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オウンドメディア運用代行の費用相場と内訳|予算別にできることと見積の見方

運用代行の費用は、記事の本数よりも「どこまでの判断を任せるか」で変わります。月額の総額を見比べる前に、見積の内訳と、外注しても自社に残る確認や監修の時間を数えてみてください。予算が月10万円台であれば、任せる範囲を1つに絞ったほうが検討しやすくなります。

オウンドメディアの運用代行の見積書を並べ、戦略設計・記事制作・運用改善の三層に費用を振り分けて比較している机の上の様子。

オウンドメディアの運用代行を検討して数社から見積を取ると、月5万円の提案と月80万円の提案が並ぶことがあります。同じ「運用代行」という言葉なのに、金額は16倍。この幅を前にして、自社が払うべき金額はどちらに近いのか判断できず、比較作業が止まってしまう。相談の場で最初に伺うのは、たいていこの戸惑いです。

金額差の正体は、記事の本数ではありません。費用を決めているのは、判断をどこまで外部に預けるかの範囲です。記事を書く作業だけを頼むのか、何を書くかを決める工程まで頼むのか、数字を見て翌月の方針を組み替える役割まで頼むのか。任せる判断の階層が一段上がるごとに、同じ本数でも見積は2倍から3倍動きます。

本記事では、SEO記事とオウンドメディアの制作を代行してきた立場から、費用の内訳と金額の目安、代行会社のタイプごとの費用構造、予算帯ごとに現実的に任せられる範囲、そして見積書には載らない社内工数の数え方までを整理します。

この記事でわかること
  • 運用代行の費用が10倍以上開く理由と、金額を決めている3つの層
  • 初期費用と月額費用の内訳、記事単価に含まれる作業の範囲
  • 代行会社のタイプ別に見た費用構造と、依頼が向くケース
  • 月5万円未満から月50万円以上まで、予算帯ごとに任せられる範囲と諦める前提
  • 見積書の粒度から設計力を読む4つの確認項目と、社内に残る工数の見積り方

オウンドメディア運用代行の費用は「判断の範囲」で決まる

運用代行の見積を比べるとき、多くの担当者は「月何本で何円か」を横並びにします。ところがこの軸だけで並べると、単価の安い提案が自動的に有利に見えてしまいます。実際には、記事を書く前後の工程を誰が持つかで、必要な人件費の質がまるで変わる。ここを分けずに総額だけを比べると、あとから社内の負荷として跳ね返ってきます。

費用を構成する3つの層

運用代行の作業は、大きく3つの層に分かれます。上の層に行くほど、判断の重さと単価が上がる構造です。

1
STEP
第1層 作業の層(執筆・編集・入稿)

決まった構成に沿って原稿を書き、体裁を整えてCMSへ入れる工程です。作業量と成果物の数が比例するため、値付けは記事単価か文字単価。人を増やせば本数が伸びる部分でもあります。

2
STEP
第2層 設計の層(キーワード選定・構成設計)

どのキーワードで何を書くか、記事の中で何を証明するかを決める工程です。検索結果の分析と事業理解の両方が必要で、担当者のスキルが成果に直結する層。ここを外注に含めるかどうかが、月額の差として最も大きく出ます。

3
STEP
第3層 判断の層(計測・方針変更・投資配分)

公開後の順位や流入、問い合わせ数を見て、新規記事とリライトの比率を組み替えたり、予算配分を変える工程です。事業側の数字を預かる前提になるため、月額はコンサルティング相当の水準になります。

同じ「月30万円」でも、第1層だけを5本分依頼した30万円と、第1層2本に第2層と第3層を含めた30万円では、翌年の成果がまったく違う形になります。前者は原稿が資産として残り、後者は判断の型が社内に残る。どちらが正しいかは、自社に設計と判断を担える人がいるかで決まります。

運用代行の費用を構成する3つの層

三層のどこを預けるかは、社内の人員構成から逆算して決まります。相談の場でよく出るのが、次のような状況です。

経営者経営者

社内に編集ができる人間はいませんが、方針は自分たちで決めたいと考えています。この場合、どの層を頼むのが妥当でしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

第1層と第2層を外に出し、第3層だけ社内に残す形が現実的です。方針を自社で持つのであれば、代行側から順位と流入の実データと、翌月に打てる選択肢を上げてもらう契約にしておいてください。逆に第2層まで自社で抱えると、キーワード選定の待ちが発生して本数が落ちやすくなります。

関連記事:【2025年最新】オウンドメディア構築の完全ガイド|手順からコツまで徹底解

運用代行に依頼できる業務と、費用が発生する工程

「運用代行」という言葉が指す範囲は会社ごとに違います。見積を読む前に、どの工程が含まれ、どの工程が別料金なのかを工程表として押さえておくと、比較の土台が揃います。

工程

主な作業

費用のかかり方

戦略設計

目的とKPIの定義、ターゲット整理、キーワード設計、記事計画の作成

初期一括、または月額に内包

サイト構築

CMS選定、デザイン、実装、計測タグの設定

初期一括

記事制作

構成作成、執筆、編集、図解制作、CMS入稿

記事単価×本数、または月額固定

公開後の計測

順位と流入の取得、レポート作成、定例会

月額固定

改善実行

リライト、内部リンク設計、CTA改善、記事計画の組み替え

月額に内包、または都度見積

この5工程のうち、価格差が生まれやすいのは戦略設計と改善実行です。記事制作は成果物が数えられるため単価が比較しやすく、市場の相場からも離れにくい。一方、戦略設計と改善実行は成果物が資料と判断であるため、「月次サポート」という名前でまとめられ、中身が見えないまま金額だけが動きます。

見積を並べる前に、この5工程の表を自社用に書き換えて「社内で持つ」「外に出す」「まだ決めていない」の3つに色分けしてみてください。決めていない欄が3つ以上あるうちは、どの会社の見積も高いか安いか判断できません。

分担が決まっていない状態で相見積もりを取ると、各社が想定した範囲がばらばらの見積が集まります。金額の比較にならないうえ、発注後の追加費用の温床にもなりがち。工程表を先に作る作業は、値引き交渉より効きます。

関連記事:オウンドメディアの費用対効果とは?測り方と高める考え方を解説

初期費用と月額費用の内訳と金額の目安

運用代行の費用は、立ち上げ時に一度かかる初期費用と、毎月かかる運用費用に分かれます。すでにメディアがある場合は初期費用の一部が不要になるため、自社がどちらの状態かで見るべき行が変わります。

立ち上げ時にかかる初期費用

項目

金額の目安

内容

戦略設計・キーワード設計

20〜80万円

目的整理、競合調査、キーワード一覧、記事計画の作成

既存サイトへのメディア追加

10〜60万円

既存サイトへのブログ機能追加、テンプレート調整

新規メディアの構築

60〜300万円

情報設計、デザイン、CMS実装、計測導入

公開時の初期記事(10〜20本)

40〜200万円

公開時点で最低限そろえる記事群の制作

新規メディアの構築費が数十万円から数百万円まで開くのは、デザインをテンプレートで済ませるか、独自に設計するかの差が大きいためです。集客が目的であれば、公開直後のデザイン投資より初期記事の本数に予算を寄せたほうが、検索流入の立ち上がりは早い。オリジナルデザインは、指名検索や採用の目的が明確なときに検討する順序で構いません。

毎月かかる運用費用

依頼範囲

月額の目安

含まれるもの

記事制作のみ

5〜30万円

構成、執筆、編集。本数と単価で変動

記事制作+運用ディレクション

20〜50万円

上記に加えて計測、レポート、翌月の記事選定

戦略から実行まで一括

50〜150万円

上記に加えてキーワード戦略の更新、リライト設計、改善提案

コンサルティングのみ

15〜50万円

方針設計と定例会。制作は自社または別発注

サイト保守・ツール利用料

0.5〜5万円

サーバー、ドメイン、CMS保守、順位計測ツール

※ 本記事の金額は、弊社が代行の見積作成および相見積もりの場で提示・確認してきた範囲をもとにした目安です。公表された統計調査の値ではないため、実際の金額は依頼範囲と体制によって前後します。

記事単価の中に何が含まれているか

記事制作を依頼するときにもっとも誤差が出るのが、記事単価の定義です。同じ「1記事6万円」でも、含まれる作業が違えば実質のコストは変わります。

記事タイプ

単価の目安

一般的なSEO記事(3,000〜5,000字)

3〜8万円

専門領域・有資格者の監修つき

8〜15万円

取材・インタビュー記事

10〜25万円

導入事例・顧客インタビュー

10〜30万円

単価に構成作成と修正対応が含まれるかで、実費は2倍近く動きます。見積の段階で、次の5点が単価に入っているかを一つずつ確認してください。

  • キーワード調査と検索意図の分析
  • 記事構成(見出し案)の作成と、構成段階での確認
  • 図解や表の制作、画像の選定
  • CMSへの入稿と表示崩れの確認
  • 公開後の修正対応の回数と範囲

構成作成が別料金の場合、社内の担当者が見出し案を書くことになります。1本あたり2時間から3時間かかるため、月4本なら月10時間前後の社内工数が発生する計算です。単価が1万円安い見積のほうが、社内工数を含めると高くつく。この逆転は、見積を横並びにしただけでは見えません。

関連記事:コンテンツマーケティングの費用相場と内訳|効果を最大化するポイントも解説

代行会社のタイプ別に見た費用構造の違い

運用代行を掲げる会社は、もとの事業の出自によって費用構造が違います。「相場より高い、安い」という見方より、どのタイプに見積を依頼しているかを把握したほうが、金額の妥当性を判断しやすくなります。

記事制作会社総合支援会社SEOコンサル会社オンラインアシスタントフリーランス
月額の目安10〜40万円30〜150万円15〜50万円5〜20万円3〜15万円
戦略設計×
記事の量産体制×
公開後の改善提案×
専門記事への対応×
立ち上げ期の適性×

記事制作会社は、第1層と第2層に強く、本数を安定して出せる体制を持ちます。立ち上げ期の適性、専門記事への対応、量産体制の3点が揃ったうえで月額が10〜40万円に収まるため、これから本数を積み上げる段階では最初に見当をつけたいタイプです。総合支援会社は第3層まで含めて預けられる代わりに、最低契約金額が高めに設定されている場合が多い。SEOコンサル会社は方針設計の精度が高い一方、制作は別発注になることがあり、合計金額では総合支援に近づくことがあります。

オンラインアシスタントやフリーランスは月額を抑えられますが、キーワード設計と品質基準を自社で用意する前提です。設計を担える人が社内にいるなら費用効率は高く、いないなら本数だけが増えて流入が伸びない状態になりやすい。ここは費用ではなく体制の問題として切り分けたほうが判断が早くなります。

代行会社のタイプ別の費用構造と得意領域

予算帯ごとに任せられる範囲と、諦める前提

現実の検討は「予算がこれだけある。何ができるか」から始まります。予算帯ごとに任せられる範囲を整理すると同時に、その帯では何を諦めるのかも合わせて押さえておくと、発注後の期待値のずれが減ります。

月5万円未満月5〜20万円月20〜50万円月50万円以上
記事本数の目安1本1〜3本3〜6本6本以上
キーワード設計自社初回のみ外注外注(毎月更新)外注(四半期で再設計)
公開後のリライト×
定例会・レポート×簡易レポート月1回月2回以上
社内に必要な工数月20時間以上月10〜20時間月5〜10時間月5時間前後
成果が見え始める目安12か月以上8〜12か月6〜10か月4〜8か月

月5万円未満は、記事を書く作業だけを部分的に外に出す帯です。キーワードの決定と品質の確認は自社に残るため、担当者の工数が月20時間を超えることも珍しくありません。予算が月10万円台なら、任せる範囲を1つに絞ってください。設計も制作も改善も少しずつ頼むと、どの工程も中途半端に終わります。

月20万円から50万円の帯が、運用代行としてもっとも収まりがよい水準です。月3本から6本の記事に加えて、キーワードの毎月更新とリライト判断まで含められるため、公開後に順位が伸びない記事へ手を入れる余地が残ります。新規記事と既存記事の改善を並行させたときに成果が動くため、リライトを契約に含められるかどうかが分かれ目。

月50万円以上は、複数のメディアや商材を並行して回す場合、あるいは競合が強い領域で早期に順位を取りにいく場合の帯です。金額が上がるほど、代行側の担当者が事業の数字にどこまで踏み込めるかを確認する重みが増します。

月20万円台で、自社はどこまで任せられるのか

予算の枠は決まっているのに、その枠で何本作れて、どこまで改善に手が回るのか。この線引きは、キーワードの状況と自社に残せる工数を合わせて見ないと決まりません。現状のメディアと予算をもとに、任せる範囲の切り分けからご相談いただけます。

見積書から代行会社の設計力を読む4つの確認項目

見積書は金額を伝える書類ですが、同時に相手がどれだけ工程を分解できているかが表れる資料でもあります。金額の大小より、書き方を先に見てください。

1
STEP
1 品目の粒度を見る

「コンテンツ制作費 一式」のように工程がまとまっている見積は、発注後に作業範囲の解釈がずれます。構成作成、執筆、編集、入稿、修正のどこまでが単価に入るのかが行として分かれているかを確認してください。分けて書ける会社は、社内の工程管理も分かれています。

2
STEP
2 本数の前提条件を見る

「月4本」の隣に、想定文字数、修正回数、納品形式が書かれているかを確認します。文字数の下限がない見積では、短い記事で本数を満たされることがある。逆に上限が厳しすぎる場合、検索結果で必要な情報量に届かない記事になります。

3
STEP
3 計測とレポートの中身を見る

レポートの項目が「順位」だけの見積は、公開後の判断材料になりません。流入数、流入キーワード、クリック率、コンバージョンのうちどれを追うのか、データの取得元がどこかまで書かれているかを確認してください。

4
STEP
4 契約期間と解約条件を見る

オウンドメディアは成果が出るまでに数か月かかるため、6か月から12か月の最低契約期間が設定されることが一般的です。期間そのものより、途中で範囲を縮小できるか、担当者を変更できるかという条件のほうが実務では効きます。

4項目のうち、もっとも見落とされやすいのは2番目の前提条件です。単価だけを比べて安い会社に決めたあと、納品された記事が2,000字で、必要な情報が入らず追加発注になる。この流れは相談の場でもよく聞きます。

「SEOに強い」「実績多数」といった説明だけで、どの検索キーワードで何位を取ったかが示されない場合は、確認できる形での実績提示を依頼してください。自社サイトのオーガニック流入の推移や、担当した記事の検索順位のスクリーンショットは、守秘義務の範囲内でも共有できることが多いはずです。

外注しても自社に残る工数を数える

見積書に載らない費用が、社内の人件費です。運用代行を入れても、確認や素材提供、監修の作業はゼロになりません。ここを数えずに「外注のほうが安い」と結論を出した場合、差額が現れるのは担当者の残業時間。

外注しても社内の確認工数は月10時間から20時間残ります。内訳を分解すると、次のような形になります。

社内に残る作業

月あたりの時間目安

キーワードや記事テーマの承認

1〜2時間

記事構成の確認とフィードバック

2〜4時間

原稿の確認と事実関係のチェック

4〜8時間

商品情報や社内データの提供

1〜3時間

定例会と社内共有

2〜3時間

月10時間から20時間を人件費に換算してみます。担当者の人件費が時間あたり4,000円なら、月4万円から8万円。運用代行に月30万円を払う場合、実際の投資額は月34万円から38万円という計算です。

💡

社内工数を減らす方法として効くのは、確認の回数を減らすことではなく、確認の基準を先に文書化することです。トンマナ、使ってよい表現、避けたい主張、必ず入れる社名や商品名の書き方を1枚のルールにまとめておくと、原稿の差し戻しが減り、確認時間は半分近くまで下がります。

逆に、社内工数をゼロに近づけようとして監修の工程まで外に出すと、事実関係の誤りが公開後に見つかるリスクが上がります。専門性の高い商材であれば、原稿確認の時間は削らず、代わりにキーワード承認や構成確認を簡略化する順序で調整してください。

オウンドメディアの費用全体の考え方は、オウンドメディアの構築・運用費用の内訳でも整理しています。

支払える上限を先に決める逆算の手順

相場を調べる目的は、他社と同じ金額を払うことではなく、自社が払える上限を決めることです。先に決めるのは本数ではなく、受注1件から逆算した月額の上限。手順は4段階に分かれます。

1
STEP
1 受注1件あたりの粗利を出す

自社の平均受注単価から原価を引いた金額を出します。仮に1件の粗利を30万円とします。この数字は自社の実績から取ってください。業界平均を借りると、以降の計算がすべてずれます。

2
STEP
2 目標の受注件数から必要な問い合わせ数を出す

オウンドメディア経由で月1件の受注を増やしたい場合、問い合わせから受注に至る率が30パーセントなら、必要な問い合わせは月3件から4件です。この転換率も自社の商談データから取ります。

3
STEP
3 必要なセッション数を出す

サイト訪問から問い合わせに至る率が1パーセントなら、月3件から4件の問い合わせには月300から400セッションが必要です。記事1本が月100セッションを集めると仮定すると、成果を出す記事が3本から4本必要という計算になります。

4
STEP
4 記事本数と回収期間から上限額を出す

狙ったキーワードで上位に入る割合を3本に1本と見ると、10本前後の記事が必要です。月3本の制作なら4か月弱。粗利30万円が毎月上乗せされる状態を作るための投資として、何か月で回収するかを決めれば、払える月額の上限が決まります。

この計算で重要なのは、途中の数値をすべて自社のデータに置き換えることです。転換率1パーセントという数字は業種によって大きく動きますし、記事1本が集めるセッション数もキーワードの検索ボリュームで変わります。仮の数字のまま予算に落とすと、根拠のない期待値が社内に共有された状態で走り出すことになる。

受注1件から逆算して月額の上限を決める流れ

計算してみて「払える上限が月10万円だった」という結果になることもあります。その場合に取るべき判断は、無理に月30万円の契約を結ぶことではなく、月10万円で回る範囲に絞るか、投資回収の期間を長めに設定して社内合意を取り直すかのどちらかです。

契約形態ごとの費用リスク

同じ金額でも、支払いの形が違えばリスクの位置が変わります。運用代行で使われる契約形態は、おおむね3つに整理できます。

契約形態

費用の決まり方

注意する点

月額固定型

依頼範囲を決めて毎月同額

稼働が少ない月も同額。範囲外の作業は追加見積になる

記事単価型

納品した記事数×単価

本数は調整しやすいが、公開後の改善が範囲に入らないことが多い

成果連動型

順位や流入、問い合わせ数に応じて変動

成果の定義と計測方法を契約書に書かないと解釈が割れる

月額固定型は、運用代行の中心となる形態です。毎月の費用が読めるため社内の予算化がしやすく、記事制作と改善を同じ担当者が続けて見るため、判断の連続性も保たれる。稼働の少ない月に割高感が出る点は、四半期単位で範囲を見直す条項を入れておくと調整できます。

記事単価型は、必要な本数だけを頼める柔軟さがある一方、公開後の順位を見て手を入れる工程が契約に入りにくい構造です。記事は増えるのに流入が伸びないという状態は、この形態で起きやすくなります。

成果連動型は一見リスクが小さく見えますが、成果の計測をどちらが行うか、ブランド名での検索を成果に含めるかといった定義で揉めることがあります。導入するなら、計測ツールと集計方法を契約時に文書化してください。

全工程をまとめて任せる場合の利点
  • 工程間の引き継ぎロスがなく、方針変更が翌月の記事に反映される
  • 社内の管理工数が月5時間程度まで下がる
  • 戦略と制作の担当が同じため、判断の根拠が記事に残る
全工程をまとめて任せる場合の負担
  • 月額が30万円以上になりやすく、予算の枠を先に確保する必要がある
  • 設計の手順が社内に残らず、内製へ切り替える際に学び直しが発生する
  • 委託先を変更すると、判断の経緯ごと入れ替わる

範囲を絞って任せる形は、この裏返しになります。月額を10万円台に抑えられ、設計の手順が社内に残る代わりに、工程をまたぐ調整と品質の確認は自社の仕事。半年以内に流入を作りたいなら一括で任せる形、2年かけて内製化まで進めたいなら範囲を絞る形から入る順序が現実的です。内製化を見据える場合の進め方は、SEO記事の内製化支援の考え方も参考になります。

費用を下げるときに手をつける順番

予算を削る必要が出たとき、多くの場合まず単価の交渉から入ります。ところが単価は原価に直結しているため、下げれば品質か作業範囲のどちらかが削られる。手をつける順番を変えたほうが、同じ予算で残る成果が変わります。

  • 記事の狙うキーワードを絞り、成果が読める順に並べ替える
  • 新規記事とリライトの比率を見直し、既存記事の改善に予算を寄せる
  • 図解や取材が本当に必要な記事を選別し、一律の仕様をやめる
  • 入稿や画像選定など、社内でできる工程を引き取る
  • 定例会の頻度を月2回から月1回に変え、その分を制作に回す

最初に効くのはキーワードの絞り込みです。検索ボリュームだけで並べた記事計画には、上位表示の難易度と自社の商談への近さが反映されておらず、書いても問い合わせにつながらない記事が混ざる。ここを整理すると、本数を減らしても流入と問い合わせが落ちない状態を作れます。

一方で、次の削り方は結果として費用効率を下げます。

  • 記事単価だけを下げて本数を維持する
  • 構成作成を単価から外して社内に戻す
  • 監修や事実確認の工程を省く
  • 公開後の計測とリライトをやめて新規記事だけにする

検索エンジン側も、コンテンツの評価軸として、経験や専門性が反映されているかを公開しています。単価を削って情報の薄い記事を並べる方向は、費用を下げる目的に対しても効きません。

有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
Google のランキング システムは、ユーザーにメリットをもたらすことを目的として作成された有用で信頼できる情報をユーザーに提示できるように設計されています。自己評価のための質問を通じてご自身のコンテンツを評価する方法をご確認ください。
🌐 developers.google.com
外部リンク

※ 出典 Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」

削る順番の判断で迷う場面は、予算が急に変わったときに集中します。

経営者経営者

予算が半分になりました。本数を半分にするか、単価を半分にするか、どちらを選ぶべきでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

本数を半分にする側をおすすめします。単価を半分にすると、構成作成や図解が範囲から外れ、記事の情報量が落ちて上位に入らなくなります。本数が減るだけなら、残した記事は同じ品質で公開できるため、順位が付いた記事から流入は積み上がる。加えて、減らした本数の分をリライトに回せば、既存記事の順位改善で流入の目減りを抑えられる場合があります。

今の予算で、削る順番を間違えていないか確認したい方へ

予算を削る場面でいちばん効くのは、単価交渉ではなくキーワード計画の組み替えです。どのキーワードを残し、どれを後回しにするかは、検索結果の状況と商談への距離を突き合わせて決まる部分。現在の記事計画をもとに、優先順位の付け直しからお手伝いできます。

オウンドメディア運用代行の費用に関するよくある質問

運用代行の費用は最低いくらから依頼できますか。

記事制作だけを部分的に依頼する形であれば、月5万円前後から受けている会社があります。ただしキーワードの決定と原稿の品質確認は自社に残るため、担当者の工数が月20時間を超える前提で考えてください。戦略設計とリライト判断まで含めるなら、月20万円が実質的な下限になります。

費用は前払いですか。成果が出なければ返金されますか。

月額固定型は当月または翌月の請求が一般的で、返金条項が付くことはほとんどありません。検索順位は代行会社が単独で決められる要素ではないため、成果保証を掲げる場合は「保証する成果の定義」と「達成できなかった場合の措置」を契約書で確認してください。

内製と外注では、どちらが費用を抑えられますか。

3年以上続ける前提なら内製のほうが総額を抑えられる可能性があります。ただし編集ができる人材の採用と育成に時間がかかるため、立ち上げから2年程度は外注のほうが早く成果に届く場合が多い。設計だけ外注し、制作を社内に寄せる中間の形も選べます。

契約期間の途中で費用を減らせますか。

多くの契約で最低契約期間が設定されていますが、範囲の縮小に応じてくれる会社もあります。契約前に、本数の変更を何か月前に申し出れば反映されるか、範囲の縮小が可能かを確認しておくと、予算が動いた場合に対応しやすくなります。

成果が出るまでどのくらいの期間と費用を見ておくべきですか。

検索流入が積み上がり始めるのは、記事の公開開始から6か月から10か月が目安です。月20万円の契約なら、成果を判断できる時点までに120万円から200万円の投資という計算になります。判断の材料を早く得たい場合は、公開後3か月の時点で順位の推移だけを中間の確認点に置いてください。

まとめ

オウンドメディア運用代行の費用は、初期に20万円から300万円、月額で5万円から150万円という幅で動きます。この幅を前にして必要なのは、相場の中央値を探すことではなく、自社がどの層まで判断を預けるかを決めることです。

判断の順序をもう一度整理します。工程表で分担を決め、社内に残る工数を時間で数え、受注1件の粗利から払える上限を出す。この3つが揃ってから見積を比べれば、金額の高低ではなく範囲の妥当性で選べます。予算を削る場面でも、単価ではなくキーワード計画から手をつけたほうが、残る成果が変わります。

合同会社Writers-hubでは、記事制作の代行と、公開後の改善までを含めた運用支援を行っています。今のメディアの状態と予算の枠から、任せる範囲をどこで切るのが妥当かという線引きの相談から対応しています。運用代行そのものの選び方についてはオウンドメディアの外注で失敗しない進め方も合わせてご覧ください。

見積を並べる前に、任せる範囲の切り分けから相談する

何工程を外に出し、どこを社内に残すか。ここが決まると、各社の見積が同じ土台で比べられるようになります。現在のメディアの状況、予算の枠、社内で確保できる時間をお聞かせいただければ、現実的な依頼範囲と本数の組み方をご提案します。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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