SEOのコンテンツ量について調べると、「文字数は関係ない」という説明と「1万字は必要」という主張が同時に出てきます。どちらも部分的には正しく、どちらもそのままでは自社の判断に使えません。理由は単純で、「量」という言葉が指しているものが書き手ごとに違うからです。
1記事の文字数を指しているのか、サイト全体の記事本数を指しているのか。2つの量は、効き方も、増やすときの注意点も、失敗の仕方も別物です。混ぜたまま議論すると、「とりあえず長く、とりあえずたくさん」という結論に落ち着いてしまいます。
本記事では、記事制作を請け負う立場から、2つの量をそれぞれどう決めるかを整理します。上位表示している記事の平均文字数に合わせる決め方をおすすめしない理由も、あわせて説明します。
- SEOで語られる「コンテンツ量」が指す2つの対象と、その違い
- 上位の平均文字数を目標にすると何が起きるのか
- 検索意図から適正文字数を逆算する5つの手順
- 記事数をサイト全体ではなくテーマ単位で数える理由
- 量を増やす前に決めておく、月あたりの制作可能本数の考え方
SEOの「コンテンツ量」は2つに分けて考える
コンテンツ量という言葉は、実務では2つの意味で使われています。ひとつは1記事あたりのテキスト量、つまり文字数。もうひとつはサイトに公開されている記事の本数です。検索する側の頭の中では地続きでも、施策としてはまったく別の打ち手になります。
文字数が足りないときに困るのは、その記事1本だけです。一方、記事数が足りないときに困るのは、サイト全体の集客の幅とテーマの厚みでした。前者はリライトで直せますが、後者は制作を積み重ねる時間がかかります。

順位に直接効くのは、どちらでもない
先に結論を書きます。文字数も記事数も、それ自体が検索順位を押し上げる要素ではありません。Googleは検索の基本方針として、ユーザーの役に立つ独自性のあるコンテンツを評価すると公表しており、分量そのものを評価軸として挙げてはいないのです。

※ Google検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」より
では、なぜ上位の記事は長いものが多いのでしょうか。順序が逆だからです。検索する人の疑問に前提から結論まで答えると、必要な説明が増え、結果として文字数が伸びます。文字数は設計する数字ではなく、結果として出てくる数字です。
記事数も同じ構造です。本数が多いサイトが強いのではなく、扱うテーマを網羅した結果として本数が増え、そのテーマでの評価が積み上がっています。順番を取り違えて本数だけを追うと、後述するカニバリゼーションを自分で作り込むことになります。
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文字数は「決める」のではなく「割り出す」
多くの現場で行われているのが、上位10本の文字数を平均して目標値にする方法です。手軽ですが、この決め方には副作用があります。
競合の平均が9,000字だったため、うちも1万字を目安にしようと考えています。この決め方でまずいところはありますか。
編集部
目標が字数になると、書き手は字数を埋める方向に動きます。定義の言い換えや一般論の前置きが増えて、検索した人が知りたい部分の密度はむしろ下がります。字数ではなく、埋めるべき要素の数を目標にしてください。
上位10本の平均文字数は、目標ではなく参考値です。参考値としては有効で、平均が9,000字のキーワードに1,500字で挑むのは無理があると判断できます。ただし目標値に変えた瞬間、水増しが始まります。
検索意図から適正量を割り出す手順
制作の現場で使っている割り出し方を、そのまま手順にしました。文字数を最初に決めず、最後に確認する流れになっている点が要点です。
タイトルではなく見出しを抜き出し、「何について答えているか」を1行で言語化します。40から60個ほどの要素が並びます。
10本中8本以上が扱っている要素は、そのキーワードで答えないと成立しない内容です。1、2本しか扱っていない要素は、各社の独自色にあたります。
共通要素を必須、独自色のうち自社が語れるものを任意として選びます。任意は全部拾わず、自社の実績や一次情報で書ける範囲に絞ってください。
他社の説明を並べ替えるのではなく、自社が現場で確認した内容に置き換えます。この工程で記事の差が生まれます。
出てきた数字が上位平均の6割を下回るなら要素の取りこぼし、1.5倍を超えるなら説明の冗長さを疑います。

増やしてよい分量と、増やすと評価を下げる分量
同じ1,000字でも、追加してよい1,000字と、追加すると読み手を離す1,000字があります。判断基準は「その説明がないと、読んだ人が次の行動を取れないか」です。
- 実際の手順や設定の具体例
- 判断に使える数値や条件
- うまくいかなかったパターンとその原因
- 前提条件の明示(どの規模、どの業種の話か)
- 選択肢どうしの比較と、選び分けの基準
逆に、書き手が字数を埋めたいときに手を伸ばしがちな内容もはっきりしています。次の要素は、増えるほど記事の密度を薄めます。
- 冒頭の一般論や業界背景の長い前置き
- 一度書いた主張の言い換えによる反復
- キーワードと関係の薄い周辺トピックの追加
- 用語の辞書的な定義を並べただけの節
文字数を判断材料にするなら、総量ではなく「見出しあたりの文字数」を見てください。ひとつの見出しの下が1,500字を超えていれば、見出しの切り方が粗いか、複数の話が混ざっている可能性が高くなります。
1,000字や2,000字という目安の扱い方
SEOの解説では、1,000字以上、2,000字以上といった数字がよく登場します。数字そのものに検索エンジン側の根拠はありませんが、自己点検の入口としては使えます。
1,000字を下回る記事は、見出しが2つか3つで終わっているケースがほとんどです。前提の説明だけで本題に入れていないか、結論を置いたまま理由を書いていないかのどちらかでしょう。1,000字という数字は、要素の抜けを疑うきっかけとして扱ってください。
2,000字前後という目安のほうは、ひとつの疑問に対して前提、結論、理由、具体例の4つを書くと自然に到達する分量です。逆にその4つを書き切っても1,000字に届かないキーワードであれば、伸ばす必要はありません。答えが確定している問いに長い説明を付けても、読み手の判断は速くならないためです。
なお、トップページやサービス紹介ページの文字量には、記事とは別の基準が必要になります。訪問した人が数秒で何のサイトかを判断できることが優先されるため、説明を足すほど問い合わせが減る場合もあるからです。検索評価のためにトップページへ長文を追加する施策は、コンバージョンへの影響とあわせて判断してください。
必須要素の洗い出しまで手が回らないとお悩みですか
上位記事の見出し分解と必須要素の振り分けは、1キーワードあたり数時間かかる工程です。Writers-hubでは、この設計から執筆までを一貫して引き受けています。既存記事の分量が適正かどうかの診断だけでもご相談いただけます。
関連記事:SEOライティング入門 基礎から実践まで7ステップで完全マスター
記事数はサイト全体ではなく、テーマ単位で数える
「オウンドメディアは何本必要か」という問いに、サイト全体の本数で答えるのは難しいところがあります。30本で問い合わせが発生するサイトもあれば、200本あっても動かないサイトもあるからです。差を生んでいるのは総本数ではなく、記事の集まり方でした。
記事数はサイト全体ではなくテーマ単位で数えます。ひとつのテーマに10本集めたサイトと、10テーマに1本ずつ置いたサイトでは、同じ10本でも意味が変わります。前者はそのテーマについて答えを持っているサイトとして扱われ、後者はどのテーマについても中途半端な状態に留まります。

必要な本数の見積もり方
テーマ単位で数えると、必要本数は競合ではなく検索行動から逆算できます。ひとつのテーマについて、検索する人が通る段階を並べてみてください。
ピラティススタジオの集客を例にすると、「ピラティスとは」から始まり、「ヨガとの違い」「効果が出るまでの期間」「頻度の目安」「教室の選び方」「料金相場」と続き、最後に「地域名を含む検索」に行き着きます。段階ごとに1本から3本、合計で15本前後という見積もりが立ちます。
この数え方の利点は、進捗が測れることです。総本数を追うと「あと何本書けば終わるのか」が永遠に決まりませんが、テーマ単位なら埋まった段階と空いている段階が一目で分かります。
本数を増やす際に最も起きやすい事故が、カニバリゼーション(自社記事どうしの食い合い)です。同じ検索意図の記事を2本書くと、両方が伸び悩みます。表現が違っても検索意図が同じなら、Googleはどちらを見せるべきか決めきれません。
カニバリを避ける判定は、キーワードの文字面ではなく検索結果で行ってください。2つのキーワードで実際に検索し、上位10件のURLが7割以上重なっていれば、それは1本にまとめるべき記事です。重なりが3割以下なら、別々に書いても問題ありません。
本数だけを追ったときに起きること
短期で本数を積み上げる方針、いわゆる量産に振り切ったサイトでは、似た経過をたどることが多く見られます。公開直後は本数に比例して流入が伸び、半年ほどで頭打ちになり、やがて既存記事の順位まで下がり始めるという流れです。
原因は2つに整理できます。ひとつは狙えるキーワードが尽きて、すでに書いたテーマの言い換えを書き始めること。もうひとつは確認工程が追いつかず、裏取りの甘い記事が混ざり始めることでした。Googleは、役に立たないページを抱えたサイトではほかのページの評価も上がりにくくなると説明しており、下位の記事が増えるほど上位の記事が引きずられます。
本数を増やす判断そのものが誤っているわけではありません。着手前にキーワードの一覧を作り、制作できる上限を把握しておけば、枯渇も品質低下も見通せる範囲に収まります。
本数が増えたときに効いてくる内部リンク
同じテーマの記事が5本を超えたあたりから、内部リンクの設計が結果に表れ始めます。段階の浅い記事から深い記事へ、そして最終的に申し込みや問い合わせのページへ向かう導線を引くと、1本あたりの流入が少なくても合流させられるためです。
テーマの中心に「まとめ記事」を1本置き、個別記事から双方向にリンクさせる構成が扱いやすい形です。まとめ記事は幅広いキーワードを、個別記事は具体的なキーワードを担当させると、役割が重なりません。
どのテーマから、何本書けばよいのか決まっていない場合
テーマの切り出しと段階設計は、検索需要の調査と実際の検索結果の確認を経て初めて確定します。Writers-hubのキーワード戦略設計では、狙うテーマと必要本数、着手順までを一覧にしてお渡ししています。
関連記事:SEOライティングとは?成果につながる書き方の手順とコツを制作会社が解説
量を増やす前に、月あたりの制作可能本数を決める
計画上は月10本と決めていても、実際には月3本しか公開されていない。この状態は珍しくありません。原因を分解すると、執筆そのものではない工程で滞っている場合がほとんどです。
ライターは確保できているのに、公開までが進みません。どこを疑えばよいでしょうか。
編集部
確認と差し戻しの工程を見てください。社内で内容を確認できる方が1人しかいない場合、その方が月に何本読めるかが公開本数の上限になります。書ける本数ではなく、確認できる本数が制約です。
月に何本レビューできるかが、実質の上限です。ここを見誤ったまま外注の本数だけ増やすと、未確認の記事が積み上がり、公開が遅れ、制作費だけが先に出ていきます。着手前に、確認担当者と1本あたりの確認時間を決めておいてください。
内製と外注の切り分け
制作体制の選択肢は3つあります。判断材料を並べると、多くの企業にとって現実的な形が見えてきます。
| すべて内製 | すべて外注 | 内製と外注の併用 | |
|---|---|---|---|
| 立ち上がりの速さ | △ | ◎ | ◎ |
| 月あたりの本数 | △ | ◎ | ○ |
| 自社の知見の反映 | ◎ | △ | ◎ |
| 1本あたりの費用 | ○ | △ | ○ |
| 品質のばらつき | △ | ○ | ○ |
| 担当者の負荷 | × | ◎ | ○ |
併用が扱いやすいのは、役割を分けられるためです。事例やノウハウなど自社しか書けない記事は社内で、基礎的な解説記事や本数を要する記事は外部で担当します。社内の担当者は執筆から離れ、確認と方針判断に時間を使えるようになります。
なお、外注に切り替えても確認工程はなくなりません。むしろ書き手が社外になる分、狙いを伝える設計書と、確認の基準を明文化しておく必要が生じます。ここを省くと、差し戻しの往復で結局時間がかかってしまうのです。
SEOのコンテンツ量に関するよくある質問
キーワードごとに変わるため、共通の最適値はありません。検索する人が知りたい要素を並べ、それを埋めた時点の分量が適正量です。目安として、上位10本の平均の6割から1.2倍程度の範囲に収まっていれば、要素の過不足は少ないと判断できます。
検索意図が「答えを一つ知りたい」種類のものであれば、短くても問題ありません。料金や営業時間のように答えが確定している問いに長文は不要です。一方、比較や手順を求める検索では、短いと必要な情報が足りなくなります。
サイト全体の本数では判断できません。ひとつのテーマについて、検索する人が通る段階を埋められているかで見てください。テーマによりますが、15本前後で段階が一通り埋まる例が多く見られます。
検索流入も内部リンクの役割もない記事であれば、削除や統合による悪影響はほとんどありません。むしろ検索意図が重複している記事を1本にまとめたほうが、評価が分散せずに済みます。削除の前に、流入と被リンクの有無を確認してください。
まとめ
SEOのコンテンツ量は、1記事の文字数とサイト全体の記事数に分けて考えると判断しやすくなります。文字数は上位平均に合わせるのではなく、上位記事の見出しを要素に分解し、必須要素を埋めた結果として割り出してください。記事数はサイト全体で数えず、テーマ単位で段階が埋まっているかを見ます。
そして、どちらの量を増やす場合も、先に決めておくべきは月あたりの制作可能本数でした。書ける本数ではなく確認できる本数が上限になるため、確認担当者と工程を決めないまま発注量を増やすと、公開されない記事が積み上がります。
合同会社Writers-hubでは、狙うテーマと必要本数の設計から、記事の執筆、公開前の確認工程までを引き受けています。自社のコンテンツ量が足りているのか、それとも記事の配置に問題があるのかを切り分けたい段階でも構いません。
関連記事:SEOで文字数はどこまで必要?上位記事から適正量を割り出す手順
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足りないのは文字数なのか、記事の本数なのか
既存記事の分量と、テーマごとの本数の埋まり具合を確認すれば、次に手を付けるべき箇所は絞り込めます。Writers-hubの記事コンテンツ制作支援では、執筆だけでなく編集部としての確認工程まで引き受け、社内の担当者が最終判断だけを行えばよい状態にします。








