「検索ボリュームを調べたら、あとは数字の大きいキーワードから記事にしていけばよさそう」。ツールの一覧には候補ごとに検索数が並ぶため、数字の大きい語ほど多くの人を集める記事になると思われがちです。
ところが、検索ボリュームは検索された回数の月平均の概数で、記事に来る人数でも、問い合わせの見込みでもありません。調べた数字は、候補の絞り込みと書く順番を決める材料に使います。
本記事では、検索ボリュームの数字の見方から、記事にするキーワードの絞り込み、書く順番の決め方まで、記事の企画を手がける制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 検索ボリュームは、キーワードとその類似パターンが検索された回数の月平均の概数で、記事に来る人数とは違う
- キーワードプランナー、Googleトレンド、Search Consoleは、それぞれ違う数字を示す
- 季節で増減する語は月ごとの推移を見て、候補どうしは細かい差より桁で比べる
- 候補は、自社の商品につながるかと検索結果の上位10件で絞り、検索数は最後に比べる
- 書く順番は、検索数の大きさより問い合わせへの近さで決める
検索ボリュームとは
検索ボリュームとは、あるキーワードがGoogleなどの検索エンジンで検索された回数のことで、検索数や検索回数とも呼ばれます。記事のキーワードを選ぶときは、Google広告のキーワードプランナーに表示される「月間平均検索ボリューム」を、1か月あたりの検索回数の目安として見ます。
Google広告ヘルプでは、月間平均検索ボリュームを、指定した期間と地域で、キーワードとその類似パターンが検索された平均回数と説明しています。期間を指定しない場合は、12か月間の平均が表示されます。

※ 出典:Google 広告 ヘルプ「キーワード プランナーの予測について」
検索ボリュームを調べるGoogleの3つのツール
検索ボリュームを調べるときに使うGoogleの3つのツールは、示す数字がそれぞれ違うため、確かめたいことに合わせて使い分けます。

キーワードプランナー
キーワードプランナーは、月間平均検索ボリュームをキーワードごとに示す、Google広告の中にあるツールです。記事の候補どうしの検索回数を比べるときに使います。
キーワード候補の取得などの基本機能を使うには、Google広告のアカウントでお支払い情報を入力し、アカウント設定を済ませておかなければなりません。画面の操作は、キーワードプランナーの使い方|無料の始め方とSEOで見る指標を解説で紹介しています。
※ 出典:Google 広告 ヘルプ「キーワード プランナーを使う」
Googleトレンド
Googleトレンドは、検索の回数ではなく、対象の期間と地域での検索全体に占める割合を、0〜100の範囲に調整した値を示します。同じ語の検索が多い時期と少ない時期を見るときや、2つの語の人気を比べるときに使います。
検索の少ない語は「0」と表示されるため、検索の少ない語どうしの比較には向きません。
※ 出典:Google トレンド ヘルプ「Google トレンドのデータに関するよくある質問」
Search Console
Search Consoleは、自社サイトが検索結果に表示された回数とクリックされた回数を、検索された語句ごとに示します。記事を公開した後に、実際にどの語でどれだけ表示されたかを確かめるときに使います。
まだ自社サイトが表示されていない語の数字は出ないため、これから書く記事の候補を比べる用途には使えません。
※ 出典:Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定」
検索ボリュームの数字を読む3つのポイント
検索ボリュームの数字は、大小をそのまま比べる前に、次の3つのポイントを押さえて読みます。
月ごとの推移を見ること
検索ボリュームの月ごとの推移を見るのは、月間平均検索ボリュームが、期間を指定しなければ12か月の平均で、検索の多い月と少ない月をならした数字だからです。Google広告ヘルプにも、検索数は季節やイベントなどの要因で常に変わると書かれています。
平均が同じくらいの2つの語でも、一方の検索が特定の月に集まっているなら、その月に間に合うように公開を済ませる必要があります。月ごとの増減は、キーワードプランナーで期間を指定するか、Googleトレンドで確かめます。
検索数を桁で比べること
検索数を桁で比べるのは、キーワードプランナーの検索ボリュームが概数で、月ごとの増減をならした平均でもあるからです。Google広告ヘルプには「検索ボリュームのデータは概数です」と書かれています。
1,300回と1,600回のような差で順番を決めず、100回台、1,000回台、1万回台のように桁で分けます。同じ桁の中の順番は、検索結果の上位10件と問い合わせへの近さで決めます。
桁で分けた語は、検索数の多い順にビッグキーワード、ミドルキーワード、スモールキーワードと呼ばれます。何回からをビッグキーワードと呼ぶかはGoogleが定めたものではないため、自社の候補の一覧の中で桁を比べて呼び分ければ足ります。
とりわけ見落とされがちなのが、1本の記事にまとめた候補の検索数の扱いです。
1本の記事にまとめた候補の検索数は足し合わせず、最も多い語の数字を目安にします。表記だけが違う候補は、類似パターンとして同じ検索を含むことがあり、合計すると同じ検索を重ねて数えるおそれがあるためです。
訪問数と分けて読むこと
検索ボリュームを訪問数と分けて読むのは、検索ボリュームが検索された回数で、自社のページが開かれた回数ではないからです。検索した人は、検索結果に並ぶページや広告の中から開くものを選ぶため、上位に入っても全員が自社のページに来るわけではありません。

Search Consoleでは、クリック数を表示回数で割った値がクリック率として示されます。記事から来る人数は、検索ボリュームに、狙う順位で見込めるクリック率を掛けて見積もります。
問い合わせの件数まで見積もる方法は、SEOで問合せが来るキーワードの選び方|書く前に見込みを測るで紹介しています。
検索ボリュームで候補を絞る4つの手順
検索ボリュームを調べた候補は、自社の商品につながらない語を外すところから始め、4つの手順で記事にするキーワードに絞ります。検索数を比べるのは、4つの手順の最後です。

検索数を先に比べると、自社に頼む理由のない人が検索する語や、記事では答えにくい語まで、数字の大きさで一覧の上に残ります。
最初に外す候補は、検索した人の困りごとを、自社の商品やサービスで解決できない語です。検索数が多くても、来た人に自社へ頼む理由がなければ、記事を読み終えた人は問い合わせへ進みません。検索数が少ない候補や数字が出ない候補は、自社の商品につながるなら残します。
残った候補は1つずつGoogleで検索し、上位10件にどんな種類のページが並ぶかを確かめます。上位の多くが記事なら記事で狙う候補で、会社のサービスページや商品ページが並ぶなら、サービスページで狙う候補です。上位のページと同じ問いに、自社の知識と経験で答えを書けない候補も、上位10件を見た時点で外します。
上位10件に同じページが多く並ぶ候補どうしは、検索した人が求める答えが同じなので、1本の記事にまとめます。何件重なれば1本にまとめるかの目安は、キーワードをグループ化する方法|検索結果の重なりで1記事にまとめるで解説しています。
まとめた候補の中で検索数が最も多い語を、その記事のメインキーワードにします。メインキーワードはタイトルに入れ、ほかの候補には見出しや本文で答えます。
記事を書く順番の決め方
記事を書く順番は、検索数の大きさより、問い合わせへの近さで決めます。問い合わせに近い記事を先に公開しておくと、後から検索数の多い語の記事で集めた人も、記事の中のリンクから、問い合わせに近い記事やサービスページへ案内できるためです。
問い合わせへの近さで分ける3つの段階
問い合わせへの近さは、キーワードに付いた語から、次の3つの段階に分けられます。
検索した人の状況 | 付いている語の例 | 書く順番 |
|---|---|---|
依頼先や商品を比べて選んでいる | 費用、比較、おすすめ、依頼 | 1番目 |
自分で解決する方法を探している | やり方、方法、手順 | 2番目 |
言葉の意味や仕組みを知りたい | とは、意味、仕組み | 3番目 |
同じ段階の中では、検索数の桁が大きい語から書きます。依頼先を比べる語は、意味を調べる語より検索数が少なくても、来た人が問い合わせる理由を持っています。
問い合わせに近い語は、検索数が少ないものばかりです。少ない語から書いていて、成果が出るまでに時間がかかりませんか?
編集部
訪問数だけを見れば、検索数の多い語のほうが早く増えるかもしれません。ただ、依頼先を比べる語で来る人は、問い合わせる先を探している本人です。訪問数が少ないうちから問い合わせが来る記事を先に持っておくと、記事を増やすかどうかを問い合わせの数で判断できます。
検索数の多い順に書けるサイト
検索数の多い順に書いても構わないのは、すでに多くのキーワードで上位に入り、問い合わせに近い語の記事もそろっているサイトです。来た人を案内する先の記事とサービスページが、すでに用意できているためです。
自社サイトがどの語で上位に入っているかは、Search Consoleの検索パフォーマンスで、検索された語句ごとの平均掲載順位を見ると分かります。
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検索ボリュームでよくある質問
検索ボリュームについて出やすい質問は、次の3つです。
検索ボリュームが0の語は書かない?
数字が0の語や数字が出ない語も、検索されていないとは限りません。Googleトレンドでは検索の少ない語が「0」と表示され、キーワードプランナーでは検索ボリュームが非常に少ない語が、検出と予測の対象になりません。自社の商品を探す人が使う語なら、数字が出なくても候補に残します。
キーワードプランナーで数字が出ないときの原因は、キーワードプランナーで検索ボリュームが表示されない原因|広告は出すべきかで解説しています。
検索ボリュームはいくつあれば書く?
記事にするかどうかは、検索数の下限で決めず、自社の商品につながるかと検索結果の上位10件で決めます。月に数十回しか検索されない語でも、依頼先を比べる人が使う語なら、記事にする価値があると見ています。
季節で増える語はいつ書く?
季節で検索が増える語は、検索が増える月より前に、公開と見直しを済ませます。前の年の同じ時期にも増えていたかをGoogleトレンドで確かめておくと、毎年くり返す増加か、その年だけの増加かを分けられます。
まとめ|検索ボリュームは絞り込みと順番の材料
検索ボリュームは、キーワードとその類似パターンが検索された回数の月平均の概数で、記事に来る人数ではありません。季節で増減する語は月ごとの推移を見て、候補どうしは細かい差より桁で比べます。
候補は、自社の商品につながるかと検索結果の上位10件で絞り、上位が重なる候補をまとめてから、検索数でメインキーワードを決めます。書く順番は問い合わせへの近さで決め、多くのキーワードで上位に入り、問い合わせに近い記事もそろったサイトなら、検索数の多い順に書いても構いません。
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