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オウンドメディアのCMSの選び方|4タイプ比較と運用で差がつく判断軸

CMSの比較記事は機能一覧で並びますが、実際に効いてくるのは公開後に毎週触る入稿・改修・分析の手間です。月に何本出すか、誰が入稿するかが決まっていれば候補は3つ程度まで絞れます。本数も担当もまだ決まっていない段階なら、CMS選定より先にそこを決めるほうが早く進みます。

オウンドメディア向けのCMSが4つのタイプに分かれて並び、それぞれの向き不向きを見比べている様子を表したイメージ。

「オウンドメディアを立ち上げることになったのですが、CMSは何を使えばよいでしょうか」。この相談を受けたとき、私たちが最初に返す質問は機能の話ではありません。聞くのは「月に何本くらい出す予定ですか」「入稿は誰がやりますか」の2つだけです。

CMSの比較記事は世の中に山ほどあり、たいていは機能一覧と料金表が並んでいます。ところが実務で困りごとが起きるのは、導入した瞬間ではありません。記事が50本、100本と積み上がったあたりで、比較表を眺めているうちには見えなかった差が、1本あたりの入稿時間や改修の可否として表に出てきます。

本記事では、クライアントのさまざまなCMSに記事を入稿してきた記事制作会社の立場から、オウンドメディア向けCMSを4つのタイプに整理し、比較すべき軸と、候補を絞り込むための3つの問いをまとめました。「どれが人気か」ではなく「自社の運用ならどれが回るか」で判断できる状態を目指します。

この記事でわかること
  • オウンドメディア向けCMSの4タイプと、それぞれが向く企業の条件
  • 機能一覧では見えない、導入後に効いてくる3つの差
  • 候補を3つの問いで絞り込む具体的な手順
  • 無料CMSで始めるときに見落とされやすいコスト
  • CMSを決める前に固めておくべきこと

オウンドメディアのCMSに求められる役割は、会社案内サイトとは違う

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、HTMLやCSSを直接書かなくてもWebページを作成・更新できる仕組みのことです。管理画面から文章と画像を入れれば、決まったデザインでページが公開される。この一点だけ見れば、会社案内サイトもオウンドメディアも同じ道具に見えるでしょう。

けれども、求められる役割はかなり違います。会社案内サイトの更新は、年に数回のニュース追加や採用情報の差し替えといった頻度です。対してオウンドメディアは、月に数本から数十本の記事を追加し続け、公開済みの記事も検索順位を見ながら書き直していく。CMSに求められるのは、ページを作る力より、記事を作り続ける力だという違いがあります。

💡

会社案内サイトのCMSは「ページを作る道具」、オウンドメディアのCMSは「記事を毎週作り続ける道具」。同じCMSという名前でも評価すべき点が違うため、コーポレートサイトで使っているCMSをそのまま流用して運用が回らなくなる例は珍しくありません。

具体的に何が違うのかというと、必要になる機能の中身です。オウンドメディアでは、記事の一覧管理とカテゴリ設計、公開予約、下書きとレビューの受け渡し、著者情報の管理、内部リンクの張り替え、リダイレクトの設定といった作業が日常的に発生します。会社案内サイトでは年に一度使うかどうかの機能が、オウンドメディアでは毎週触る機能になるわけです。

もうひとつ、期待の置きどころも整理しておきます。「SEOに強いCMS」という言葉はよく見かけますが、CMSが担えるのは、検索エンジンが読み取りやすい構造を出力し、必要な設定を人が触れる状態にしておくところまで。何を書くか、誰に向けて書くかまでは肩代わりしてくれません。CMSはSEOを代行しません。見出しやタイトル、内部リンク、構造化データを人が正しく設定できる状態にしておくところまでが役割だと考えておくと、選定基準がぶれずに済みます。

SEO Starter Guide: The Basics | Google Search Central | Documentation | Google for Developers
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🌐 developers.google.com
外部リンク

※ 出典 Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」

関連記事:【2025年最新】オウンドメディア構築の完全ガイド|手順からコツまで徹底解

オウンドメディア向けCMSの4タイプと向き不向き

オウンドメディアに使えるCMSは、大きく4つのタイプに分かれます。ここを整理しないまま個別の製品名を比較すると、性質の違うものを同じ表に並べることになり、判断が難しくなります。まずは分類から入りましょう。

オウンドメディア向けCMSの4タイプを位置づけた比較図

オープンソース型は、WordPressやDrupalのように、ソフトウェア自体が無償で公開されていて、自分でサーバーを用意して設置するタイプです。SaaS型(クラウド型)は、ferret OneやはてなブログMedia、STUDIO、Wixのように、提供事業者のサーバー上で動くサービスを月額で借りる形をとります。パッケージ型は、Movable Typeに代表される、ライセンスを購入して自社環境に導入するタイプ。そしてヘッドレス型は、microCMSやContentfulのように、管理画面と表示画面を切り離し、記事データだけを配信する仕組みです。

オープンソース型SaaS型パッケージ型ヘッドレス型
代表例WordPress、Drupalferret One、はてなブログMedia、STUDIOMovable TypemicroCMS、Contentful
初期費用低(サーバー代のみ)低(月額に含む)
月額の負担中〜大小(保守費)小〜中
デザインの自由度
記事入稿のしやすさ
保守・更新の手間自社持ち事業者持ち自社持ち自社持ち
表示画面の開発不要不要不要必要
向いている企業長く育てたい多くの企業社内に技術者がいない大企業の情報システム部門開発体制がある

表の中でオープンソース型に印を付けているのは、それが唯一の正解だからではありません。情報が豊富で、対応できる制作会社も多く、後から要件が変わっても打つ手が残る。この「外れにくさ」が、長く続ける前提のオウンドメディアと相性がよいためです。

タイプごとの向き不向きを、もう少し実務寄りに補足します。SaaS型は、サーバーの保守やセキュリティ対応を事業者が引き受けてくれる点が大きな利点で、社内にエンジニアがいない企業には有力な選択肢になるでしょう。半面、デザインや機能は用意された範囲に収まりますし、月額が記事本数ではなく契約プランで決まるため、更新が止まった月も同じ費用がかかります。

ヘッドレス型は近年よく話題に上りますが、管理画面しか提供されないため、記事を表示するWebサイト側は自分たちで開発する必要があります。表示速度や他システムとの連携で優位に立てる一方、立ち上げにも改修にも開発工数がかかる。開発体制がないままヘッドレス型を選ぶと、見た目の修正にも外注が要ります。マーケティング部門だけで運用したい場合は、慎重に判断したほうが無難です。

関連記事:オウンドメディア制作の進め方と外注先の選び方|費用相場と失敗しないための勘所

CMS選びで差が出るのは、導入後に毎週触る3つの作業

ここからが本題です。比較表は導入時点の姿を写したものにすぎず、実際に効いてくるのは、公開したあとに何度も繰り返す作業にかかる時間のほう。私たちがクライアントのCMSに記事を入稿する立場で見てきた限り、差がはっきり出るのは次の3つです。

CMS導入後に繰り返す入稿・改修・分析の3つの作業を示した図

ひとつめが入稿です。書き上がった原稿をCMSに流し込み、見出しや太字、表、画像、内部リンクを整えて公開できる状態にする作業を指します。ここで効いてくるのは、記事の装飾をどこまで再現できるか、そして同じ形を毎回すばやく作れるか。比較表や吹き出しといった要素を毎回手作業で組み立てるCMSと、部品として呼び出せるCMSでは、1本あたりの所要時間が体感で倍ほど変わります。月に10本出すなら、その差はそのまま毎月の工数差になるわけです。

ふたつめが改修。公開した記事は、書いたら終わりではありません。検索順位が伸びない記事の見出しを組み替える、統合して1本にまとめる、URLを変えて旧アドレスから転送をかける、といった手入れが継続的に発生します。このとき問われるのが、リダイレクト設定を管理画面から扱えるか、記事のURL構造を後から変えられるかという点。ここが弱いCMSだと、改善案が出ても「システム的にできないので見送り」という結論になりがちです。

みっつめが分析です。どの記事がどれだけ読まれ、問い合わせにつながったかを見て、次に書く記事を決める。解析ツールの計測タグを入れられるか、記事ごとにカテゴリや著者の情報を持てるか、といった設計がここに効いてきます。

  • 記事の装飾を部品として使い回せる
  • 下書きとレビューの受け渡しが管理画面で完結する
  • 公開予約と公開後の差し替えが同じ導線でできる
  • URLの変更とリダイレクト設定を自分たちで扱える
  • 解析タグと構造化データを記事単位で調整できる
  • 記事データをまとめて書き出せる

このチェックリストは、CMSの営業資料には載りにくい項目ばかりです。理由は単純で、導入前の検討段階では誰も気にしないから。けれども運用が始まると、ほぼ毎週どこかに触れることになります。デモを見せてもらう機会があるなら、「記事を1本、装飾込みで入稿するところを見せてください」と頼んでみてください。カタログの機能一覧を10分眺めるより、はるかに多くのことが分かります。

経営者経営者

比較表を作ってはみたのですが、どの項目に重みを置けばいいのか判断がつきません。機能の数だけ見ると、高いCMSほど良く見えてしまって。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

機能の数は、そのまま使いこなす手間の数でもあります。まず「月に何本出すか」を決めて、その本数を1年続けたときに一番手数が少なくなる組み合わせを探すと、優先順位が自然に決まりますよ。使わない機能に払う月額は、記事1本分の外注費だと思って比べてみてください。

入稿の手間は、CMSを替えれば解消するとは限りません。記事の装飾を毎回ゼロから組み立てているのか、原稿とCMSの間で何度も差し戻しが起きているのか。時間がかかっている場所を特定してから、CMSの問題なのか工程の問題なのかを切り分けたほうが、無駄な乗り換えを避けられます。

入稿と改修に時間を取られて、記事を書く手が止まっていませんか

原稿の作成から装飾、入稿、公開後の差し替えまでを一続きで引き受ける形にすれば、CMSを替えなくても社内の作業は減らせます。残るのは、何を書くかの判断と、公開前の確認だけになります。

関連記事:オウンドメディアの立ち上げ方|手順・費用と、続く運用体制の作り方

オウンドメディアのCMSは、3つの問いで絞り込める

候補が10も20もある状態で比較を始めると、いつまでも決まりません。実務では、次の3つの問いに答えるだけで、たいてい2〜3個まで絞り込めます。順番に答えてみてください。

オウンドメディアのCMSを3つの問いで絞り込む分岐図

3つの問いは、上から順に答えていくと精度が上がります。入稿する人が決まらないうちに機能の話を始めても、判断の基準が定まらないためです。

1
STEP
誰が記事を入稿するか

マーケティング担当者が自分で入れるのか、制作会社に任せるのか、社内のエンジニアが対応するのか。担当者だけで完結させたいなら、管理画面の分かりやすさが最優先になります。制作会社に任せるなら、その会社が扱い慣れたCMSを選ぶほうが立ち上がりは速くなるでしょう。

2
STEP
どこまで作り込みたいか

既存のテンプレートで足りるのか、独自のデザインや会員機能、資料ダウンロードの仕組みまで必要なのか。作り込みたい要素が多いほど、自由度の高いオープンソース型かヘッドレス型に寄ります。逆に、まず記事を出すことを優先するなら、SaaS型で早く始めるという判断もあります。

3
STEP
3年後に乗り換えられるか

記事データを標準的な形式で書き出せるか、URL構造を引き継げるかを確認します。この観点は導入時にほぼ検討されませんが、乗り換えの実務では最初に手が止まる箇所になります。乗り換えできる形でデータを持てるかを最初に確かめることをおすすめします。

3つめの問いを入れているのには理由があります。オウンドメディアは、成功しても失敗しても、数年後に必ず見直しの時期がきます。伸びれば機能が足りなくなり、伸びなければ体制ごと組み直すことになる。どちらに転んでも、そのとき記事の資産が持ち出せるかどうかで、選択肢の広さがまったく変わってきます。

具体的に確認したいのは、記事本文をHTMLやMarkdownといった一般的な形式で書き出せるか、画像を一括で取り出せるか、URLの規則を新しい環境で再現できるか、の3点です。独自形式の中に本文が閉じ込められていると、移行のたびに整形作業が発生します。契約前に「全記事のエクスポート方法を教えてください」と質問して、明確な答えが返ってくるかを見ておくと安心でしょう。

サービス終了や事業譲渡のリスクは、SaaS型やプラットフォーム型で特に意識しておきたい点です。提供側が事業をたたむと決めた時点で、利用側に選べるのは移行するか閉じるかの二択になります。データを標準的な形式で書き出せる状態を保っておけば、その場面でも記事を持ち出して続けられます。

主要なCMSをタイプ別に整理する

3つの問いに答えた前提で、代表的な製品を並べておきます。それぞれ性格がはっきり違うので、名前の知名度ではなく、自社の答えと重なるものを選んでください。

オープンソース型の筆頭はWordPressです。調査会社W3Techsの継続的な集計では、CMSを利用しているサイトのうち過半数をWordPressが占め続けています。シェアが大きいことは、それ自体が実務上の利点になります。困ったときに検索すれば情報が見つかり、対応できる制作会社も見つかり、拡張機能も豊富にそろっている。この「詰まりにくさ」が、長期運用では効いてきます。

Usage Statistics and Market Share of Content Management Systems, August 2026
What are the most popular content management systems
🌐 w3techs.com
外部リンク

※ 出典 W3Techs「Usage statistics of content management systems」

同じオープンソース型でも、Drupalは大規模で複雑な権限管理を要する組織に向いています。多言語対応や部門別の承認フローを厳密に組みたい場合の選択肢になりますが、扱える人材が限られるため、社内に技術者がいないなら候補から外して構いません。

SaaS型は幅が広く、目的別に性格が分かれます。BtoBのリード獲得を主目的とするならferret OneやBlue Monkey、LeadGridのようにマーケティング機能を内蔵したものが候補に上がるでしょう。読み物としてのメディアを運営したいなら、はてなブログMediaのようにメディア運営に特化したサービスや、記事メディア向けのCREAM、Clipkitといった選択肢もあります。デザイン性を重視してノーコードで作りたいならSTUDIO、小規模に早く始めたいならWixという住み分けです。

SaaS型を選ぶ利点
  • サーバー保守とセキュリティ対応を事業者が担う
  • 導入から公開までの期間が短い
  • サポート窓口があり、社内に技術者がいなくても回せる
  • マーケティング機能が最初から組み込まれている製品がある
SaaS型で受け入れる制約
  • デザインと機能が提供範囲に収まる
  • 更新が止まった月も月額費用は変わらない
  • 独自の要件が出たときに対応を待つことになる
  • 解約するとサイトごと使えなくなる製品がある

パッケージ型のMovable Typeは、自社サーバーやクラウド環境に導入して使う形式で、静的ファイルを書き出す仕組みによる表示の速さと安定性に定評があります。官公庁や金融機関のように、外部サービスにデータを預けにくい組織で採用されるケースが目立ちます。

ヘッドレス型のmicroCMSやContentfulは、開発チームがいる企業向け。記事データをAPIで配信するため、Webサイトだけでなくアプリや別サービスにも同じ記事を届けられます。技術的な設計自由度は最も高い代わりに、表示画面の開発と保守が自社持ちになる点は繰り返し確認しておきたいところです。

なお、note proのようなプラットフォーム型は、独自ドメインで運用できるとはいえ、記事は提供事業者の仕組みの上に乗ります。検索からの流入を自社ドメインに蓄積したいのか、それとも既存の読者コミュニティに届けたいのか。目的によって評価が正反対になるため、他のCMSと同じ比較表に並べないほうがよいでしょう。

「無料のCMSでオウンドメディアは作れるのか」への答え

結論からいえば、作れます。WordPressはソフトウェア自体が無償ですし、無料プランを持つSaaS型のサービスもあります。ただし、無料のCMSでも、運用が無料になるわけではありません。ここを分けて考えないと、想定外の出費に驚くことになります。

無料と有料の境目にあるのは、ソフトウェアのライセンス費だけです。実際には、サーバー代とドメイン代、デザインテンプレートの購入費、必要な拡張機能の費用、そして何より記事を書く人の時間がかかります。金額の見えないコストのほうが大きいというのが、実感に近いところでしょう。

  • 無料CMSを選べばオウンドメディアの費用はゼロになる
  • 無料プランのまま独自ドメインで長く運用できる
  • テンプレートを入れれば追加の調整は不要になる
  • サーバーの保守や更新作業は自動で済む

費用の話をもう少し具体化します。私たちが関わってきた範囲でいうと、オウンドメディアの構築費は、既存のテンプレートを使って最小構成で立ち上げるなら数十万円、デザインとサイト設計から作り込むと100万円を超えることが多い印象です。ただ、金額の重心は構築側にはありません。記事制作費と運用費のほうが、年間で見れば圧倒的に大きくなります。

だからこそ、CMSの月額を数千円下げることに時間を使うより、記事を出し続けられる体制にお金と時間を回すほうが、成果には近づきます。構築で予算を使い切ってしまい、記事を書く原資が残らない。公開の翌月から更新が細るメディアには、この予算配分がかなりの割合で共通しています。

費用配分で迷ったときは、初年度の予算のうち構築に使う割合を3割以内に抑えられるかを目安にしてみてください。残りを記事制作と運用に回せる設計なら、公開後も月あたりの本数を保ちやすくなります。逆に構築で予算の大半を使う計画は、公開した時点で記事を追加する原資が残っていません。

CMSを決める前に固めておく3つのこと

最後に、順番の話をします。CMS選定は、オウンドメディア構築の工程の中では後半に来る作業。ここから始めてしまうと、決めきれずに時間だけが過ぎるか、決めた後で要件が変わって作り直しになりかねません。先に固めておきたいのは次の3点です。

1
STEP
メディアの目的と、測る指標

見込み客の獲得なのか、認知の拡大なのか、採用の強化なのか。目的が変われば、必要な機能も変わります。資料ダウンロードでリードを取りたいならフォームと入力データの管理が要りますし、採用が目的なら求人ページとの連携を考えることになるでしょう。

2
STEP
狙うキーワードと記事の設計

どんな検索に応える記事を、どれくらいの本数出すのか。この見通しがあって初めて、カテゴリ構造やサイト設計が決まります。月2本と月20本では、必要な入稿の仕組みも、レビューの動線もまったく違うものになります。

3
STEP
記事を作る体制

社内で書くのか、外部に依頼するのか、その混成でいくのか。ここが決まらないままCMSを選ぶと、実際に触る人にとって使いにくい管理画面を選んでしまいます。入稿する人が決まってから、その人が触りやすいCMSを選ぶ。この順番が正しい進め方です。

3点のうち、実務でもっとも後回しにされやすいのが2つめのキーワード設計です。CMSは形があるので検討しやすく、キーワード設計は形がないので先送りされる。けれど、公開後に更新が止まるメディアを見ていくと、原因はCMSの使いにくさではなく、「何を書けばいいか分からなくなった」ことのほうが圧倒的に多いのが実情です。

もうひとつ添えておくと、この3点はCMSを選ぶための準備であると同時に、そのまま制作会社への発注要件にもなります。目的・記事設計・体制の3つが言葉になっていれば、見積もりの精度が上がり、提案の比較もしやすくなるでしょう。

何を書くかが決まらないまま、CMSの比較で止まっていませんか

記事の設計が先に決まっていると、CMSに求める要件は自然と絞られます。誰のどんな検索に応えるのか、どのテーマから着手するのかを整理するところから始めれば、構築の判断もその後の運用も迷いが減ります。

オウンドメディアのCMSについてよくある質問

選定の場でよく受ける質問を、まとめて整理しておきます。

オウンドメディアのCMSはWordPress一択ですか

一択ではありません。社内に技術者がおらず保守まで任せたいならSaaS型、開発チームがあり他サービスにも記事を配信したいならヘッドレス型が合います。ただ、情報の多さと対応できる制作会社の多さから、迷ったときに外れにくいのはWordPressだといえます。

途中でCMSを乗り換えることはできますか

できますが、記事データの書き出し方法とURL構造の引き継ぎ方で難易度が大きく変わります。旧URLから新URLへ転送をかけないと、それまで積み上げた検索評価が引き継がれません。乗り換えを想定するなら、導入時にエクスポート方法を確認しておいてください。

CMSを変えれば検索順位は上がりますか

表示速度の改善や構造の整理で間接的に効くことはありますが、CMSの変更そのものが順位を押し上げるわけではありません。順位を決めるのは記事の中身と、検索意図との合致度です。CMSは、その中身を出し続けやすくするための道具だと捉えてください。

記事の入稿まで外部に任せることはできますか

可能です。管理画面に権限を付与した編集者アカウントを発行すれば、原稿の作成から装飾、入稿、公開予約までを外部が担い、社内は公開前の確認だけという運用にできます。入稿工数が負担になっている場合は、CMSを変えるより先に検討する価値があります。

質問の中でも、乗り換えに関する相談は年々増えている印象があります。数年前に立ち上げたメディアが記事数を重ね、当時のCMSでは手が届かない改善に着手したくなる。そういう段階に入った企業が増えているということでもあり、オウンドメディアが定着してきた証しともいえるでしょう。

まとめ

オウンドメディアのCMSは、機能一覧の広さではなく、記事を出し続ける工程からの逆算で選ぶのが確実です。オープンソース型・SaaS型・パッケージ型・ヘッドレス型という4タイプの性格を押さえたうえで、「誰が入稿するか」「どこまで作り込むか」「3年後に乗り換えられるか」の3つに答えれば、候補は現実的な数まで絞り込めます。

そして、CMSを比較する前に、目的・キーワード設計・制作体制の3点を言葉にしておいてください。更新が止まるメディアの原因は、管理画面の使いにくさよりも、書くべき内容が決まっていないことにあります。CMSを選ぶ作業に時間をかけすぎず、記事の設計と体制づくりに手を戻したほうが、結果として早く成果に近づきます。

合同会社Writers-hubでは、キーワード戦略の設計から記事制作、CMSへの入稿と公開後の改善までを一続きで支援しています。すでにCMSが決まっている場合はその環境に合わせて入稿までを引き受けますし、これから選ぶ段階であれば、運用体制から逆算した要件の整理からご一緒します。

関連記事:オウンドメディアのコンセプト設計|5つの手順と運用で効かせる条件

CMSを決めたあと、記事を出し続ける工程は誰が担いますか

CMSが決まっても、記事が出続けなければオウンドメディアは動きません。原稿の制作から装飾と入稿、公開後の差し替えまでをまとめて引き受ける形にすれば、社内に残るのは方針の判断と確認だけになります。まずは現状の体制と本数をお聞かせください。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

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