「ホームページのリニューアルは、新しいデザインを決めるところから始めるもの」。リニューアルを考え始めるきっかけは「見た目が古い」「スマホで見にくい」といった見た目の不満であることが多く、見た目から手を付けるのが自然だと思われがちです。ところが、リニューアルの後も検索から人が来るかは、デザインより先に、今のページのURLと本文を新しいサイトのどこへ引き継ぐかを決めたかで変わります。Google検索セントラルの「サイトを移転する方法」にも、元のURLから新しいURLへの対応づけは「重要な項目」だと書かれています。
本記事では、リニューアルが要るかの見極めから公開後の確認まで、ホームページを作る側の視点で順を追ってお伝えします。
- 作り直しが要るのは、スマホ対応や更新の仕組みが、今のサイトの作りのままでは直せないときです
- URLと本文をどこへ引き継ぐかは、デザインに入る前に、ページごとの対応表で決めます
- 引き継ぐページは、検索からのクリックとほかのサイトからのリンクがあるページです
- 引き継ぎ先の無いページは、トップページへ転送せず、404のエラーを返します
- 公開後の数週間は、404のエラーと検索からのクリック数をページごとに見ます
ホームページのリニューアルが要るかの見極め方
ホームページのリニューアルが要るのは、今のサイトの作りのままでは直せない問題があるときです。よく当てはまるのは次の4つで、どれか1つに当てはまれば作り直しが要ります。
- スマホで開くと文字が小さく、画面の横にはみ出す
- 営業時間や料金を変えるたびに、制作会社に頼まないと直せない
- 事業やサービスが変わり、メニューに並ぶページから組み直す
- CMS(ページを更新する仕組み)の提供が終わり、セキュリティの更新を当てられない
どれにも当たらず、悩みが「問い合わせが少ない」「一部のページの情報が古い」のように一部のページにとどまるなら、そのページを直す改修で足ります。作り直しには、費用と期間に加えて、引き継ぎの作業もかかります。検索から人が来ているページは、新しいサイトへ引き継ぐ必要があるためです。
今のサイトの改善で足りるかを数字で見分ける基準は、Webサイトの成功事例に共通する運用の型|改善サイクルとリニューアル判断の基準で解説しています。
お店のサイトを、自分で直せる形に作り直したい方へ
弊社の小さなお店向けのホームページ制作は、今あるサイトの作り直しにも使えます。初期費用は0円で、ブログやお知らせの記事を除く10ページまでのサイトの制作費を、月額19,800円(税別)で最低2年に分けて払い、2年の途中で解約するときは制作費の残りを払います。作った後の文章や写真は、お店が管理画面で差し替えます。滋賀県彦根市の会社ですが、県外のお店にもオンラインで対応しています。
ホームページのリニューアルの進め方の7ステップ
ホームページのリニューアルでは、URLと本文の引き継ぎ先を、デザインに入る前に決めます。進め方は、次の7つのステップです。
リニューアルで増やしたいもの(問い合わせや採用の応募など)と、今のサイトで減らしたくない数字を決めます。減らしたくない数字は、検索からのクリック数や問い合わせの件数です。今の値を書き残しておくと、公開後に増減を比べられます。
今のサイトの全ページのURLを一覧にし、残す、まとめる、削るの3つに分けます。
新しいサイトに置くページを決め、今のページのURLごとに、新しいサイトのどのURLへ引き継ぐかを表にします。
引き継ぐページの原稿は、今の本文を土台に、古い情報を直して足りない情報を足します。新しく作るページの原稿と写真も、デザインに入る前にそろえます。
デザインを決め、CMS(ページを更新する仕組み)に組み込んでページを作ります。制作会社に頼む場合は、デザインと制作が制作会社の作業の中心になります。
公開前のサイトを検索に出ないテスト環境に置き、ページの表示や問い合わせフォームの送信などを確かめます。
転送を有効にしてサイトを公開し、GoogleのSearch Consoleに新しいURLの一覧を送ります。公開後の数週間は、エラーになるURLと、検索からのクリック数をページごとに見ます。
制作会社に頼む場合も、目的と減らしたくない数字は自社で決めます。今のページの洗い出しは制作会社にも頼めますが、どのページを残すかは自社で決めます。

見積を頼むときは、対応表の作成と転送の設定が見積に入っているかを確かめます。入っていないと、公開の直前に別の作業として見積もり直しになることがあります。
リニューアルで検索順位が下がる主な4つの原因
リニューアルで検索順位が下がる主な原因は、次の4つです。4つとも、デザインを決める前の準備と公開の日の作業で防げます。
転送の無いURLの変更
URLが変わったページに転送(リダイレクト)を設定しないと、検索結果やブックマーク、ほかのサイトのリンクなどから来た人は、エラーのページに着きます。古いURLが受けていたリンクの評価も、新しいURLへ移りません。
URLは、CMS(ページを更新する仕組み)を入れ替えて末尾の「.html」が無くなったときや、ページの並びを変えて階層が変わったときにも変わります。見た目だけを変えるつもりのリニューアルでも、URLが変わっていないかを1本ずつ確かめます。
トップページへのまとめての転送
引き継ぎ先を決めずに、古いURLをまとめてトップページへ転送すると、開いた人は探していた情報の無いページに着きます。「サイトを移転する方法」のページにも、多くの古いURLを関連の薄い1つのURLへ転送すると、ソフト404とみなされる場合があるので避けるよう書かれています。
検索語に答えていた本文の削除
リニューアルで本文を短くしたり、別の話題に書き換えたりすると、ページが上位に出ていた検索語に答える文が消えます。URLを転送でつないでも、転送先のページに答えが無ければ、順位は戻りにくくなります。本文が削られやすいのは、デザインを先に決め、デザインの枠に収まらない段落を落とすときです。
検索に出さない設定の消し忘れ
検索に出さない設定をテスト環境から残したまま公開すると、Googleは新しいページを読めないか、検索結果に載せません。検索に出さない設定には、ページに書くnoindexと、robots.txtでクロールを止める設定があります。noindexは検索結果に載せないよう伝える記述で、robots.txtはクローラーに読まない場所を伝えるファイルです。Googleも、移転のためだけに入れたnoindexとrobots.txtのブロックは、必ず削除するようすすめています。
引き継ぐページの洗い出し方
引き継ぐページは、今のサイトの全ページのURLを一覧にし、検索からのクリックとほかのサイトからのリンクがあるかを見て決めます。
全ページのURLの一覧の作り方
URLの一覧は、CMS(ページを更新する管理画面)から書き出すか、sitemap.xml(ページのURLを検索エンジンに知らせるファイル)から取り出します。CMSもsitemap.xmlも無いサイトなら、今のサイトを管理している会社に、サーバーにあるファイルの一覧を出してもらいます。
とりわけ見落とされがちなのが、画像とPDFのURLです。画像検索やほかのサイトのリンクから、画像やPDFへ直接来ている人がいることがあるため、ページと同じ一覧に入れます。
検索からのクリックとリンクがあるページの見つけ方
印を付けるページは、Search Consoleで見つけます。Search ConsoleはGoogleが無料で出しているツールで、自分のサイトの検索結果での表示回数やクリック数を、ページごとに見られます。
印を付けるページ | Search Consoleで見る場所 |
|---|---|
検索からクリックされているページ | 「検索パフォーマンス」の「ページ」タブ |
ほかのサイトからリンクされているページ | 「リンク」の「外部リンク」にある「上位のリンクされているページ」 |
リンクのレポートに出るのは、Googleが見つけたリンクの一部です。
検索パフォーマンスは、開いたときは過去3か月の数字を表示します。季節によって訪問が増えるページを見落とさないよう、期間を1年ほどに延ばして確かめます。
残す・まとめる・削るの分け方
印を付けたら、全ページを3つに分けます。
分け方 | 当てはまるページ | 新しいサイトでの扱い |
|---|---|---|
残す | 印が付いたページと、会社案内や問い合わせなど事業に要るページ | 同じ内容のページへ転送する |
まとめる | 似た内容が複数のページに分かれているページ | まとめた先のページへ転送する |
削る | 印が無く、内容も古いページ | 転送せず、404のエラーを返す |
クリックやリンクが少しでもあるページは、「残す」に入れます。数が少なくても、転送を1本足せば、来ていた人を新しいページへ送れるためです。

旧URLと新URLの対応表の作り方
旧URLと新URLの対応表は、今のページのURLを1行に1つ並べ、新しいサイトのどのURLへ転送するかを横に書いた表です。制作会社は、対応表をもとに転送を設定します。たとえば、次のように書きます。
今のURL | 分け方 | 新しいURL |
|---|---|---|
/company.html | 残す | /company/ |
/cleaning.html | まとめる | /service/ |
/repair.html | まとめる | /service/ |
/news/campaign-2019.html | 削る | なし(404を返す) |
/pdf/menu.pdf | 残す | /files/menu.pdf |
古いURL1本ごとに、行き先を1つずつ決めます。URLが変わらないページは、転送は要りません。
対応表から転送を設定するときは、次の3つを守ります。
- 転送は、301などの恒久的な転送にする
- 前のリニューアルで設定した転送も、新しいURLへ直接向け直す
- 転送は、公開後も1年以上残す
前のリニューアルの転送を向け直すのは、古いURLから途中のURLを経て新しいURLへ、と転送が重なるのを避けるためです。転送を1年以上残すのは、Googleがほかのサイトのリンクを読み直し、評価を新しいURLへ移すのに時間がかかるためです。「サイトを移転する方法」のページでも、転送はできるだけ長く、一般的には1年以上残すようすすめています。
転送の種類の違いや、1対1で移せないページの扱いは、リダイレクトがSEOに与える影響|301と302の違いと対応表の作り方で詳しく解説しています。
引き継ぐページの本文で残すもの
引き継ぐページの本文で残すのは、検索から人を呼んでいる検索語と、検索語に答えている段落です。ページごとの検索語は、GoogleのSearch Consoleの「検索パフォーマンス」で分かります。「ページ」タブで見たいページの行をクリックしてから「クエリ」タブに切り替えると、ページに人を呼んでいる検索語が並びます。

ページのタイトル(検索結果に出るページの題名)に入っている検索語も、新しいページのタイトルに残します。言い回しや古い情報、重なっている説明などは、直したり削ったりしてかまいません。
せっかく作り直すので、文章もすべて新しく書き直したいのですが、だめでしょうか。
編集部
書き直すこと自体は問題ありません。ただ、検索から人が来ているページは、書き直す前に、どの段落がどの検索語に答えているかに印を付けてください。印を付けた段落は、言い回しを変えても、答えの中身を新しい原稿に残します。
制作会社には、引き継ぐページの原稿をデザインに入る前に渡し、原稿の長さに合わせてデザインの枠を決めてもらいます。
公開の前と後に確かめる項目
公開の前と後に確かめる項目は、テスト環境で確かめる5つと、公開した日と公開後の数週間に確かめる5つです。
公開前の確認
テスト環境で公開前に確かめるのは、次の5つです。
- テスト環境が、閲覧の制限かnoindexで、検索に出ない設定になっている
- 新しいページのcanonicalが、テスト環境のURLでなく、公開後の新しいURLを指している
- サイト内のリンクが、古いURLでなく新しいURLを指している
- Search Consoleの所有権の確認に使うファイルやタグと、アクセス解析のタグが入っている
- 問い合わせフォームから送ると、担当者に届く
noindexは、ページを検索結果に載せないよう伝える記述です。canonicalは、検索エンジンに正式なURLを伝える記述で、新しいページごとに、公開後の自身のURLを書きます。所有権の確認に使うファイルやタグが無いと、公開後にSearch Consoleで新しいサイトの数字を見られなくなることがあります。
公開後の確認
公開後に確かめることは、次の5つです。
時期 | 確かめること | 見る場所 |
|---|---|---|
公開した日 | noindexとrobots.txtのブロックを外したか | 新しいサイトのrobots.txtと、ページのnoindex |
公開した日 | 対応表の旧URLを開くと、新しいページへ転送されるか | ブラウザで旧URLを開き、表示されたURLが対応表の新しいURLと同じかを見る |
公開した日 | 新しいURLの一覧(sitemap.xml)を送ったか | Search Consoleの「サイトマップ」 |
公開後の数週間 | 「見つかりませんでした(404)」のURLが増えていないか | Search Consoleの「ページ インデックス登録」 |
公開後の数週間 | 引き継いだページで、検索からのクリック数が公開前より減っていないか | Search Consoleの「検索パフォーマンス」 |
404のエラーが出たURLが対応表に載っていなければ、引き継ぎ先を決めて転送を足します。削ると決めたページの404は、そのままでかまいません。
ホームページのリニューアルのよくある質問
ホームページのリニューアルの進め方について、よく聞かれる質問は次の2つです。
ドメインも一緒に変えて大丈夫?
ドメインは、変える理由が無ければ今のまま使います。Google検索セントラルの「サイトを移転する方法」でも、サイトへの変更は一度に1つずつ行うようすすめています。リニューアルと同じ時期にドメインも変えると、順位が動いたときに、どちらが原因かを切り分けにくくなります。
ドメインを変えるときは、新しいサイトを公開して転送を設定した後に、Search Consoleのアドレス変更ツールで移転をGoogleに知らせます。アドレス変更ツールを使うのは、ドメインかサブドメインが変わるときだけです。httpからhttpsへの切り替え、wwwの有無の切り替え、同じドメインの中でURLが変わるときには使いません。
公開後の検索順位はいつ落ち着く?
検索順位が落ち着く時期は、Googleの説明には書かれていません。URLが変わるリニューアルでは、移転の間、検索順位が一時的に上下することがあります。小規模から中規模のサイトでは、大半のページの移転が反映されるまで数週間かかるのが目安です。反映の速さは、URLの数とサーバーの応答の速さで変わります。
移転が反映された後も、引き継いだページのクリック数が戻らないときは、そのページの転送先と本文を見直します。
※ 期間の目安は、Google検索セントラル「サイトを移転する方法」に載っているものです。

まとめ|デザインより先に引き継ぐページを決める
ホームページのリニューアルは、デザインを決める前に、検索から人が来ているページを洗い出し、URLと本文を新しいサイトのどこへ引き継ぐかを決めてから進めます。リニューアルの後も検索から人が来るかは、引き継ぎ先を決めたかで変わります。検索順位が下がる主な4つの原因は、どれも公開までの準備と公開の日の作業で防げます。
私たち合同会社Writers-hubは、小さなお店向けのホームページ制作で、今あるサイトの作り直しもお受けしています。
今のサイトを見てもらってから、作り直すかを決めたい方へ
お店の業種と場所、今のサイトのURLをお知らせください。ご相談はオンラインで30分、費用はかかりません。今のサイトを拝見して、作り直したほうが早いか、今のサイトにページを足していくほうがよいかをお伝えします。







