「リライトの優先順位は、直す記事を自動で選んでくれるツールを入れれば決まりそう」。そう考えて、まず専用のツールを探しがちです。ところが、優先順位の元になる表示回数、クリック数、掲載順位は、Googleの無料サービスであるSearch Consoleにそろっています。決め手になるのはツールの種類ではなく、何位のどんな記事から直すかという基準です。
本記事では、優先順位を決める4つのツールの使い分けから、Search Consoleで直す記事を選ぶ手順、直したあとの効果の確かめ方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 直す記事の候補を選ぶ数字は無料のSearch Consoleにそろっていて、専用のツールが無くても優先順位を決められる
- 先に直すのは、11〜30位で表示回数の多い記事、表示回数のわりにCTRが低い記事、前の期間よりクリックが減った記事
- 問い合わせにつながっている記事は、GA4のキーイベントで見分けて順番を上げる
- 1〜10位で安定している記事は全面的に書き直さず、事実が変わった箇所とタイトルだけを直す
- 効果は数週間空けてから、直す前と同じ長さの期間の数字と比べて確かめる
リライトの優先順位を決められる4つのツール
リライトの優先順位を決めるツールは次の4つで、なくてはならないのはGoogle Search Console(以下、Search Console)だけです。
| Search Console | GA4 | 表計算ソフト | 競合を調べるSEOツール | |
|---|---|---|---|---|
| 見られる数字 | 記事ごと、検索語ごとの表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位 | 記事ごとの問い合わせなどのキーイベントの数 | 書き出した数字を並べ替えた表と、直した記録 | 競合サイトが上位を取っているKW、自社と競合の順位の推移 |
| 優先順位での使い道 | 直す記事の候補を選ぶ | 問い合わせにつながる記事の順番を上げる | 候補を並べ、毎月見直す | 直す記事を決めたあと、競合との差を調べる |
Search Consoleは、自社サイトの記事がGoogle検索で何回表示され、何回クリックされたかを、記事ごと、検索語ごとに見られるGoogleの無料サービスです。直す記事の候補を選ぶ数字は、Search Consoleだけでそろいます。
GA4は問い合わせの数を足すときに、表計算ソフトは候補を並べて記録を残すときに使うツールです。AhrefsやSemrushなどのSEOツールでは、競合サイトが上位を取っているKWや、自社と競合の順位の推移を調べられます。競合を調べるツールを入れるのは、直す記事が決まり、競合の記事と比べる段階からでも遅くありません。
サーチコンソールで優先順位を決める手順
Search Consoleでリライトの優先順位を決めるには、記事ごとの数字を書き出し、次の5つの手順で直す記事を絞り込みます。
検索パフォーマンスレポートの「ページ」タブを開き、グラフの上にある指標の見出しを切り替えて、クリック数、表示回数、CTR、平均掲載順位の4つを表に並べます。期間は、レポートを開いたときの過去3か月のままで構いません。表は「エクスポート」ボタンから書き出せます。
書き出した記事を、平均掲載順位で1〜10位、11〜30位、31位以下に分けます。本文を直す最初の候補は、11〜30位の記事です。11〜30位は、検索結果の2ページ目から3ページ目あたりで、表示回数はあるのにクリックされにくい位置です。表の平均掲載順位は、その記事が表示されたすべての検索での平均なので、主な検索語ごとの順位は、記事を選んだあとに「クエリ」タブで確かめてください。
11〜30位の記事を、表示回数の多い順に並べます。表示回数が多い記事ほど、順位が上がったときに増えるクリックが大きいからです。
あわせて、順位帯を問わず、CTRが同じ順位帯のほかの記事より低い記事に印を付けます。Googleのガイドでは、表示回数が変わらないのにクリック数が減る原因の1つとして、ページのタイトルとスニペット(検索結果に出る説明文)が内容を伝えきれていないことが挙げられています。印を付けた記事は、本文より先にタイトルと説明文を見直す候補です。
日付フィルタの「比較」で直近3か月とその前の3か月を並べ、「クリック数の違い」で並べ替えると、クリックが大きく減った記事が上にきます。減った記事のうち11〜30位に入っていないものも、候補に足しましょう。
GA4の「レポート」から「エンゲージメント」の「ランディングページ」を開き、セカンダリディメンションに「セッションの参照元/メディア」を足します。参照元がGoogleの自然検索の行を見ると、検索から入った人が記事ごとに何回キーイベントを起こしたかが分かります。キーイベントの数が入るのは、問い合わせの送信などのイベントにキーイベントとして印を付けている場合だけです。キーイベントのある記事は、同じ候補の中で順番を上げます。
5つの手順で並べた候補は、まず上から3本ほどに絞りましょう。一度に直す本数を絞ると、どの直し方が効いたかを記事ごとに確かめられます。

とりわけ見落とされがちなのが、GA4のキーイベントを設定していないサイトでの順番の決め方です。Search Consoleの表だけでは問い合わせの数が分からないため、「〇〇 費用」「〇〇 依頼」のように依頼先を探す検索語で表示されている記事を、「〇〇とは」で表示されている記事より先に回します。
どの記事が問い合わせに近いか、KWから決めきれていませんか
記事コンテンツの制作支援のKW戦略設計では、検索意図の構造を読み解き、どのKWから狙うかの順番をロードマップにします。優先順位の表に並んだ記事のうち、どれを先に直すかを決める材料にもなるはずです。
後回しにしてよい記事の見分け方
リライトを後回しにしてよいのは、次の3つのどれかに当てはまる記事です。
- 1〜10位で、クリック数が安定している記事
- 表示回数がほとんど無い記事
- 前年の同じ時期にも同じように減っていた記事
1〜10位で安定している記事は、全面的に書き直すと、すでに得ているクリックを失うおそれがあります。Googleのガイドにも、「すでにページのパフォーマンスが良好であれば、根本的な変更は避けたほうがよいでしょう」と書かれています。

表示回数がほとんど無い記事は、直しても前後の数字の差が小さく、効果を確かめられません。直すより先に、記事で狙うKWそのものを見直す候補です。
前年の同じ時期にも減っていた記事は、減り方が季節によるもので、記事の中身が原因とは限りません。日付フィルタで「過去16か月」を選ぶと、前年の同じ時期と見比べられます。
1位の記事も、公開から1年以上たって内容が古くなってきました。全面的に書き直したほうがいいでしょうか。
編集部
古くなった箇所は直すべきですが、全面的な書き直しは避けたほうが安全です。直すのは、数字や制度の説明、リンク切れのように事実が変わった箇所だけで十分です。CTRが同じ順位帯のほかの記事より低いなら、本文より先にタイトルと説明文を見直してください。
優先した記事で直す箇所の見つけ方
優先した記事で直す箇所は、Search Consoleでその記事が表示されている検索語を確かめ、上位10ページと見比べると見つかります。
直す前の4週間の表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位を、優先順位の表と同じシートに控えます。直したあとに、同じ長さの期間と比べるための数字です。
検索パフォーマンスレポートの「ページ」タブで記事の行をクリックすると、データがその記事だけに絞り込まれ、「クエリ」タブに表示された検索語が並びます。表示回数が多いのに記事の中で答えていない検索語は、見出しを足す候補です。表示回数が最も多い検索語がタイトルに入っていなければ、タイトルの見直しも要るでしょう。
表示回数の多い検索語で実際に検索し、上位10ページの見出しを書き出して、多くのページが答えているのに自分の記事に無い論点を探します。検索結果は、検索した時間や場所、端末、検索した人の履歴で変わるため、Search Consoleの順位と同じになるとは限りません。
直す箇所は、上位ページとの差を項目で書き出すと決まります。「上位の記事のほうが充実している」と書き留めても、何を足すかは決まりません。「上位10ページのうち7ページに費用の節があり、自分の記事には無い」と書き出せば、足す見出しが1つ決まります。
足すのは、上位にあるからではなく、読者が答えを得るのに要る論点だけです。上位に並ぶ論点でも、記事の問いから外れるものを足すと、読者が答えにたどり着くまでに読む量が増えます。
リライトの効果を確かめる時期と比べ方
リライトの効果を確かめるのは、直した記事のクロールをGoogleにリクエストしてから数週間後で、比べる相手は直す前の同じ長さの期間の数字です。
Search Consoleのプロパティの所有者かフルユーザーなら、URL検査ツールで直した記事のインデックス登録をリクエストできます。Googleの案内によると、クロールには数日から数週間かかることがあり、同じURLに何度もリクエストしても早くはなりません。

サイトを変えたあとの確かめ方として、Googleのガイドでは、一般的には数週間待ってからSearch Consoleで再度分析し、掲載順位に良い効果があったかを確かめることが勧められています。効果が出るまでの期間は、数日の場合もあれば数か月かかる場合もあります。比べるときは、日付フィルタの「比較」で、直したあとの期間と直す前の同じ長さの期間を並べましょう。週単位で集計すれば、曜日による増減の影響も小さくできるでしょう。
結果が出る前に同じ記事へ重ねて手を入れると、どの直し方が効いたのか分からなくなります。直した記事ごとに、次の4つを優先順位の表に記録しておきます。
- 記事のURL
- 直した日
- 直した箇所
- 直す前と直したあとの表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位
記録がたまると、タイトルの見直しと見出しの追加のどちらが効いたかを、自分のサイトの数字で見分けられるはずです。GoogleはSearch Consoleを月に1回程度確かめることを勧めているので、優先順位の表も月に1回作り直すと、数字を確かめる作業が一度で済みます。

リライトの優先順位のよくある質問
リライトの優先順位では、新しい記事とリライトのどちらを先にするか、AIにどこまで任せられるかの2点がよく問われます。
新しい記事とリライトはどっちが先?
11〜30位で表示回数のある記事があるなら、リライトが先です。表示回数がある記事なら、順位が上がったときのクリックの増え方を数字で確かめられるからです。狙うKWの記事がまだ無いときや、表示回数のある記事がほとんど無いサイトでは、新しい記事を書くほうが先になります。
優先順位はAIに決めてもらえる?
書き出した表を生成AIに渡せば、順位帯での分類や並べ替えの手間は減らせます。ただし、どの記事が問い合わせにつながるかは、Search Consoleの表に無い情報です。問い合わせに近い記事は、GA4のキーイベントと事業を知る人の判断で見分けます。
まとめ|ツールより先に決める優先順位の基準
リライトの優先順位は、無料のSearch Consoleの数字に、何位のどんな記事から直すかという基準を当てはめて決めるものです。11〜30位で表示回数の多い記事、CTRの低い記事、クリックが減った記事を候補にし、問い合わせにつながる記事の順番を上げましょう。
次にSearch Consoleを開いたら、過去3か月の記事ごとの数字を書き出し、直す記事を3本選んでください。
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