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キャッチコピーとは?作り方の手順と名作事例に学ぶ、伝わる言葉の型

センスがないから無理、と考えるのをやめてしまう方は多いです。ただ名作と呼ばれる一行も、条件と型を守ったうえで数を出し、選び抜かれた結果でした。中でも見落とされがちなのが、実態と言葉を一致させること。良く見せすぎたコピーは、実物を見た読み手に期待とのずれを残します。1案で決めず、複数案を出して選び直す。その手順まで含めて、これは才能の話ではありません。

短い一行の言葉が読み手の心にまっすぐ届く瞬間を、言葉が矢のように的の中心へ向かうイメージで表した図

たった一行なのに、なぜか手が止まる。商品もサービスも良いはずなのに、その良さを一言で言い表そうとすると、途端に言葉が出てこない。キャッチコピーづくりでつまずく方の多くが、この「伝えたいことはあるのに、言葉にならない」もどかしさを抱えています。

世の中には心に残るキャッチコピーがあふれています。ふと口をついて出るあの一行も、もとをたどれば誰かが意図して設計した言葉です。裏を返せば、優れたキャッチコピーは天から降ってくるひらめきではなく、条件と型を押さえた設計の産物だと言えます。

本記事では、言葉で価値を伝えることを生業にしてきた立場から、キャッチコピーとは何かという基本から、心に残るコピーに共通する条件、名作を読み解く型、そして実際の作り方の手順までを順に整理します。センスがないから無理だと諦める前に、まずは言葉が伝わる仕組みから見ていきましょう。

この記事でわかること
  • キャッチコピーとキャッチフレーズ・スローガンの違いという基礎
  • 心に残るキャッチコピーに共通する4つの条件
  • 名作コピーを再現可能にする、感情・ベネフィット・語感・正直さの4つの型
  • センスに頼らずコピーを組み立てる、作り方の手順
  • 商品・広告・Webサイトで変わる考え方と、行き詰まったときの選択肢

キャッチコピーとは、短い言葉で価値を届ける技術

キャッチコピーとは、商品やサービス、企業の魅力を短い言葉で端的に伝え、読み手の注意を引きつけるための言葉を指します。広告の見出し、Webサイトを開いた瞬間の第一声、商品パッケージの表側など、受け手が最初に目にする一行を担う役割です。なお、catch copyは和製英語で、英語ではcatchphraseやtagline、sloganと呼ばれるのが一般的です。

その起源は近代広告の発達とともにあり、限られた紙面や放送時間の中で人の足を止めさせる工夫として磨かれてきました。媒体が新聞やテレビからWebやSNSへ移っても、一瞬で興味を掴むという核の役割は今も変わっていません。

キャッチコピー - Wikipedia
🌐 ja.wikipedia.org
外部リンク

※ 語源や歴史、法的な位置づけの詳細は、上記の百科事典の項目にまとまっています。

キャッチコピーとキャッチフレーズ、スローガンの違い

現場では、キャッチコピー・キャッチフレーズ・スローガンは互いに近い意味で使われ、厳密に区別されない場面も少なくありません。ただ、役割の力点を分けて捉えておくと、つくるときの狙いが定まりやすくなります。

キャッチコピーは、個々の広告や商品で「今この瞬間に注意を引く」一行です。キャッチフレーズは、覚えてもらうことを狙った印象的な言い回しを指す傾向があります。スローガンやタグラインは、ブランドが年単位で掲げ続ける旗印にあたります。同じ短い言葉でも、寿命と目的が違うと考えてください。

この区別が効いてくるのは、たとえば新商品の広告なのか、ブランドの根幹を表す一行なのかで、言葉の練り方がまるで変わるからです。目先の反応を取りにいく言葉と、十年使い続ける言葉を、同じ発想でつくることはできません。

なぜ、たった一行が売上や記憶を左右するのか

人は目にした情報のほとんどを、読み込む前に「自分に関係があるか」で無意識に選り分けています。詳しい説明にたどり着く前の入り口で、読むか読まないかがほぼ決まってしまうわけです。キャッチコピーは、その入り口に立つ関所のような存在だと言えます。

どれほど中身が優れていても、最初の一行で素通りされれば、その価値は相手に届きません。逆に言えば、キャッチコピーを磨くことは、すでにある価値を無駄なく届けるための、費用対効果の高い投資でもあります。

広告の世界には、見出しを読む人は本文を読む人の何倍もいる、という古くから語り継がれてきた経験則があります。数字の正確さはさておき、伝えたい中身の大半が、実は最初の一行の出来にぶら下がっているという感覚は、コピーを書く人間なら誰もが共有しています。本文をどれだけ丁寧に書いても、入り口の一行がそこへ人を運べなければ、労力の多くは読まれないまま終わってしまうのです。

心に残るキャッチコピーに共通する4つの条件

数えきれないコピーの中で記憶に残るものには、装飾を取り払うと共通する土台があります。奇抜さやダジャレの巧みさではなく、次の4つを満たしているかどうかが、伝わるコピーと自己満足のコピーを分けます。

  • 短く、ひと息で読み切れる
  • 誰が読んでも、ほぼ同じ意味に伝わる
  • 中身と言葉が一致していて、誇張で釣っていない
  • 狙った相手の心の動きに、正確に触れている

とりわけ見落とされがちなのが、3つめの実態と言葉が一致しているかという条件です。実態を超えて良く見せるコピーは、短期的には注意を引けても、届いた後に「思っていたのと違う」という失望を生みます。言葉が期待を先につくり、その期待に商品が届かないとき、最も損なわれるのは信頼です。

2つめの「一意に伝わる」も、プロが最後まで神経を使う点です。つくり手は商品の文脈をすべて知っているため、多少言葉足らずでも意味が通じてしまいます。ところが初見の読者にとっては、別の意味に読めたり、そもそも何の話か分からなかったりする。この作り手と読み手の情報差こそ、独りよがりなコピーが生まれる最大の原因です。

1つめの「短さ」が効くのにも理由があります。人が一度に頭へ留めておける情報の量は、そう多くありません。長い一文は、読み終える頃には最初のほうが抜け落ちていきます。短く言い切られた言葉だけが、意味とリズムをまるごと記憶に残せるのです。短さは削って情報を捨てる行為ではなく、残った言葉に力を集める行為だと捉え直してください。

4つめの「相手の心に触れる」で鍵になるのは、いかに相手へ「これは自分に向けられた言葉だ」と感じさせるかです。万人向けの正しい言葉より、たった一人の具体的な状況を名指しした言葉のほうが、当の本人には深く刺さります。誰にでも当てはまる表現ほど、実は誰の胸にも残らないという逆説が、ここには働いています。

心に残るキャッチコピーの4つの条件を示した図
Web担当者Web担当者

条件はわかりましたが、結局のところ、こういう言葉は生まれつきのセンスがある人しかつくれないのでは、という気もしてしまいます。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

そう感じる方はとても多いです。ただ実際は、名作と呼ばれるコピーの大半も、ひらめき一発ではなく、相手と伝える価値を絞り込み、たくさんの案を出して選び抜くという地道な手順から生まれています。センスは、その手順を繰り返すうちに、判断の速さと精度として後から身についていくものだとお考えください。

名作キャッチコピーを「型」で読み解く

有名なキャッチコピーを「さすがプロだ」と眺めているだけでは、自分の言葉づくりには一向に活きてきません。大切なのは、型に分解して初めて模倣できるという視点です。ここでは、実在する名作を4つの型に整理し、それぞれが読み手のどこに働きかけているのかを見ていきます。

名作キャッチコピーを分類する4つの型を示した図

それでは、型ごとに順に見ていきましょう。

感情を動かす型

理屈より先に、気持ちをふっと動かす言葉です。「そうだ 京都、行こう。|JR東海」は、旅の理由を説明せず、ただ背中をそっと押す一言で、行きたい気持ちに火をつけます。「がんばるひとの、がんばらない時間。|ドトールコーヒー」は、休むことへの後ろめたさを肯定に変え、「ハローしあわせ。|ハーゲンダッツ」は、ひと口の贅沢を幸福という感情に結び直しています。

共通するのは、商品の機能を語っていない点です。売っているのは切符やコーヒーやアイスであっても、コピーが差し出しているのは、それを手にした先にある気分そのものだと言えます。

ベネフィットを一言で言い切る型

相手が得られる価値を、飾らずに言い切る言葉です。「お、ねだん以上。|ニトリ」は価格を超えた満足を、「うまい、やすい、はやい|吉野家」は三つの価値を最短で、「日本を、1枚で。|Suica」は一枚のカードで得られる便利さを、それぞれ端的に約束しています。

この型の強さは、読み手が「自分に何の得があるか」を一瞬で理解できる点にあります。感情に訴えるより先に、まず価値を明快に手渡す。商品そのものの魅力に自信があるときほど、素直に効いてくる型です。

語感とリズムで刻み込む型

意味の前に、音とリズムで記憶に食い込ませる言葉です。「インテル入ってる|インテル」は韻の心地よさで、「やめられない、とまらない|カルビー」は繰り返しのリズムで、「Just Do It.|ナイキ」は短く言い切る潔さで、聞いた人の頭に自然と居座ります。

理屈で覚えようとしなくても口をついて出る、という状態をつくれるのがこの型です。ただし語感だけが先走ると中身が空っぽになりかねないため、後述する「実態との一致」と両立させることが欠かせません。

弱みや意外性を正直に見せる型

隠したくなる弱点や、意外な事実を、あえて表に出して笑いや共感を生む言葉です。「一目で義理とわかるチョコ|有楽製菓(ブラックサンダー)」は安っぽさを逆手に取り、「うどん県|香川県」は一つの名物に振り切る潔さで、かえって強い個性を放ちます。

作り手が守りに入りやすいところで、正直さや大胆さに賭ける。そこに読み手は人間味を感じ、記憶に残しやすくなります。ただし、この型は自社の実態を冷静に見つめる勇気があって初めて成立します。

四つの型のどれを選ぶかは、自社の強みがどこにあるかで決まります。機能や価格で明確に勝てるならベネフィット型が、体験や世界観で選ばれているなら感情型が向きます。名前や商品名に覚えやすい響きがあるなら語感型、正直に見せられる愛嬌のある弱みがあるなら正直型が生きてきます。手当たり次第に試すのではなく、自社の一番の武器から逆算して型を選ぶと、遠回りがぐっと減ります。

💡

名作を「センスの塊」として眺めているうちは、自分の言葉づくりには活きません。感情・ベネフィット・語感・正直さという4つの型に分解し、自社の商品ならどの型が合うかと問い直すこと。ここが、盗用ではなく健全な模倣に踏み出す境目になります。

キャッチコピーの作り方

型を理解したら、次は自分の言葉として組み立てる番です。作り方は、思いつきをそのまま書き出すのではなく、順を追って絞り込んでいくのが近道になります。次の5つの手順を回してみてください。

1
STEP
誰に、何を伝えるかを一つに絞る

狙う相手を一人に絞り込みます。万人に向けた言葉は、結局は誰の心にも届きません。年齢や職業だけでなく、その人が今どんな不満や願いを抱えているかまで具体的に思い描きます。

2
STEP
相手が得られる変化を書き出す

商品の特徴ではなく、それを使った相手がどう変われるかを言葉にします。ドリルではなく「開く穴」を、化粧品ではなく「鏡を見るのが楽しくなる朝」を差し出す発想です。たとえば軽い掃除機なら、売りは「本体1.5キロ」という数字ではなく、「階段の上げ下げがつらくない」という日々の変化のほうにあります。特徴を一つずつ、それを手にした人の生活がどう変わるかへ翻訳していくと、コピーの素材が一気に増えていきます。

3
STEP
言葉の素材を集め、数で勝負する

一案で完成を狙わず、まずは質を問わず数を出します。関連する言葉、比喩、対になる表現を書き散らし、素材を広げてから組み合わせていきます。

4
STEP
声に出して、リズムと一意性を確かめる

候補を実際に読み上げます。詰まらずに言えるか、別の意味に取れないか、耳に残るかを、目ではなく口と耳で検品します。

5
STEP
時間を置いて、第三者の目で選ぶ

一晩寝かせてから読み返し、できれば商品を知らない人に見せます。何の商品だと思ったか、どう感じたかを聞き、独りよがりを削ぎ落として一つに絞ります。

この手順で肝になるのが、3つめの「数を出す」段階です。プロの現場でも、最初の一案は捨て駒だと考えるのが普通です。頭に最初に浮かぶ言葉は、たいてい誰もが思いつく平凡な表現だからです。十案では足りず、数十案を出して初めて、平凡の壁の向こうにある一行が見えてきます。案の量が、質を保証する最も確実な土台になります。

案を絞り込む段階で迷ったら、三つの問いを自分に投げかけてみてください。ひとつ、この言葉は「誰に」向けたものか、その一人の顔がはっきり浮かぶか。ふたつ、相手が「どんな時」に出会う言葉か、その場面と気分に合っているか。みっつ、なぜそれを言えるのが「自社」なのか、他社が言っても成り立つ借り物になっていないか。この三つに素直に答えられる案だけを残していくと、自社にしか書けない一行へと近づいていきます。逆に、どれか一つでも詰まる案は、まだ誰かの言葉のままだと考えたほうがよいでしょう。

キャッチコピーの作り方5ステップの流れを示したフロー図

案を量産し、客観的に選び抜くこの工程は、地味ながら相応の時間と体力を要します。ここを毎回自社だけで回し切れるかどうかが、更新を続けられるかの分かれ目になります。

言葉にする工程まで、まるごと任せる手もあります

ここまでの手順を読んで、考え方はわかったが毎回これを自社で回すのは重い、と感じた方もいるはずです。キャッチコピーもWebサイトの本文も、価値を言葉へ翻訳する作業という点で根はつながっています。書く体制ごと整えたいときは、コンテンツ制作を専門にする私たちがお手伝いできます。

経営者経営者

社内でコピーを量産して選び抜く、という工程の重さがよくわかりました。この一連の流れを、担当者一人に任せきりにしていいものでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

一人に閉じるのは、実はいちばん危うい形です。つくり手が一人だと、どうしてもその人の視点に偏り、独りよがりに気づけません。案を出す人と、それを冷静に選ぶ人を分けるだけで質は上がります。社内で分担が難しければ、選び手の役割だけを外に置くという設計も有効です。

つくるときに陥りやすい失敗

同じ手順を踏んでも、いくつかの落とし穴にはまると、途端に言葉は死にます。よくある失敗を先に知っておくだけで、回避できるものは少なくありません。

  • 言いたいことを詰め込みすぎ、結局どれも印象に残らない
  • 内輪でしか通じない言葉遊びに走り、意味が伝わらない
  • 誰にでも良く見せようとして、誰の心にも刺さらない
  • 事実以上に良く見せ、届いた後の失望を招く

これらの多くは、根っこでつながっています。書き手が「たくさん伝えたい」「うまく見せたい」という欲を抑えられないときに起きるのです。伝えることを一つに絞る勇気と、実態からはみ出さない誠実さ。この二つが、失敗の大半を未然に防ぎます。

とくに「詰め込みすぎ」は、自覚しにくいぶん厄介です。直し方はシンプルで、書いた案から要素を一つずつ削り、それでも伝わるかを確かめていきます。削って意味が崩れたら戻し、削っても成立するなら思い切って捨てる。この引き算を繰り返すと、本当に外せない一点だけが残ります。足すより削るほうが、コピーは強くなると覚えておいてください。

とりわけ注意したいのが、誇張して気を引くコピーです。景品表示法などの観点で問題になる場合があるだけでなく、期待して来た読み手を裏切るため、長い目で見ればブランドの信頼を最も深く削ります。目立たせたい気持ちほど、事実の線を越えていないかを冷静に確かめてください。

媒体で変わる、キャッチコピーの考え方

同じ商品でも、どこに載せる言葉かによって、効く型は変わります。読まれる状況が違えば、狙うべき反応も違ってくるからです。主な媒体ごとの傾向を整理してみます。

商品パッケージ・POP広告・CMWeb・LPの見出し
読まれる時間一瞬(棚の前)数秒(受け身で流れる)数秒から熟読(自ら読む)
主な狙い手に取らせる記憶に残す読み進めさせる
効きやすい型ベネフィット言い切り語感・感情ベネフィット+具体
相性のよい要素短さ・語呂のよさリズム・意外性数字・自分ごと化

この違いは、読み手の姿勢の差から生まれます。棚の前の一瞬、テレビの前の受け身、検索してたどり着いた能動。三者三様の状況に、同じ一行で応えるのは無理があります。

商品と広告は「立ち止まらせる」が主戦場

商品パッケージやPOP、テレビCMのように、相手が積極的に読もうとしていない場では、まず足や視線を止めさせることが最優先です。短さと語感、そして意外性が武器になります。理屈で説得するより、一瞬の引っかかりで「お」と思わせる設計が向いています。棚に並んだ数十の競合の中から手に取ってもらうには、丁寧な説明よりも、口ずさみたくなる語呂や、思わず二度見する一言のほうが仕事をします。伝える情報を一つに絞り、その一点を最も気持ちよく響く音に磨く。ここに労力を集中させてください。

WebサイトやLPは「読み進めさせる」が主戦場

一方、検索して自らたどり着いたWebサイトやLPの見出しでは、読み手はすでに何かを知りたがっています。ここで抽象的なイメージ言葉を掲げても空回りしがちです。得られる価値を具体的に、できれば数字や相手の状況を織り込んで示し、続きを読む理由を与えることが効いてきます。「業務がラクになります」より「毎月10時間の手作業がなくなります」のほうが、読み手は自分の状況に引き寄せて考えられます。棚の前とは違い、Webの見出しは本文への入り口です。惹きつけたうえで、次の一文へ自然に送り出す役割まで担わせると、離脱を防げます。

つくったキャッチコピーを、どう検証するか

キャッチコピーは、出して終わりではありません。どれほど自信のある一行でも、最終的な良し悪しを決めるのは、つくり手の手応えではなく読み手の反応です。名作と呼ばれるコピーの裏側にも、選ばれずに消えていった無数の案があります。検証を前提に置くと、一発で当てる重圧から解放され、かえって思い切った案を出せるようになります。

WebサイトやWeb広告のように数字が取れる媒体なら、複数の案を同じ条件で同時に出し、どちらが選ばれたかで判断するABテストが有効です。見るべきは、見た目の好みではなく、クリック率や読了率といった、次の行動につながった度合いです。見出しの仕事は「続きへ進ませる」ことにあるため、印象を尋ねるアンケートより、実際の行動データのほうが正直な答えを返してくれます。

  • 複数の案を、できるだけ同じ条件に揃えて比べている
  • 好みの印象ではなく、クリックや反応など行動の数字で判断している
  • 負けた案から「なぜ響かなかったか」を言葉にし、次の案出しへ戻している

商品パッケージやCMのように数値化しにくい場では、初見の人への簡単な聞き取りや、店頭での手に取られ方といった間接的な手がかりで代替します。いずれの場合も肝心なのは、負けた案を失敗として捨てずに、響かなかった理由を言語化して次へ持ち帰ることです。当てにいく一回勝負ではなく、試して学び、また試すという循環に乗せたとき、コピーの精度は着実に上がっていきます。

自分でつくるか、プロに任せるか

ここまでの手順は、自社でも実践できるものばかりです。そのうえで、自分たちでつくり続けるか、外部の手を借りるかは、リソースと目的をふまえて選ぶ判断になります。両者の性格を正直に並べてみます。

自社でつくる強み
  • 商品や現場を、誰よりも深く知っている
  • 思いついた案をすぐ試し、反応を見て直せる
  • 費用を外に出さずに済む
自社だけで抱えるとつまずく点
  • 中の人ほど「伝わって当然」の前提で書き、客観視が難しい
  • 案出しと検証に時間がかかり、通常業務を圧迫する
  • 書ける人に依存し、その担当が抜けると止まる

どちらが正しいという話ではありません。社内に言葉を設計する余力と、案を冷静に選び切れる第二の目があるなら、自社でつくるのが最も現場感のある言葉になります。ただし、更新を止めずに質を保ちたい、あるいは商品への思い入れが強すぎて客観視が難しいという場合には、早い段階で外部の目を入れる方が、遠回りに見えて近道になることが多いというのが、数多くの言葉づくりに伴走してきた実感です。

プロに任せる価値は、言葉のうまさそのもの以上に、思い入れから離れた第三者の視点と、案を量産して選び切る工数を外から補える点にあります。うまい一行を買うのではなく、伝わる一行にたどり着く確率を上げる、と捉えると選びやすくなります。

ひとつだけ注意したいのは、外注が丸投げになると、かえって的外れな言葉が返ってくる点です。誰に届けたいのか、どんな価値を一番に伝えたいのか、絶対に言ってはいけない一線はどこか。この芯の部分は、商品を最も知る自社にしか決められません。芯を自社で固めたうえで、言葉として磨き上げる工程を任せる。役割をこう分けたときに、外注は最もよく機能します。任せる相手を選ぶ際も、きれいな言葉を並べる会社より、こちらの事業や狙いを深く問い返してくる相手のほうが信頼できます。

どの言葉で伝えるべきか、一度整理してみませんか

自社の強みをどう一行に落とすかは、社外の視点が入ると一気に進むことがあります。キャッチコピーからWebサイト全体の言葉の設計まで、まず何から手をつけるべきかを一緒に整理するところから始められます。売り込みの場ではなく、頭の中を整理する相談の場として、気軽にお使いください。

よくある質問

キャッチコピーとキャッチフレーズの違いは?

明確な線引きはなく、実務ではほぼ同義で使われます。あえて分けるなら、キャッチコピーは個々の広告で注意を引く一行、キャッチフレーズは覚えてもらうことを狙った印象的な言い回しを指す傾向があります。

キャッチコピーは何文字くらいが良いですか?

決まった正解はありませんが、ひと息で読み切れる長さが目安です。短いほど記憶に残りやすく、長くなるほど情報は増える代わりに印象は薄れます。まず短くつくり、必要なら足していく順番がおすすめです。

センスがなくてもつくれますか?

つくれます。優れたコピーの多くは、ひらめきではなく、相手と伝える価値を絞り、数を出して選び抜く手順の産物です。センスは、その手順を繰り返すうちに、判断の精度として後から身についていきます。

有名なキャッチコピーをそのまま真似てもいいですか?

言い回しの丸ごとの流用は避けてください。商標などの問題に触れる場合があるうえ、借り物の言葉は自社の実態と噛み合いません。真似るなら文言ではなく、感情やベネフィットといった型のほうを借りるのが正解です。

作ったコピーが良いかどうか、どう判断すればいいですか?

商品を知らない初見の人に見せ、何の商品だと思ったか、どう感じたかを聞くのが最も確実です。つくった本人は文脈を知りすぎているため、判断がどうしても甘くなります。

キャッチコピーづくりにAIツールは使えますか?

案を大量に出す下ごしらえには役立ちます。ただし、どの一行が自社の実態と相手に本当に響くかを見極め、選び切る判断は、今のところ人の領域です。AIで案の幅を広げ、人が絞り込むという分担が現実的だと考えてください。

まとめ、キャッチコピーは設計でつくれる

キャッチコピーは、生まれ持ったセンスだけがものを言う世界ではありません。キャッチコピーは、設計でつくれるというのが、本記事を通してお伝えしたかったことです。心に残るコピーの条件を押さえ、名作を型に分解して学び、相手と価値を絞って数を出す手順を回す。この積み重ねが、平凡の壁の向こうにある一行へ近づく道になります。

とはいえ、頭で理解することと、日々それを回し続けることの間には、小さくない距離があります。自社の価値を言葉に翻訳し、伝わる形で発信し続ける仕組みづくりを支援するのが、私たち合同会社Writers-hubの仕事です。キャッチコピーの一行から、Webサイトやオウンドメディア全体の言葉の設計まで、一緒に考えていけます。まず何から手をつけるべきか迷ったら、気軽に声をかけてください。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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