SEO記事の制作で最初に決めきれないのが、本文の分量ではないでしょうか。1,000文字で足りるのか、5,000文字は必要なのか。判断の基準を持たないまま書き始めると、書き上げてから「薄い」「長すぎる」と気づくことになります。
検索すると「文字数は関係ない」という説明と「上位表示されている記事は長い」という説明が同時に出てきます。どちらも一面では正しく、ただし前提が省かれているため、読んだ側は結局どうすればよいのか分からないまま終わってしまう。
記事制作を請け負う立場から言えば、文字数は評価の対象ではないが、設計値としては必要です。本記事では両者を分けたうえで、上位記事から適正量を実測する手順、分量が多すぎる記事の見分け方、外注や社内依頼で文字数をどう伝えるかまでを扱います。
- Googleが文字数を評価しないのに、制作現場から文字数指定が消えない理由
- 競合上位ページから本文の適正量を実測する手順と、測り方でずれる原因
- 検索意図のタイプ別に見た本文量の目安と、その使い方
- 分量が多すぎる記事に共通する水増しのパターンと、削る判断の基準
- 外注や社内発注で文字数を伝えるときの指定方法
SEOで文字数は評価されないのに、分量を決めないと記事は作れない
「Googleは文字数を見ていない」と「実務では文字数を決める」は、矛盾しているようで両立します。順位が決まる仕組みの話と、記事を作る段取りの話が別だからです。ここを混ぜて考えると、「関係ないなら気にしなくてよい」という結論に飛んでしまい、かえって制作が止まります。
Googleが文字数を評価対象にしていない理由
検索エンジンが見ているのは、そのページが検索した人の目的を果たせるかどうかです。Google検索セントラルが公開しているコンテンツ作成の指針にも、自己評価のための質問が並んでいますが、分量に関する項目は含まれていません。

理由は単純で、必要な分量が検索の内容ごとにまったく違うからです。「確定申告 期限」に対する答えは一文で済みます。一方「確定申告 やり方 個人事業主」であれば、対象者の条件分岐や必要書類の種類まで説明しなければ用を成しません。この二つを同じ物差しで測る指標は、そもそも作れないわけです。
もう一つ、分量を評価に組み込んだ瞬間、水増しが最も効率のよい対策になってしまうという問題があります。Googleのスパムポリシーには、検索順位の操作を主な目的としたコンテンツの大量生成が対象として挙げられています。文字数を見ないのは技術的な制約というより、設計上の判断だと考えるほうが自然でしょう。
それでも制作現場から文字数の指定が消えない理由
では評価されないなら指定をやめればよいかというと、そうはなりません。理由は三つあります。
一つめは見積の単位としての役割です。記事制作の費用と納期は、実際には調査時間と執筆時間の合計で決まります。ただし発注の時点でその内訳を共有するのは難しく、双方が同じ数字として扱える指標が文字数しか残っていません。文字単価という商習慣が続いているのも、代わりが用意できていないためです。
二つめは分担の基準です。構成を作る人と書く人が分かれている場合、見出しごとにどれくらい書くのかを伝えないと、H2ごとの厚みがそろわない原稿が上がってきます。分量の指定は品質基準ではなく作業の割り振りとして機能している、と考えると腑に落ちるはずです。
三つめは、網羅量の代理指標としての役割になります。検索意図をどこまでカバーしてほしいかは言葉だけでは伝えにくく、「この論点とこの論点を入れて、だいたいこの分量」と添えたほうが認識のずれは小さくなるでしょう。精度が高い方法ではありませんが、何も渡さないよりは機能します。

この区別を整理しないまま指定だけをやめると、制作の現場では次のようなことが起こります。
文字数は関係ないと聞いたので指定をやめて「良い記事をお願いします」と伝えたところ、1,200字の原稿と8,000字の原稿が混ざって返ってきました。
編集部
評価基準としては不要でも、作業指示としては必要です。目安の幅と、入れてほしい論点をセットで渡すと、書き手が自分で判断できるようになります。
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上位記事から本文の適正量を実測する手順
分量を決めるうえで最も確実なのは、実際に上位表示されているページを測ることです。検索エンジンが「この内容量で足りている」と判断した結果がそこに並んでいるため、推測よりはるかに精度が上がります。
シークレットウィンドウで検索し、上位10件を控えます。広告枠と、動画や地図などの特殊な枠は除いてください。
サービス紹介ページ、商品一覧、公的機関の資料などは母数から外します。残ったものが比較対象になります。
ナビゲーション、サイドバー、フッター、関連記事の見出しを含めず、本文の先頭から末尾までを取り出して数えます。
文字数と一緒にH2の数を控えると、1見出しあたりの分量が出ます。厚みの偏りを見るときに使う数字です。
平均だけでなく、真ん中の値と最も少ない値を出します。狙いは上限の把握ではなく、下限の把握にあります。
測り終えると、「このキーワードは3,000字前後で足りている」「ここは7,000字ないと論点が入りきらない」といった判断ができるようになります。数値そのものより、ばらつきの幅を見てください。
たとえば上位8件の本文が2,800字から4,200字に収まっていて、1件だけ12,000字のページが混ざっていたとします。このとき目指すべきは12,000字ではなく、3,000字台の後半です。突出した1件は、サイト全体の評価や被リンクなど、分量以外の要因で上位に入っている可能性が高いと考えられます。
実測がずれる三つの原因
測り方によって、同じページの数字が数千字単位で変わることがあります。判断を誤る原因になるため、先に押さえておきましょう。
ページ全体をまとめてコピーしているサイト共通のヘッダー、サイドバーの人気記事一覧、フッターのサービス案内などが混ざると、実際の本文より2,000字以上多く出ることがあります。関連記事のタイトルが大量に並ぶサイトほど差が開きます。
1ページに複数の記事が入っている複数の記事をまとめて掲載しているメディアでは、対象の記事だけを切り出す必要があります。
表やコード、キャプションの扱いが統一されていない比較表の中身を含めるかどうかで結果は変わります。含める・含めないを最初に決めて、全ページで同じ扱いにしてください。
手間はかかりますが、上位5件だけでも本文を手で取り出して測ると、以降の判断の精度が変わります。毎回やる必要はなく、主要なキーワードで一度基準を作れば、周辺のキーワードには流用できるでしょう。
平均ではなく分布で判断する
上位10件の平均を目標値にする方法はよく紹介されますが、条件がそろわないと機能しません。1件だけ極端に長いページが混ざると、平均が実態から離れてしまうためです。

見るべきなのは、どの分量から下は上位に1件も入っていないかという下限です。下限を下回ると土俵に乗りませんが、上限のほうは競合の顔ぶれ次第で大きく揺れます。中央値を狙い、下限は絶対に割らない。実務ではこの決め方がいちばん扱いやすいはずです。
なお、海外の調査で示される平均語数を、そのまま日本語記事の文字数に読み替える説明を見かけます。ただし換算には注意が必要でしょう。英語1語と日本語1文字では情報量が異なりますし、調査対象のキーワードも英語圏の検索に偏っています。参考程度にとどめ、自分が狙うキーワードでの実測を優先してください。
測った数字を見出しごとに割り振る
全体量が決まっても、そのまま書き始めると特定の見出しだけが厚くなります。実測した数字は、H2ごとの目安まで割り振ってから執筆に渡すほうが安全です。
配分の考え方は、検索した人が最も知りたい論点に最も多くの分量を充てる、という一点に尽きます。導入とまとめは合わせて全体の1割から2割に収め、残りを本論のH2で分けます。ここでH2の数に応じて均等に割るのは避けてください。均等割りにすると、補足で足りる見出しが不自然に膨らみ、肝心の見出しが薄いまま仕上がります。
判断に迷う場合は、上位記事のH2ごとの分量まで測ってみると傾向がつかめます。多くのキーワードでは、上位の記事ほど1つか2つの見出しに分量が集中しており、残りは短く処理されている。厚みの偏りそのものが、そのキーワードで求められている答えの位置を示していると考えてよいでしょう。
関連記事:SEOのコンテンツ量は何で決まる?文字数と記事数、2つの量の考え方
検索意図のタイプ別に見た本文量の目安
実測が最優先だとしても、着手前におおよその見当をつけたい場面はあります。検索意図のタイプごとに、傾向を整理しました。あくまで初期値で、最終的には実測で調整することが前提になります。
| キーワードの例 | 本文量の傾向 | 分量が増える要因 | |
|---|---|---|---|
| 用語や事実を確認したい | 〇〇とは、〇〇 意味 | 1,500〜3,000字 | 誤解されやすい概念、類語との違い |
| 手順を知りたい | 〇〇 やり方、〇〇 方法 | 3,000〜6,000字 | 条件分岐の数、事前準備の説明 |
| 比較して選びたい | 〇〇 おすすめ、〇〇 比較 | 5,000〜10,000字 | 比較対象の数、評価軸の多さ |
| 費用や相場を知りたい | 〇〇 費用、〇〇 料金 | 3,000〜6,000字 | 料金体系の種類、変動する条件 |
| 不具合を解決したい | 〇〇 できない、〇〇 対処 | 2,000〜5,000字 | 想定される原因のパターン数 |
この数字は私たちが制作の現場で見てきた傾向であり、保証された基準ではありません。同じ「比較して選びたい」でも、対象が3社なのか15社なのかで倍以上ぶれます。目安は着手用の仮置きで、実測が出たら差し替えるという扱いが妥当でしょう。
関連記事:SEOライティング入門 基礎から実践まで7ステップで完全マスター
足りない記事より、分量が多すぎる記事のほうが目立つ
相談を受けて既存記事を確認していくと、情報が不足しているケースより、必要のない文章が積み重なっているケースのほうが多く見つかります。文字数を目標値に置いて書くと、埋めるための文章がどうしても入り込むためです。
- 冒頭で一般論を長く述べてから本題に入る(「近年、インターネットの普及により」から始まる前置き)
- 同じ内容を言葉を変えて繰り返す(本文で説明し、まとめで再説明し、よくある質問でも再説明する)
- 検索した人が知る必要のない周辺知識を足す(歴史、語源、業界全体の市場規模)
- 一文を長く書いて字数を稼ぐ(修飾語を重ね、削っても意味の変わらない部分を増やす)
こうした文章が入ると、読んでいる人が答えにたどり着くまでの距離が伸びます。順位への影響を証明するのは難しいものの、読了率や資料請求への到達率は確実に落ちるでしょう。SEOの評価以前に、機会損失として無視できません。
削る箇所を判断する基準
とはいえ、書いた本人が削る箇所を選ぶのは難しい作業です。判断に迷ったときは、段落ごとに次の質問を当てはめてみてください。
- この段落を消したとき、検索した人の疑問が残るか
- 見出しの問いに直接答えているか、周辺の説明にとどまっているか
- 同じ内容を別の見出しでも説明していないか
- 具体例や数値が入っているか、抽象的な説明だけで終わっていないか
- 自社でしか書けない情報か、他社の記事にも同じことが書いてあるか
一つめの質問に「残らない」と答えられる段落は、削って構いません。逆に、削ると疑問が残るのに短いままの段落は、むしろ加筆すべき候補です。分量の調整とは、全体を一律に増減させることではなく、この差し替えを積み重ねる作業だと考えてください。
削ったあとは、順位だけでなく検索結果での表示回数とクリック率も並べて確認します。分量を減らして順位が下がった場合、削った論点が実は必要だったのか、それとも無関係な変動なのかを、修正した日と順位が動いた日のずれから切り分けられるためです。反映まで数週間かかることもあるので、削った直後の数日だけを見て元に戻す判断はしないほうが無難でしょう。
どこを削ってどこを足すのか、判断で手が止まっていませんか
自社で書いた記事は、余分な箇所と足りない箇所を自分で見分けにくいものです。Writers-hubでは既存記事の構成と分量を実測したうえで、加筆する論点と削れる段落を切り分けてお渡ししています。
文字数を増やす前に確認したい三つのこと
「上位記事より短いから加筆する」という判断は、順番として後回しにしてください。分量が原因で順位が上がらないケースは、実のところそれほど多くありません。加筆に手をつける前に確認する項目を挙げます。
検索意図とページの種類が合っているか比較検討のキーワードに対して1社だけの紹介記事を出している場合、何字書いても届きません。ページの型そのものを変える必要があります。
タイトルと見出しが問いに答えているかクリックされていないだけであれば、本文を増やしても表示回数は変わりません。Search Consoleで表示回数とクリック率を分けて確認してください。
すでに順位がついている記事と食い合っていないか同じキーワードを狙った記事が複数あると、どちらも中途半端な位置で止まります。加筆より統合が先です。
三つとも問題がないと確認できてから、はじめて分量の検討に入ります。順番を逆にすると、加筆しても順位が動かず、原因の切り分けができないまま作業だけが増えていく状態になりかねません。

なお、加筆する論点を探すときは、上位記事にあって自社記事にない見出しを並べる方法が手早く済みます。すべてを取り込む必要はなく、検索した人の疑問として成立しているものだけを選んでください。
外注や社内依頼で文字数をどう伝えるか
分量の考え方が固まったら、次は伝え方です。ここでの指定の仕方が、上がってくる原稿の質を大きく左右します。制作を受ける側から見ると、扱いやすい指示と扱いにくい指示ははっきり分かれています。
一点ではなく幅で指定する「5,000字」ではなく「4,500〜5,500字」と幅で渡します。一点で指定されると書き手は下限に合わせて調整するため、水増しが起きやすくなります。
見出しごとの配分まで渡す全体量だけでなく、H2ごとの目安を添えます。厚くしてほしい見出しと簡潔でよい見出しを分けて伝えると、構成の意図まで伝わります。
下回ってよい条件を明示する「指定した論点をすべて満たしたうえで下限を下回る場合は、その旨を添えて提出してよい」と最初に伝えます。削る権限のない書き手は、埋めるしかなくなります。
分量ではなく論点で指示できる部分は論点で伝える入れてほしい観点を列挙するほうが、意図は正確に届きます。文字数はあくまで補助の指標です。
とくに三つめは、指示を出す側が見落としがちな点でしょう。文字数の下限だけを渡すのは、水増しの指示と同じです。削ってよい条件をセットで渡すかどうかで、原稿の密度は目に見えて変わります。
社内で書く場合も考え方は変わりません。書き手が自分の判断で下限を割ってよいのかどうかを最初に決めておくと、確認と差し戻しの往復が減り、公開までの日数も短くなるはずです。
なお、納品された原稿が指定の幅を外れていたときに、機械的に差し戻すのは得策ではありません。まず指定した論点が満たされているかを確認し、そのうえで過不足を指摘してください。幅を守ること自体が目的になると、書き手は次回から埋めるための文章を用意するようになります。
分量だけを整えても原稿が安定しないと感じているなら
文字数の指定を丁寧にしても、論点の設計や構成のルールが曖昧なままでは原稿は安定しません。Writers-hubは、キーワードごとの論点整理から執筆、公開後の見直しまでを一つの流れとして引き受けています。
SEOの文字数に関するよくある質問
最後に、分量について相談を受けることの多い質問をまとめました。
分量そのものを理由に除外される仕組みはありません。検索した人の疑問が一文で解決するキーワードであれば、短い記事が上位に入ることもあります。ただし、比較や手順の説明が必要なキーワードで1,000文字に収まっているなら、論点が抜けている可能性を先に疑ってください。
加筆で順位が動くのは、不足していた論点を補えたときだけです。既存の内容を言い換えて増やしても変化は期待できません。加筆の前に、上位記事にあって自社記事にない見出しを洗い出すところから始めるほうが確実でしょう。
競合と比べる目的であれば、本文と見出しを含め、ナビゲーションやフッターは除くという基準で統一してください。基準そのものより、すべてのページで同じ数え方をすることのほうが重要です。
別の問題として扱ってください。本文の分量は検索意図をどこまで満たすかで決まりますが、タイトルは検索結果での表示幅という物理的な制約で決まります。判断の根拠がまったく異なります。
上限を超えて増やすこと自体に効果はありません。むしろ論点が広がりすぎて、そのキーワードで何に答える記事なのかが伝わりにくくなります。上位記事にない論点を足すのであれば意味がありますが、同じ論点をより長く説明しても評価は変わらないと考えてください。
生成した文章は、指示しなくても分量が膨らみやすい傾向があります。むしろ削る工程を前提に組み込んでください。人が書いた原稿より、重複した説明や一般論の前置きが混ざりやすいと感じています。
まとめ
SEOの評価に文字数は含まれませんが、制作の設計値としては必要で、実測によって決めるのが最も確実です。上位記事を測るときは本文だけを取り出し、平均ではなく中央値と下限で判断してください。
そして、加筆に手をつける前に、検索意図とページの型が合っているか、記事同士が食い合っていないかを確認します。分量の指定を出す側は、一点ではなく幅で渡し、削ってよい条件をあわせて伝えることで水増しを防げるでしょう。
合同会社Writers-hubは、SEO記事の構成設計から執筆までを引き受けている制作会社です。キーワードごとの実測にもとづいて分量を決め、公開後は順位と読了の状況を見ながら、加筆と削除のどちらを行うかまで判断します。分量の決め方で手が止まっている場合は、現状の記事を確認したうえで具体的な数字をお伝えします。
自社の記事が長すぎるのか短すぎるのか、判断がつかないとき
狙っているキーワードをお知らせいただければ、上位ページの本文量を実測し、現状の記事との差分をお出しします。加筆すべき論点と削れる箇所を分けてご報告します。








