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オウンドメディア制作の進め方と費用|制作会社の選び方と成果の実例

オウンドメディアの成果は、サイトを公開した後に記事を何本出し続けられるかで大きく変わります。制作会社に見積もりを頼む前に、公開後の1年で出す記事の本数と、誰が書いて誰が確かめるかを決めておくと、サイトの構築費に予算を使い切る失敗を避けられます。

オウンドメディアの制作を、サイトという器とコンテンツという中身の二層で捉えたことを示す図解のイメージ。

「オウンドメディアは、サイトが公開できればひとまず形になるはず」。「制作」という言葉が、デザインやCMSといった目に見えるものの完成を指すように聞こえるため、公開してからの工程は後回しになりがちです。ところが、検索から人が集まり、問い合わせにつながるかを分けるのは、サイトではなく公開後に出し続ける記事です。

本記事では、制作の進め方と外注先の選び方から、費用の見方と代表が関わったメディアの成果の数字まで、記事コンテンツの制作を支援する会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • オウンドメディアの成果は、サイトの完成後に出し続ける記事で決まる
  • 制作は目的と読者、キーワードを決めてから、サイトの構築に進む順にする
  • 外注先は公開後の運用まで併走できるかで選び、目的と一次情報は自社に残す
  • 費用は初期構築の金額でなく、記事制作と運用を含めた総額で比べる
  • 弊社が記事の制作を受け持った上場企業のメディアは、半年で月間10万PVに伸びた

オウンドメディア制作でつまずく人の共通点は「制作」を誤解していること

オウンドメディア制作という言葉は、どうしても「サイトという目に見える成果物を作ること」を連想させます。契約して、デザインが上がってきて、公開されれば完成。この感覚のまま進めてしまうのが、最初のつまずきです。

実際のオウンドメディアは、公開した日が完成日ではなく、むしろスタート地点にすぎません。検索エンジンが記事を評価し、順位が育ち、そこから見込み客が流入してくるまでには、コンテンツの蓄積という時間のかかる工程が必要になります。立ち上げ直後に美しいサイトができても、記事が10本ほどで更新が止まれば、検索からの流入はほとんど生まれないのが現実です。

💡

オウンドメディアの資産価値は「人が来続ける状態」から生まれます。その状態を作るのはサイトのデザインではなく、蓄積されたコンテンツです。制作段階では、器の見栄えよりも、公開後に記事を出し続けられる設計と体制にこそ予算と時間を配分すべきでしょう。

もう一段掘り下げると、サイトとコンテンツでは価値の増え方がまるで違います。サイトは公開した瞬間がもっとも新しく、時間とともに古びていく資産です。対してコンテンツは、良質な記事が増えるほど内部リンクで互いを支え合い、サイト全体の専門性が高まり、後から出す記事まで検索で評価されやすくなります。記事は積むほど利回りが上がる資産だと捉えると、どこに予算を寄せるべきかは自ずと見えてくるはずです。

関連記事:【2025年最新】オウンドメディア構築の完全ガイド|手順からコツまで徹底解

オウンドメディア制作は「サイト構築」と「コンテンツ設計」の二層でできている

制作の全体像を正しく捉えるために、オウンドメディア制作を二つの層に分けて考えてみましょう。ひとつはサイト構築層、もうひとつはコンテンツ設計・制作層です。

サイト構築層は、デザイン、CMSの選定、記事を読みやすくする機能、問い合わせ導線などにあたります。ここは一度作り込めば数年は使う固定投資に近い性質を持ちます。一方のコンテンツ設計・制作層に含まれるのは、キーワード設計、記事の企画、取材や執筆、公開後の効果測定とリライトまでです。こちらは毎月積み増していく変動投資にあたります。

オウンドメディア制作の二層構造

初年度の費用を見渡したとき、健全なメディアほど重心はコンテンツ側に寄ります。器は必要十分な水準があれば戦えるのに対し、コンテンツは出し続けなければ検索に育たないからです。ところが実際には、凝ったトップページとカテゴリ構造を作り込んだ結果、記事制作に回す予算と体制が残っていない、という失速パターンが後を絶ちません。器に予算を使い切ると更新が止まるのは、この配分ミスが原因です。

ひとつの目安を持っておくと、配分を誤りにくくなります。初年度の予算を10とするなら、器の構築に3から4、初期の記事制作と運用に6から7を充てるくらいの重心が、立ち上がりを早める現実的なラインです。事業やメディアの狙いによって最適な比率は動きますが、器づくりが予算の半分を超えて膨らんでいると気づいたら、いちど立ち止まって見直す価値があります。器の予算を削れなくなる前に、コンテンツ側の余力を先に確保しておくのが安全策です。

Web担当者Web担当者

デザインにこだわるのは、あまり意味がないということでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

意味がないわけではなく、優先順位の問題です。読みにくいサイトは離脱を招くので、最低限の読みやすさは欠かせません。ただ、競合と差がつくのは器の華やかさではなく中身の質と量です。凝った装飾に予算を寄せる前に、記事を何本、どのくらいの品質で出し続けられるかを先に設計しておくと、後半で失速しにくくなります。

関連記事:オウンドメディア構築の進め方|手順と費用、成果につながる設計の考え方

オウンドメディア制作の進め方

二層構造を踏まえたうえで、実際の制作をステップに落とし込みます。ここで大切なのは着手する順番です。多くの発注者がサイト構築から入ろうとしますが、器の要件は目的と読者、テーマ設計が決まって初めて確定します。

1
STEP
目的と成果指標を決める

最初に「何のために作るのか」「何をもって成功とするのか」を言語化します。問い合わせの獲得なのか、採用応募なのか、指名検索の増加なのか。成果の定義があいまいなまま制作に入ると、公開後に測定も改善もできなくなります。

2
STEP
読者像と提供できる価値を固める

誰のどんな悩みに応えるメディアなのかを具体化します。ここが曖昧だと、記事のテーマがぶれ、サイト全体の専門性が上がりません。自社ならではの一次情報や実務知が、どの読者にとって価値になるのかを見極めます。

3
STEP
キーワード設計とテーマの地図を作る

狙う検索キーワードを洗い出し、親テーマと子テーマの関係で地図を描きます。関連する記事群を束ねて設計すると、サイト全体でひとつのテーマに強くなり、検索での評価を得やすくなります。ここで地図を描いておくと、あとで「次に何を書くか」で迷う時間がなくなり、運用の速度が段違いになります。

4
STEP
サイトを構築する

ここでようやく器の出番です。前段で決めた目的とテーマ設計を満たす、必要十分なデザインとCMSを選びます。更新のしやすさを最優先に据えると、運用が回りやすくなります。

5
STEP
記事を継続して制作する

公開初期は、地図の中核となる記事をまとめて用意すると立ち上がりが速くなります。単発の記事を散発的に出すのではなく、テーマのまとまりで面を作る意識が役立ちます。

6
STEP
効果測定とリライトを回す

公開後は順位や流入、問い合わせを確認し、伸び悩む記事を改善します。オウンドメディアはこの改善のループを回し続けるほど成果が積み上がる性質を持ちます。最初から完璧な記事を狙うより、出して測って直すという循環に早く入るほうが、結果的に早く成果にたどり着きます。

順番を守るだけで、手戻りは大きく減ります。逆に、サイト構築を先に発注してしまうと、目的やテーマが固まっていないために「作り直し」が発生し、費用も時間も余計にかかりがちです。着手の順番は、そのまま費用対効果に直結すると考えておいてください。

オウンドメディア制作の6ステップ

自社制作と外注、どちらを選ぶか

制作の進め方が見えてくると、次に迷うのが「自社でやるか、外注するか」という判断です。単純な二択で語られがちですが、実務ではもう少し立体的に考えると失敗が減ります。

内製が向くケース
  • 継続的に記事を書ける人材と時間が社内にある
  • 商品知識や現場の一次情報が社内に濃く蓄積されている
  • 長期でノウハウを社内資産として残したい
外注が向くケース
  • 立ち上げのスピードを優先したい
  • SEOやコンテンツ設計の知見が社内にまだない
  • 当面はメディアに専任の人材を割けない

現場で再現性が高いのは、実はどちらか一方に振り切る形ではありません。戦略設計と立ち上げの記事制作は外部の知見を借り、運用に慣れてきた部分から少しずつ社内に引き取っていく。戦略・設計は外部、運用は徐々に内製化という組み合わせは、コストと品質のバランスが取りやすいのです。

制作会社に頼める業務は大きく分けて次の5つで、全部を1社に任せることも、一部だけを切り出して頼むこともできます。

  • 戦略設計:目的と読者、狙うキーワードの設計
  • サイト構築:デザイン、CMSの導入、内部SEO対策
  • 記事制作:企画、取材、執筆、編集、入稿
  • 効果測定と改善:順位や流入の分析、記事のリライト
  • 内製化の支援:社内で記事を書ける体制づくり

どこまで任せるかを、社内で続けられない工程を基準に決めると、外に出す業務が絞れるでしょう。

丸投げで成果が出ないのは、目的の定義や一次情報の提供という、外部には代われない部分まで手放してしまうからです。外注する場合でも、目的とKPI、自社ならではの情報だけは発注者が握っておく。この線引きが、外注が成功するかどうかの分かれ目になります。

設計は外部と組み、運用は自社に残したいとお考えなら

立ち上げの設計は外部の知見を借り、記事を出し続ける運用は社内に残したい。記事コンテンツの制作支援では、キーワード戦略の設計と制作体制の構築に加えて、弊社と取引先のサイトで毎日の公開に使っている記事の指示文を作るツールを、御社で回せる形でお渡しします。公開前の確認は御社で行っていただく形です。

オウンドメディアの制作会社は3タイプに分かれる

外注を選ぶ場合、制作会社は得意領域によって大きく3タイプに分かれます。ここを理解しないまま「オウンドメディア 制作会社」と検索して上位の会社に相談すると、自社の目的とかみ合わないことがあります。

制作会社3タイプの位置づけ

3タイプの違いを、発注者目線の比較軸で整理します。

Web制作型コンテンツ運用型ハイブリッド型
サイト構築◎△○
記事の企画・制作△◎○
運用・改善の併走×◎○
向いている発注者器を作り込みたい集客やCVの成果を出したい制作から運用まで任せたい

Web制作型は美しいサイトを作るのが得意ですが、記事は別発注になりがちで、公開後の運用は自社に委ねられます。コンテンツ運用型は器づくりを最小限にとどめ、企画から記事制作、改善までを一貫して担う点が強みです。ハイブリッド型は、その両方をカバーする位置づけになります。

オウンドメディアの制作で成果を求めるなら、判断の軸は器の作り込みではなく、公開後の運用まで見てくれるかどうかです。制作会社は「運用まで併走できるか」で選ぶと、立ち上げてから止まるリスクを減らせます。選定時には、次の観点を確認しておくとよいでしょう。

  • 自社の業界やテーマへの理解があり、過去の記事サンプルを見せてもらえる
  • 記事の企画から効果測定、リライトまでの体制が用意されている
  • 見積もりの内訳が透明で、記事制作費に何が含まれるかが明確
  • 公開後の改善の進め方まで、制作段階で一緒に設計してくれる
  • コミュニケーションの窓口とレスポンスが安定している

どのタイプを選ぶかは、自社に何が足りないかで決まります。社内にサイト運用の担当がいて、足りないのは記事を書く力だけなら、コンテンツ運用型がかみ合います。器そのものをまだ持っておらず、一式そろえたいならハイブリッド型が現実的でしょう。逆に、記事は内製できて器の見た目だけ整えたいという限定的な相談なら、Web制作型でも足ります。自社に欠けている部分を見極めてから相談先を選ぶと、過不足のない発注になります。

経営者経営者

制作だけ頼んで、運用は自社でやるという分け方はありでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

十分にありです。ただ条件があって、制作の段階で運用の設計まで一緒にやっておくことが前提になります。テーマの地図や記事の型、効果測定の見方を制作時に決めておかないと、引き継いだ自社側が何をどう更新すればよいか分からず、結局そこで止まってしまいます。制作と運用は地続きだと考えておくと安全です。

オウンドメディア制作にかかる費用の見方

費用は多くの発注者が真っ先に知りたいところですが、一枚の見積もり金額だけで比べると判断を誤ります。オウンドメディア制作の費用は、性質の異なる三つの層で構成されるためです。

費用の層

内容

一般的な相場感

初期構築費

設計・デザイン・CMS導入・コーディング

数十万円から数百万円

記事制作費

企画・構成・執筆・編集(1本あたり)

数万円台が中心の幅

運用費

ディレクション・効果測定・リライト(月額)

月数万円から数十万円

初期構築費は器の作り込みの度合いで大きく変わります。記事制作費を左右するのは、文字数や取材の有無、品質水準です。運用費は、改善までを含むか、記事を納品して終わりかで中身が変わってきます。金額の幅が広いのは、含まれる作業範囲が会社ごとに違うからにほかなりません。

オウンドメディア制作費用の三つの層

※ 上記は制作の実務で見られる一般的な相場感であり、案件の規模や要件によって変動します。

ここで見落とされやすいのが、費用の重心です。初期構築の金額に目が向きがちですが、成果を左右するのは記事を出し続ける運用の総額です。費用は初期構築より運用の総額で見るという視点を持つと、安く器だけ作って更新が止まる、という最も避けたい事態を防げます。

⚠

「初期費用が安い」だけで選ぶと、記事を納品して終わりのプランで、公開後に検索へ育てる運用が抜けていることがあります。見積もりを比べるときは、金額そのものよりも「その予算で何本の記事を、どの品質で、どこまで改善しながら出せるか」を確認しましょう。

見積もりを比べるときは、金額の大小よりも内訳の粒度に目を向けてください。同じ「記事制作費 5万円」でも、キーワード設計や構成、取材、公開後の効果測定まで含む場合と、渡した構成どおりに執筆するだけの場合とでは、成果の出方がまるで違います。安く見える見積もりほど、本来必要な作業が別費用として外に出ていないかを確かめる価値があります。

ℹ

見積書では、少なくとも次の3点を確認しましょう。記事制作費に企画と構成が含まれるか。公開後のリライトや効果測定が範囲に入っているか。追加記事や修正が発生したときの単価が明示されているか。ここが曖昧なまま契約すると、後から費用が膨らみやすくなります。

こうした確認は、値切るためではなく、同じ予算で最大の成果を得るための下ごしらえです。内訳が透明な会社ほど、運用まで見据えた提案をしてくれる傾向があります。

オウンドメディア費用の相場と内訳(構築から運用まで徹底解説)
コンテンツマーケティング・オウンドメディア

オウンドメディアの費用相場と内訳|初年度の予算の決め方と費用対効果

オウンドメディアの費用は、構築費に加えて、公開後も記事の制作や分析の運用費が毎月かかります。構築と運用の内訳と相場、目的から初年度の総額を出す予算の決め方、回収に必要な問い合わせの件数で費用対効果を測る方法をまとめました。

代表が関わったメディアの成果の数字

弊社の代表が関わったメディアの成果は、次の2つです。上場企業のメディアでは弊社が記事の制作を受け持ち、LeadGridのサービスサイトでは代表が初代編集長を務めました。

メディア

役割

成果

上場企業のオウンドメディア(社名は非公開)

記事の制作

半年で月間10万PV

LeadGridのサービスサイト

初代編集長

月60件のリードを獲得する体制

2つの例で成果を表す数字は違い、上場企業のメディアはPV、LeadGridのサービスサイトはリードの件数です。問い合わせを増やしたいメディアでは、PVが伸びてもリードが増えなければ目的に届きません。

制作前に成果指標を決めるときは、PVとリードの件数のどちらを追うかまで決めておきます。追う数字によって、書く記事の順番が変わるためです。PVを追うなら検索数の大きいキーワードから、リードを追うなら自社のサービスを比べている人が打つキーワードから書くことになるでしょう。

半年で月間10万PVという伸び方は、どのメディアでも同じにはなりません。伸び方を決めるのは、狙うテーマの検索数と、半年で出せる記事の本数です。検索数の小さいBtoBの専門テーマでは、PVよりリードの件数で手応えを見るほうが合います。

制作会社を選ぶときは、過去に関わったメディアの公開後の数字を聞くと、記事で成果を出せる会社かを見分けやすくなります。何か月でどこまで伸びたか、数えたのがPVかリードかまで聞くと、自社の目的に近い実績かどうかも分かるはずです。

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追う数字が決まると、狙うキーワードと書く記事の順番が決まります。記事コンテンツの制作支援では、キーワード戦略の設計から、記事を出し続ける制作体制の構築までを一緒に進めます。無料のオンライン相談(30分)で、今のサイトと目的をお聞かせください。

成果が出るメディアと失敗するメディアの分かれ目は制作前にある

成否の大半は、制作を始める前の準備段階で決まります。立ち上げで失敗するメディアには、共通するパターンがあります。

  • 目的があいまいで、何をもって成功とするかが定義されていない
  • 想定読者が絞れておらず、記事のテーマが毎回ぶれる
  • キーワードとテーマの地図がなく、思いつきで記事を出している
  • 公開後の運用体制がなく、数本で更新が止まってしまう
  • 数ヶ月で成果を求め、育つ前に撤退の判断をしてしまう

逆に、成果につながるメディアは、制作に入る前に次の四つが揃っています。目的とKPIが具体的であること、応える読者と提供価値が明確であること、テーマの地図が描けていること、そして運用を続ける体制があること。勝負は制作前の目的とKPI設計で決まるといっても言い過ぎではありません。

なぜここまで前段が重要なのか。検索エンジンは、読者にとって有用なコンテンツを評価する方向へ一貫して進んでいます。有用性は、明確な読者と目的があって初めて設計できるものです。だからこそ、制作前の準備を飛ばして器づくりから入ると、いくら記事を足しても評価が積み上がらない、という状態に陥りやすくなります。

Google 検索セントラル|有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
Google のランキング システムは、ユーザーにメリットをもたらすことを目的として作成された有用で信頼できる情報をユーザーに提示できるように設計されています。自己評価のための質問を通じてご自身のコンテンツを評価する方法をご確認ください。
🌐 developers.google.com
外部リンク

もうひとつ見落とされやすい失敗が、判断の早すぎる撤退です。オウンドメディアは公開してすぐ成果が出る施策ではなく、検索での評価が積み上がるには時間を要します。数ヶ月で流入が伸びないことを理由に手を止めてしまうと、これから育つはずだった記事群を自ら手放すことになります。撤退を判断するなら、少なくとも中核テーマの記事が一定数そろい、改善を一巡させたあとにすべきでしょう。始める前に「どれくらいの期間、続ける覚悟があるか」を社内で握っておくと、途中でぶれずに済みます。

制作前の設計に時間をかけることは、遠回りに見えていちばんの近道です。ここを丁寧にやっておけば、公開後の記事制作は迷いなく進み、改善の判断もぶれません。立ち上げでよくある失敗を先に知っておきたい場合は、次の記事もあわせて参考にしてください。

3本の柱のうち2本が破損した建築設計図——目的設計の不備が立ち上げ後のメディアを支えられないことの比喩
コンテンツマーケティング・オウンドメディア

オウンドメディアの立ち上げで失敗する3パターン——目的設計の段階で勝負は決まる

BtoBオウンドメディアの約9割は成果が出る前に撤退する。立ち上げで失敗するのではなく、立ち上げる前の目的設計で負けが決まる——失敗の3パターンを整理した。

関連記事:オウンドメディアの立ち上げで失敗する3パターン——目的設計の段階で勝負は決まる

制作会社に相談する前に、自社で用意しておきたいもの

外注を決めたら、相談に入る前に自社で用意しておきたいものがあります。手元に揃っているほど、制作会社との認識合わせが速くなり、見積もりの精度も上がります。逆に、ここが空欄のまま相談に臨むと、打ち合わせの多くが前提の整理に費やされ、肝心の制作へなかなか進めません。

  • メディアの目的と、成果として数えたい読者の行動(問い合わせ、資料請求、採用応募など)
  • 想定する読者像と、その人がいま抱えている具体的な悩み
  • 自社にしかない一次情報の素材(現場の知見、独自データ、実績にまつわる情報)
  • おおよその予算感と、社内で記事に関われる担当者や使える時間
  • すでに運用しているサイトやSNSなど、活かせる発信の資産

とりわけ役立つのが、三つ目の一次情報です。検索で上位に並ぶ情報がどれも似通ってくるなか、読者にとっての価値と独自性は、その企業だけが持つ現場の事実から生まれます。制作会社に渡せる一次情報が多いほど、記事は他社と差がつき、成果に近づきます。ここは外部が代われない領域なので、発注者の側で意識して棚卸ししておくと、制作は一段とスムーズに進むはずです。逆にいえば、良い制作会社かどうかは、この一次情報をどれだけ引き出そうとしてくるかにも表れます。

オウンドメディア制作でよくある質問

最後に、制作を検討する段階でよくある質問に答えます。

オウンドメディアの制作期間はどれくらいかかりますか。

サイトという器の構築は、規模にもよりますが1〜3ヶ月程度が目安です。ただし検索から成果が出始めるのはその後で、記事の蓄積を経て数ヶ月から半年以降になるのが一般的です。器の完成と成果の到達は別物として計画しましょう。

制作だけを依頼して、運用は自社で行うことはできますか。

可能です。ただし制作の段階で、テーマ設計や記事の型、効果測定の進め方まで一緒に決めておくことをおすすめします。運用の設計を制作時に組み込んでおかないと、引き継いだあとに何を更新すべきか分からず止まってしまいます。

記事の制作だけを依頼することはできますか。

できます。サイトはすでにあるものの記事が書けない、更新が止まっているという場合は、コンテンツ運用型の制作会社に記事の制作だけを任せる形が合うでしょう。

どれくらいで成果が出ますか。

検索流入を主軸にする場合、数ヶ月から半年以降に伸び始めるのが一般的な感覚です。短期で判断せず、記事を積み上げながら改善を続ける前提で計画すると、期待値のずれを避けられます。

WordPress以外のCMSでも制作できますか。

できます。選定の基準は名前ではなく、更新のしやすさと運用体制との相性です。担当者が無理なく記事を追加・修正できるかどうかを優先して選ぶと、運用が続きやすくなります。

制作会社に丸投げすれば成果は出ますか。

丸投げは成果が出にくい進め方です。目的の定義や自社ならではの一次情報は、外部には代われません。制作会社に任せる部分と、発注者が握るべき部分を分けて進めることが、外注を成功させる条件になります。

小さく始めて、あとから拡張することはできますか。

むしろ推奨します。全テーマを一気に狙うより、中核となるテーマから記事を固めて成果の手応えを掴み、そこから面を広げるほうが、費用も運用負荷も抑えられます。

制作会社を選ぶとき、最も重視すべき点は何でしょうか。

ひとつに絞るなら、公開後の運用まで併走してくれるかどうかです。サイトを作る技術は多くの会社が備えていますが、成果を分けるのは記事を出し続け、改善を回せる体制のほうです。過去の運用実績と、記事制作から効果測定までの進め方を、具体的に確認しておきましょう。

すでにあるサイトにオウンドメディアを追加することはできますか。

できます。既存のコーポレートサイトの中にブログやコラムの領域を設ける形が一般的です。ドメインの評価を引き継げる利点がある一方、サイト構造の設計は慎重さが求められます。既存サイトのCMSや構成を制作会社に共有したうえで相談すると、判断がスムーズになります。

まとめ|オウンドメディア制作は「作ったあと」で決まる

オウンドメディア制作でもっとも大切なのは、制作を「サイトを作る工程」ではなく「成果を出し続ける仕組みを作る工程」として捉え直すことです。器の完成はゴールではなくスタートであり、価値を生むのは公開後に積み上がるコンテンツと、それを回す運用です。

進め方は、目的とKPIの設計から入り、読者とテーマの地図を固めてから器を作る。外注するなら、運用まで併走できる相手を選び、目的と一次情報は自社に残す。費用は初期構築の金額ではなく、記事と運用の総額で見る。この三つを押さえておけば、立ち上げてから止まる失敗の多くは避けられます。

私たち合同会社Writers-hubは、記事コンテンツの制作支援として、キーワード戦略の設計と制作体制の構築を手がける会社です。弊社と取引先のサイトで毎日の公開に使っている記事の指示文を作るツールも、御社で回せる形でお渡しできます。公開前の確認は、御社で行っていただく形です。

関連記事:オウンドメディアのCMSの選び方|4タイプ比較と運用で差がつく判断軸

作ったあとで止まらないメディアにするために

公開後に記事を何本出すか、誰が書いて誰が確かめるかがまだ決まっていないなら、そこから一緒に決めましょう。無料のオンライン相談(30分)で、今のサイトと社内の体制をお聞かせください。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。