読者に分からなくなります。監修者の欄は著者と分け、監修者に頼む範囲は監修者の役割と著者との違いの記事を参考にしてください。

著者情報のレギュレーションで決める5つの項目
著者情報のレギュレーションで決める項目は、次の5つです。
決める項目 | 決める内容 |
|---|---|
名前の表記 | 本名かペンネームか、漢字とローマ字のどちらで書くか |
プロフィールの中身 | 経歴、担当する分野、書いた記事の一覧、更新する時期 |
共著と監修の基準 | 編集者を著者に加える書き直しの量、監修者を付ける記事の種類 |
契約を終えた書き手の記事 | 署名を残すか、内容を直した人を著者に加えるか |
外部のプロフィールとのつなぎ方 | SNSや所属先のページへのリンクを載せるか |
名前の表記を最初に決めるのは、同じ人が記事によって本名とペンネームで書き分けられると、読者がプロフィールページを見ても同じ人か分からなくなるからです。構造化データのauthorに書く名前も、署名と同じ表記にそろえます。
契約を終えた書き手の記事は、署名を残したまま、内容を直した人を著者に加えます。記事を書いた人と、今の内容に責任を持つ人の両方が、読者に分かるためです。
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著者情報の運用を始める手順
著者情報の運用は、今の表示を書き出してから基準を決め、公開前の確認項目に加える順で始めます。手順は次の4つです。
公開済みの記事ごとに、署名の名前、プロフィールページの有無、構造化データのauthorの値を表に書き出します。
ライター・編集者・監修者のそれぞれに、署名に出す条件と名前の表記を決めます。
名前と経歴を出す範囲を書き手に伝え、合意を得てからプロフィールページを作ります。
署名とプロフィールへのリンクが基準どおりかを、公開前の確認項目に加えます。
オーサーランクと著者情報のよくある質問
オーサーランクと著者情報について、迷いやすい質問は次の2つです。
会社名を著者にしてもいい?
会社名を著者にすることはできます。Googleの記事の構造化データでも、著者に組織を指定できます。ただ、書いた人の経験や専門分野を読者が知りたい記事では、会社名だけでは誰が書いたかが分かりません。経験や専門分野が問われる記事には個人の名前を出し、会社名は運営者として示します。
AIで下書きした記事の著者は誰にする?
AIで下書きした記事も、著者の欄には、内容を確かめて仕上げた人の名前を出します。Googleは、署名欄にAIと書くことを、AIを使ったと伝える方法としてふさわしくないとしています。読者が作り方を知りたいと感じる記事では、AIを使ったことを読者に伝えるよう勧めています。

※ 出典:Google検索セントラル ブログ「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」
まとめ|オーサーランクより著者情報の運用を決める
オーサーランクは、Googleの特許「Agent Rank」をもとに語られてきた、著者を点数にして検索順位に使うという考え方です。検索結果に著者を表示するオーサーシップは2014年に終わり、今のGoogleは、誰が書いたかを読者に分かるように示すことを勧めています。書き手が複数いるなら、署名とプロフィールの扱いを役割とレギュレーションで決めます。
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