「サイトリンクは、どこかに設定する欄があるはずだ」。自社サイトの検索結果の見え方を変えたいという相談で、そうした前提のご質問をいただくことがあります。Google広告には、広告文の下に並べるリンクを広告主が自分で入力する項目が同じ「サイトリンク」の名前で用意されているため、自然検索の側にも入力欄があると考えるほうがむしろ自然でしょう。
しかし、弊社はこれまで多くの企業サイトで、検索結果での見え方の改善に取り組んできました。その経験から言えるのは、自然検索のサイトリンクに入力欄は存在せず、Googleがサイトの構造と検索されたクエリから自動で選んでいるという点です。打ち手はサイトリンク側ではなくサイト側にしかありません。
本記事では、サイトリンクが表示される仕組みから、希望のページを出すために手を動かす箇所、出ないときに疑う順番、不要なリンクを消すときの判断まで、弊社が実務で確認している順にお伝えします。
- 自然検索のサイトリンクとGoogle広告のサイトリンクの決定的な違い
- サイトリンクが指名検索のときに出やすい理由と、2つの表示形式
- 希望のページを表示させるためにサイト側で行う4つの作業
- 表示されないときに、どの順番で原因を疑えばよいか
- 不要なページが出てしまったときに使える手段と、その副作用
Googleのサイトリンクとは
サイトリンクとは、Googleの検索結果でタイトルのリンクの下に、同じサイト内の別ページへのリンクが複数まとめて表示される仕組みを指します。会社名やサービス名で検索したときに、公式サイトの下へ「会社概要」「採用情報」「お問い合わせ」といったページが並ぶ、あの表示です。
呼び方は媒体によって揺れますが、Googleの公式ドキュメントでは「サイトリンク」で統一されています。サイトリンクはGoogleが自動で選んで表示する追加リンクです。ページを作った側が並び順や本数を決めているわけではありません。

検索結果でどのように見えるか
表示のされ方は一定ではありません。タイトルの下に複数行のブロックとして大きく並ぶこともあれば、説明文の下に一行だけ横並びで小さく添えられることもあります。本数も固定ではなく、同じサイトでも検索するクエリや端末によって変わってきました。
いま自分のパソコンで見えている形が、他の人の画面でも同じとは限りません。確認はシークレットウィンドウとスマートフォンの両方で行ってください。
Google広告のサイトリンクとの違い
混同されやすいのが、Google広告で設定する同名の機能です。広告の場合は管理画面でリンク先URLと表示テキストを広告主が入力し、内容を自分で決められます。
一方、自然検索のサイトリンクに入力欄はありません。ここを取り違えたまま管理画面を探し続けてしまう方が少なくないため、最初に整理しておくと時間の無駄を防げます。
広告のサイトリンクは「入力するもの」、自然検索のサイトリンクは「選ばれるもの」。同じ言葉でも、担当者がやるべき作業がまったく違います。
サイトリンクが表示される仕組み
Googleは、そのサイトの構造を解析し、検索した人にとって追加のリンクが役立つと判断した場合にサイトリンクを表示します。逆に言えば、役立つと判断されない検索では、どれだけサイトを整えても表示されません。
指名検索で出やすい理由
サイトリンクが出やすいのは、会社名・ブランド名・サービス名といった固有名詞で検索されたときです。理由は検索した人の目的から考えると分かります。
会社名を打ち込んだ人は、検索結果のページを読みたいというより、その会社のサイトの中のどこかへ行きたい状態にあります。行き先の候補を先に見せたほうが親切なため、Googleは主要ページを並べます。ところが「業務用エアコン 価格」のような一般的な言葉で検索した人は、まだどの会社のサイトへ行くかを決めていません。この段階で1社のサイト内リンクだけを広げても、比較したい人の役には立たないでしょう。
サイトリンクは、行き先が決まっている検索にだけ出る表示です。一般的なキーワードの検索結果で自社のサブページを複数並べたい、という要望は、この仕組みの外にあります。
表示は2つの形に分かれる
実務では、次の2つを分けて考えると話が早くなります。
表示形式 | 見え方 | 出やすい場面 |
|---|---|---|
複数行のサイトリンク | タイトルの下に主要ページが行を分けて並ぶ | 会社名・ブランド名での検索で、そのサイトが明確に1位のとき |
一行のサイトリンク | 説明文の下に関連ページが横一列で小さく並ぶ | 一般的なキーワードの検索で、複数ページが答えになりうるとき |
狙って作りにいけるのは前者だけだと考えてください。後者はクエリごとにGoogleが都度組み替えるため、サイト側から特定のページを指定する余地がほとんどありません。

サイトリンクが出るメリットと注意点
サイトリンクが表示されると、検索結果に占める面積が増えます。ただ、目立つこと自体を目的にすると判断を誤りやすいので、良い面と限界の両方を押さえておきましょう。
- 会社概要や採用情報など、目的別のページへ1クリックで着地させられる
- 検索結果での占有面積が広がり、同じ画面の他の結果より視認されやすくなる
- 公式サイトとして認識されている状態が、検索した人にも伝わる
- 表示のタイミングも本数もGoogleの判断で、指定はできない
- 出るのは指名検索が中心のため、新規の見込み客が増える効果は限定的
- 出したくないページが選ばれても、直接的に外す機能は用意されていない
とりわけ見落とされがちなのが、3つ目の限界です。表示は自動である以上、意図しないページが並ぶ可能性もセットで受け入れる必要があります。
希望のページを出すための4つの打ち手
設定欄がない以上、できるのは「このページが主要ページである」という手がかりをサイト側に増やす作業です。Googleが公式に挙げている推奨事項も、突き詰めればサイト構造とリンクの分かりやすさに集約されます。
トップページのタイトル、ロゴの代替テキスト、フッターの表記で、名乗る社名やサービス名を1つに揃えます。「株式会社◯◯」「◯◯株式会社」「◯◯」が混在していると、Googleがサイト名を確定しづらくなります。構造化データでサイト名を明示しておくと、判断材料がさらに増えます。
サイトリンクに出したいページは、全ページ共通のナビゲーションから直接たどれる位置に置きます。ここに入っていないページが選ばれることは、まずありません。逆に、ナビの項目数を欲張って15も20も並べると、どれが主要ページなのかが伝わりにくくなります。
内部リンクの文言は「詳しくはこちら」ではなく、リンク先の内容が分かる言葉にします。サイトリンクに表示される文言は、ページのタイトルや内部リンクの文言をもとに組み立てられるためです。同じページを指すリンクの文言が場所ごとにばらばらだと、表示名が安定しません。
XMLサイトマップに主要ページを漏れなく載せ、Search ConsoleでインデックスされているかどうかをURL単位で確認します。そもそもインデックスされていないページは、候補にすら入りません。どこからもリンクされていない孤立ページが主要ページになっていないかも、あわせて点検してください。
4つに共通しているのは、作業対象はサイトリンクではなく、サイト全体の構造だという点です。順位を上げるための施策と重なるものが多く、サイトリンクのためだけに特別な作業が発生するわけではありません。

なお、こうした構造の整理は反映まで時間がかかります。ナビを変えた翌週に検索結果が変わることは、ほとんど期待できません。
※ 反映までの期間はサイトの規模、更新頻度、クロールの頻度によって変わります。
サイト構造の見直しから手をつけるべきか、迷っていませんか?
ナビゲーションの設計、内部リンク、インデックスの状況まで含めて、検索結果での見え方に影響している箇所を洗い出します。サイトリンクだけを目的にせず、流入全体の改善としてご提案します。
表示されないときに疑う順番
「一通りやったのに出ない」という段階では、原因を上から順に切り分けると早く見当がつきます。実際に相談を受けたときも、次の順序で確認していくことが多いです。
- 自社名やサービス名での検索で、自社サイトが1位になっているか
- その名前が月にどのくらい検索されているか(Search Consoleの表示回数で確認)
- サイト名が一般的な単語や他社名と重なっていないか
- 主要ページがトップページから1クリックでたどり着けるか
- 似た内容のページが複数あり、どれが主要ページか分かりにくくなっていないか
上から3つは、サイト側の作業では動かしにくい項目です。とくに検索回数の少なさは、多くの企業サイトで最初の壁になります。誰も社名で検索していない状態では、行き先の候補を並べる必要がそもそも生まれません。

4つ目と5つ目は自分たちで手を入れられます。階層が深いページ、たとえばトップから3回も4回もクリックしないと届かないページは、内容が良くても候補に入りにくい傾向がありました。
サイト名が一般的な単語と同じ場合、検索した人の意図が自社サイトに向いているとGoogleが判断しにくくなります。社名の変更は現実的でないため、この場合は「社名+業種」など複合の指名検索で表示を狙うほうが現実的です。
不要なサイトリンクを消す方法
意図しないページが並んでしまったとき、真っ先に探されるのがSearch Consoleの設定です。かつては特定のURLを表示されにくくする降格機能が用意されていましたが、2016年に廃止され、現在は個別に外すための機能がありません。
取れる手段は、そのページ自体の扱いを変えることに限られます。ただし、どれも検索結果全体に影響が及ぶため、順番を間違えないようにしてください。
- サイトリンクから消したいだけの理由で、集客できているページにnoindexを付ける
- 内部リンクをすべて外して孤立させ、ページだけを残す
- ページを削除したあと、リンク元の修正やリダイレクトを行わないまま放置する
現実的な手順としては、まず「そのページを検索結果に出す必要があるか」を判断します。不要であればページを削除するか、noindexで検索結果から外します。必要だが主要ページに見せたくないだけであれば、ナビゲーションから外し、内部リンクの本数を主要ページ側へ寄せるほうが副作用は小さくなります。
noindexは検索結果からページごと消える指定です。サイトリンクだけを消す指定ではないため、そのページに検索からの流入がある場合は失う流入量を先に確認してください。
サイトリンクを目標に置かない理由
ここで、企業サイトの検索まわりを見てきた立場から本音をお伝えします。サイトリンクの表示を月次の目標に設定するのは、あまりおすすめしません。
競合の会社名で検索するとサイトリンクが出ているのに、うちだけ出ていません。何か対策が抜けているのでしょうか。
編集部
抜けている作業がある場合もありますが、多くは順番の問題です。サイトリンクは、その会社名で検索する人がある程度いて、初めて意味を持つ表示になります。競合の側は先に名前が知られていて、その結果として出ている可能性が高いと見ています。まずは自社名の検索回数がどう動いているかを確認してみてください。
Search Consoleの検索パフォーマンスで自社名を含むクエリを絞り込むと、表示回数の推移が見えます。ここが伸びていないのに表示形式だけを追いかけても、手数のわりに動きません。
サイトリンクは目標ではなく、指名検索が増えた結果として現れる表示です。会社名で検索される回数を増やすには、検索経由で読まれる記事、展示会や広告での接触、他社サイトでの紹介といった、サイトの外側での露出を積み重ねる必要があります。
順序としては、まず記事などのコンテンツで名前を知ってもらう。次に指名検索が増える。その結果として、検索結果での見え方が変わる。遠回りに思えても、こちらのほうが確実です。
社名で検索されるところから、どう作りますか?
指名検索を増やす入口は、悩みを持つ人に読まれる記事です。キーワードの選定から執筆、公開後の改善まで実務を代行し、まず何本から始めるべきかの見立てもお出しします。
よくある質問
できません。以前は表示させたくないURLを下げる機能がありましたが2016年に廃止され、現在は設定項目そのものが存在しません。働きかけられるのはサイト構造と内部リンクの側だけです。
期間の保証はありません。数週間で変わる場合もあれば、指名検索が増えるまで何か月も動かない場合もあります。
できません。順番も本数も検索するクエリや端末に応じてGoogleが決めています。特定の並びを前提にした運用は避けてください。
出せません。検索結果にサイト内検索の入力欄が並ぶ形式は2024年に終了しており、対応していた構造化データも表示には使われなくなりました。新たに実装する意味はありません。
まとめ|サイトリンクは設定でなく選定の結果
Google検索結果に表示されるサイトリンクは、広告のように入力して出す表示ではなく、サイトの構造と検索のされ方からGoogleが選ぶ表示です。手を動かせるのは、サイト名を1つに揃えること、主要ページをナビゲーションから直接たどれる位置に置くこと、内部リンクの文言をページ名に揃えること、インデックス状況を確認することの4点に集約されます。
そして表示の有無を最も大きく左右するのは、会社名やサービス名でどれだけ検索されているかです。ここが動かないまま表示形式だけを追いかけても、成果には結びつきにくいでしょう。サイトリンクは結果を映す表示であって、目標に据える指標ではないと考えています。
私たち合同会社Writers-hubは、検索経由で読まれる記事の制作と、サイト全体の検索まわりの改善を手がけています。自社名での検索を増やす段階からご相談いただければ、記事の企画とサイト構造の整理を両方の側から進められます。
どこから着手すべきか、状況をうかがってから決めませんか?
サイト構造の整理を先にすべきか、記事を増やして知られる状態を作るのが先か。判断は現在の検索状況によって変わります。貴社のサイトを拝見したうえで、最初の一手をご提案します。








