「狙うキーワードは1記事に1つだけなのだから、キーワード表の1行ごとに記事を1本作るしかない」。そう考えて記事の計画を立てている方は多いはずです。入門的な解説ではこの原則が短い一文で示されるだけで、「1キーワード」が語句そのものを指すのか、検索した人が知りたいことを指すのかまでは触れられないため、表の行数がそのまま記事の本数に見えてしまいます。その通りに割り当てた結果、似た内容の記事が2本並んで表示回数を分け合う、という状態も起こります。
しかし、キーワードの束ね方の設計から記事の制作、公開済み記事の統合までを数多く手がけてきた弊社の立場から言えるのは、この原則で決めるべきなのは記事の本数ではなく、2つのキーワードをまとめるか分けるかの線をどこで引くかだ、ということです。線の引き方を決まった手順にしておけば、担当者が替わっても記事の切り分けは揃います。
本記事では、「1キーワード」が実際に指しているものから、まとめるか分けるかを判断する手順、すでに公開した記事が重複していたときの直し方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 1ページ1キーワードの「1キーワード」が実際に指しているもの
- 1ページに複数のキーワードを詰めたときに起きる3つの不具合
- 2つのキーワードをまとめるか分けるかを、検索結果から判断する手順
- 原則を守りすぎて記事が薄くなる場合の見分け方
- すでに公開した記事同士が重複しているときの直し方
1ページ1キーワードとは、記事が答える問いを1つに定める設計
1ページ1キーワードとは、1本の記事が答える検索意図を1つに絞るという設計の原則です。1記事につきキーワードを1語しか使ってはいけない、という制約ではありません。
検索エンジンは、ページ全体を読んだうえで「これは何についてのページか」を判断します。1本の記事に答えの異なる問いが2つも3つも入っていると、その判断材料が割れてしまう。原則が求めているのは、記事の主語を1つに固定することです。
「1キーワード」が指しているのは語句ではなく検索意図
「seo キーワード 数」と「seo キーワード 何個まで」は、文字列としては別のキーワードです。ところが、この2語で実際に検索してみると、結果に並ぶページはほとんど同じ顔ぶれになります。検索した人が知りたいことが同じだからです。
2語を別記事にすれば、ほぼ同じ内容の記事が2本できあがるだけ。原則が禁じているのは、語句を複数扱うことではなく、答えの違う問いを1本に混ぜることです。
逆の例も挙げておきます。「キーワード選定 やり方」と「キーワード選定 ツール」は、同じ「キーワード選定」という語を含みながら、求められている答えが違います。手順を知りたい人と、道具を比べたい人。この2つは分けたほうが、どちらの記事も焦点が定まります。
1ページ1キーワードでも、流入するキーワードは1つに限らない
誤解が集中するのはここです。1ページ1キーワードで作った記事が、1つのキーワードからしか流入しないわけではありません。Search Consoleの検索パフォーマンスをページ単位で開くと、1本の記事が数十から数百のクエリで表示されていることを確認できます。
同じ問いでも、人によって打ち込む言葉が違うためです。「seo キーワード 多すぎ」と検索する人もいれば、「seo キーワード 入れすぎ」と検索する人もいる。意図が1つに定まっていれば、その言い換えは記事側で何もしなくても拾われていきます。

狙うキーワードを1つ決めるのは、記事の主語を決めるためであって、流入経路を1本に絞るためではありません。
1ページで複数のキーワードを狙うと、何が起きるのか
複数のキーワードを1本に詰め込んだ記事は、狙ったキーワードのどれでも順位が付かないという結果に落ち着きがちです。そこで起きている不具合は、大きく3つに分けられます。
記事の主語が定まらず、どのキーワードでも中途半端になる
1本の記事で「キーワードの選び方」「キーワードの入れ方」「おすすめのツール」を同時に扱えば、それぞれの説明は単独記事の3分の1程度の分量に縮みます。検索した人から見れば、どの問いに対しても答えの浅い記事です。
検索結果の上位には、その問いだけを扱った記事が並んでいます。同じ土俵に立ったとき、分量も具体性も足りない記事が選ばれる理由はありません。
同じ意図を狙った記事同士が、自社内で競合する
すでに公開している記事と同じ意図の記事を新しく作ると、検索エンジンはどちらを表示すべきか判断しかねます。同一クエリでURLが入れ替わる、両方とも中位に留まる、といった状態になる。キーワードカニバリゼーションと呼ばれる現象で、日本語にすれば共食いです。外部の競合ではなく、自社の記事同士が評価を分け合っています。
厄介なのは、公開直後には表面化しない点です。新しい記事に順位が付き始めてから、以前の記事の表示回数が落ちる形で気づくことになります。
カニバリゼーションは「同じキーワードを狙ったから」ではなく「同じ検索意図を狙ったから」起きます。タイトルの文言がまったく違っていても、答えている問いが同じなら競合します。
判定の起点は、狙ったキーワードの一覧ではなく、公開済み記事が実際に表示されているクエリです。過去の記事を含めて棚卸ししないまま新規を足していくと、重複は静かに増えていきます。

出現率や出現回数を調整しても、順位は動かない
キーワードの出現率を何パーセントにすべきか、という問いは今も残っています。結論を先に言えば、出現率を目標値にして本文を書き換える作業に、順位を動かす効果はありません。
Googleはスパムに関するポリシーの中で、順位操作を目的にキーワードを詰め込む行為をキーワードの乱用として挙げ、対象になり得ると説明しています。出現率を上げる方向の調整は、その線に近づいていく作業でもあります。

※ キーワードの乱用の定義は、Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」の記載を参照しています。
出現回数を数える代わりに、見出しごとに「この区画はどの問いに答えているか」を書き出してみてください。順位に効く修正はそちらから出てきます。
まとめるか分けるかは、検索結果の重なりで判断する
ここまでの話は「意図が同じならまとめる、違うなら分ける」に集約されます。残る問題は、意図が同じかどうかを何で判断するかです。読んだ印象で決めると担当者ごとに答えが変わるため、弊社では検索結果そのものを判定材料にしています。
シークレットウィンドウを使い、広告を除いた通常の検索結果を上から10件まで控えます。パーソナライズの影響を減らすため、ログアウトした状態で見てください。
ドメイン単位ではなくURL単位で数えます。同じサイトの別記事が出ている場合は、重なりに含めません。
重複が多くても、上位記事が片方の問いにしか答えていないなら、もう一方を別記事にできる余地が残ります。見出しを開いて、扱われている範囲を確認します。
まとめる判断をしたら、タイトルと本文の主語は検索ボリュームの大きい側に寄せます。小さい側は見出しや本文の中で扱い、独立した記事は作りません。
判定の目安として、弊社では次の基準を使っています。
| 判断 | 記事の作り方 | |
|---|---|---|
| 7件以上 | 1本にまとめる | ボリュームの大きい側を主語にし、もう一方は見出しで扱う |
| 4件から6件 | 上位記事の見出しで決める | 両方の問いを扱う記事が上位にあれば1本、なければ分ける |
| 3件以下 | 2本に分ける | 別記事にして、関連する箇所から内部リンクでつなぐ |
この数字自体に絶対的な根拠があるわけではありません。ただ、判定の基準を数値で固定しておくと、担当者が替わっても記事の切り分けが揃います。感覚で分けた設計は、半年後に自分で見返しても再現できないという実務上の問題があります。
キーワード表は手元にあるのに、記事の本数が決まらない段階でしたら
まとめる・分けるの判定は、キーワードが数百行になると1件ずつ手作業で確認するのが難しくなります。弊社では検索結果の実査をもとに、狙うキーワードの束ね方から記事の本数、着手する順番までを設計するご支援を行っています。
1ページ1キーワードを守りすぎると、記事が薄くなる
原則を厳密に運用しようとして、かえって成果が出なくなる場合もあります。現場でよく見るのは次の2つです。
1つの意図に対して書くことが足りないなら、分けない
キーワードを細かく分けるほど、1本あたりに書ける内容は減ります。書くことが足りないまま公開すれば、検索結果に並ぶ他の記事より情報量の少ない記事ができあがるだけです。
目安として、そのキーワードだけで見出しが3つ以上立たないなら、単独記事にはしないほうが無難でしょう。上位の記事を確認し、扱われている範囲が自社で書ける範囲を超えているようなら、いったん親記事の一部として書き、内容が増えた時点で切り出す進め方もあります。
キーワードリストの行数を、そのまま記事の本数にしない
ツールで抽出したキーワードは、表記ゆれや語順違いを含んだまま数百行になります。1行1記事で計画を立てると、同じ意図の記事を何本も作ることになり、公開してから重複が発覚します。
抽出したキーワードが400行あります。全部書けばそのぶん流入は増える、という理解で合っていますか。
編集部
行数と記事本数は、まず一致しないですね。実際に束ねてみると、400行が60本前後の記事に収まることがよくあります。残りは表記ゆれか、束ねた記事の中で答えられる問いです。先に束ねてから本数を出したほうが、制作にかける費用の見積もりも現実的な数字になります。
記事の本数を決めるのは、キーワードの行数ではなく検索意図の数です。束ねる作業を先に済ませておけば、あとから重複を直す手戻りが起きません。
キーワードをどこに置き、どう置くか
主語となるキーワードが決まったら、次は置き場所です。置く場所そのものは昔から変わっていません。変わるとすれば置き方のほうで、ここには作法があります。
- タイトルに、助詞を補った自然な日本語の文として入っている
- 見出しのうち少なくとも1つが、キーワードの問いに直接答えている
- 本文の最初の段落に、検索した人が使う言い回しで出てくる
- メタディスクリプションに含まれている
- URLが英数字で、記事の主語を推測できる
タイトルについては、入れたキーワードがそのまま検索結果に出るとは限らない点も押さえておいてください。Googleは、ページの内容と合っていないと判断した場合に、検索結果のタイトルリンクを別の文言へ置き換えることがあると説明しています。

※ タイトルリンクの生成方法は、Google検索セントラル「Google検索結果のタイトルリンクを管理する」の記載を参照しています。
キーワードを詰め込んだタイトルを付けても、書き換えられて意味をなさない場合がある。詰め込むより、本文の内容とタイトルの文言を一致させるほうが、意図した文言が表示される確率は上がります。

メタディスクリプションについては、順位への直接の影響はないとされています。とはいえ、検索結果に表示されたときにクリックするかどうかの判断材料にはなるため、キーワードを含んだ説明文を用意しておく価値はあります。
すでに公開した記事が重複しているときの直し方
重複は、直す前にまず見つける必要があります。Search Consoleの検索パフォーマンスで、重複が疑われるクエリを1つ選んでフィルタをかけ、その状態でページの一覧に切り替えてください。同じクエリに対して複数のURLが表示回数を分け合っていれば、記事同士が競合している状態です。
| 対応 | 判断の目安 | |
|---|---|---|
| 内容がほぼ同じ | 1本に統合し、残す側へリダイレクトする | 流入と被リンクが多い側を残す |
| 片方が明らかに薄い | 使える内容を移してから削除する | 移せる内容がなければそのまま削除 |
| 意図が少しずれている | 主語が重ならないようリライトする | それぞれの見出しを立て直す |
| 事情があって両方残す | canonicalタグで正規URLを指定する | 検索結果に出したい側を指定 |
判断で迷いやすいのは3行目でしょう。意図がずれているのか、同じ意図を別の言葉で書いただけなのかは、それぞれの記事で狙ったキーワードを検索し直せば判定できます。上位に並ぶページが重なっているなら、ずれてはいません。
統合を選んだ場合は、残す側に不足していた見出しを足してから、削除側をリダイレクトします。順序を逆にすると、統合先が薄いまま検索結果に残る期間が生まれます。
canonicalの指定は、検索エンジンへの提案として扱われます。指定したURLが必ず選ばれるとは限らないため、内容が重複したまま両方を残す判断は最後の手段と考えてください。

※ 正規URLの指定方法と扱いは、Google検索セントラル「重複した URL を統合する」の記載を参照しています。
重複している記事の本数が多く、直す順番から決めかねている場合は
統合するのか、リライトで意図をずらすのか、削除するのか。1本ずつの判断は、検索結果と流入データの両方を見ないと決まりません。弊社では既存記事の棚卸しから統合方針の策定、実際のリライトまで対応しています。
1ページ1キーワードについてよくある質問
主語にするキーワードは1つです。ただし、その主語と同じ検索意図を持つ言い換えや関連語を本文で扱うことに、数の制限はありません。上限を気にするより、記事が答える問いが1つに定まっているかで判断してください。
目標にすべき数値はありません。出現率を上げる目的で本文を書き換える作業は、Googleがスパムに関するポリシーで挙げているキーワードの乱用に近づいていきます。自然に書いた結果が何パーセントになったかは、気にしなくて構いません。
必要ありません。meta keywordsタグをWeb検索のランキングに使用していないことは、Googleが公式に表明しています。設定しても害はありませんが、時間をかける価値はありません。
できます。両方のキーワードをシークレットウィンドウから検索し、上位10件のURLがいくつ重なるかを数えるだけです。7件以上重なっていれば、検索エンジンが同じ問いとして扱っていると考えて差し支えありません。
質問の多くは「何個まで」という数の話に見えて、実際には「どこで線を引くか」の話です。線の引き方さえ決まれば、キーワードの数は自然に決まります。
まとめ
1ページ1キーワードは、1本の記事に語句を1つしか入れない原則ではなく、記事が答える検索意図を1つに定めるという設計の原則です。まとめるか分けるかで迷ったときは、2つのキーワードで実際に検索し、上位10件のURLの重なりを数えれば判断できます。
守りすぎれば記事が薄くなり、緩めれば自社の記事同士が競合する。どちらに転んでも順位は付かないため、判定の基準を数値で決めて運用に載せることが現実的な解になります。
合同会社Writers-hubでは、キーワードの束ね方の設計から記事制作、公開済み記事の統合やリライトまでを承っています。手元のキーワード表を前に記事の本数が決まらない、公開済みの記事同士が競合しているようだ、といった段階でしたら、現状の棚卸しからご提案します。








