「GAIQは過去問を何周かすれば受かる」。資格試験は過去問から入るのが定石という感覚が共有されているため、Googleアナリティクスの資格でも同じ手が通じると考えられがちです。ところが、Web上に残る設問集の多くは数年前のもので、今は出題されない範囲を扱っています。
弊社はこれまで、GA4のレポートを読みながら記事とサイトの改善方針を決める仕事を数多く引き受けてきました。その現場から言えるのは、GAIQという名前の試験はすでに終了しているという一点を押さえるだけで、教材選びの迷いがほとんど消えるということです。2023年にユニバーサルアナリティクスの計測が止まり、資格もGA4を対象にした「Googleアナリティクス認定資格」へ切り替わりました。
本記事では、今の試験の条件と勉強時間の目安から、使える教材の絞り込み方、古い解説を見分ける手がかり、1週間で受験まで進める組み立て方までを、GA4を実務で使う側の視点でお伝えします。
- GAIQが現在の認定資格に切り替わった経緯と、出題範囲の変化
- 問題数、制限時間、合格ライン、有効期限といった今の試験の条件
- 実務経験の有無で変わる、合格までの勉強時間の目安
- 公式コース、デモアカウント、練習問題、書籍の使い分け
- GAIQ時代の古い教材を見分ける3つの用語と、GA4での言い換え先
GAIQの勉強で最初に確認すること
勉強方法を調べる前に、受ける試験の名前を確かめてください。ここがずれていると、そのあとの教材選びがすべて空振りになります。
GAIQは「Google Analytics Individual Qualification」の略で、ユニバーサルアナリティクスを対象にした試験でした。2023年にユニバーサルアナリティクスの計測が止まり、資格もGA4を扱う「Googleアナリティクス認定資格」へ置き換わっています。変わったのは名前だけではありません。出題される画面も、問われる用語も入れ替わりました。

呼び名だけが残っているのは、社内の資格一覧や求人票、数年前のブログ記事にこの4文字が書かれたままだからでしょう。つまり勉強方法の第一手は、教材を選ぶことではありません。手に取った教材がGA4を対象にしているかを判定する作業です。
※ 現在の認定資格の位置づけと受験窓口は、Googleアナリティクス ヘルプの認定資格の案内ページを参照しています。試験の運営はGoogleのスキルショップが担っています。

今のGoogleアナリティクス認定資格の条件
受験の条件は、GAIQの時代からいくつか変わりました。数字を先に押さえておくと、必要な勉強量が見積もれます。
項目 | 内容 |
|---|---|
受験費用 | 無料 |
出題数 | 50問 |
制限時間 | 75分 |
合格ライン | 正答率80%以上(40問以上の正解) |
出題形式 | 選択式(多くは四択) |
有効期限 | 合格から12か月 |
再受験 | 不合格から24時間後に可能・回数制限なし |
学習計画にいちばん効くのは、費用と再受験の条件でしょう。落ちても24時間あければ何度でも受け直せます。受験料が発生しないため、一発合格にこだわる理由がありません。公式コースに入る前に一度受けてしまい、間違えた領域から学習範囲を絞る進め方も取れます。
制限時間の75分は、1問あたり90秒の計算になります。設問は日本語訳が独特で、読み直すと時間を使います。迷った問題は選択肢をひとつ選んで先へ進み、余った時間で見直すほうが取りこぼしが減るはずです。
※ 出題数や制限時間は改定されることがあります。受験前に、試験開始画面に表示される条件を確認してください。
合格に必要な勉強時間の目安
必要な時間は、GA4の管理画面を触ったことがあるかどうかでほぼ決まります。用語を暗記するだけの試験ではなく、画面のどこに何があるかを問う設問が多いためでしょう。
- 日常的にGA4のレポートを開いているなら5時間から8時間ほど。公式コースを一周し、あいまいな用語を拾い直せば足ります
- ユニバーサルアナリティクスは触っていたがGA4は未経験なら10時間から15時間ほど。用語の対応関係を覚え直す分が上乗せされます
- アクセス解析そのものが初めてなら15時間から20時間ほど。画面を触る時間を別枠で確保してください
苦戦しやすいのは、意外にも2番目の層です。ユニバーサルアナリティクスの知識があると、セッションや目標といった言葉に既知の意味を当てはめてしまい、GA4での定義との差に気づきにくくなります。
※ 上記は弊社および支援先での受験実績にもとづく目安で、業務でGA4を触る頻度によって前後します。
学習にあてる10時間を、今の業務から切り出せますか
記事の企画と執筆に追われている担当者ほど、この10時間を確保しにくくなります。記事制作の工程を引き受け、担当者の時間を分析と改善の判断に回す形での支援を行っています。
GAIQの勉強方法として残る4つの手段
GA4を対象にした教材は、まだ数が限られています。現実的に選べるのは次の4つで、それぞれ担う役割が違います。
| 公式コース | デモアカウント | 練習問題 | 書籍 | |
|---|---|---|---|---|
| 出題範囲との一致 | ◎ | ○ | △ | △ |
| 情報の新しさ | ◎ | ◎ | △ | △ |
| 費用 | 無料 | 無料 | 無料が中心 | 2000円台 |
| 手を動かせるか | △ | ◎ | × | × |
| 学習時間の目安 | 5時間前後 | 3時間前後 | 2時間前後 | 4時間前後 |
出題範囲との一致と情報の新しさで、公式コースに並ぶものはありません。教材を増やすより公式コースを2周するほうが速いという判断は、多くの受験者に当てはまります。
公式のスキルショップのコースを受ける
スキルショップには、GA4の学習コースと認定試験の両方が置かれています。試験を作っている側が用意した教材のため、出題範囲とのずれがありません。一周に4時間から5時間ほどかかりますが、章末の確認問題が本番の設問と言い回しまで近く、飛ばさないほうが結果的に短く済みます。間違えた章に印を付ければ、2周目は30分ほどで終わるでしょう。

デモアカウントで実際の画面を触る
Googleは、誰でも利用できるデモアカウントを公開しています。実際に稼働しているストアのGA4プロパティが割り当てられるため、自社サイトのデータがなくても探索レポートを操作できます。
設問には「この数値を見るにはどのレポートを開くか」といった、画面の場所を問うものが混ざります。該当のレポートを一度でも開いておけば、似た名前が並んだときに、実在しない画面名を外せます。

練習問題や過去に出た設問を解く
Web上には、設問と解答を集めたページがいくつもあります。傾向をつかむ用途には使えますが、扱いには条件が付きます。
GAIQ時代の設問集がそのまま残っているページが多く、ビューやフィルタ、目標といった用語が並んでいれば今の試験には出ません。解答の正誤を確かめるのではなく、自分が知らない用語を洗い出す用途に限って使ってください。答えを丸ごと覚えて臨むと、言い回しが少し変わっただけで判断できなくなります。
書籍でGA4の全体像を補う
書籍は試験対策としては遠回りになりますが、GA4の設計思想をまとめて理解したい場合には向きます。イベントを軸に計測する考え方は、ページ単位で数える発想に慣れているほど飲み込みにくいためでしょう。試験のためだけに買う必要はないと見ています。
※ GA4の解説書は2000円台が中心です。版によって扱う画面が古いことがあるため、発行年を確認してから選んでください。
GAIQ時代の古い教材を見分ける3つの用語
ここが、勉強方法の話でいちばん実利のある部分だと考えています。発行年を確認する方法は誰でも思いつきますが、年が書かれていないページのほうが多いのが現実でしょう。そこで、本文に出てくる用語で判定します。ユニバーサルアナリティクスの用語が出る教材は外すという基準があれば、日付の記載がなくても数十秒で切り分けられます。

「ビュー」が出てくる
ユニバーサルアナリティクスには、プロパティの下に「ビュー」という階層がありました。GA4にこの階層はありません。ビューの作り方やビュー単位のフィルタ設定を扱う教材は、まるごと旧試験向けです。
「目標」の設定を説明している
ユニバーサルアナリティクスでは、到達ページや滞在時間を条件に「目標」を作りました。GA4では、計測されたイベントのなかから重要なものを選ぶ形に変わり、名称もキーイベントへ移っています。目標の種類を4つ暗記させる教材があれば、そこで読むのをやめて構いません。
「直帰率」を主要な指標として扱っている
直帰率はGA4にも存在しますが、定義が変わりました。ユニバーサルアナリティクスでは1ページだけ見て離脱した割合を指し、GA4ではエンゲージメントのなかったセッションの割合を示します。旧来の意味で説明する教材は、他の指標の解説も古いはずです。
実際の教材では、次のような記述として現れます。
- ビューの作成手順や、ビュー単位のフィルタ設定を解説している
- 目標の種類として、到達ページ、滞在時間、ページビュー数、イベントの4つを暗記させる
- コンバージョンという語だけでGA4の設定を説明している(現在はキーイベントという名称です)
- ユーザーエクスプローラやコホート分析を、探索レポートの外の機能として説明している
逆に、探索レポート、イベントパラメータ、キーイベント、エンゲージメント率といった語が並んでいれば、GA4を前提に書かれた教材と見てよいでしょう。
1週間で受験まで進める学習の組み方
学習時間の合計が10時間前後なら、1週間に分散させるのが現実的でしょう。まとまった時間を確保しようとすると、着手そのものが遅れます。
公式コースに入る前に受けてみてください。落ちても24時間後に再挑戦できます。どの領域で迷ったかが分かれば、学習範囲が絞れます。
章を飛ばさずに進め、1日目に迷った領域は確認問題を解き直して印を付けます。1日あたり2時間から3時間が目安です。
公式コースに出てきたレポートを実際に開きます。探索レポートで自由形式を作り、ディメンションと指標を入れ替えてみてください。
用語の定義を自分の言葉で言い換えられるか確かめ、言い換えられない語はGoogleアナリティクス ヘルプで引いてください。
まとまった75分を確保できる時間帯を選び、中断できない前提で通知を切って始めてください。

このうち省略できるのは4日目だけでしょう。すでに業務でGA4のレポートを開いている方なら、デモアカウントの代わりに自社のプロパティで同じ操作を試すほうが記憶に残ります。
覚えた用語が実務で残る学習のしかた
合格した数か月後に「エンゲージメント率とは何でしたか」と聞かれる場面は、実際によくあります。試験のためだけに覚えた定義は、使わなければ抜けていくものでしょう。
ここで効くのが、覚える対象を自社のレポートの数字に置き換えるという手順です。公式コースで用語が出てきたら、その場で自社のGA4を開き、同じ指標が今いくつなのかを見ます。定義の文章ではなく、自社のブログでは何パーセントかという実数とセットで覚えるわけです。
自社のGA4がまだ設定途中でも、この進め方はできるでしょうか。
編集部
データが数週間分しか溜まっていなくても構いません。指標の意味を確かめるだけなら、件数の多さは関係しないためです。むしろ、自社のプロパティで何が設定されていないかを学習中に把握できる点に価値があります。
学習の過程で、自社の計測の抜けが見つかることもあります。キーイベントが1件も設定されていない、社内からのアクセスが除外されていない、といった状態は珍しくありません。試験勉強を計測設定の点検と兼ねてしまえば、確保した10時間の使い道が二重になります。
学習中に見つけた設定の抜けは、その場で直さずメモに残してください。GA4の設定変更は過去のデータに遡らないものが多く、変更した日を境に数字の意味が変わります。学習を終えてからまとめて適用し、適用日を記録するほうが、あとの比較で困りません。
とりわけ見落とされがちなのが、資格を取ったあとに何を判断するかという点でしょう。指標の定義を覚えることと、下がった数字を前に「どのページから直すか」を決めることは、別の作業です。
GAIQの勉強方法についてよくある質問
学習の進め方について、相談を受けることが多い項目をまとめました。
ありません。ユニバーサルアナリティクスの計測停止に合わせて終了し、現在はGA4を対象にしたGoogleアナリティクス認定資格に置き換わっています。求人票や社内資料にGAIQと書かれている場合も、指しているのは現行の認定資格と考えて差し支えありません。
認定証に表示される名称をそのまま書くのが無難です。GAIQと略記すると、旧資格と現行資格のどちらを指すのかが読み手に伝わりません。有効期限が12か月のため、取得年月も併記してください。
できます。学習コースと試験がどちらも無料で公開されているため、有料の講座を使わずに進められます。
認定の状態が失効します。更新専用の別試験はなく、同じ試験を受け直せば、また12か月有効な認定を取得できます。
数字を読めるようになった次に、どのページから直すか決まっていますか
資格の学習で身につくのは、GA4の画面で何を見ればよいかという段階までです。流入が落ちたページを見つけたあと、書き直すのか、統合するのか、新しく作るのかという判断は別に必要になります。今のレポートと記事の状況をうかがい、着手する順番をお伝えします。
まとめ|GAIQの勉強は教材の対象を確かめてから
GAIQという名前の試験はすでに終わり、今受けるのはGA4を対象にしたGoogleアナリティクス認定資格です。勉強方法で遠回りする原因のほとんどは、この切り替わりを知らないまま古い教材に当たってしまうところにあります。ビュー、目標、旧来の意味の直帰率という3つの語を手がかりにすれば、教材の新旧は短い時間で見分けられるでしょう。
進め方としては、まず無料で一度受けて迷った領域を把握し、公式のスキルショップのコースを一周してから、デモアカウントか自社のプロパティで画面を触る順序をおすすめします。10時間前後を1週間に分散させれば、実務の合間でも受験まで届くはずです。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作と検索流入の設計を手がけています。GA4の数字を読めるようになったあと、どのページから手を入れるかで止まる場面は多く、その先の企画と記事づくりまで含めてご相談いただけます。








