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CVR改善の施策と進め方|上がらない原因の切り分けと着手する順番

CVRが下がったときは、ページを直す前に、比べている2つの期間で流入の内訳が変わっていないかを先に確認してください。広告のターゲティングを広げた月や、新しい記事が伸びた月は、ページを一切触らなくてもCVRは下がります。施策を選ぶときは、月間のCV件数が20件に届かないうちはA/Bテストではなく、フォーム項目の削減や訴求の一致など、比較検証に頼らない改善から進めるほうが結果が出やすいはずです。

Webサイトのアクセス数の折れ線と、その下に並ぶコンバージョン数の棒グラフを見比べながら、どこで取りこぼしが起きているかを指し示しているマーケティング担当者の手元。

「CVRが下がったのだから、ページのどこかを直さないといけないはずだ」。数値が落ちた月に、まずページの改修から検討が始まることがあります。社内で共有されるのはサイト全体のCVRという1つの数字で、その月にどのチャネルから何人来たかという内訳まで並べて見る機会は少ないため、原因はページ側にあるように見えます。

しかし、SEO記事とオウンドメディアの制作を支援してきた弊社の立場から言えるのは、ページを一度も触っていない月でもCVRは動くということです。広告のターゲティングを広げた月や、記事からの流入が伸びた月は、分母だけが大きくなって全体の数値は下がります。改修に入る前に、チャネルをそろえて前月と並べ直すところから始めても遅くありません。

本記事では、CVRの計算式と分母の置き方から、原因を切り分ける5つの通過点、月間のCV数に見合う施策の選び方と着手する順番まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。ツールの選び方や、一通り施策を打っても数値が動かないときに確認する点もあわせて取り上げます。

この記事でわかること
  • CVRの計算式と、分母の置き方で数値が変わる仕組み
  • CVRが下がったときに、ページより先に疑う分母の変化
  • CVRが上がらない原因を切り分ける5つの通過点
  • 施策ごとに必要な母数の違いと、着手する順番の決め方
  • 施策を打っても数値が動かないときに確認すること

CVR改善とは、分母と分子のどちらを動かすのかを決めること

CVR改善とは、Webサイトや広告に訪れた人のうち、申し込みや問い合わせに至った人の割合を高める取り組みを指します。CVRはConversion Rate(コンバージョンレート)の略で、日本語では成約率や転換率と呼ばれることもあります。

言葉としては単純です。ところが実務では、最初の一手で迷いやすい指標でもあります。理由は、CVRが割り算の結果でしかないから。分子であるコンバージョン数を増やしても、分母である訪問数を減らしても、数値は同じように上がります。この2つを区別しないまま「CVRを改善しよう」と言い出すと、社内で見ている絵がずれたまま議論が進んでしまう。

CVRの計算式と、分母の置き方で数値が変わる

計算式は、コンバージョン数 ÷ 訪問数 × 100 が基本です。ここで問題になるのが、訪問数を何で数えるかという点になります。セッション(訪問)で割るのか、ユーザー(人)で割るのか。同じ期間の同じサイトでも、選び方によって数値は変わります。1人が3回訪問して1回申し込んだ場合、セッション基準では33.3%、ユーザー基準では100%です。

広告媒体の管理画面とGA4で数値が食い違うのも、多くはここが原因になっています。広告側はクリックを分母に置き、コンバージョンをクリック起点で計上する。GA4はセッションを分母に置き、設定したアトリビューションに従って計上する。どちらかが壊れているわけではなく、測っている対象が違うだけです。CVRは1つの数字ではなく、分母の中身とセットで読むものだと考えてください。

「CVRを上げる」という言葉には2通りの意味がある

分子を増やす改善と、分母を絞る改善は、まったく別の作業です。

分子を増やすのは、今来ている人のうち申し込む人を増やす方向。ファーストビューの訴求、CTAの文言、フォームの項目数などが対象になります。一方の分母を絞るのは、そもそも申し込む見込みの薄い流入を止める方向。広告のキーワードを絞る、除外設定を入れる、情報収集段階の記事からの流入を別導線に振り分けるといった打ち手です。

後者はCVRを確実に押し上げます。ただし、CV数そのものは減ることがある。ここを合意しないまま進めると、レポートの数字は良くなったのに営業からは案件が減ったと言われる、という食い違いが起きます。

💡

社内で目標を置くときは、CVRとCV数を必ず並べて記録してください。CVRだけを追う運用では、流入を絞ることでも目標を達成できてしまいます。CV数、CVR、CPA(獲得単価)の3つを同じ表に並べておくと、どの改善が事業の成果につながったのかを後から追えます。

関連記事:コンテンツマーケティングの基礎知識を総まとめ|やり方から成果につなげる方法まで徹底解説

CVRが下がったとき、ページより先に疑うのは分母の変化

「先月からCVRが落ちた。ページを直そう」という流れは自然に見えます。けれど順番としては危うい。ページを一度も触っていない月でもCVRは動くからです。

流入の内訳が変わると、ページを直さなくてもCVRは動く

指名検索、リスティング広告、記事からの自然検索流入、SNS、直接アクセス。チャネルごとにCVRはまったく違います。会社名で検索して来た人はすでに検討が進んでいるため申し込みやすく、「〇〇とは」で調べて記事に着地した人は情報収集の途中にいます。

ここで起きるのが希釈です。記事コンテンツが伸びて自然検索の流入が2倍になると、分母だけが大きくなり、サイト全体のCVRは下がります。数字の上では悪化ですが、実態としては認知段階の接点が増えている状態で、CV数は横ばいか微増していることも珍しくありません。広告のターゲティングを広げた月にも同じことが起きます。

サイト全体のCVRをチャネル別に分解した図

つまり、全体のCVRという1つの数字を見ている限り、良くなったのか悪くなったのかは判断できません。比べるなら、チャネルをそろえたうえで前月と並べる。この手順を踏むだけで、ページ改修に走る前に原因が消えることがあります。

計測の設定が変わっただけ、という場合もある

もうひとつの疑い先が計測です。タグの二重設置でコンバージョンが重複計上されていた、CVの定義に資料ダウンロードを追加した、参照元除外リストを変更した、GA4のキーイベント設定を触った。いずれも、サイトの実態が変わらないままCVRだけを動かします。

  • 比べている2期間で、流入チャネルの構成比が変わっていないか
  • 期間中にタグやCV定義を変更していないか
  • 広告の配信設定(地域・デバイス・ターゲティング)を広げていないか
  • 特定の1ページに流入が集中していないか
  • 季節要因や商材の需要期からずれていないか

比較する2つの期間で分母の内訳がそろっていないうちは、ページの改修に着手しないでください。原因が流入側にある状態でページを直すと、改修の効果と流入変動の影響が混ざり、どちらが効いたのか永久に分からなくなります。

関連記事:BtoBサイトのCVRの見方と上げ方|平均値との比べ方と改善の着手順

CVRが上がらない原因を、5つの通過点で切り分ける

分母の変化を除外できたら、次はページ側です。原因を探すとき、施策の一覧を上から眺めるのではなく、読者がコンバージョンに至るまでの通過点を分けて、どこで落ちているかを見ていきます。

通過点は5つに整理できます。1つめが流入で、集めているキーワードや広告に申し込みの意図があるかどうか。2つめがファーストビューで、検索結果や広告文で期待させた内容と着地ページの冒頭が一致しているか。3つめが本文で、申し込むかどうかを決めるのに必要な情報がそろっているか。4つめがCTAと導線で、次に取るべき行動が示されているか。5つめがフォームで、入力の負荷が意思決定を上回っていないかという観点です。

コンバージョンまでの5つの通過点と離脱の起きる場所

現場でよく見かけるのが、この切り分けをせずにフォームから触り始めるケースです。フォームは改修範囲が明確で着手しやすいため選ばれやすい。しかし、そもそも本文で判断材料が足りていなければ、読者はフォームまでたどり着いていません。

  • CVRが低い原因を、ページ内の要素だけで探そうとする
  • 流入キーワードの検索意図を確認せずに、着地ページを作り込む
  • 離脱率の高いページから順に直す(そのページが通過点として正常な場合もある)
  • 参考にした他社サイトのCTA文言をそのまま持ち込む
  • 1回の改修で複数の通過点を同時に変更し、効果を切り分けられなくする

とくに1つめの流入は、ページの改修では動かせません。集めているキーワードが「〇〇とは」「〇〇 種類」といった情報収集段階のものばかりであれば、着地ページをいくら磨いてもCVRの水準は上がらない。ここに原因がある場合、必要なのはページ改修ではなく、どのキーワードで記事を作るかという設計のやり直しになります。

集めているキーワードに、申し込みの意図が含まれていますか

記事の流入は伸びているのにCVが増えないとき、原因はページではなくキーワードの選び方にあることが少なくありません。検討段階ごとにキーワードを分類し、CVに近い領域の空白を埋めるところから設計をやり直します。現状の流入キーワードを見ながら、どこに手を付けるべきかを整理してお伝えします。

関連記事:CV改善を実現する導線設計とは|課題別の改善策と実践的な設計手法を解説

CVR改善の施策は、必要な母数で並べ替える

原因の見当がついたら施策を選びます。ここで多くの記事が触れていないのが、施策には効果を判定できる母数の下限があるという前提です。

たとえばA/Bテスト。2つのパターンに流入を分けて比較する手法ですが、月間のCVが5件のサイトで実施すると、片方が2件、もう片方が3件という結果になります。この差が改善によるものか偶然かは、判定できません。判定できない施策を回している間、担当者の時間は消費され、意思決定は先送りされ続けます。

判定に必要な月間CV数の目安効果が見えるまで実装の重さ
ファーストビューの訴求を流入元に合わせる少なくても着手可2〜4週間◎ 軽い
CTAの文言と配置を見直す少なくても着手可2〜4週間◎ 軽い
判断材料(料金・実績・事例)を追加する少なくても着手可1〜2か月○ 中
入力フォームの項目を削る10件前後から1か月○ 中
表示速度の改善少なくても着手可1〜2か月△ 重い
CVポイントを検討段階別に増やす20件前後から2〜3か月△ 重い
A/Bテスト各パターン20件以上1〜2か月× 重い
流入キーワードの入れ替え3か月以上× 重い
必要な母数の少ない施策から順に並べた着手の順番

表の上半分は、比較検証に頼らずに「明らかに直したほうがよい」と判断できる改善です。広告文と着地ページの見出しが食い違っている、CTAに「送信」としか書かれていない、料金の記載がどこにもない。こうした状態は、テストをするまでもなく直す対象になります。

下半分は、変更前後を比べて初めて良し悪しが分かる施策です。母数が足りないうちに着手すると、結果を読めないまま工数だけがかかる。月間CVが20件に届かないサイトであれば、A/Bテストより先に手を付ける場所が必ず残っています。

月間CV数が少ない場合、マイクロコンバージョン(資料ダウンロード、料金ページの閲覧、フォームへの到達など)を中間指標として設定すると、判定できる母数を確保できます。ただし中間指標を最終成果と取り違えないよう、レポートでは最終CVと分けて記録してください。

母数が少なくても着手できる施策の中身

判定に母数を必要としない施策から、実務で効きやすいものを具体的に見ていきます。

流入元の文言と、着地ページの最初の一行をそろえる

読者は広告文や検索結果のタイトルを見て、そこに書かれた内容の続きを期待してクリックします。着地したページの冒頭がその期待とずれていれば、内容の良し悪し以前に「違うページに来た」と判断されます。

確認方法は単純です。実際の検索結果や広告のプレビューと、着地ページのファーストビューを並べて見比べる。使われている単語が重なっているか、約束している内容が同じかを見ます。「無料相談」で集客しているのに着地ページの見出しが「サービス紹介」になっている、といった食い違いは、この作業をすると数分で見つかります。

CTAには、押した先で何が起きるかを書く

CTAの文言を「送信する」「詳しくはこちら」から変えるだけで数値が動くことがあります。理由は、読者がボタンを押すかどうかを、押した後に起きることの想像で決めているからです。

営業電話がかかってくるのか、資料が画面に表示されるのか、日程調整の画面に進むのか。押した先が想像できない状態では、慎重な読者ほど手を止めます。文言に行動と得られるものを書き、必要なら「入力は30秒ほどです」「営業のご連絡はいたしません」といった補足をボタンの近くに添えてください。

フォームの項目は、削った先で起きることまで確認する

入力フォームの項目を減らせばCVRは上がります。これはほぼ例外なく起きる現象です。ただし、フォームの項目を削るほど良いとは限りません

項目を減らす
  • 入力の途中離脱が減り、フォーム到達者あたりのCVRが上がる
  • スマートフォンでの入力負荷が下がり、モバイル比率の高いサイトほど効果が出やすい
  • 実装が軽く、数週間で結果を確認できる
項目を残す
  • 検討度の低い問い合わせが増え、営業の対応工数が膨らむことがある
  • 業種や課題の情報がないまま初回接触するため、提案の準備ができない
  • 商談化率が下がると、CVRは上がってもパイプラインの金額は変わらない

判断の基準は、フォームを通過した後の工程にあります。インサイドセールスが電話で補える体制があるなら項目は削る。少人数で商談まで担当していて、初回接触前に情報が要るなら残す。CVRという単一の数値ではなく、商談化率まで含めて決める話になります。

判断に必要な情報を、迷う場所の手前に置く

料金、対応範囲、納期、実績、他社との違い。読者が申し込む前に確認したい情報は決まっています。これらがページのどこにもない、あるいは別ページに分かれていると、読者は探すのをやめて離脱します。

置く場所は、ページの下部にまとめるのではなく、読者が迷う場所の直前です。料金の目安はCTAの手前に、対応範囲はサービス説明の直後に、実績は最初の説明を読み終えたあたりに。ヒートマップで熟読されている位置が分かるなら、その付近に足すと効果を確認しやすくなります。

表示速度は体感ではなく、しきい値のある数値で確認する

制作者の環境では速く見えても、読者の回線とデバイスでは事情が違います。判断の基準として使えるのが、GoogleがCore Web Vitalsとして定義している指標。ページの主要なコンテンツが表示されるまでの時間(LCP)は2.5秒以内が良好とされ、4秒を超えると改善が必要という区分になっています。

※ 出典: Google 検索セントラル「Core Web Vitals とページ エクスペリエンス」

Understanding Core Web Vitals and Google search results | Google Search Central | Documentation | Google for Developers
Core Web Vitals is a set of metrics that measure real-world user experience. Learn more about Google Search and Core Web Vitals.
🌐 developers.google.com
外部リンク

計測にはPageSpeed Insightsが使えます。URLを入力するだけで、実際のユーザーデータと診断結果の両方が確認できるため、社内での共有にも向いています。

PageSpeed Insights
🌐 pagespeed.web.dev
外部リンク

改善する場所は決まったのに、直す人手が足りないとき

原因の切り分けまでは自社でできても、判断材料を書き足す、記事からCVポイントまでの導線を作り直す、といった作業でリソースが尽きるケースは多くあります。合同会社Writers-hubでは、記事の執筆だけでなく、構成の設計から改修の運用まで編集部の機能ごとお引き受けしています。現在の体制で足りていない工程からご相談ください。

CVR改善を進める手順

ここまでの内容を、実際に着手する順番に並べ直します。

1
STEP
計測を確認して、比べられる状態にする

タグの重複、CVの定義、参照元除外リストを点検します。過去にCV定義を変更している場合は、その前後で数値を並べないよう期間の区切りをそろえてください。ここが崩れていると、後の工程がすべて無効になります。

2
STEP
分母をチャネルとページで割る

サイト全体のCVRではなく、流入チャネル別、ランディングページ別にCVRを出します。この時点で、全体の数値が動いた原因が構成比の変化だったと判明することがあります。

3
STEP
落ちている通過点を1つに絞る

流入、ファーストビュー、本文、CTAと導線、フォームの5つのうち、どこで人数が大きく減っているかを見ます。フォーム到達数とフォーム送信数の差、ページの滞在時間、スクロール到達率などが判断材料になります。

4
STEP
母数に合う施策を選ぶ

月間のCV数を確認し、比較検証を必要としない施策から着手します。判定できない施策を先に選ばないこと。この判断だけで、無駄になる工数がかなり減ります。

5
STEP
判定の条件を先に決めてから実施する

「何が」「どの期間で」「どれだけ動いたら」成功とみなすかを、改修前に文章で書いておきます。実施後に基準を決めると、都合のよい期間を選んでしまいがちです。同時に複数箇所を変更しないという取り決めも、このタイミングで共有しておくとよいでしょう。

5つめの工程を省く現場は多いのですが、ここを飛ばすと改善が経験として蓄積しません。効いた施策と効かなかった施策を記録に残せて初めて、2周目以降の判断が速くなります。

CVR改善ツールは、何が見えるかで選ぶ

ツールは種類ごとに見えるものが違います。目的を決めずに導入すると、管理画面を開かなくなるだけで終わります。

アクセス解析ツールは、どのチャネルからの流入がどこで落ちているかを数値で示します。GA4が標準的な選択肢で、ここが整っていない状態では他のツールを入れても判断材料がそろいません。ヒートマップツールは、ページのどこまで読まれ、どこがクリックされているかを可視化するもの。Microsoft Clarityは無料で使えるため、最初の1つとして選びやすい部類に入ります。

EFOツールは入力フォームの離脱を減らす専用の機能を持ち、A/Bテストツールは複数パターンの比較を自動化します。Web接客ツールは、閲覧中の読者にポップアップやチャットで働きかける仕組みです。いずれも月額費用が発生するため、導入の前に投資判断の材料をそろえたいところ。

  • そのツールで見たい数値を、導入前に1つ以上書き出せているか
  • 見た結果として、誰が何を変更する想定になっているか
  • 現在の流入量で、そのツールが示す差を判定できるか
  • 既存のGA4やタグマネージャーと計測が二重にならないか
  • 契約期間と解約条件を確認したか

無料のツールで原因の切り分けまで進めてから、足りない機能を有償ツールで補う。この順番であれば、費用の妥当性を社内で説明しやすくなります。

Web担当者Web担当者

ヒートマップを導入したのですが、赤くなっている場所を眺めるだけで、次に何をすればよいのか分からないまま数か月経ちました。使い方が間違っているのでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

先に仮説を立ててから開くと、見え方が変わります。たとえば「料金の記載が本文の下すぎて読まれていないのではないか」と考えてから熟読エリアを見る、という順番。ツールは仮説を検証する道具なので、仮説がない状態で開くと、色の分布を眺めて終わってしまいます。まずは離脱の多いページを1つ選んで、そのページで読者が何に迷っているかを3つ書き出してみてください。

施策を打ってもCVRが動かないときに確認すること

一通りの改善を終えてもCVRが横ばい、という状況は起こります。このとき、さらに細かい改修を重ねる前に確認したい点が3つあります。

1つめが伸びしろの上限です。CVRの伸びしろは、商材と検討期間で上限が決まるという側面があります。単価が高く社内稟議が必要な商材では、初回訪問での申し込みは構造的に起きにくい。この場合、CVRを押し上げるより、資料ダウンロードやメール登録といった中間の接点を用意して、複数回の訪問で意思決定を進める設計に切り替えるほうが現実的です。

2つめが分母の質そのもの。ページの改善で拾えるのは「申し込む可能性はあるが、何かに引っかかっている人」だけです。もともと購入意図のない層を集めているなら、集客側を変えない限り数値は動きません。

3つめがCV地点の数と種類になります。問い合わせフォーム1つしか用意されていないサイトでは、検討段階の浅い読者は行き場を失って離脱します。資料請求、事例集のダウンロード、無料診断、日程調整。読者の検討度に応じた入口を複数用意すると、これまで数値に現れていなかった層が可視化されます。

改善が頭打ちになったときは、CVRの分子を増やす発想から、CVの種類を増やす発想に切り替えてみてください。同じ流入量でも、受け皿の数を増やすことで拾える人数は変わります。既存のCVを削るのではなく、検討段階の浅い側に1つ足す形が扱いやすいはずです。

原因は分かったものの、記事の側から何を直すか決めきれないとき

CVRが動かない原因が集客側にある場合、必要なのはページの改修ではなく、どのキーワードでどの記事を作るかという設計の見直しです。現在の流入キーワードを検討段階で分類し、CVに近い領域のどこが空いているかを整理したうえで、次に作るべき記事の候補までご提示します。

CVR改善についてよくある質問

CVRの目標値はどう決めればよいですか

業界平均を目標にするのは避けてください。平均値は集計対象のサイト構成やCVの定義がわからないまま公開されていることが多く、自社と条件がそろいません。自社の過去12か月のチャネル別CVRを並べ、最も高かった月を上限、直近3か月の平均を現在地として、その間に目標を置く決め方が扱いやすいはずです。

CVR改善の効果はどのくらいで出ますか

施策によって差があります。ファーストビューやCTAの文言修正なら2〜4週間で傾向が見え始めます。流入キーワードの入れ替えのように集客側を変える施策では、検索順位が安定するまでを含めて3か月以上を見込んでください。判定に必要な期間は、月間のCV件数から逆算して決めます。

CVRが下がったとき、最初に何を見ればよいですか

ページではなく、比べている2期間の流入チャネル構成比です。記事流入や広告の配信量が増えていれば、ページを触っていなくてもCVRは下がります。チャネルをそろえて比較し、それでも下がっているチャネルがあれば、そのチャネルのランディングページに絞って原因を探してください。

無料で始められるCVR改善ツールはありますか

アクセス解析のGA4と、ヒートマップのMicrosoft Clarityは無料で利用できます。表示速度の確認にはPageSpeed Insightsが使えます。まずはこの範囲で原因の切り分けまで進め、足りない機能が明確になってから有償ツールを検討する順番をおすすめします。

A/Bテストはどのくらいの規模から実施できますか

各パターンで月20件程度のコンバージョンが確保できるかどうかが、ひとつの目安になります。それを下回る場合、差が偶然の範囲に収まってしまい判定できません。母数が足りないうちは、テストではなく「明らかに直したほうがよい箇所」を確実に潰していくほうが成果につながります。

まとめ|CVR改善は施策の数ではなく、判定できる順番で決まる

CVR改善で成果が出ない現場の多くは、施策を知らないのではなく、施策を選ぶ基準を持っていない状態にあります。施策の一覧はどこにでもありますが、自社の流入量で判定できるかどうかまで書かれた記事は多くありません。

進め方をあらためて整理すると、計測を確認して比べられる状態を作り、分母をチャネルとページで割り、落ちている通過点を1つに絞る。そのうえで、月間のCV数に見合う施策から着手し、判定の条件を先に決めてから実施する。この順番を守るだけで、同じ工数でも積み上がるものが変わります。

原因の切り分けの結果、集客しているキーワードそのものに申し込みの意図がないと分かった場合は、ページの改修では解決しません。何を書くかの設計からやり直す必要があります。合同会社Writers-hubでは、SEOキーワード戦略の設計から記事制作、改修の運用までを一貫してお引き受けしています。現在の流入とCVのつながりを整理するところからご相談ください。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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