「構造化データを入れれば、SEOに効いて検索順位も上がりそう」。SEO対策のチェックリストや制作会社の見積もりに「構造化データの実装」という項目が並んでいると、入れた分だけ評価が上がる施策のように見えます。ところが、Googleが構造化データの説明ページで挙げている効果は、検索結果でリッチリザルトとして目立つ表示になることと、ページの内容をより正確に理解できることの2つです。構造化データが変えるのは、順位ではなく検索結果での見え方と内容の伝わり方です。
本記事では、2つのメリットの中身から、リッチリザルトが今も出るページの種類、効果の確かめ方まで、記事制作会社の視点で、Googleの公式ドキュメントに沿って順にお伝えします。
- 構造化データのメリットは、検索結果での見え方が変わることと、Googleにページの内容が伝わることの2つです
- Googleは構造化データの効果を順位の上昇として説明しておらず、AI検索のために足す特別な構造化データもありません
- リッチリザルトが出るのはGoogleが対応する種類のページだけで、FAQのリッチリザルトは2026年5月から表示されていません
- 効果は、Search Consoleで構造化データを入れる前と後の数か月を比べて確かめます
構造化データの2つのメリット
構造化データのメリットは、検索結果での見え方が変わることと、Googleにページの内容が伝わることの2つです。構造化データとは、商品の価格や記事の公開日といったページの情報を、検索エンジンが決まった形式で読み取れるように書いたデータを指します。

検索結果での見え方が変わること
構造化データを書いたページは、検索結果で価格や評価、パンくずリストなどを添えた表示の対象になります。Googleはこの表示をリッチリザルトと呼んでいます。ユーザーの興味をひく検索結果を表示できるようになり、サイトの利用が増えることが期待できると説明しています。
Googleの構造化データの説明ページには、クリック率が上がった事例も載っています。Rotten Tomatoesでは、構造化データを10万ページに追加し、構造化データを含むページのクリック率が、含まないページに比べて25%増えました。Nestléでは、リッチリザルトを表示するページのクリック率が、表示しないページより82%高くなっています。どちらも各社のページどうしの比較で、どのサイトでも同じ差が出るわけではありません。
ただし、構造化データを正しく書いても、リッチリザルトが表示されるとは限りません。Googleは構造化データに関する一般的なガイドラインで、検索履歴や位置情報、デバイスの種類などに応じて、リッチリザルトとテキストだけの検索結果のどちらを出すかを決めると説明しています。

Googleにページの内容が伝わること
構造化データでページの意図を伝えると、Googleはページの内容をより正確に理解できるようになります。Googleは、構造化データをページの内容の把握に使うだけでなく、マークアップに含まれる人物や会社などの情報を、Web全体と世の中についての情報としても集めています。
たとえば、記事の構造化データ(Article)を書くと、ニュース記事であることや作成者、タイトルを明示的にGoogleに伝えられます。会社のホームページに組織の構造化データ(Organization)を書くと、Googleは組織の管理情報を把握し、検索結果でほかの組織と区別できるようになります。
構造化データで検索順位は上がるか
構造化データを書いても、検索順位が上がるとは限りません。Googleの構造化データの説明ページは、順位の上昇には触れていません。
Googleは2025年6月に、利用の少ない構造化データの表示を段階的に終えると発表した際も、この変更はページの検索順位に影響しないと説明しています。
構造化データを入れるかどうかは、順位ではなく、リッチリザルトが出る種類のページを持っているかで判断します。
AI検索に構造化データは要るか
AI検索のために、構造化データを足す必要はありません。Googleは「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」というページで、生成AI検索に構造化データは必要なく、追加すべき特別なschema.orgのマークアップもないと書いています。
同じページは、構造化データがリッチリザルトの対象になるのに役立つため、SEOの取り組みの一部として引き続き使うことを勧めています。

リッチリザルトが出るページの種類
リッチリザルトが出るのは、Googleが検索ギャラリーで対応を示している種類のページだけです。企業のサイトで当てはまりやすい7つのページと、検索結果で変わる表示は次のとおりです。
ページの種類 | 使う構造化データ | 検索結果で変わる表示 |
|---|---|---|
ブログやニュースの記事 | 記事(Article) | 記事のタイトル、画像、日付の表示 |
階層の下にあるページ | パンくずリスト(BreadcrumbList) | サイトの階層の中での位置。パソコンの検索結果だけに出る |
会社のホームページ | 組織(Organization) | ロゴ、正式名称、住所、連絡先。ナレッジパネルなどに出る |
店舗や事務所のページ | ローカルビジネス(LocalBusiness) | 営業時間、評価、経路。ナレッジパネルに出る |
商品のページ | 商品(Product) | 価格、在庫状況、レビューの評価、配送情報 |
求人のページ | 求人情報(JobPosting) | Googleの求人検索でのロゴ、クチコミ、評価、仕事の詳細 |
動画を載せたページ | 動画(VideoObject) | 動画の情報。再生やライブ配信の表示もできる |
検索ギャラリーに載っている種類でも、日本では使えないものや、自社のサイトでは対象外になる使い方があります。イベントの構造化データは、Googleのイベント検索機能の提供地域に日本が入っていません。自社のサイトに載せた自社への評価は、Googleのクチコミのウィジェットで埋め込んだものも含めて、組織とローカルビジネスの構造化データでは星の表示の対象外です。

表に無い種類のページを持っているときは、Googleの検索ギャラリーで、そのページに合う構造化データがあるかを確かめます。

FAQやHowToの構造化データはまだ効くか
FAQやHowToの構造化データを書いても、今のGoogle検索ではリッチリザルトは出ません。HowToのリッチリザルトは、2023年9月13日にパソコンでも表示されなくなり、サポートが終わりました。FAQのリッチリザルトは2023年8月に、よく知られた政府と医療のサイトだけに表示が絞られ、2026年5月7日以降はGoogle検索に表示されなくなっています。
Googleは2025年6月にも、コース情報や給与推定額などの構造化データについて、検索結果での表示を段階的に終えると発表しました。数年前の解説記事が勧める構造化データは、今は表示の対象から外れていることがあります。
前の制作会社が入れたFAQの構造化データが、まだページに残っています。外したほうがいいですか?
編集部
外す判断は間違いではありませんが、急ぐ必要はありません。Googleは2023年にFAQの表示を絞ったときの告知で、使われなくなった構造化データを残しても検索で問題は起きないと説明しています。ページを作り直すときに、まとめて外せば足ります。
構造化データのデメリット
構造化データのデメリットは、書いた後もページの内容と合わせ続ける手間がかかることです。価格や日付、著者を本文で直したら、構造化データも同じ値に直す必要があります。
Googleは、ページの読者に表示されない内容をマークアップしないよう求めています。構造化データに問題があるページは手動による対策を受けることがあり、対策を受けるとリッチリザルトとして表示されなくなります。Googleは、構造化データに関する手動による対策は、Web検索での掲載順位には影響しないとしています。
構造化データに関する手動による対策を受けたかは、Search Consoleの「手動による対策」レポートで確かめられます。
ページの更新に構造化データを合わせ続ける運用の作り方と、JSON-LDの書き方は、schema.orgとは?構造化データが効くページと書き方を解説で解説しています。
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構造化データの効果の確かめ方
構造化データの効果は、Search Consoleで構造化データを入れる前と後の数か月を比べて確かめます。Googleは、手間をかける価値があるかを判断する方法として、いくつかのページで追加の前後を比べるテストを勧めています。
構造化データを入れていないページをいくつか選び、Search Consoleで数か月分のデータを集めます。季節や公開時期の影響を受けにくく、ある程度の回数見られているページを選びます。
ページに構造化データを追加し、URL検査ツールで、マークアップが有効でGoogleが検出したことを確かめます。
検索パフォーマンスのレポートで数か月分を記録し、URLで絞り込んで、追加の前後のクリック数とクリック率を比べます。

ページの多いサイトでは、Search Consoleの[拡張機能]にあるリッチリザルトのレポートで、Googleが検出した有効な項目と無効な項目の数を確かめます。商品のレポートは[ショッピング]にあり、どのレポートも、Googleが有効なマークアップを検出した種類の分だけ表示されます。
まとめ|順位でなく見え方と伝わり方に効く
構造化データのメリットは、検索結果でリッチリザルトとして表示されることと、Googleにページの内容が伝わることの2つです。順位が上がるとは限らず、AI検索のための特別な構造化データも要りません。入れるかは、リッチリザルトが今も出る種類のページかで決めます。
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