オウンドメディアの構築というと、多くの担当者がまずCMSやデザインの比較から入ります。ところが、公開から半年後に更新が止まってしまうメディアの大半は、サイトの出来ではなく、その手前の設計と、公開後に記事を作り続ける仕組みでつまずいています。器づくりに力を注いだ割に、肝心の中身が続かないのです。
数多くのSEO記事とオウンドメディアの立ち上げに携わってきた制作会社の立場から言えるのは、サイトの完成はゴールではなく、運用のスタートラインだということです。本記事では、オウンドメディア構築の全体像を、目的設計・サイト構築・コンテンツ・運用の順に整理します。手順や費用相場といった基本に加えて、上位の解説記事があまり正面から書かない「作って終わりにしないための考え方」まで踏み込みます。これから立ち上げる方はもちろん、走り出したものの成果が見えないという方にも、次の一手が見つかるはずです。
- オウンドメディア構築の全体像と、着手前に固めておく3つの土台
- 立ち上げの手順と、CMS選定・費用相場の現実的な考え方
- 成果が出るメディアと途中で止まるメディアを分ける運用設計
- 内製と外注、どちらで構築を進めるかの判断軸
オウンドメディア構築とは、どこまでを指すのか
オウンドメディア構築という言葉は、狭く捉えればサイトを作ることですが、実務では「情報発信で継続的に成果を生む仕組みを立ち上げること」を指します。器としてのサイトだけでなく、そこに載せる記事の設計、そして公開後に運用していく体制まで含めて、はじめて構築が完了したと言えます。サイトが立ち上がった時点は、全体の三合目にすぎません。
まず押さえておきたいのが、オウンドメディアが他の集客手段と何が違うのかという点です。
オウンドメディアは、広告費を払って露出するペイドメディアや、SNSの口コミのように第三者に委ねるアーンドメディアと違い、掲載するテーマも見せ方も自社で決められます。裏を返せば、誰も代わりに更新してくれないメディアでもあります。
この「自社で決められる」という性質が、オウンドメディアの強みであり、同時に難しさの根っこにもなっています。広告のように出稿すれば流入が立つわけではなく、記事という資産を積み上げて、検索エンジンやSNS経由で読者が訪れる状態を、自分たちの手で作らなければなりません。だからこそ、構築の入口で何を目指すのかを定義しておかないと、途中で方向を見失いやすいのです。
オウンドメディアの主な型と、自社がどれを目指すか
ひとくちにオウンドメディアと言っても、狙う成果によって性格が変わります。見込み客を集めて問い合わせにつなげる集客型、自社の価値観や働き方を伝えて応募を呼び込む採用型、専門性や世界観を発信して指名や信頼を育てるブランディング型が代表的です。多くの企業はこれらを兼ねますが、構築の初期には主軸を一つに絞ったほうが、テーマも導線もぶれません。主軸が集客なら検索で見つかる記事を、採用なら働く人の解像度を上げる記事を、というように、型が決まれば作るべき記事の輪郭が見えてきます。
なぜいま、自社メディアを構築する企業が増えているのか
背景には、広告に依存した集客の効率が落ちてきたことがあります。運用型広告の単価は上がり続け、出稿を止めれば流入も止まるという構造から抜け出したい企業が、資産として残るメディアに目を向け始めました。加えて、読者が検索や生成AIを使って自ら情報を集める行動が当たり前になり、良質な記事を持つ企業が見つけてもらいやすい環境になっています。積み上げた記事が長く働き続けるという性質は、短期の広告にはない強みだと言えるでしょう。
ブログやコーポレートサイトと何が違うのか
オウンドメディアは自社ブログと重なる部分が多いものの、両者は目的の設計に差があります。日々の出来事や商品情報を発信するブログに対し、オウンドメディアは読者の悩みを起点に、検索や比較検討の流れの中で見つけてもらうことを前提に設計します。コーポレートサイトが会社の信頼性を伝える名刺だとすれば、オウンドメディアは見込み客との最初の接点をつくる集客装置だと捉えると、役割の違いが掴みやすくなります。
構築を始める前に決めておく3つの土台
サイトを作る前に固めておきたいのが、目的、読者像、そして出口となるコンバージョン(CV)の設計です。この3点は、後工程のキーワード選びから記事のテーマ、サイト構造まで、あらゆる意思決定の基準になります。
オウンドメディアを作りたいのですが、まず何から手をつければいいのか分かりません。デザインやCMSから決めるべきでしょうか。
順番に迷う方はとても多いので、ここは丁寧に整理しておきます。
編集部
気持ちは分かりますが、そこは順番が逆になりがちなところです。最初に決めるのは、誰のどんな悩みを解決して、どんな成果につなげるか。ここが曖昧なままだと、どれだけ良いサイトを作っても、載せる記事のテーマが定まりません。
目的とは、たとえば「問い合わせを増やす」「採用の応募を集める」「指名検索を伸ばす」といった、事業上の成果に直結するゴールです。ここから逆算して、月あたりの問い合わせ件数のような重要指標(KGI)と、その手前の中間指標(KPI)を置きます。目的とCVから逆算しない設計は、必ず途中で迷子になるというのが、立ち上げ支援を重ねてきた実感です。
KPIは立ち上げからの時期によって置き換えていくのが実務のコツです。記事が評価される前の立ち上げ期は、公開本数や検索順位の推移を追い、流入が育ってきた成長期はセッション数やCVへと指標を移します。最初から問い合わせ件数だけを見ていると、成果が出るまでの数か月を耐えられず、判断を誤りやすくなります。
読者像は、業種や役職といった属性だけでなく、どんな場面で何に困って検索するのかまで描きます。ここが具体的なほど、後のキーワード設計と記事の切り口が鋭くなります。そして出口設計とは、記事を読んだ人にどう動いてほしいかの導線づくりです。資料請求なのか、サービスページへの遷移なのか、出口を先に決めておくと、記事の締め方まで一貫させられます。
出口は一種類に限る必要はありません。今すぐ問い合わせる読者は少数派なので、資料ダウンロードやメール登録といった、比較検討の途中でも踏める小さな出口(マイクロCV)を用意しておくと、取りこぼしが減ります。記事ごとに、読者の検討度合いに合った出口を選び分ける発想が、成果の底上げにつながります。
最後に、これら3つを束ねる編集方針を一文で言語化しておくと、運用がぶれません。「誰に、何を、どんなスタンスで届けるメディアか」を決めておけば、記事のテーマ選びから書き手への依頼、外注する際の目線合わせまで、判断の基準として使えます。関わる人が増えるほど、この一文の有無が品質の一貫性を左右します。
オウンドメディア構築の手順
土台が決まったら、いよいよ立ち上げの実作業に入ります。全体像は次の7ステップで捉えると整理しやすくなります。工程が前後することはありますが、大枠の流れはどの規模のメディアでも共通しています。

事業のどの成果につなげるかを決め、達成を測る指標を置きます。ここが全工程の基準になるため、関係者の合意まで取っておくと後戻りが減ります。
誰のどんな悩みに、自社ならではの何を届けるのかを一文で言えるまで詰めます。この提供価値が、競合メディアとの違いを生む軸になります。
狙うテーマ群を洗い出し、検索意図とCVへの近さで優先順位をつけます。事業の強みと読者の悩みが交わるテーマから着手すると、成果に届きやすくなります。
必要な機能を洗い出し、運用する人のスキルに合わせてCMSを選定します。要件を先に固めることで、過剰な開発や作り直しを避けられます。
読みやすさと回遊性、検索エンジンが理解しやすいサイト構造を両立させます。記事の増加を見越したカテゴリ設計を、この段階で組んでおきます。
誰が企画し、書き、編集して公開するかの役割と頻度を決めます。ここが構築の本当の山場であり、後述する成否の分かれ目になります。
公開はスタートです。検索順位や流入、CVを計測し、記事のリライトと新規制作を継続します。データに基づく改善が、メディアを資産に育てます。
7ステップのうち、多くの企業が力を入れるのは4番目から5番目の「サイトを作る」部分です。しかし成果を左右するのは、その前後にある戦略設計と、公開後の制作体制です。とりわけ3番目のキーワード戦略は、メディアの集客力を決める心臓部にあたります。事業の強みと読者の悩みが重なるテーマを見つけ、関連する記事群を束ねて設計する。単発の記事を思いつきで足していくのではなく、狙うテーマの周辺を計画的に埋めていくことで、検索エンジンからの評価が積み上がっていきます。この設計図を持たないまま制作に入ると、記事は増えても順位が伸びないという状態に陥りがちです。
キーワードを選ぶ際は、検索ボリュームの大きさだけで飛びつかないことが肝心です。ボリュームが大きい言葉ほど競合も強く、立ち上げ直後のメディアでは上位表示が難しいのが実情です。まずは、悩みが具体的でCVに近い、いわゆるロングテールのキーワードから着手し、関連するテーマを束ねて面で押さえていきます。中心となる網羅的な記事と、そこから派生する個別記事を内部リンクでつなぐと、テーマ全体での評価が高まりやすくなります。小さな面を一つずつ取っていく発想が、地力のないうちは効いてきます。
CMSの選び方
CMSはオウンドメディアの土台となる仕組みですが、高機能なものを選べば成果が出るわけではありません。判断軸は、運用する人のスキル、必要な自由度、そしてかけられる手間の3つです。代表的な選択肢を比べてみます。
| WordPress | SaaS型CMS | |
|---|---|---|
| 初期の自由度 | ◎ | △ |
| 構築スピード | △ | ◎ |
| 運用の手軽さ | △ | ◎ |
| 拡張性 | ◎ | ○ |
| 月額コスト | ○ | △ |
| 保守の負担 | △ | ◎ |
WordPressは世界的に使われているオープンソースのCMSで、デザインや機能の自由度が高く、SEOに必要な設定も柔軟に行えます。その代わり、サーバーの保守やセキュリティ更新など、運用の手間を自社で背負う前提になります。一方のSaaS型CMSは、月額の利用料はかかりますが、保守やアップデートを提供側が担うため、Webの専門知識が少ない担当者でも運用しやすいのが利点です。
選ぶ基準はシンプルで、社内にエンジニアや運用の手が確保できるならWordPress、そこに手をかけたくない、あるいは早く立ち上げたいならSaaS型という整理になります。発信そのものを最優先するなら、記事投稿に特化したサービスも候補に入るでしょう。凝った機能より、続けられる運用のしやすさを優先するほうが、長い目で見て成果につながります。
CMS選定でありがちな失敗が、将来使うかもしれない機能を見込んで高機能なものを選び、結局使いこなせないまま運用が重くなるパターンです。必要な機能は、立ち上げ時に決めた目的から逆算すれば絞り込めます。集客が主軸なら、記事の入稿と更新がしやすく、検索エンジンに正しく伝わる構造を組めることが最優先で、それ以上の機能は後から足しても間に合います。
CMSと合わせて決めておきたいのが、ドメインとサーバーの扱いです。ドメインは、コーポレートサイトのサブディレクトリに置くか、独立した新規ドメインで立てるかで方針が分かれます。既存サイトに一定の評価が蓄積しているなら、その資産を活かせるサブディレクトリ型が有利に働く場面が多く、メディアの世界観を独立させたい場合は新規ドメインという選択もあります。サーバーは、WordPressなら表示速度と安定性が検索評価にも関わるため、記事とアクセスの増加を見込んだ余裕のある構成を選んでおくと、後の作り直しを避けられます。
構築と運用にかかる費用の考え方
費用は構築範囲によって大きく変わります。既製テーマで小さく始めるのか、戦略設計から独自のサイトを作るのかで、桁が変わることも珍しくありません。まずは価格帯ごとにできることの目安を掴んでおきましょう。
価格帯 | 主にできること |
|---|---|
〜50万円 | 既製テーマで小さく立ち上げ、記事は自社で執筆 |
50万〜150万円 | 戦略設計と簡易なオリジナルデザイン、初期記事を数本外注 |
150万〜300万円 | 独自設計のサイトと、キーワード戦略から初期コンテンツまでの制作 |
300万円〜 | 大規模な設計や機能開発、継続的な記事供給を含む本格構築 |
※ 金額は構築範囲や記事本数によって大きく変わるため、あくまで一般的な目安としてご覧ください。
構築費用の内訳を見ると、戦略設計費、デザイン・コーディング費、CMS構築費、そして初期コンテンツ制作費に分かれます。意外に思われるかもしれませんが、構築費用の大半は、実は初期コンテンツ制作に消えるケースが多いのです。サイトそのものより、そこに載せる記事を用意するほうにコストと時間がかかります。
内訳を分解すると、費用が動く要因が見えてきます。戦略設計費は、キーワード調査やペルソナ設計といった、記事の設計図を作る工程にかかります。デザイン・コーディング費は、オリジナル設計か既製テーマかで大きく変わり、CMS構築費は必要な機能の数に比例して増えていきます。初期コンテンツ制作費は、記事の本数と、1本にかける調査や編集の深さで決まります。どこにお金をかけるべきかは目的次第ですが、集客が主軸なら、見た目より記事の設計と制作に配分するのが定石です。

そしてもう一つ、予算計画で見落とされがちな論点があります。
公開後に毎月かかる運用費を、初期費用と分けて考えていない企業がとても多いという点です。サーバーやツールの費用よりも、記事を作り続けるための制作費が運用費の中心になります。初期費用だけで予算を組むと、公開直後に更新が止まるという典型的なパターンに陥ります。
運用費の中身も分解しておきましょう。毎月かかるのは、サーバーやCMSの維持費、有料ツールの利用料、記事の制作費、そして分析と改善にかかる人の手間です。このうち維持費やツール代は数万円規模に収まることが多く、大部分を占めるのは制作と改善のほうです。裏を返せば、費用を抑えたいときに削るべきは記事の質ではなく、機能の作り込みや外注範囲だと分かります。
費用は投資として捉えるのが妥当です。広告のように出稿を止めれば流入も消える性質ではなく、積み上げた記事が資産として残り、時間をかけて集客し続けてくれます。短期の費用対効果だけで判断せず、1年から2年の運用を前提に予算を設計することをおすすめします。
費用対効果を見るときは、広告のクリック単価と、記事が生み出す価値を並べて考えると判断しやすくなります。広告は費用をかけ続ける限り流入を生みますが、止めればゼロに戻ります。対して記事は、一度上位を取れば追加費用なしで流入を生み続けるため、時間が経つほど1本あたりの獲得コストが下がっていきます。半年から1年という時間軸で見れば、記事の積み上げが広告より効率的な集客手段になる場面は少なくありません。
「作って終わり」で止まるメディアの共通点
ここからは、上位の解説記事があまり正面から書かない話をします。オウンドメディア構築で最も多い失敗は、技術的な問題ではありません。サイトは立派に完成したのに、その後の運用が続かず、更新が止まってしまうことです。止まるメディアには、いくつかの共通した兆候があります。
- 目的とCVが決まる前に、デザインやCMSの比較から始めてしまう
- 記事を「書きたいこと」で埋め、読者の検索意図とずれていく
- 担当者一人に依存し、その人が忙しくなると更新が止まる
- 公開後の効果測定と改善を、誰が担うか決めていない
これらに共通するのは、サイトを作ることをゴールに置いてしまっている点です。実際には、更新が止まる原因の多くは制作体制の不在にあります。記事を企画し、書き、編集して公開するという一連の流れが仕組みになっていないと、担当者の頑張りに依存する運用になり、繁忙期が来た瞬間に止まります。
中でも根が深いのが、記事が「書きたいこと」に寄っていく問題です。担当者は自社の商品やサービスに詳しいため、つい伝えたい情報を中心に書いてしまいます。ところが読者が検索するのは、自分の悩みを解決する情報であって、企業が伝えたい情報ではありません。この視点のずれに気づかないまま記事を重ねると、本数は増えても検索で見つけてもらえないという結果を招きます。

裏を返せば、構築の段階で「作って終わり」にしない設計をしておけば、この失敗は避けられます。サイトの完成度に予算と時間を全振りするのではなく、公開後に記事を出し続けられるかどうかを、構築計画の中心に据えることが肝心です。
何を書くかが決まらないまま、構築だけ進んでいませんか
サイトが立ち上がっても、狙うキーワードと記事の設計図がなければ更新は続きません。事業の強みと読者の悩みが交わる場所から、書くべきテーマを一緒に設計します。
成果につながる運用設計
では、止まらないメディアはどう設計されているのでしょうか。鍵は、公開前に運用の型を決めておくことにあります。担当者のモチベーションではなく、仕組みで回るようにしておくのです。
成果が出るメディアに共通するのは、記事を安定して出し続ける制作フローが最初から設計されている点です。誰が企画し、誰が書き、誰が編集して公開するか。この分担と更新頻度を決めておくと、担当者のやる気の波に左右されず、更新が続きます。
具体的には、月あたりの本数、企画から公開までのリードタイム、そして品質を担保する編集の基準を、構築段階で決めておきます。数を追うあまり質が落ちると検索評価は伸びませんし、質にこだわりすぎて本数が出ないと、そもそも土俵に上がれません。このバランスを保つには、書き手と編集者の役割を分けておくのが有効です。
もう一つ欠かせないのが、データに基づく改善です。公開した記事の検索順位や流入、CVを定点観測し、伸び悩む記事はリライトし、成果の出るテーマには追加投資する。この改善サイクルを回す担当を最初から決めておくと、公開後にメディアがゆっくり成長していきます。リライトは、公開して3か月ほど経ち、検索順位が10位から30位あたりで足踏みしている記事から着手すると効果が出やすい傾向があります。上位表示まであと一歩の記事に、不足している情報や検索意図とのずれを補う。ゼロから新規記事を書くより、少ない労力で順位とCVを伸ばせることが多いのです。
効果測定で見るべき指標は、検索順位、流入数、CV、そして記事内での回遊です。順位が上がっているのに流入が増えないならタイトルや説明文に、流入はあるのにCVが遠いなら記事の出口設計に、それぞれ改善の余地があります。数字を一つずつ切り分けて原因を特定する習慣が、闇雲なリライトを防いでくれます。ここまで含めて設計して、はじめて構築が完成したと言えます。
オウンドメディア構築を成功させるポイント
手順を踏むだけでなく、いくつかの勘所を押さえておくと、成果までの距離がぐっと縮まります。立ち上げ支援の現場で繰り返し効いてきたポイントを挙げます。
- 短期で成果を求めず、半年から1年の時間軸で判断する
- 検索だけに頼らず、SNSやメールなど集客の入口を複線化する
- 出口となるCVを、記事の企画段階から設計しておく
- 自社の一次情報や実体験を盛り込み、他社と差別化する
- 数を追う時期と質を磨く時期を、フェーズで切り替える
とりわけ差がつくのが、一次情報の扱いです。どこかで読んだ内容を要約しただけの記事は、検索でも読者からも埋もれます。自社が現場で得た知見、支援した事例、独自に集めたデータといった、その企業にしか書けない情報を一つでも記事に入れる。この積み重ねが、他のメディアとの決定的な違いを生みます。
集客の入口を検索だけに賭けないことも重要です。検索評価が育つまでの初期は流入が細いため、SNSやメールマガジン、既存顧客への案内などを併用して、記事に最初の読者を届ける工夫が要ります。読者が増えれば反応も集まり、記事を改善する手がかりも得られます。
出口を記事の企画段階から設計しておくことも、見落とされやすい勘所です。記事を書き上げてから最後にCTAを付け足すのではなく、この記事を読んだ人に次に何をしてほしいかを決めてから書き始める。すると本文の流れと出口が自然につながり、読者を無理なく次の行動へ導けます。
地味ながら効くのが、記事同士のつなぎ方です。ある記事にたどり着いた読者を、関連する記事や出口へ自然に案内する内部リンクを張っておくと、サイト内での滞在が延び、検索エンジンからの評価も安定します。記事を単体で完結させるのではなく、テーマの近い記事を相互につなぐ意識を持つと、メディア全体が一つの回遊できる構造になっていきます。個々の記事の質だけでなく、束としての設計が効いてくる部分です。
内製と外注、どちらで構築を進めるか
運用設計の話をすると、必ず出てくるのが「内製すべきか、外注すべきか」という問いです。結論から言えば、どちらか一方に寄せるより、役割で分けるのが現実的です。事業理解と一次情報を持つ自社と、SEOや制作の専門性を持つ外部を組み合わせる形が、多くの企業にとって無理のない選び方になります。
まず、制作を外注や支援に任せる場合の利点と、任せ方の注意点を整理します。
- 立ち上げ期から一定品質の記事を安定して供給できる
- SEOと編集の専門知見をすぐに活用できる
- 社内は戦略と意思決定に集中できる
- 事業理解の共有を怠ると、表面的な記事になりやすい
- 丸投げにすると社内にノウハウが残らない
- 依頼範囲と品質基準を曖昧にすると、期待とずれる
内製の魅力は、社内にノウハウが蓄積し、事業を深く理解した書き手が担当できる点です。ただし立ち上げ期は工数が読めず、本業を圧迫しがちで、SEOと編集のスキルを一から育てる負担もかかります。そこで現実的なのは、戦略は自社、量産は外部という分担が現実解という考え方です。メディアの根幹となる方針や一次情報は自社が握り、記事制作の型づくりと継続的な供給は外部の力を借りる。この組み合わせなら、スピードと持続性を両立させやすくなります。
判断に迷ったら、次の観点で棚卸しすると整理できます。社内にSEOと編集の経験者がいるか、立ち上げ期に月数本を安定して出せる工数を確保できるか、そして成果が出るまでの数か月を、社内の合意として待てるか。どれかが欠けるなら、その部分だけでも外部の力を借りる判断が現実的になります。
具体的な分担のイメージを描いておくと、迷いが減ります。たとえば立ち上げ期は、キーワード戦略の設計と記事制作を外部に任せて素早く土台を作り、社内は事業情報の提供と方針の決定に専念する。軌道に乗ってきた成長期には、社内でも書ける記事から少しずつ内製に切り替え、専門性の高い記事や本数の確保が必要な部分だけ外部に残す。フェーズごとに外注と内製の比率を動かしていく前提でいると、無理なく体制を育てていけます。
将来的に内製へ移行したい場合も、最初は外部と伴走しながら制作の型を学び、社内に移していく進め方が堅実です。記事の設計図や編集の基準を共有してもらいながら数か月運用すれば、自社に知見が残ります。いきなり全てを抱えるより、走りながら体制を育てるほうが、更新を止めずに済みます。
記事を作り続ける体制まで、まだ手が回っていない方へ
構築の山場は公開後の制作にあります。編集の型づくりから毎月の記事供給まで、貴社の編集部の一部として、制作体制ごと支援します。
よくある質問
最後に、オウンドメディア構築の相談でよく寄せられる質問に答えます。
サイトの構築だけなら1か月から2か月ほどが目安です。ただし、記事が検索で成果を出し始めるまでには、公開後6か月から1年ほどを見込むのが現実的です。構築期間と成果が出る期間は分けて考えておきましょう。
できます。むしろ、最初から大きく作り込むより、狙うテーマを絞って小さく立ち上げ、成果を見ながら記事とカテゴリを増やす進め方をおすすめします。土台となる目的とサイト構造さえ設計しておけば、拡張は無理なく行えます。
一概には言えませんが、特定のテーマで検索評価を得るには、関連する記事をまとまった数そろえる必要があります。単発の記事を散発的に出すより、狙うテーマ群を束にして計画的に積み上げるほうが、成果に届きやすくなります。
SNSでの発信、メールマガジン、既存顧客への案内、他社メディアへの寄稿などが挙げられます。検索評価が育つまでの初期は流入が細いため、これらを併用して記事に最初の読者を届けると、立ち上がりが早まります。
依頼の仕方次第です。丸投げにすると残りにくいですが、企画や編集の基準を共有しながら伴走型で進めれば、制作の型が社内に蓄積します。将来の内製化を見据えて依頼することも可能です。
まとめ
オウンドメディア構築は、サイトを作ることではなく、情報発信で成果を生む仕組みを立ち上げることです。目的とCVから逆算して土台を固め、運用する人に合ったCMSを選び、そして何より、公開後に記事を出し続ける体制まで設計しておく。ここまで含めて計画することが、作って終わりにしないための出発点になります。
費用や手順はもちろん大切ですが、成否を分けるのは公開後の運用です。戦略は自社で握り、制作の量産や型化は外部と組む。この分担を前提に構築を進めれば、更新が止まるという最も多い失敗を避けられます。焦らず、しかし着実に記事を積み上げていけば、メディアは時間とともに集客の資産へと育っていきます。
合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作とオウンドメディアの立ち上げ支援を専門としています。戦略設計から記事制作、そして社内で書ける体制づくりまで、貴社の状況に合わせて伴走します。どこから着手すべきか迷ったら、現状を整理するところからご一緒します。
どこから着手すべきか、現状を整理するところから始めませんか
戦略設計・サイト構築・記事制作のどこがボトルネックになるかは、事業と現状によって変わります。まずは状況をお聞かせください。進め方を一緒に描きます。








