「Bingは日本ではシェアが小さいから、登録しても読める数字は出ないだろう」。検索エンジンのシェアは国内の利用全体を合計した比率で語られることが多く、Googleが大きく上回るという一点だけでBing側の優先度が下がります。Search Consoleを設定し終えた時点で一区切りついた感覚もあり、登録は手つかずのままです。
しかし、SEO記事の制作とサイトの改善を支援してきた弊社の立場から言えるのは、登録するかどうかの判断材料は登録した後にしか揃わない、ということです。シェアは端末や利用環境によって偏り、Microsoft EdgeがBingを既定の検索エンジンにしているため、業務用PCほどBing比率は上がります。自社でどれだけ差が出るかは、1か月ぶんの表示回数を見るまで分かりません。Search Consoleに登録済みなら、その準備は数分で終わります。
本記事では、Search Consoleとの守備範囲の違いから、インポートによる登録手順、登録後に開く画面、表示回数が少ないときの数字の読み方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- Bing Webmaster ToolsとGoogle Search Consoleの守備範囲の違い
- 登録の優先度が高いサイトと、後回しでよいサイトの見分け方
- Search Consoleからインポートする登録手順と、手動登録3方式の選び方
- 登録後に実際に見る画面と、Search Consoleにはない機能
- 表示回数が少ないときに数字をどう読むか
Bing Webmaster Toolsは、Bing向けの検索データと登録操作をまとめた無料ツール
Bing Webmaster Toolsは、Microsoftが提供している無料のサイト管理ツールです。自分のサイトがBingでどう扱われているかを確認し、インデックス登録の依頼やサイトマップの送信といった操作をまとめて行えます。
役割としてはGoogle Search Consoleとほぼ同じで、見ている検索エンジンがGoogleかBingかという違いです。どちらも、検索エンジン側が持っているデータを、サイト運営者に開示する窓口にあたります。アクセス解析ツールがサイトに来た後のユーザーを見るのに対し、こちらは検索結果に出てからクリックされるまでの手前側を見る道具だと考えると整理しやすいでしょう。

「ウェブマスターツール」は本来ジャンル名
検索していると「ウェブマスターツールとは」という書き方をよく見かけます。これは元々、Googleが2015年までSearch Consoleを「Googleウェブマスターツール」と呼んでいた名残でした。名称変更後もジャンル名として言葉が残り、現在は検索エンジンが提供するサイト管理ツールの総称として使われています。
つまり「ウェブマスターツール」が指しているのは、多くの場合Google Search ConsoleかBing Webmaster Toolsのどちらかです。両者は競合ではなく担当する検索エンジンが分かれているだけなので、片方を選ぶ関係にはありません。
Search Consoleにはない機能が3つある
同じ役割のツールとはいえ、Bing Webmaster Toolsだけが持っている機能があります。実務でよく使うのは次の3つです。
- 被リンクレポートで、指定した他サイトの被リンクと自サイトを並べて比較できる
- サイトスキャンで、サイト全体をクロールして技術的な問題を一覧化できる
- キーワード調査で、検索需要の目安を無料で確認できる
いずれもGoogle側では有料ツールを使うか、別途クローラーを回す必要がある領域です。Bingのデータに基づく数字なので規模はGoogleより小さくなりますが、傾向の把握や候補出しには足ります。無料でここまで触れるツールは他にほとんどありません。

登録の優先度が高いサイトと、後回しでよいサイト
「Bingは日本ではシェアが小さいから不要」という判断は、半分は正しく、半分は雑です。全体のシェアでGoogleが大きく上回るのは事実ですが、シェアは端末や利用環境によって偏ります。
起点は、Windowsの標準ブラウザであるMicrosoft Edgeが既定の検索エンジンにBingを使っている点にあります。ここから導かれるのは、検索環境を自由に変えられない業務用PCほどBing比率が上がるという構造でしょう。加えてMicrosoftのCopilotはBingの検索基盤の上で動いているため、生成AI経由の流入を確かめたい場合の手がかりの一部もBing側にあります。
- 法人向け(BtoB)の商材やサービスを扱っている
- 業務時間中に会社のPCから検索される内容を扱っている
- 型番、規格、業界用語など、指名に近い語で調べられる商品を扱っている
- Copilotなど生成AI経由の流入があるか確かめたい
- 技術的な不具合を無料で洗い出せる手段を持っていない
反対に、次のようなサイトは登録しても読み取れるデータが集まりにくく、後回しでも実害は出にくいでしょう。
- 立ち上げ直後で、Googleからの流入もまだ数十件という段階
- 個人の趣味ブログなど、読者がスマートフォン中心のサイト
- 検索流入自体をほとんど想定していないコーポレートサイト
とはいえ、後回しにするかどうかは登録した後に決めても遅くありません。登録に必要な時間は数分で、月々の作業も発生しないためです。判断材料は、1か月ためた表示回数を見てから揃います。
Googleへの対策をしていれば、Bingの順位も自然に上がるのではありませんか。
編集部
おおむね連動しますが、一致はしません。実務でよく見るのは、Googleでは3位あたりのページがBingでは圏外で、代わりに同じサイトの別ページが上位に出ているケースです。Bingは今もページ内のキーワードの一致や、ドメイン単位の被リンクをGoogleより素直に評価する傾向があります。Google向けにやったことが無駄になるのではなく、同じ努力の効き方が少しずれると考えてください。登録して両方の順位を並べれば、そのずれ幅が自分のサイトでどれくらいかを確認できます。
このずれ幅は、サイトのテーマや被リンクの状況によって変わります。他社の平均値を持ってきても自社には当てはまらないため、自分のサイトで測るしかありません。
Bingや生成AIからの流入まで含めて、検索経路を把握できていますか
検索エンジンごとの評価のずれは、順位を並べて初めて見えてきます。Writers-hubでは、Google検索に加えてBingや生成AI経由の露出まで含めた現状把握と、そこから逆算した記事設計を行っています。すでに運用しているサイトの数字を見ながらの相談も可能です。
登録はSearch Consoleからのインポートが最短
Bing Webmaster Toolsの登録には、Google Search Consoleから設定を引き継ぐ方法と、手動でサイトを追加する方法があります。Search Consoleにすでに登録してあるなら、前者を選んでください。所有権の確認が済んだ状態で引き継がれるため、サーバーやDNSを触る必要がなくなります。
公式サイトを開き、サインイン画面に進みます。Microsoftアカウント、Googleアカウント、Facebookアカウントのいずれかが使えます。
別のアカウントで入ってしまうと、後からインポート対象のサイトが表示されず、手動追加に切り替えることになります。
サイト追加の画面にインポートと手動追加の2つが並びます。インポート側を選び、Googleアカウントへのアクセス許可を与えます。
Search Consoleのプロパティ一覧が表示されるので、Bing側でも管理したいものにチェックを入れます。複数サイトをまとめて選べます。
完了するとダッシュボードのサイト一覧に追加され、所有権の確認まで済んだ状態になります。データはまだ空なので、翌日以降に開いてください。
インポートで引き継がれるのは所有権の確認とサイトの登録だけで、Search Console側の設定がすべて同期されるわけではありません。サイトマップの送信は、Bing側であらためて行う必要があります。
手動で追加する場合は、所有権の確認方法を3つから選ぶ
Search Consoleを使っていない、あるいは別アカウントで管理しているサイトは、手動で追加します。この場合、そのサイトが自分の管理下にあることを証明する作業が発生します。
| metaタグを追加 | XMLファイルを設置 | CNAMEレコードを追加 | |
|---|---|---|---|
| 作業する場所 | サイトのhead内 | サーバーのルート直下 | ドメインのDNS設定 |
| CMSの管理画面だけで完結するか | ◎ | △ | × |
| FTPやサーバー権限の要否 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 反映までの時間 | 即時 | 即時 | 数分から数時間 |
| サブドメインをまとめて扱えるか | × | × | ◎ |
多くのサイトではmetaタグが最も現実的です。WordPressならテーマのheader.phpか、SEO系プラグインの認証コード欄に貼るだけで済みます。ただしmetaタグは、後からテーマを変更すると消えます。所有権が外れて慌てる例は実際にあるため、認証コードは手元に控えておいてください。
CNAMEレコードは、複数のサブドメインを1つの設定でまとめたい場合に選びます。DNSの反映を待つため、確認ボタンを押しても最初は失敗することがある。時間を置いて再試行すれば通るので、設定を書き換え直す必要はありません。

登録後に実際に見る画面
管理画面には多くのメニューが並びますが、日常的に開くのは限られます。使う頻度の高い順に整理します。
検索パフォーマンス
クリック数、表示回数、クリック率、平均掲載順位を、キーワード別とページ別で確認できます。Search Consoleと同じ4指標なので、見方に戸惑うことはないでしょう。
Bing側で先に確認したいのは、Googleでは順位が付いていないのにBingでは表示回数が出ているキーワードです。この差が示すのは、ページの内容自体には需要があるものの、Google側では被リンクや競合の強さで押し負けている可能性でしょう。リライトの優先順位を決めるとき、判断材料が1つ増えます。
URLの検査とインデックス登録の依頼
特定のURLがインデックスに登録されているかを調べ、登録されていなければ送信を依頼できます。Search Consoleの「URL検査」と同じ用途です。
送信には1日あたりの上限が設けられており、残りの本数は管理画面に表示されます。上限はサイトの運用実績に応じて変わるので、登録直後は少なめでしょう。新規記事を公開したら送っておく、という運用で十分に足ります。
Search Consoleと違い、Bing側は複数URLをまとめて送信できます。サイトのリニューアル直後や、大量のページを一度に公開したときは、この一括送信が効きます。ただし送信したからといって必ずインデックスされるわけではなく、あくまで通知にとどまります。
サイトマップの送信
XMLサイトマップのURLを登録すると、Bingのクローラーがページの一覧を把握しやすくなります。インポートで登録した場合も、サイトマップの送信は別途必要です。ここを忘れたままだとインデックスの進みが遅くなるため、登録直後に済ませておきましょう。
サイトスキャン
指定したURLを起点にサイト内をクロールし、技術的な問題を一覧にしてくれる機能です。titleタグの重複や欠落、metaディスクリプションの不足、リンク切れ、h1の重複といった項目が検出されます。
有料のクローラーと比べれば検出項目は絞られますが、無料で全ページを機械的に見てもらえる点に価値があります。記事本数が100本を超えたサイトほど、人力の点検では抜けが出ます。四半期に一度回して、リンク切れとtitleの重複だけでも潰しておくと状態を保てます。
被リンクとキーワード調査
被リンクレポートでは、自サイトに向いているリンクの一覧に加えて、指定した他サイトの被リンク状況と並べて確認できます。競合がどこから評価を集めているかを無料で覗ける機能は貴重で、コンテンツの企画段階で参照する価値があります。
キーワード調査は、語句を入力すると関連キーワードと検索需要の目安が返る機能です。Bingのデータに基づく数字なので、Googleでの実数とは規模が違います。絶対値ではなく、候補どうしの大小関係を見る道具として扱うのが実務的でしょう。

6つとも無料で、開くのに費用の判断は要りません。むしろ難しいのは、見つかった問題を直す工数をどこから捻出するかのほうでしょう。
ツールで問題は見つかったものの、直す手が足りていないなら
サイトスキャンや検索パフォーマンスで課題が見えても、記事の作り直しや新規制作に着手できず止まってしまう例は多くあります。Writers-hubでは、キーワード設計から構成、執筆、CMSへの入稿までを一貫して引き受けています。現在の記事本数と更新頻度をお聞かせいただければ、優先順位の案までお出しします。
IndexNowを使うと、更新の通知が即時になる
Bing Webmaster Toolsを触るなら、あわせて押さえておきたいのがIndexNowです。ページを追加、更新、削除したときに、その事実を検索エンジンへ即時に伝えるための仕組みで、Microsoftが2021年に公開しました。
従来のクロールは、検索エンジン側が定期的に見に来るのを待つ形でした。IndexNowはこの向きを逆にし、サイト側から通知を送ります。対応しているのはBingのほか、Yandex、Seznam、Naverなどです。

導入は、Bing Webmaster Toolsの管理画面でAPIキーを発行し、そのキーをサイトのルート直下にテキストファイルとして置くところから始まります。残る作業は、更新のたびに通知を送る処理を仕込むことだけ。WordPressならIndexNow対応のプラグインで自動化でき、Cloudflareを使っているサイトは設定を1つ有効にすれば動きます。
GoogleはIndexNowに対応していません。Google向けの反映速度は変わらないため、「IndexNowを入れたのにGoogleのインデックスが早くならない」という評価は的外れです。効果が出るのはBingと、それを基盤にしているCopilotなどの側だと理解しておいてください。
表示回数が少ないときに、数字をどう読むか
ここからが、登録した後で実際につまずく部分です。Bing Webmaster Toolsを開いてまず起こるのは、数字が小さすぎて判断できないという状態でしょう。月間の表示回数が数十件、クリック数は一桁という画面は、中小規模のサイトではごく普通に出てきます。
このとき、Search Consoleと同じ読み方をすると誤ります。母数が小さいため、率で見た瞬間に数字が跳ねるからでしょう。表示回数10回でクリック2回なら、クリック率は20パーセントと表示されます。これを「Bingでは異常にクリックされている」と解釈しても、意味のある結論は出てきません。
母数が小さいデータで見るべきは、率ではなく絶対数と、期間をまたいだ増減の方向です。「先月は表示0だったキーワードで、今月は40回表示された」は読み取る価値がありますが、「クリック率が20パーセントから8パーセントに下がった」は、分母が数十件なら偶然の範囲に収まります。
もう1つ、GoogleとBingで順位が違うことに動揺しないでください。両者はアルゴリズムが別物で、同じサイトの中でも上位に出るページが入れ替わる。実務で意味を持つのは、順位の差そのものではなく、Bingでだけ表示されているキーワードの中身です。そこには、自分では狙っていなかった言い回しや、想定していなかった読者の探し方が混ざっていることがあります。
Bingのデータが少ないなら、記事のリライト判断はSearch Console側だけで決めてよいでしょうか。
編集部
判断の主軸はSearch Console側で構いません。Bing側は補助として、2つの場面でだけ使ってください。1つは、Googleで順位が付いていないページがBingで表示されているとき。内容の需要はあると分かるので、リライトの候補に残す根拠になります。もう1つは、Bingでだけ拾えている検索語を見つけたときです。数は少なくても、読者が実際に打った言葉であることに変わりはなく、既存記事に一節を足すきっかけになります。逆に、Bingの数字だけを理由に記事を削除したり大きく作り替えたりするのは避けてください。
Bing Webmaster Toolsについてよくある質問
登録と運用の場面で実際に受けることの多い質問を、判断の根拠とあわせてまとめます。
metaタグの場合は、貼り付けた場所がhead内かを確認してください。bodyの中にあったり、キャッシュ前のHTMLにしか反映されていなかったりすると失敗します。キャッシュ系のプラグインを使っているならクリアしてから再試行します。CNAMEはDNSの反映待ちであることがほとんどなので、設定を変えずに時間を置いてください。
登録直後は空欄です。クロールと集計を経るため、数日から2週間程度は様子を見てください。表示回数がまったく増えない場合は、サイトマップの送信状況と、robots.txtでbingbotを拒否していないかを確認します。
上がりません。登録は順位を決める要素ではなく、データを見る権限とインデックス登録を依頼する手段を得るための手続きです。ただしサイトマップやURLの送信によって、インデックスされるまでの時間が短くなることはあります。
すべて無料です。複数サイトを1つのアカウントで管理でき、サイト数の上限を気にする必要もありません。
まとめ
Bing Webmaster Toolsは、Search Consoleからインポートすれば数分で登録が終わり、その後の維持に手間はかかりません。登録すべきか迷う時間のほうが、実際の作業より長くなるのが実情でしょう。
登録後に見る画面は、検索パフォーマンス、URLの検査と送信、サイトマップ、そして四半期に一度のサイトスキャン。この4つで足ります。数字が小さいうちは率で判断せず、絶対数の増減と、Bingでだけ拾えているキーワードの中身を見てください。

※ 上記はMicrosoftが公開しているBing Webmaster Toolsのヘルプドキュメントです。仕様や画面構成は更新されるため、操作時は公式の記載を確認してください。
合同会社Writers-hubでは、SEO記事の制作と、検索エンジンおよび生成AI経由の露出を含めた検索設計の支援を行っています。課題は見えているが手が回らないという段階でもご相談いただけます。
ツールで見えた課題を、記事とサイトの改善につなげるところまで
Bing Webmaster ToolsもSearch Consoleも、現状を映すだけで改善は行いません。Writers-hubでは、両方のデータを起点に、どのページから直すか、何を新しく書くかまで含めた計画づくりから伴走しています。まずは現在の流入状況をお聞かせください。








