「GAIQのGA4版が、どこかにあるはずだ」。Googleアナリティクスの資格を調べ始めた方は、まずこう考えます。社内の会話でも取引先とのやりとりでも「GAIQ」という呼び名が使われ続けているため、名前が変わっただけの後継試験が用意されていると受け取られやすいのです。申込ページを探しても見つからず、検索する言葉を変えながら迷う方もいます。
しかし、GA4の数字を見ながら次に書く記事を決める仕事を重ねてきた弊社の立場から先にお伝えすると、GAIQという試験そのものが提供を終えています。いま受けられるのは、GA4を対象にした「Googleアナリティクス認定資格」の一本だけで、過去のGAIQ合格を新しい資格へ引き継ぐこともできません。
本記事では、2つの資格の関係と現行試験の受け方から、学習を進める順番、合格したあとに残る実務の範囲まで、オウンドメディアの運用を支援してきた立場で順を追ってお伝えします。
- GAIQと現行のGoogleアナリティクス認定資格の関係
- 受験できる場所と費用、試験条件の確かめ方
- 経験別に見た学習時間の目安と、学ぶ順番
- 資格の出題範囲に入らない3つの実務領域
- いま取得を急ぐ人と、後回しでよい人の線引き
GAIQとGA4資格は何が違うのか
名前が似ているため混同されがちですが、この2つは出題範囲だけが違う新旧のバージョンではありません。計測の仕組みが入れ替わったことに合わせて、試験そのものが差し替わったと捉えるほうが実態に近いはずです。
旧GAIQが扱っていた範囲
GAIQの正式名称は「Googleアナリティクス個人認定資格(Google Analytics Individual Qualification)」で、ユニバーサルアナリティクス、いわゆるUAを前提にした試験でした。セッションの数え方、ビューやフィルタの設定、目標の作り方など、UAの管理画面を前提とした知識が問われます。
読み方は「ジーエーアイキュー」が一般的です。無料で受けられるうえに、プロフィールに書けるアクセス解析の資格が他に少なかったこともあり、Web業界では長く「解析をひととおり知っている人」の目印として扱われてきました。
ところが、UAは2023年7月にデータの処理を停止しています。試験が前提にしていた計測の仕組みが動かなくなった以上、UAの操作を問い続ける意味はなくなりました。
現行のGoogleアナリティクス認定資格
現在、Googleの学習プラットフォームであるSkillshop(スキルショップ)で受けられるのは、GA4を対象にした「Googleアナリティクス認定資格(Google Analytics Certification)」です。イベントを軸にした計測の考え方、探索レポートの使い方、キーイベントの扱いといった、GA4の画面と概念に沿った内容へ置き換わりました。
学習教材は同じくSkillshop内の「アナリティクス アカデミー」に無料で公開されており、認定資格に対応するコースもここに並んでいます。

GAIQの後継ではなく別の資格
ここで見落とされがちなのが、合格実績の扱いです。GAIQが改称されて中身だけ入れ替わったのではなく、GAIQは提供終了、別名の資格が新設された、という関係になっています。
つまり、過去のGAIQ合格を現行資格へ引き継ぐ道はありません。GA4の資格が必要なら、取得歴のある方でも新しく受け直すことになります。
| 旧GAIQ | Googleアナリティクス認定資格* | |
|---|---|---|
| 対象 | ユニバーサルアナリティクス | GA4 |
| 現在の提供 | 終了 | 受験できる |
| 主な出題 | セッション、ビュー、フィルタ | イベント、探索レポート、キーイベント |
| 受験の場 | Skillshop | Skillshop |
| 受験料 | ー | 無料 |
| 実績の引き継ぎ | ー | GAIQからの移行はなし |
並べてみると、2つの試験は測る対象そのものが違うとわかります。「GAIQのGA4版」を探している限り、目的のページにはたどり着けません。

名称が変わったことで、すでに資格を持っている方からの質問も増えました。
以前取ったGAIQは、もう履歴書に書けないのでしょうか。
編集部
記載自体はできます。ただ、UA前提の資格だと知っている採用担当者も増えているため、取得年月を添えるか、GA4の資格を取り直すほうが説明の手間は減ります。
現行資格の受験条件と費用
受験のハードルは、多くの方が想像するより低い位置にあります。申込に審査や実務経験の要件はなく、Skillshopのアカウントを作れば当日そのまま試験に進めます。
費用もかかりません。Googleが自社プロダクトの理解者を増やす目的で運営している教育プログラムのため、教材にあたるコースも認定試験も無料で開放されています。有料の対策講座を先に探す必要はなく、まず公式の教材にあたるほうが遠回りになりません。
本記事の執筆時点で案内されている試験条件は、選択式でおよそ50問、制限時間は75分、正答率80パーセント以上で合格という内容です。合格後の認定資格には有効期限が設定され、期限を過ぎたら受け直して更新する形になります。
※ 問題数、制限時間、合格ライン、有効期限は、Skillshopの試験ページと取得後の認定証に表示されます。Googleの判断で変更されることがあるため、受験前に申込画面の表示をご確認ください。
有効期限があると聞いて身構える方もいますが、更新はもう一度同じ試験を受けるだけです。GA4は機能の追加や名称の変更が続いているプロダクトなので、期限を知識の入れ直しの機会として使うほうが、実務では役に立ちます。
検索で出てくる試験情報が食い違う理由
このテーマを調べていると、記事によって問題数も制限時間も違う、という状況にぶつかります。理由ははっきりしていて、GAIQ時代の数字と現行試験の数字が、区別されないまま混在しているためです。
GAIQは70問、90分という条件で長く運営されていました。その時期に書かれた記事が更新されないまま検索結果に残り、後から書かれた記事がそこを参照して数字を引き継ぐ、という連鎖が起きています。試験の条件は申込画面の表示が最新です。
- 「GAIQ(GA4版)」のように、終了した試験名で現行資格を説明している記述
- ユニバーサルアナリティクスの画面で受験手順を説明している解説
- 出典が示されないまま合格率だけが具体的な数字で書かれている記述
- 更新日が古く、UA停止前の情報が本文に残ったままの記事
こうした記述は、悪意があって書かれているわけではありません。試験の仕様が変わるときにGoogleから大きな告知が出るわけではないため、書き手が気づかないまま残ってしまうのです。
だからこそ、数字を確かめる先は記事ではなく申込画面に置いてください。Skillshopの試験ページには、その時点の問題数と制限時間、合格ラインが表示されます。
受験登録から合格までの手順
はじめての方でも、登録から受験までは同じ日のうちに終えられます。工程を分解すると、次の5つです。
Skillshopにアクセスし、メールアドレスでアカウントを登録します。転職後も認定証を参照できるよう、会社のアドレスではなく個人のアドレスを使うことをGoogle自身が案内しています。
カタログからアナリティクスの領域を開き、Googleアナリティクス認定資格に対応するコースと認定試験を見つけます。認定資格の一覧ページからも同じ試験にたどり着けます。
試験に進む前に、公式コースを通しで受講します。動画と確認テストで構成されており、GA4の用語がGoogleの定義でそろう点にいちばんの価値があります。
試験に予約は不要で、開始ボタンを押すとその場で始まります。時間切れになると、その時点の解答で採点されます。開始前に、中断されない時間帯を確保してください。
合格すると認定証が発行され、ユーザーメニューのコース一覧から確認とダウンロードができます。取得日と有効期限も同じ画面で確認できます。
不合格でも受け直しはできます。ただし再受験までに待機時間が設けられているため、当日中にもう一度、とはいかない場合があります。

難易度の目安と必要な勉強時間
難易度を一言で表すのは難しく、同じ試験でも人によって体感がかなり分かれます。分かれ目になるのは知識の量ではありません。GA4の管理画面を触ってきた時間が、そのまま準備量を左右します。
用語だけを暗記して臨むと、探索レポートの設定を問う出題でつまずきます。反対に、日常的にGA4を開いて数字を見ている方であれば、正式な定義を確認し直すだけで足りることも多いでしょう。
GA4に触れてきた量 | 準備の中心になる作業 | 学習時間の目安 |
|---|---|---|
日常的に管理画面を見ている | 用語の正式な定義の確認 | 数時間から半日 |
導入したが運用は人任せ | 探索レポートの操作に慣れる | 半日から2日 |
ほとんど触ったことがない | 公式コースの通し受講 | 数日から1週間 |
※ 学習時間はGoogleが公表している数値ではありません。弊社が制作の現場で見てきた範囲での目安であり、GA4に触れてきた量によって幅が出ます。
出題は実装コードの記述を求めるものではなく、GA4の考え方と画面操作の理解を問う内容が中心です。ITの資格試験と比べると、覚える量そのものは多くありません。
効率よく進む学習の順番
限られた時間で合格を狙うなら、教材を増やすより順番を決めるほうが効きます。弊社で新しく入ったメンバーにGA4を覚えてもらうときも、おおむね次の順で進めています。
公式コースを先に一周する
まず公式コースを通しで受けてください。市販の対策情報から入ると、Googleが使う定義と表現がずれたまま頭に入り、選択肢の言い回しで迷う原因になります。用語の基準を先にそろえておくほうが、結局は早く終わります。
デモアカウントで実際に触る
Googleは、実データが入ったGA4のデモアカウントを公開しています。自社サイトにGA4を導入していない状態でも、レポートの切り替えや探索レポートの作成を試せます。読んで覚えた用語が画面のどこに現れるのかを、ここで結びつけておくとよいでしょう。
間違えた設問の理由を言葉にする
コース内の確認テストで間違えた設問は、正解を覚えるだけで終わらせないでください。なぜ他の選択肢が誤りなのかを一文で説明できるようにしておくと、本番で似た言い回しに出会っても判断がつきます。
迷いやすいのは、UAの言葉づかいが残っている領域です。セッションの数え方、直帰率の定義、コンバージョンとキーイベントの呼び分けなど、UA時代の理解のままだと選択肢を読み違えます。GA4では何が変わったのかを対比の形で覚えておけば、混乱は減るでしょう。
ここまでの3つを終えれば、試験の設問はおおむね見覚えのある表現に見えてくるはずです。

資格が扱わない3つの実務領域
ここから、合格したあとの話に移ります。正直にお伝えすると、資格が保証するのは、用語と画面の理解までです。取得しても、次の3つは別に身につける必要があります。

何を測るかを決める設計
GA4は、設定した分しか教えてくれません。資料請求の完了をキーイベントにするのか、記事の読了を測るのか、そもそも何を成果とみなすのかは、試験ではなく事業側の判断になります。ここが決まっていないと、どれだけ画面を操作できても、報告資料は数字の羅列で終わります。
数字を改善の指示に変える工程
「この記事は流入があるのに読了率が低い」という観察から、「導入文が検索意図とずれているので書き直す」という指示までは、ひと続きではありません。あいだに、検索結果に並ぶ他の記事との比較や、読者が知りたい順番の見直しといった作業が入ります。この置き換えができる人は、資格の有無にかかわらず現場で重宝されます。
計測が正しく動いているかの確認
これが意外と抜け落ちます。タグが二重に入っている、社内からのアクセスが除外されていない、参照元がすべて自社ドメインになっている。こうした設定の不備は、GA4の使い方を知っているだけでは気づけません。数字をまず疑う習慣は、実データで痛い目を見た経験からしか身につかないところがあります。
計測の設計そのものをどう組むかについては、GA4でコンテンツの成果を計測する方法でも詳しく整理しています。
資格を取れば、サイトの改善案まで出せるようになりますよね。
編集部
用語と画面の操作は確実に身につきます。ただ、改善案を出す段階では、記事の中身と検索結果の並びを見比べる別の作業が必要です。資格はその手前までを保証するもの、と考えておくと期待のずれが起きません。
GA4の数字は読めるのに、検索流入が動かないままではありませんか
資格で身につくのは、数字を正しく読むところまでです。読んだ数字をどの記事のどこに反映すれば流入が増えるのか。それは、検索結果に並ぶ他の記事と自社の記事を見比べて決める、別の作業になります。弊社では、GA4の数字を起点にして、直す記事の順番から一緒に組み立てています。
取得を急ぐ人と後回しでよい人
無料で受けられる資格ではありますが、誰にとっても最優先というわけではありません。時間の使い方として考えると、線引きははっきりします。
- Web担当になったばかりで、GA4の用語から覚えたい
- 制作会社や代理店にいて、提案の場で解析の話に入りたい
- 転職や社内異動を控えていて、学ぶ意欲を形にして示したい
- チーム内でGA4の言葉の使い方がそろわず、共通の基準がほしい
反対に、次のような状況であれば、順番を入れ替えたほうが成果は早く出ます。
- 自社サイトのGA4が、まだ正しく設定されていない
- 何を成果とみなすかが、チーム内で決まっていない
- 記事や広告の改善タスクが、手つかずで積み上がっている
測る対象が決まってから受けるほうが、学習も短く終わります。設定も目的も未整備のまま資格の勉強に入ると、覚えた用語を当てはめる先がなく、知識が定着しにくいためです。
覚えたGA4の知識を、自社で回る運用に変えていきたいときは
学習で用語がそろうと、次に出てくるのは「では誰がこの数字を見て記事を直すのか」という問いです。弊社では、解析の見方から記事の直し方までを社内に残す形で、制作体制づくりを支援しています。外注を続けるか内製に寄せるかで迷っている段階から、ご相談ください。
GA4の資格に関するよくある質問
検索で見かけることの多い疑問を、短く整理しておきます。
受けられません。ユニバーサルアナリティクスを前提にした試験のため提供が終わっており、現在Skillshopで受けられるのはGA4を対象にした認定資格です。
かかりません。教材にあたるコースも認定試験も、Skillshop上で無料で公開されています。
できます。ただしGA4の画面をまったく見たことがない状態だと設問の場面を想像しにくいため、デモアカウントで操作を体験してから受けることをおすすめします。
書けます。有効期限のある資格なので、取得年月を添えて記載すると、いつ時点の知識かが伝わります。
できます。コースも試験も日本語で提供されています。設問の言い回しが独特に感じられるときは、公式コースの用語に慣れておくと読み違えが減ります。
再受験はできますが、受け直しまでに待機時間が設けられています。試験画面に表示される案内を確認してください。
まとめ|GAIQは終了しGA4版の一本に
GAIQという試験は提供を終え、いま受けられるのはGA4を対象にしたGoogleアナリティクス認定資格だけです。2つは新旧のバージョン違いではなく、計測の仕組みが変わったことに合わせて差し替わった別の試験のため、過去のGAIQ合格を引き継ぐこともできません。
受験料はかからず、予約も不要で、Skillshopのアカウントさえ作ればその日のうちに受けられます。問題数や合格ラインを記事で確かめようとすると古い数字にぶつかるので、条件は申込画面の表示で確認してください。学習は、公式コースを一周してからデモアカウントで手を動かす順番が近道になります。
そのうえで、合格したあとに残る仕事があります。何を測るかを決めること、数字を記事の直し方に置き換えること、計測そのものが正しいかを疑うこと。この3つは試験範囲の外にあります。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作とオウンドメディアの運用支援を通じて、GA4の数字を次の記事に反映する工程を日常的に扱っています。資格の勉強を終えて「数字は読めるようになったが、次に何を書けばいいか決まらない」という段階まで来たなら、そこからが本題です。
GA4の数字を、次に書く記事の順番まで落とし込みたい方へ
どの記事から直すか、新しくどのキーワードで書くか。判断の材料はGA4の中にありますが、そこから制作の計画に変えるには別の視点が要ります。現状の数字と記事の一覧をご共有いただければ、着手する順番の考え方からお話しします。








