「記事構成はAIに頼めば、もう手で作らなくてもよさそう」。テーマを入れるだけで見出しの整った構成がすぐに返ってくるので、構成を手で作る意味は薄れたと考えられがちです。ところが、テーマだけを渡されたAIは、同じテーマの記事によく出てくる見出しを並べるため、読者が検索する直前に何に困っていたかは構成に入りません。AIの構成と人の構成の差を生むのは、AIの性能よりも、人が決めてAIに渡す材料です。
本記事では、AIの構成と人の構成で差が出る3つのポイントから、AIに渡す材料と指示文の例、AIと人で分担する記事構成の作り方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- テーマだけを渡したAIの構成は、同じテーマの記事に多い見出しを並べた形になる
- AIの構成と人の構成の差は、検索する直前の読者の状況、外す見出し、つなぐ関連記事の3つで出る
- 3つは人が決め、キーワード・上位10ページの見出し・自社だけが持つ情報と一緒にAIへ渡す
- AIの構成は全部を作り直さず、読者の状況に合わない2〜3か所を入れ替える
- 検索では、AIで作ったかどうかより、検索した人の知りたいことに答えているかが問われる
AIに記事構成を任せると何が起きるか
AIに記事構成を任せると、見出しのそろった構成はすぐに返ってきますが、テーマだけを渡すと、同じテーマの記事によく出てくる見出しを並べた形になります。たとえば「中小企業の採用コスト削減」というテーマだけを渡したときに返ってくるのは、次のような構成です。
H2 中小企業が抱える採用コストの現状
H2 採用コストを削減する5つの方法
H3 求人媒体の見直し
H3 リファラル採用の活用
H3 採用プロセスの効率化
H3 SNS採用の導入
H3 採用代理店からの切り替え
H2 実際のコスト削減事例
H2 まとめ見出しは整っていて、抜けている話題もないように見えます。生成AIは、学習した大量の文章をもとに、もっともありそうな言葉の並びを返す仕組みなので、テーマしか渡さなければ、よく見かける見出しの並びが返ってきます。
よく見かける見出しを並べるAIの動きには、使いどころもあります。多くの記事が扱う見出しを短い時間で一覧にできるので、読者が最低限期待している範囲を確かめる材料になるでしょう。問題になるのは、AIが返した一覧をそのまま記事の構成にしたときです。
上位の記事と同じ見出しがそろっているなら、検索ではむしろ有利ではないでしょうか。
編集部
上位10ページが共通して扱う内容は、読者が期待している範囲なので、外さないほうがよいのは確かです。ただ、それだけでは、上位の記事と同じ答えを同じ順番で書いた記事がもう1本増えるだけになります。読者がその記事を選ぶのは、ほかの記事には無い、自分の状況に合った答えがあるときのはずです。
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読者の状況から人が作った構成の例
読者の状況から人が作った構成は、方法を並べる前に、読者がどこで詰まっているかを問う見出しから始まります。人が構成を作るときは、見出しを考える前に、検索する理由と読者を決めるためです。
「採用コスト削減」で検索する人が、求人媒体の費用を下げたいのか、採用の手間を減らしたいのか、そもそもお金がどこに消えているか分からないのかで、最初に答えることが変わります。読者は、たとえば「社員30名ほどの製造業で、総務部長が採用担当を兼ねていて、何から手をつければよいか分からない人」のように1人に絞ります。
総務部長が採用担当を兼ねる読者に向けて、同じテーマを組み立て直した構成が次の例です。
H2 採用コスト、どこに消えているか分かっていますか
H3 求人媒体費と工数コスト、見落とされがちな比率
H3 1人採用するのにかかった総コストを計算する
H2 コスト削減の前に採用目標をはっきりさせる
H3 とりあえず募集がコストを膨らませる理由
H3 採用目標を入社人数・時期・職種の数字で決める
H2 媒体費を下げる前に定着率を見る
H3 採用コストは入社後もかかり続ける
H3 3か月以内の離職を採用コストに換算する
H2 安い媒体より合う媒体を選ぶ
H3 職種別・地域別に効いた媒体の自社データ
H3 リファラル採用の費用対効果
H2 今週から始める採用コスト削減の手順2つの構成で一番違うのは、最初のH2です。AIの構成は「中小企業が抱える採用コストの現状」という一般的な現状の説明から始まってすぐ方法の一覧に進み、人の構成は「採用コスト、どこに消えているか分かっていますか」と読者が詰まっている所から始まります。AIの構成は書く話題を並べ、人の構成は誰のどの問いに答えるかから並べるので、最初のH2が変わると、記事全体が答える問いも変わるのです。

AIと人の構成で差が出る3つのポイント
AIの構成と人の構成で差が出るのは3つのポイントで、どれもテーマだけを渡されたAIには分からず、人が決めて渡すものです。
検索する直前の読者の状況を拾うこと
検索する直前の読者の状況はキーワードに書かれていないので、テーマだけを渡されたAIには拾えません。たとえば「採用コスト削減」で検索する人の中には、コストを下げる方法を知りたい人だけでなく、どこから手をつければよいか分からない人もいます。AIは「コストを下げたい」という表に出た意図には答えますが、なぜ困っているのかという事情までは、渡されない限り見出しにしません。
見出しは、検索エンジンのためだけでなく、読者が「自分の話だ」と気づくためにもあります。「採用コスト、どこに消えているか分かっていますか」というH2は、何から手をつければよいか分からない読者に、自分の困りごとが書いてあると知らせる見出しです。
読者に要らない見出しを外すこと
AIは、テーマに関係しそうな見出しを外さずに並べます。「方法を5つ並べる」「事例を紹介する」「まとめ」という形は、漏れがない代わりに、読者が次に何をすればよいかを決める助けにはなりません。
人の構成では、兼任で採用を担う総務部長にはまだ要らない方法の一覧を外し、空いた所に「採用コストは入社後もかかり続ける」というH3を置いています。AIの構成には無い視点ですが、採用担当者が見落としやすい点です。何を外すかを決めると、構成が答える問いが絞られます。
AIの構成にある「実際のコスト削減事例」のような見出しも、手元に事例がなければ書けません。書ける事例がないまま見出しを残すと、本文で架空の事例を作るか、一般論で埋めることになります。
サイト内の関連記事につなぐこと
記事1本で完結する構成と、サイトの中で関連記事とつながる構成は別物です。人の構成の「定着率」と「採用目標」のH2は、サイトに同じ話題の記事があれば、そこへ内部リンクを張れる位置に置いています。サイトにどんな記事があるかはAIに分からないので、記事の一覧を渡さない限り、内部リンクを前提にした見出しは出てきません。
AIに渡す5つの材料と指示文の例
AIに渡す材料は次の5つです。差が出る3つのポイントのうち、読者の状況と関連記事は材料として渡し、外す見出しは指示文の条件で伝えます。5つのうち、検索する直前の読者の状況だけは、AIに考えさせず人が書きます。
- キーワード:主キーワードとサブキーワードを書き、記事が答える範囲を決めます。
- 検索する直前の読者の状況:読者が誰で、何に困って検索したかを一文で書きます。
- 上位10ページの見出し:狙うキーワードで自分で検索し、上位10ページの見出しを書き写します。
- 自社だけが持つ情報:自社の数字、手順、現場で起きたことを書きます。事例や数字の見出しは、ここに書いた物だけで作ります。
- サイト内の関連記事:つなぎたい記事のタイトルとURLを並べます。
5つの材料を指示文にまとめると、たとえば次のようになります。
【依頼】
次の材料から、SEO記事の構成案をH2とH3で作ってください。
【キーワード】
主キーワード:採用コスト 削減
サブキーワード:採用コスト 中小企業
【検索する直前の読者の状況】
社員30名ほどの製造業の総務部長。採用担当を兼ねていて、採用にお金がかかっている感覚はあるが、どこに消えているか分からず、何から手をつければよいか決められずにいる。
【上位10ページの見出し】
(検索して書き写した見出しを貼る)
【自社だけが持つ情報】
(自社の数字、手順、現場で起きたことを貼る)
【サイト内の関連記事】
(タイトルとURLを貼る)
【条件】
・最初のH2は、読者がどこで詰まっているかを問う見出しにする
・上位10ページが共通して扱う内容は外さない
・自社だけが持つ情報に無い事例や数字の見出しは作らない
・読者の状況に要らない見出しは入れず、外した見出しと理由を最後に書く
・関連記事につなげる見出しには、つなぐ記事を書き添える外した見出しと理由を最後に書かせておくと、AIが何を落としたかを人が確かめられます。上位10ページに共通する内容を落としていれば、その見出しだけを戻すのが早いでしょう。
PREP法のような型や、構成のテンプレートを指定するだけでは足りないのでしょうか。
編集部
型やテンプレートを指定すると、見出しの並び方は整います。ただ、型が決めるのは順番で、見出しに何を書くかまでは決めません。見出しの中身を決めるのは、検索する直前の読者の状況と自社だけが持つ情報です。型は【条件】の1行として足し、5つの材料と一緒に渡してください。
上位10ページの見出しを書き写して指示文を組む作業は、記事を出すたびに発生します。
記事のたびに、材料をそろえて指示文を組み直していませんか
記事コンテンツの制作支援では、自社と取引先のサイトで毎日の公開に使っている記事の指示文を作るツールを、御社で回せる形でお渡しします。公開前の確認は、御社で行っていただく形です。
AIと人で分担する記事構成の作り方
AIと人で分担する記事構成の作り方は、次の5つの手順です。AIに任せるのは見出しの整理と構成案の作成で、検索する直前の読者の状況と、どこを入れ替えるかは人が決めます。
狙うキーワードで検索して上位10ページの見出しを集め、多くのページが共通して扱う見出しをAIに整理させます。整理した見出しが、構成案から外してはいけない内容の目安です。
読者が検索窓に言葉を入れる直前に、どんな状況で、何に困っていたかを一文で書きます。キーワードに表れない事情なので、AIに任せず、自分の言葉で書いてください。
AIに渡す5つの材料を指示文にまとめ、構成案を作らせます。外した見出しと理由も一緒に返すよう、指示文の条件に書いておいてください。
AIの構成案と上位10ページに共通する見出しを並べ、読者の状況に合わない見出しを2〜3か所入れ替えます。全部を手で作り直さないのは、AIを使って短くした分の時間がなくなるからです。
見出しを上から読み、各見出しがどの問いに答えるかを言えるかを確かめます。問いの決まった構成なら、本文を書くときに次に何を書くかで迷いません。
AIの構成案から本文に進む前に確かめるのは、次の5つです。すべてに当てはまれば、本文を書き始められます。
- 最初のH2が、読者の詰まっている所を問うている
- 上位10ページが共通して扱う内容が入っている
- 事例や数字の見出しは、自社だけが持つ情報で書ける
- 各見出しを読むだけで、その節が答える問いが分かる
- 関連記事がある話題では、その記事につなぐ見出しがある
当てはまらない項目があれば、その項目を指示文の【条件】に1行足して、AIに構成案を作り直させます。

よくある質問
AIで記事構成を作るときの、よくある2つの質問に答えます。
AIで作った構成の記事は検索で不利になる?
AIで構成を作ったこと自体は、検索の評価で有利にも不利にもなりません。Googleが2023年2月8日に公開した「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」には、「作成方法ではなく、内容が評価の対象となります」と書かれています。
同じガイダンスには、検索結果のランキング操作を主な目的としてAIでコンテンツを作ることは、スパムに関するGoogleのポリシーに違反するとも書かれています。問われるのは、AIが書いたかどうかより、検索した人の知りたいことに答えているかです。

構成を作るAIはどれを使えばいい?
ChatGPTやGemini、Claudeのような対話型のAIなら、どれでも記事構成の案は作れます。構成の出来を左右するのは、どのAIを選ぶかより、渡す材料のほうでしょう。
Web検索の機能を持つAIに、上位ページを調べさせることもできます。ただ、AIが検索して集めたページは、Googleで検索したときの上位10ページと同じとは限りません。上位10ページの見出しは、自分で検索して確かめてから渡してください。
まとめ|構成の差はAIに渡す材料で決まる
AIの構成と人の構成の差は、AIの性能よりも、人が決めてAIに渡す材料で決まります。差が出る3つのポイントを人が決め、材料と条件に書いて渡せば、AIの構成もテーマだけを渡したときとは変わるはずです。
構成は、見出しを並べる作業ではなく、記事が読者のどの問いに答えるかを決める作業です。問いの決まった構成なら書くときに迷わず、問いのあいまいな構成では、書き始めてから「このH2で何を言いたかったのか」と書き進められなくなります。
次の記事構成からは、読者の状況を一文で書いてからAIの構成を見るところから始めてください。読者の状況を先に書いておくと、AIの構成のどこを入れ替えるべきかを判断できます。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作してきました。AIを組み込んで記事を作り、自社ブログでは2026年7月19日から毎日10本の公開を続けています。代表の米山拓真は、記事は質か量かのどちらかではなく両方を取るものと考えていて、型と検品の無い量産は勧めていません。
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