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古い記事が足を引っ張る——低品質コンテンツの判定基準とnoindex/削除の判断フロー

古い書類を棚から整理して別の箱に移す手元——コンテンツ棚卸しの比喩

古い記事は、閉店した実店舗の在庫みたいなもの。並べておくだけで店全体の鮮度が落ちる。

私はWriters-hubの右腕として、ここ1年で100記事級のサイト棚卸しを何度もやってきた。やるたびに思うのは、「捨てる判断は、書く判断より10倍難しい」ということ。書く方は「なぜ書くか」を1つ言語化すれば動ける。でも捨てる方は、過去の自分・上司・クライアントの判断を全部ひっくり返すことになる。だから多くのチームは「とりあえず残しておく」を選んで、サイト全体の評価が静かに腐っていく。

ここで一度、判定基準と処分フローを整理しておく。「棚卸しのやり方」は別記事で書いたから、今回は判定軸と処分の意思決定だけに絞る。ここ、混同されがち。

まず前提:低品質 ≠ 流入が少ない

ここ、めちゃくちゃ大事。「PVが少ない記事=低品質」と短絡するチームが本当に多い。違うんだよ。

Googleは2022年以降、Helpful Content System を組み込んで「ユーザー第一かどうか」をサイト全体で評価するようになった。要は個別記事の品質スコアの平均がサイト全体の評価に効く——だから低品質記事を1本残すごとに、優良記事の評価まで引きずり下ろされる。これがCNETが数千件の古い記事を削除して2ヶ月でオーガニックトラフィック29%増を達成した理屈(月間訪問者1,900万→2,450万)。流入数だけで判定すると、「PVは低いけど検索意図には完璧に応えている記事」を間違って削除して、後で泣く。

判定軸は、ユーザーに役立っているか / Googleが評価しているか / ビジネスに寄与しているかの3軸で見る。「PVが多いか」とは別の話。

低品質判定の5指標——どこを見るか

ここ、実務でそのまま使える形で並べる。

1. Search Console「クロール済み - インデックス未登録」

最強の判定指標。Googleが「読んだけど登録する価値なし」と判断したという、ほぼ公式宣告。これに該当する記事は、内容が独自性ゼロか、検索意図に応えていないかのどちらか。リライトで救えるか、統合・削除かを次に判定する。

2. 過去6〜12ヶ月の表示回数とクリック数

表示回数50未満かつクリック10未満が半年以上続いている記事は、Googleからも検索ユーザーからも見られていない。Seer Interactiveの保険業界クライアント事例では、セッション50未満・被リンク5ドメイン未満のURL 14,000件を整理して、6ヶ月でオーガニックトラフィック前年比23%増、クロール回数も8%向上した。閾値は規模次第。10万PV/月のサイトなら50未満は雑魚扱いでいいけど、立ち上げ期サイトなら基準を下げる。

3. 平均掲載順位 50位以下が定着

順位50位以下は実質的に「検索結果に存在しない」状態。8〜20位ならリライト候補、50位以下は統合・削除候補で扱う。ここで二択を分けるのが、後の処分判断を楽にするコツ。

4. GA4のエンゲージメント率と平均エンゲージメント時間

サイト平均より明確に低い記事は、流入があっても読まれていない。即離脱されている記事を残しておくと、サイト全体のエンゲージメント指標を引きずる。「PV高いから残す」を盲信しない理由がここ。

5. 被リンクと内部リンク被参照数

外部からも内部からも参照されていない記事は、サイト構造の中で孤立している証拠。Inflowの事例では、パフォーマンスの低いブログ記事をインデックスから外しただけで90日以内にオーガニックセッション104%増を達成した。削除する前に、まずnoindexで切り離してみる、という選択肢も覚えておくといい。

処分の意思決定フロー——4択しかない

判定が終わったら、各記事に対して4択の処分を決める。これ、知らない人が多い。

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「全部リライトで済ませよう」と思いたい気持ちはわかる。私もそう思った時期がある。でもね、リライト工数は新規執筆の70%くらいかかる。100記事リライトすると新規70記事分の工数が消える。統合・削除の方が、ROIは桁違いに高い

統合の判断基準は1つだけ。「2記事を1記事にした方が、検索ユーザーの体験が良くなるか」。良くなるなら統合、ならないなら独立維持。カニバリゼーション(同じKWで自社記事同士が競合)が発生していれば即統合。Search Consoleの「検索パフォーマンス」で同一クエリに複数URLが表示されているケースを探せばすぐ見つかる。

noindex運用で一番多い事故

ここも大事。robots.txt でブロックした上で noindex を入れる事故、本当に多い。気持ちは分かるけど逆効果。Googleはクロールできないと noindex を読めない。結果として「消したつもりなのに検索結果に残り続ける」が起きる。

私の運用順序はシンプル。

  1. まず noindex(または X-Robots-Tag)を実装
  2. Search Consoleの URL検査で Googlebot が noindex を取得できているか確認
  3. 急ぎなら Removals ツールで一時的に非表示化
  4. 恒久対応として削除・noindex を確定

「とりあえず robots.txt で隠す」は短期の安心感はあるけど、長期の再作業コストを増やす(私も昔ここでやらかした、申し訳ない)。

やらかしポイント3つ

棚卸しで過去にやらかしたパターンを正直に晒す。

1. 季節性コンテンツを誤判定

「クリスマス商戦」「確定申告」みたいな季節性記事は、年間の特定時期しか流入がない。過去6ヶ月で判定すると確実に誤判定する。判定期間は最低12ヶ月で取る。私もこれで一度、確定申告記事を削除候補に入れて、クライアントに「来年使うから残して」と言われて青ざめた。

2. 削除後の内部リンクを放置

削除した記事へのリンクが他記事に残っていると、404が量産される。削除前にSearch Consoleの「リンク」レポートで内部リンク被参照数を確認して、参照元から先に修正する。順番を間違えるとサイト全体が一時的にエラー祭りになる。

3. 大量削除を一気にやる

数百記事を一度に削除すると、Googleが「サイト構造が大きく変わった」と認識してクロール挙動が一時的に乱れる。1〜2週間に分けて段階的に削除するのが安全。Inflowが90日かけて回復しているのも、たぶんこの段階処分が効いている。

全部やる必要はない

ここまで5指標と4択フローを並べたけど、全部きっちりやる必要はない。

最低限、Search Consoleで「クロール済み - インデックス未登録」になっている記事だけ抽出して、その中で過去1年流入ゼロの記事をnoindexにする——これだけでも、サイト全体の評価は確実に上がる。所要30分。

完璧な棚卸しを目指して着手できないチームより、最低限の処分を四半期に1回続けるチームの方が、3年後の検索流入は明らかに伸びる。書く判断より10倍難しい捨てる判断を、まず1記事から始めよう。

(ちなみに私自身、この記事を書きながら自社サイトの古い記事を3本noindex候補にメモした。捨てる判断、自分のサイトで実践しないと説得力がないからね)


参考リンク

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