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LPのABテストのやり方|必要なアクセス数と期間の見積もり方

LPのABテストで差が出ないときは、案の中身より先に、その改善幅を判定できるだけの訪問数が集まるかを計算してみてください。月に数千セッション程度のLPだと、1割前後の改善は数字の揺れに埋もれて判定できません。その場合はテストを回すより、変更幅の大きい案を1本作って前後で比べたほうが早いこともあります。

2つのランディングページの案が左右に並び、訪問者の流れがそれぞれへ分かれていく様子。下部にそれぞれの到達数とコンバージョン率の数字が並んでいる図

「とりあえずCTAボタンの色を変えてABテストしてみて」。LPの数字が落ちてきたとき、社内で最初に挙がる案はたいていこの形をしています。ABテストはボタンや見出しを差し替えれば回せる手軽な施策だと考えられているため、実施そのもののハードルが低く見積もられがちです。

しかし、押さえるべきなのは、ABテストの結果は、変える場所より先に「判定できる訪問数があるか」で決まるという一点です。必要な数を計算してみると、月に数千セッションのLPでは、ボタンの色を変えた程度で生まれる差は数字の揺れに埋もれてしまいます。

本記事では、必要なアクセス数と期間の見積もり方から、テストする箇所の優先順位、結果の読み方、そして案が2つとも外れてしまうときの仮説の作り方まで、制作と運用の両側から順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • LPのABテストで結果が出るかを左右する3つの前提
  • 見込む改善幅から必要なセッション数と期間を逆算する方法
  • テストする箇所を数字への影響と作る手間で並べた優先順位
  • 有意差が出なかったときの読み方と、テストを打ち切る線引き
  • 案が2つとも外れないようにするための仮説の集め方

LPのABテストとは

ABテストは、1つの要素だけを変えた2つのパターンを同じ期間・同じ条件で見せ、どちらの成果が高いかを比べる検証方法です。LP(ランディングページ)で行う場合は、広告やメールから流入した訪問者をAとBに振り分け、申し込みや資料請求といったコンバージョン率を比較します。

サイト全体の改善と決定的に違うのは、LPが1ページで完結する点にあります。回遊も検索からの多様な入口もないぶん、変えた箇所の影響が数字にそのまま表れる。Web上では、因果をもっとも読み取りやすい検証の場だと言えるでしょう。

ここで、似た名前の手法との違いも押さえておきます。現場では「ABテスト」と呼ばれているものの、実際には別の手法を指しているケースが少なくありません。

ABテスト*多変量テストリダイレクトテスト
変える範囲1つの要素だけ複数要素の組み合わせページ全体
必要なアクセス数○ 中くらい× かなり多い○ 中くらい
原因の特定しやすさ◎△×
準備の手間◎ 小さい△× 別URLを用意
向いている場面改善点を1つずつ潰す要素どうしの相性を見る構成から作り直した

多変量テストは一度に複数の組み合わせを試せる反面、パターン数だけアクセスを分割するため、必要な訪問数が跳ね上がります。大半のLPで現実的に回せるのはABテストと考えて差し支えありません。

関連記事:コンテンツマーケティングの基礎知識を総まとめ|やり方から成果につなげる方法まで徹底解説

ABテストを始める前の3つの前提

やり方の前に、そもそもテストが成立するかを確かめる工程があります。ここを飛ばして走り出したテストは、たいてい「なんとなくAのほうが良さそう」という感想で終わってしまうものです。

経営者経営者

CTAボタンを緑から赤に変えるだけでも、多少は効果が出ますよね。まずは手軽なところから試してみたいのですが。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

効果が出ること自体はあります。ただ「出た差が本物かどうか」を判定するには、色の変更で生まれる程度の小さな差を検出できるだけの訪問数が必要になります。まずは自社のLPに月何セッション来ているかを確認してみてください。

確かめるべき前提は3つあります。どれか1つでも欠けていると、結果が出ても判断材料になりません。

判定できるだけのアクセスがあるか

もっとも多いつまずきがここです。判定できない量で回して出てくるのは、差ではなく数字の揺れです。コンバージョンが月に10件のLPで、AとBに5件ずつ分かれたところで、その差は偶然の範囲を出ません。

必要な数は次の章で計算しますが、目安としてAとBの合計で月2万セッション、コンバージョンが月200件あたりが、現実的な期間で判定できるかどうかの分かれ目になります。しかもこの水準では、狙う改善幅がそれなりに大きい変更でなければ結論は出ません。届かないLPにも打つ手はあるため、後述の代替策を先に読んでいただいても構いません。

変更の幅が十分にあるか

必要なアクセス数は、狙う改善幅によって大きく変わります。細かな変更ほど差は小さくなり、その小さな差を確かめるために膨大な訪問数が要求されるためです。つまり、アクセスが限られているLPほど、大胆に変えたほうが判定できるという逆説が成り立つでしょう。

ボタンの色や余白の調整は、アクセスが潤沢なサイトで最後に効かせる打ち手です。月数千セッションのLPが最初に手をつける対象ではありません。

仮説がデータから出ているか

3つ目は、案の出どころの問題です。「なんとなく変えてみる」で作ったBパターンは、当たれば理由がわからず、外れれば何も残りません。

ヒートマップで離脱位置を見る、フォームのどの項目で入力が止まっているかを調べる、営業やサポートに繰り返し届く質問を書き出す。材料はすでに手元にあるはずです。そこから「この不安が解消されていないのではないか」という仮説を立て、それを検証する形でBパターンを作ってください。この順番を守れば、外れたときでも「その不安は主因ではなかった」という判断材料が残ります。

  • AとBを合わせて月2万セッション前後、コンバージョン200件前後を見込めるか
  • 変更が「色や文字サイズ」でなく、伝える内容や順番に踏み込んでいるか
  • Bパターンを作った理由を、データや顧客の声で説明できるか

関連記事:コンテンツマーケティングの効果を高める方法とは|成果を導く手順と測定指標も解説

必要なアクセス数と期間の見積もり方

ここが本記事のいちばんの要点です。テストの設計とは、実質的にこの見積もりのことを指します。

必要なセッション数は、現状のコンバージョン率と、検出したい改善幅から逆算できます。有意水準5%・検出力80%という一般的な設定で計算すると、現状のCVRが2.0%のLPではおおよそ次の量が必要になります。

見込む改善幅から必要セッション数を逆算する

目指すCVR

改善の大きさ

1パターンあたり

AとBの合計

2.2%

相対で1割

約78,000

約157,000

2.4%

相対で2割

約19,600

約39,200

2.6%

相対で3割

約8,700

約17,400

3.0%

相対で5割

約3,100

約6,300

※ 有意水準5%・検出力80%の両側検定を前提にした概算です。実際の設計では、利用するテストツールやサンプルサイズ計算ツールに自社の数値を入力して確認してください。

この表でいちばん注目していただきたいのは、上下の行の落差です。狙う改善幅が半分になると、必要なセッション数はおよそ4倍に増えます。相対2割の改善なら合計4万セッション弱で判定できるのに、相対1割まで狙いを下げた途端に16万近くが必要になる。

必要な数はテストのたびに違うという事実が、ここから読み取れます。「ABテストには何セッション必要ですか」という質問に一律の答えがないのは、狙う改善幅を決めないまま数だけを問うているためです。

狙う改善幅と必要セッション数の関係を示した図

期間は7日単位で区切る

必要なセッション数が出たら、そこにLPの流入量を当てて期間を割り出します。守りたい原則は2つあります。

期間を必ず7の倍数にすることと、最短でも14日、上限は28日程度に収めることです。平日と休日では訪問者の属性も購買意欲も違うため、10日間のような半端な区切りは避けてください。短すぎれば差を判定できませんし、長すぎれば別の問題が起こります。

⚠

テスト期間が1か月を超えると、訪問者のCookie削除や広告配信の学習の進み具合によって、同じ人が両方のパターンを見る割合が増えていきます。判定の前提が崩れるうえ、その間ずっと劣るほうのパターンにも半分の予算を配り続けることになるでしょう。長すぎるテストは、精度と機会損失の両面で不利になります。

アクセスが足りないときの3つの代替策

計算してみて必要数に届かないと分かった場合、無理に走らせても結論は出ません。取れる道は3つあります。

1つ目は、変更幅を大きくするやり方です。ボタンの文言ではなく、ファーストビューの訴求そのものや提示するオファーを入れ替えれば、狙える改善幅が上がり、必要なセッション数は一気に下がります。

2つ目は、判定する指標を手前に移す方法です。コンバージョン数が少なくても、ファーストビューの通過率やフォームの入力開始率であれば発生件数が桁違いに多く、短い期間でも差が見えてきます。最終的な成果とつながっている指標かどうかは、事前に確認しておいてください。

3つ目は、テストをいったん諦めて定性で判断する選択です。数十人規模のヒートマップ、フォームの離脱位置、問い合わせで繰り返される質問を見るほうが、判定できない数字を眺めるより改善の手がかりとして確度が高い場面はよくあります。

テストを回すだけのアクセスがなく、改善の打ち手が止まっているとき

アクセスが足りないLPで先に効くのは、統計的な検証よりも、伝える順番と言葉の作り直しです。合同会社Writers-hubでは、原稿の制作から公開後の数字を見た書き直しまでを継続して引き受けています。いまのLPのどこから手を入れると数字が動きそうか、現状の整理から一緒に考えさせてください。

関連記事:【成果直結】コンテンツマーケティングの改善手法と戦略的アプローチ

LPでテストする箇所の優先順位

どこを変えるかは、数字への影響の大きさと作る手間の2軸で並べると判断しやすくなります。上位の解説記事では「ファーストビュー・CTA・フォーム」が横並びで紹介されがちですが、実際に着手する順番には明確な差があります。

テストする箇所

数字への影響

作る手間

着手の順番

ファーストビューのコピー

大きい

中くらい

1番目

オファーと価格の見せ方

大きい

中くらい

2番目

CTAの文言と置く位置

中くらい

小さい

3番目

フォームの項目数

中くらい

大きい

4番目

ボタンの色や装飾

小さい

小さい

後回し

ファーストビューのコピー

LPを開いた人の多くは、最初の1画面で読み進めるかどうかを決めます。ここで検証すべきは画像の差し替えよりも、誰に向けた何の提案なのかを言い切っているかという一点です。

広告のクリエイティブで訴えた内容と、LPの見出しで受ける内容がずれていると、期待して来た人がその場で離れます。広告文とファーストビューの言葉を揃えるだけで数字が動く例は珍しくありません。

オファーと価格の見せ方

意外と手が付けられていないのがここです。無料相談なのか資料請求なのか、価格を先に出すのか問い合わせ後に伝えるのか。提示する条件そのものを変えると、コピーの調整とは比較にならない幅で数字が動きます。

一方で、オファーの変更は営業体制や採算にも影響するため、マーケティング担当だけでは決めきれない場合があります。テスト設計の段階で関係者を巻き込んでおきましょう。

CTAの文言と置く位置

ボタンの文言は、押した先で何が起きるかを具体的に示すほど反応が変わります。「送信する」と「無料で資料を受け取る」では、読み手が想像する次の行動がまるで違うためです。

置く位置についても、ページ下部に1つだけ置く構成と、説得のブロックごとに置く構成では通過する人数が変わります。ただし増やしすぎると読み進める流れが途切れるため、2つか3つを目安に検証してください。

フォームの項目数

フォームは影響が中くらいなのに手間が大きい、という位置づけです。入力項目を減らすと通過率は上がりますが、営業側が必要とする情報が取れなくなり、その後の商談化率が落ちることがあります。

フォーム改善の効果は、コンバージョン数だけでなく受注までの数字で確認してください。この視点がないまま項目を削ると、見かけの件数だけが増えて現場が疲弊する結果になりかねません。

LPの構成要素をテストする優先順位で並べた図

LPのABテストを進める手順

前提と優先順位が決まったら、実行に移ります。手順そのものは複雑ではありません。むしろ、各ステップで何を記録しておくかのほうが、次のテストの精度を左右します。

1
STEP
現状の数字を書き出す

直近1か月のセッション数、コンバージョン数、CVR、そして流入元の内訳を記録します。デバイス別の数字も分けておくと、後で結果を読むときの手がかりになります。

2
STEP
課題の仮説を1つに絞る

ヒートマップや離脱位置から、いま数字を止めていそうな箇所を1つ選びます。複数の候補が出た場合は、前章の優先順位に従って上から着手してください。

3
STEP
必要セッション数と期間を計算する

狙う改善幅を決め、そこから必要なセッション数を逆算します。現在の流入量で何日かかるかを出し、14日から28日に収まらなければ、狙う改善幅か変更内容を見直します。

4
STEP
Bパターンを作る

変更は1箇所に限定します。同時に2箇所を変えると、差が出ても原因を特定できません。作成時点で「この変更で何%の改善を見込むか」を書き残しておきましょう。

5
STEP
均等に振り分けて配信する

AとBへの振り分けは50対50が基本です。開始後は設定を触らないでください。途中で配信比率や広告予算を変えると、その時点で比較の前提が崩れます。

6
STEP
期間満了まで待って判定する

決めた日数が終わるまで結果を見て判断しない、という規律が要ります。途中経過は必ず揺れるため、早く見た人ほど誤った結論を持ち帰ることになります。

各ステップで残した記録は、テストが終わったら1枚のシートにまとめておいてください。外れたテストの記録こそ、次の仮説の材料になります。半年後に同じ検証を繰り返す事態を避けられるはずです。

結果の読み方と打ち切りの線引き

期間が終わったら判定に入ります。ここで多いのが、数字の大小だけを見て勝ち負けを決めてしまうパターンです。

💡

判定で確認するのは2つあります。1つは統計的な有意差、つまり「その差が偶然では説明しにくいか」。もう1つは実務的な意味、つまり「その差が事業として追う価値のある大きさか」。両方そろって初めて、Bを採用する根拠になります。

有意差はどこで確認するか

多くのABテストツールは、有意水準や信頼区間を自動で表示します。一般的には信頼度95%以上を採用の目安としますが、この数字は「20回に1回は偶然でも起こりうる」という意味であることも押さえておきたいところです。

社内の判断が分かれる場合は、有意差の有無に加えて、コンバージョン数の実数とテストの実施期間を併記して共有すると議論が噛み合います。

差が出なかったときの読み方

期間を走りきっても有意差が出ない結果は、珍しいものではありません。むしろ、そちらのほうが多いくらいです。

有意差なしは失敗ではなく、その案は効かなかったという結果です。ここから読み取れる可能性は3つに分かれます。その要素が成果を左右する主因ではなかったのか、変更の幅が小さすぎて差を検出できなかったのか、そもそも必要なセッション数に届いていなかったのか。この3つを切り分けてから次の手を考えましょう。

3つ目に該当する場合は「結果なし」ですらありません。設計の失敗として記録し、次は変更幅を上げて組み直してください。

経営者経営者

2週間回して差が出ませんでした。もう1か月延長すれば、はっきりするでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

延長で解決するのは、必要セッション数に対して期間が足りなかった場合だけです。すでに必要数に達しているなら、その変更に効果はなかったという結論がもう出ています。延ばすのではなく、変更幅を大きくした別の案で組み直すほうが早いでしょう。

途中で覗いて止めない

開始から数日でBが優勢に見えると、そこで打ち切りたくなります。これは検定の前提を崩す行為で、実際には差がないのに「差がある」と誤判定する確率を大きく押し上げます。

判定は、決めた期日に1回だけ行ってください。この規律を守れるかどうかで、ABテストが意思決定の材料になるか、都合のよい数字を拾う作業で終わるかが分かれます。

2案とも外すテストを避ける仮説の作り方

ここで、コンテンツを作ってきた立場から本音をお伝えします。ABテストの解説では検証の設計ばかりが語られますが、実務で成果を分けているのは、その手前にある案の質のほうです。

ABテストが選べるのは、用意した2案のうち良かったほうだけです。AもBも訪問者の関心から外れていれば、どれだけ厳密に検証しても「どちらも低い」という結果しか返ってきません。比較記事ではほとんど語られない核心です。

では、当たる可能性のある案をどう作るか。机の前で考えるのではなく、材料を集めてくるのが近道になります。

  • 商談や問い合わせの録音から、顧客が最初に確認してくる不安を書き出す
  • カスタマーサポートに繰り返し届く質問を頻度順に並べる
  • 既存顧客が導入理由を語った言葉を、そのままの表現で拾う
  • 広告文のうち、クリック率が高かったコピーの言い回しを確認する
  • 競合LPが冒頭で何を約束しているかを一覧にする

集めた材料を並べると、LPで説明できていない不安が見えてきます。Bパターンは、その不安を1つ解消する形で作ってください。当たっても外れても解釈できるテストになるはずです。

顧客の言葉を集めてテスト案に変換する流れを示した図

とりわけ効くのが、顧客が実際に使った言葉をそのまま見出しに使う方法です。書き手が整えた表現より、当事者の言い回しのほうが同じ状況の人に届きやすいためです。

Bパターンに載せる訴求の案が、社内から2つ以上出てこないとき

案が出ないのは発想力の問題ではなく、顧客の言葉を集める工程が業務に組み込まれていないことが原因である場合がほとんどです。合同会社Writers-hubでは、商談記録や問い合わせ内容を材料にした訴求の洗い出しから、原稿の執筆までを引き受けています。いまあるLPを見ながら、テストに載せる案を一緒に組み立てるところから始めてみてください。

LPのABテストに使えるツールの選び方

かつて無料の定番だったGoogleオプティマイズは2023年9月30日で提供を終了し、実施中のテストもその時点で停止しました。現在は有償ツールか、広告プラットフォーム側の機能を使うかの選択になります。

[2023 年 9 月廃止] Google オプティマイズ - アナリティクス ヘルプ
2023 年 9 月 30 日以降、Google オプティマイズとオプティマイズ 360 はご利用いただけなくなります。実施中のすべてのテストとパーソナライズは、この日をもって終了しています。 よくある質問 オプティマイズのサポートが終了したのはなぜですか? Google は今後も、あらゆる規模のビジネスがユーザー エクスペリエンスを改善できるよう取り組んでまいります。Google アナリテ
🌐 support.google.com
外部リンク

ツールを比べるときは、機能一覧より先に次の3点を確認してください。

1つ目は配信方式です。JavaScriptでページを書き換える方式は導入が速い反面、表示が一瞬ちらつく場合があります。サーバー側で振り分ける方式ならちらつきは起きにくいものの、そのぶん実装の負担が増えるでしょう。

2つ目は必要な実装作業です。タグを貼るだけで使えるか、開発チームの工数を確保する必要があるかで、着手までの日数が変わります。3つ目の料金の下限も見落とせません。月額が固定のツールはアクセスの少ないLPだと1件あたりの検証コストが跳ね上がるためです。

ℹ

広告経由の流入がほとんどを占めるLPなら、専用ツールを入れる前に広告プラットフォーム側の機能を試す手もあります。Google広告のキャンペーン実験やMeta広告のA/Bテスト機能を使えば、LPのURLを2つ用意して配信を分けるところまでは追加費用なしで実施できます。

ツールごとの比較はABテストツールの選び方で詳しく整理しています。検証の型そのものを知りたい場合はABテストの事例から学ぶ7つの検証パターンも参考になるはずです。

LPのABテストでよくある失敗

最後に、判定を無効にしてしまう典型的な進め方を挙げておきます。どれも「やってはいけない」と分かっていながら、期限に追われると起きやすいものばかりです。

  • 同じテストの中でファーストビューとCTAを同時に変える
  • 開始後に広告予算や配信先を変更する
  • AとBで流入元の広告を分けてしまう
  • セール期間や年末年始をまたいで実施する
  • 3日目の途中経過を見て優勢なほうに寄せる
  • 有意差が出るまで期間を延長し続ける

とりわけ見落とされがちなのが、広告側の変更です。LPだけを固定していても、配信するキーワードやオーディエンスが途中で変われば、AとBに来る人の質がずれます。テスト期間中は広告の設定も凍結する、と最初に決めておいてください。

よくある質問

LPのABテストについて、よくある質問をまとめました。判断に迷ったときの目安として使ってください。

LPのABテストは何日くらい実施すればよいですか。

最短14日、長くても28日が目安です。曜日による訪問者の違いを吸収するために7の倍数で区切り、必要セッション数に達する日数を計算して決めてください。期間ありきで日数を決めると、判定できないまま終わることになります。

アクセスが少ないLPでもABテストはできますか。

実施はできますが、判定はできません。月数千セッション程度だと1割前後の改善は数字の揺れに埋もれます。訴求そのものを入れ替えて大きな差を狙うか、ヒートマップや問い合わせ内容から定性的に判断するほうが確実です。

1回のテストで複数の箇所を変えてはいけませんか。

原因を特定したいなら1箇所に限定してください。ただしLPを全面的に作り直した場合は、ページごと差し替えるリダイレクトテストとして扱い、「新旧どちらが良いか」だけを見る割り切りもあります。

広告のクリエイティブとLPを同時にテストしてもよいですか。

分けて実施してください。同時に変えると、数字が動いた原因が広告なのかLPなのか判別できなくなります。先に広告のクリック率を安定させてから、LP側の検証に入る順番が扱いやすいはずです。

有意差が出た変更は、他のLPにも横展開してよいですか。

そのまま適用するのは避けたほうが無難です。同じ変更が効くかどうかは、商材や訪問者の検討段階によって変わります。仮説としては有力な材料になるため、横展開先でも1回は検証する前提で扱ってください。

まとめ|LPのABテストは「変える前」で決まる

LPのABテストは、ボタンの色を差し替える作業ではなく、判定できる条件を先に整える設計の仕事です。狙う改善幅を決め、必要なセッション数を逆算し、14日から28日で収まる計画を立てる。この見積もりが終わった時点で、テストの成否はおおむね決まっています。

そして、検証がどれだけ厳密でも、選べるのは用意した2案のうち良かったほうだけです。顧客の言葉を材料に、当たる可能性のある案を作れるかどうか。ここに時間を使う価値があると、私たちは考えています。

私たち合同会社Writers-hubは、これまでに累計8,000記事以上のコンテンツを制作してきました。LPの訴求を洗い出す段階から相談できる相手として、選択肢に入れていただければ幸いです。

どこから手を入れれば数字が動くのか、社内で判断がつかないとき

アクセス数、コンバージョン数、いま出ている案。この3つが揃っていれば、テストで検証すべきか、その前に原稿を作り直すべきかの判断はつきます。まずは現状の数字を見ながら、次の一手を整理するところからお手伝いします。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。