「構造化データテストツールが使えなくなったなら、リッチリザルトテストで同じ確認ができそう」。Googleが2020年7月に、構造化データテストツールのサポートを終える予定だと伝えてリッチリザルトテストを勧めたため、後継だと思われがちです。ところが、構造化データテストツールそのものはschema.orgのスキーママークアップ検証ツールに移り、リッチリザルトテストとは確かめる範囲が違います。書き方は検証ツール、Googleの要件はリッチリザルトテストで見ます。
本記事では、2つのツールの違いと使い方から、数千ページを超えるサイトでテンプレートごとに確かめる流れまで、大規模サイトのテンプレートの最適化を支援する立場で順を追ってお伝えします。
- 構造化データテストツールは、schema.orgのスキーママークアップ検証ツールに移り、Google固有のチェックは外れた
- schema.orgの書き方は検証ツールで、Googleのリッチリザルトの対象になるかはリッチリザルトテストで確かめる
- FAQPageやサイト名に使うWebSiteは、リッチリザルトテストでは確かめられない
- 数千ページを超えるサイトでは、テンプレートごとに代表のページを2つのツールにかけ、誤りはテンプレートとデータで直す
構造化データテストツールの移行先
構造化データテストツールは、2021年にschema.orgの「スキーママークアップ検証ツール」(Schema Markup Validator)へ移りました。移った先のツールからはGoogle検索のリッチリザルトを確かめる機能が外され、リッチリザルトの対象になるかはリッチリザルトテストで確かめます。

Googleは2020年12月に方針を改め、構造化データテストツールを改良してschema.orgのコミュニティ向けの新しいドメインへ移すと発表しました。新しいツールの主な目的は、マークアップの構文とschema.orgの規格に沿っているかの確認です。
2021年8月からは、構造化データテストツールのURLを開くと、2つのツールを選べるGoogleのページへ転送されます。転送先のページでGoogleは、まずリッチリザルトテストで確かめ、schema.orgの一般的な検証にはスキーママークアップ検証ツールを使うよう勧めています。

※ 出典:Google検索セントラル ブログ「構造化データ テストツールに関する最新情報」
検証ツールとリッチリザルトテストの違い
スキーママークアップ検証ツールとリッチリザルトテストの違いは、照らし合わせる決まりです。検証ツールはschema.orgが定める種類とプロパティに、リッチリザルトテストはGoogleのリッチリザルトの要件に照らして誤りを示します。
| スキーママークアップ検証ツール | リッチリザルトテスト | |
|---|---|---|
| 照らす決まり | schema.orgの種類とプロパティ | Google検索のリッチリザルトの要件 |
| 確かめられる種類 | schema.orgのすべての種類 | 記事、パンくずリスト、商品スニペット、求人情報など、Googleが対応する種類 |
| 結果に出るもの | 見つかった種類ごとのエラーと警告 | リッチリザルトの対象になるか、エラーと警告、一部の種類の検索結果のプレビュー |
Googleは、イベントのリッチリザルトを狙うEventのマークアップには、リッチリザルトテストとSearch Consoleが適しているとしています。Googleが例に挙げたExercisePlanのように、Google検索で使われていない種類を検証するだけなら、検証ツールを使えます。

とりわけ見落とされがちなのが、リッチリザルトテストが確かめる種類の狭さです。リッチリザルトテストのヘルプにある対応の一覧に、よくある質問(FAQPage)は入っていません。ホームページでサイト名を伝えるWebSiteの構造化データも、リッチリザルトテストでは確かめられません。Googleは、スキーママークアップ検証ツールなどで検証するよう案内しています。

※ 出典:Google検索セントラル「Google 検索に対してサイト名を指定する」
スキーママークアップ検証ツールの使い方
スキーママークアップ検証ツールにURLかコードを入れてテストを実行すると、見つかった構造化データが種類ごとに並び、それぞれのエラーと警告の件数が出ます。手順は次の4つです。
スキーママークアップ検証ツールを開き、公開済みのページは「URL を取得」のタブにURLを入れます。公開前のページは、「コード スニペット」のタブにHTMLかJSON-LDを貼り付けます。
「テストを実行」を押します。robots.txtでブロックされているURLや、サーバーがステータスコード200を返さないURLは、エラーが表示されてテストできません。そのときは、ページのHTMLを「コード スニペット」に貼り付けます。
結果には、BlogPostingやBreadcrumbListのように、ページで見つかった種類ごとにエラーと警告の件数が出ます。表示を「エラーのあるエンティティ」に絞ると、直す必要のある種類だけが残ります。
エラーが出た種類を開き、指摘されたプロパティを直してから、もう一度テストを実行します。
検証ツールのエラーは、文面から直す場所が分かります。文面と直す場所の例は次の4つです。
表示される文面 | 意味 | 直す場所 |
|---|---|---|
タイプ〇〇は…定義されているタイプではありません | @typeに、schema.orgに無い種類名が入っている | @typeの値 |
タイプ〇〇のオブジェクトではプロパティ〇〇は…認識されません | その種類に、schema.orgが定めていないプロパティを書いている | プロパティ名か、入れる種類 |
〇〇には有効な URL を指定する必要があります | URLを入れるプロパティに、URLでない値が入っている | テンプレートが差し込む値 |
値〇〇は日時として解析できません | 日付が、ISO 8601の形式になっていない | 日付を出力する形式 |
リッチリザルトテストの使い方
リッチリザルトテストにURLかコードを入れてテストを実行すると、ページの構造化データがGoogleのリッチリザルトの対象になるかが分かります。
URLでテストすると、Googleが匿名のユーザーとしてページを取りに行くため、パスワードやファイアウォールで守られたページは確かめられません。JavaScriptで構造化データを出すページは、コード入力にCORSなどの制限があるため、GoogleはURLでのテストを勧めています。
結果の最初に出るURLのステータスで、リッチリザルトの対象になるかが分かります。「N 件の有効なアイテムを検出しました」なら対象になり、「N 件の無効なアイテムを検出しました」なら重大な問題があって対象になりません。エラーのあるアイテムは対象外になり、警告だけなら対象に残ります。画像のプロパティが欠けているという警告なら、画像の無いリッチリザルトとして表示されることがあります。
テスト結果は「共有」ボタンでリンクにでき、約90日間はアクセス権限なしで開けます。テンプレートを直す開発の担当者に、エラーの画面をそのまま渡せます。
検証ツールでエラーが0件なら、リッチリザルトテストにはかけなくてもよいですよね?
編集部
schema.orgの書き方に誤りが無い、というところまでは言えます。ただ、検証ツールは、Googleのリッチリザルトに要るプロパティが足りているかまでは確かめません。商品や求人のように検索結果での表示を狙う種類は、リッチリザルトテストにもかけてください。
大規模サイトでテンプレートから確かめる流れ
数千〜数万ページのサイトでは、構造化データをページの種類ごとのテンプレートから出力しているため、2つのツールで確かめる単位もテンプレートにします。どちらのツールも1回に調べるのは1つのURLかコードで、ページを1件ずつ入れていく方法では全ページを確かめ終えられません。
同じテンプレートから作られたページは構造化データの組み立てが同じで、違うのはデータベースから差し込む値だけです。テンプレートごとに代表のページを選べば、数件のテストで済みます。空欄の項目があるページのように差し込む値が違うページは、代表のページとは別に1件ずつ加えます。
ページの種類ごとに、出力する構造化データの例と、リッチリザルトテストで確かめられるかを並べると次のとおりです。スキーママークアップ検証ツールは、どの種類も確かめられます。
ページの種類 | 出力する構造化データの例 | リッチリザルトテストでも確かめる種類 | 検証ツールだけで確かめる種類 |
|---|---|---|---|
商品や求人の詳細ページ | Product、JobPosting、BreadcrumbList | すべて | なし |
記事ページ | Article、FAQPage、BreadcrumbList | ArticleとBreadcrumbList | FAQPage |
トップページ | WebSite、Organization | Organization | WebSite |

テンプレートから確かめる手順は、次の5つです。
テンプレートの一覧を作り、それぞれが出力する構造化データの種類と、各プロパティに値を入れるデータベースの項目を書き出します。
テンプレートごとに代表のページを選び、スキーママークアップ検証ツールで全種類のエラーと警告を見ます。FAQPageやWebSiteのように、リッチリザルトテストが確かめない種類もここで見ます。
同じページをリッチリザルトテストにかけ、商品や記事のようにGoogleが対応する種類が、リッチリザルトの対象になるかを見ます。
誤りはページでなくテンプレートで直します。同じテンプレートの一部のページだけでエラーが出るときは差し込む値が原因なので、値を直すか、空欄の項目を出力しない条件をテンプレートに足します。
公開後は、Search Consoleの拡張機能(商品は「ショッピング」)にあるリッチリザルトレポートで、種類ごとの有効なアイテムと無効なアイテムの数を見ます。記事や組織のようにレポートが用意されていない種類は、テンプレートを変えるたびに代表のページを2つのツールにかけ直します。
構造化データの値がページの表示と合っているかは、2つのツールでは確かめられません。画面に出ていない内容をマークアップしないという決まりは、Googleの品質に関するガイドラインの1つです。Googleは、品質に関するガイドラインを自動化ツールで簡単にテストできないとしています。テンプレートごとに1ページを開き、価格や日付などの値が画面の表示と同じかを見比べます。

※ 出典:Google検索セントラル「構造化データに関する一般的なガイドライン」
構造化データを初めて入れるときの順序と、数ページだけで確かめる手順は、マークアップを入れる順序の記事で扱っています。
テンプレートが多く、どこから確かめればよいか決めかねていませんか
ページの種類ごとに出力している構造化データは、テンプレートを直せば、その種類の全ページで直ります。データベースSEOのテンプレートの最適化では、title・meta description・構造化データをページの種類ごとに整えます。
構造化データテストツールのよくある質問
構造化データテストツールとリッチリザルトテストについての質問を2つ取り上げます。
旧ツールのURLはもう使えない?
構造化データテストツールのURLは今も開けますが、2つのツールを選ぶGoogleの「構造化データ マークアップをテストする」のページへ転送されます。ブックマークは、使う目的に合わせてスキーママークアップ検証ツールかリッチリザルトテストのURLに替えます。
テストで有効なのに表示されないのはなぜ?
リッチリザルトテストで有効と出ても、検索結果に表示されるとは限りません。Googleは、検索履歴や位置情報、デバイスの種類などに応じて、リッチリザルトよりテキストの検索結果が適すると判断することがあるとしています。原因を確かめる順番は、リッチリザルトを出す手順と表示されない原因の記事で扱っています。
まとめ|書き方は検証ツール、表示の要件はリッチリザルトテスト
構造化データテストツールの役割は、schema.orgのスキーママークアップ検証ツールが引き継ぎました。Googleのリッチリザルトの要件は、リッチリザルトテストで確かめます。数千ページを超えるサイトでは、2つのツールをテンプレートごとの代表のページにかけ、誤りはテンプレートとデータベースの値で直します。
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構造化データとあわせて、インデックスや内部リンクも見直したいときは
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