ヒアリングシートを用意しようとして、まず他社のテンプレートを探す。ここまではごく自然な進め方でしょう。ただ、集めた項目をそのまま並べただけのシートは、二回目、三回目の商談を過ぎたあたりで使われなくなります。原因は質問の文言ではありません。聞いた答えの置き場所が決まっていないからです。
私たちは記事制作を請け負う立場で、クライアントの社内にしか存在しない情報を引き出すヒアリングを日常的に行っています。その現場で繰り返し確認できたのは、シートの精度を決めるのが項目の網羅性ではなく、回答が次の書類へ運ばれるかどうかだという点でした。
営業商談・採用面接・Web制作・記事制作という四つの用途について、そのまま写して使える項目例を掲載します。あわせて、拾ってきたテンプレートを自社の業務に合わせて削るときの判断基準まで整理しました。
- ヒアリングシートが機能する条件と、形だけで終わる原因
- 用途を問わず共通する六つの基本項目と、その回答の使い道
- 営業商談・採用面接・Web制作・記事制作それぞれの項目例
- 作成の六つの手順と、回答の精度を落とす作り方
- Excel・Word・Webフォーム・共有ドキュメントの選び分け
ヒアリングシートとは、次の判断に必要な情報を確定させる書類
ヒアリングシートは、相手から引き出したい情報をあらかじめ質問項目として並べておき、面談や商談の場で埋めていく書類を指します。ヒヤリングシート、ヒアリング用紙、ヒアリング表と呼ばれる場合もありますが、指しているものはいずれも同じです。
混同されやすいのがアンケートとの違いでしょう。アンケートは集計が目的で、母集団の傾向を出すために同じ設問を大勢へ配ります。一枚一枚の回答は、集計されて初めて意味を持つ。対してヒアリングシートは、一件の案件やひとりの候補者を前へ進めるための書類です。一枚の回答が、そのまま次の判断材料になります。
書類 | 主な目的 | 一枚あたりの扱い |
|---|---|---|
ヒアリングシート | 個別案件の判断材料を確定させる | 一枚がそのまま判断に使われる |
アンケート | 母集団の傾向を測る | 集計して初めて意味を持つ |
議事録 | 話された内容を時系列で残す | 記録が目的で、項目を事前に決めない |
ヒアリングシートは集計用ではなく、一件を前へ進めるための書類という位置づけは、項目設計に直結します。アンケートなら選択肢を統一して集計しやすくする発想が正しいものの、ヒアリングシートで選択肢を作り込みすぎると、相手固有の事情が近い選択肢に丸められてしまうのです。
「聞き漏れ防止」は役割の半分でしかない
ヒアリングシートの効用として真っ先に挙がるのは、聞き漏れの防止でしょう。担当者の経験年数に左右されず、誰が担当しても同じ水準の情報が集まる状態には、たしかに大きな価値があります。
ただ、実務でより効いてくるのはもう一つの役割のほうです。予算・納期・決裁者といった条件を、相手の目の前で文字にして確認した記録が残る。後になって条件の認識がずれたとき、シートに書かれた一行が話を戻す起点になります。特に予算と期日は、口頭のやり取りだけだと双方の記憶が都合よく食い違うため、書面に落としておく価値が大きい項目です。
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使われ続けるシートと、二回目で捨てられるシートの違い
冒頭で触れた「答えの置き場所」を、もう少し具体的に説明します。
ヒアリングは、それ単独では完結しません。営業なら提案書と見積書、Web制作なら要件定義書とサイトマップ、採用なら評価シート、記事制作なら構成案。ヒアリングの後には必ず、聞いた内容を書き写す先の書類があります。
そこで、テンプレートを自社用に直すとき、各項目の横に「この回答はどの書類のどの欄に入るか」を一行ずつ書き足してみてください。書けない項目が必ず出てきます。回答の転記先を言えない項目は、聞いても使われません。会話のとっかかりとして残す判断はあってよいものの、必須項目から外したほうが、回答者の負荷は確実に下がります。

逆から見ると、テンプレートの選び方も変わってきます。項目数が多いものが良いテンプレートなのではなく、自社が普段使っている提案書や要件定義書の構成に近いものほど、手直しが少なく済む。探すときの基準を「網羅性」から「自社の書類との近さ」へ置き換えると、選定にかかる時間も短くなります。
項目を増やすほど聞き漏れは減るのではないですか。うちは営業ごとに聞く内容がばらつくので、思いつく限り並べたシートを配りました。
編集部
項目を増やすと聞き漏れは減りますが、同時に「埋めるための質問」も増えます。回答者は同じ集中力を項目数で割ることになるため、序盤の数問だけ具体的で、後半は一言で終わる回答が並びやすくなります。ばらつきを消したいのであれば、項目を増やすより、後工程で必ず使う項目だけを必須にして、残りを任意欄へ落とすほうが効きます。
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用途を問わず共通する六つの基本項目
どの用途のヒアリングシートも、骨格は六つのブロックに分けられます。まずこの並びを基本形にして、用途ごとの項目を足していくと設計が早く進みます。
ブロック | 質問例 | 回答の使い道 |
|---|---|---|
1. 相手の基本情報 | 会社名、部署、役職、同席者、連絡手段 | 提案書の宛名、送付先、次回の招集範囲 |
2. 現状(事実) | 今はどのように進めているか。担当は何人か。使っている道具は何か | 課題の裏取り、比較対象の特定 |
3. 課題と困り具合 | 何が起きているか。困っている度合いを言葉にすると | 提案の主題、優先順位づけ |
4. 期待する状態 | いつまでに、何が、どうなっていればよいか | ゴール設定、成果指標 |
5. 制約 | 予算の目安、期日、動ける人数、使えない手段 | 見積もりと工程表 |
6. 決め方 | 決裁者、検討中の他社、決定の期限 | 次回アクション、失注理由の予測 |
2と3、3と4は、必ず別の欄に分けてください。現状を聞かずに課題だけ聞くと、相手の主観がそのまま課題として記録されます。また、課題と期待する状態をひとつの欄にまとめると、「今困っていること」と「本当はこうしたい」が混ざり、提案の焦点が定まりません。
課題と期待する状態は、必ず別の欄に分けて聞く。この一点を守るだけで、提案書の書き出しが決めやすくなります。
項目数の目安についても触れておきます。口頭で埋めるシートなら15問から20問前後、時間に直すと30分から45分の面談で埋めきれる分量です。事前に書いてもらう形式では、10問を超えたあたりから記入率が落ちる印象があります。数を決めてから項目を選ぶと優先順位を考えざるを得なくなるため、先に上限を決めてしまう進め方をおすすめします。
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用途別のヒアリングシート項目例
ここからは用途別に、そのまま写して使える項目例を並べます。すべてを採用する必要はありません。前章の六ブロックのどこに対応するかを確認しながら、自社の後工程に転記できるものだけを残してください。
営業商談のヒアリングシート
項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
現在の進め方 | 今この業務は、どなたが、どの手順で進めていますか |
発生している支障 | その進め方で、直近三か月に起きた困りごとはありますか |
影響範囲 | 支障が出ると、どの部署の誰まで影響しますか |
過去の対策 | 過去に試した方法と、やめた理由を教えてください |
期待する状態 | 半年後、何がどうなっていれば成功と言えますか |
予算 | 検討中の予算の幅は、どのあたりでしょうか |
導入時期 | いつまでに動き出したい事情がありますか |
決裁の流れ | 最終決裁はどなたで、どのような資料が必要ですか |
比較検討 | ほかに検討されている方法や会社はありますか |
上位に出てくるテンプレートで抜けやすいのが「過去に試した方法と、やめた理由」です。ここを押さえておくと、相手が一度否定した方法を提案してしまう事故を避けられます。導入検討が長引いている相手ほど、過去の失敗が判断基準になっているため、聞く価値は高いといえるでしょう。
採用面接のヒアリングシート
項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
応募の経緯 | 何をきっかけに当社を知りましたか |
現職での役割 | 直近一年で、ご自身が主に担当した業務は何ですか |
具体的な成果 | 数字や状態で説明できる変化があれば教えてください |
判断した場面 | 判断に迷った場面と、選んだ理由を教えてください |
転職理由 | 現職では実現しにくいと感じていることは何ですか |
希望条件 | 勤務地、勤務形態、入社時期の希望を教えてください |
逆質問 | 当社について確認しておきたいことはありますか |
評価メモ | 面接官の判断(事実と所感を列で分けて記入) |
採用面接のシートでは、候補者が答える欄と面接官が書く欄を、罫線ではっきり分けます。評価メモを同じ流れに置くと、面接中に候補者から見えてしまう事故が起こりやすい。あわせて、聞き取った事実と面接官の所感は列を分けてください。混ぜて書かれた記録は、複数名で評価を突き合わせる段階で使えなくなります。
Web制作・システム開発のヒアリングシート
項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
制作の背景 | 今回作り直そうと考えたきっかけは何ですか |
サイトの役割 | このサイトで最も増やしたい行動は何ですか |
想定する読み手 | 誰に見てほしいサイトですか。職種や立場で言うと |
現状の数値 | 現在のアクセス数や問い合わせ件数はわかりますか |
必要な機能 | 問い合わせ、予約、決済、会員機能の要否 |
参考サイト | 良いと思うサイトと、その理由を教えてください |
素材の状況 | 写真、ロゴ、原稿は誰が用意しますか |
運用体制 | 公開後、どなたがどの頻度で更新しますか |
サーバー・ドメイン | 現在の契約先と管理者はどなたですか |
予算と公開希望日 | 予算の幅と、その時期に公開したい事情 |
参考サイトは「良いと思うサイト」だけでなく、必ず理由を書いてもらう欄をつけます。理由がないまま参考サイトだけ集まると、配色を指しているのか情報量を指しているのかが判別できず、デザイン提出後の手戻りにつながるためです。素材の担当者と公開後の更新担当も、この段階で名前まで確定させてください。ここが曖昧なまま進んだ案件は、公開直前で止まります。
記事制作・コンテンツ取材のヒアリングシート
項目 | 聞き方の例 |
|---|---|
記事の目的 | 読んだ人に取ってほしい行動は何ですか |
読者像 | 想定読者が抱えている悩みを一文で言うと |
社内にしかない情報 | 実績、数値、手順、失敗談で出せるものはありますか |
表現の禁止事項 | 書けない内容や、業界特有の表現規制はありますか |
参照できる一次資料 | 社内資料、調査データ、既存の顧客の声 |
監修と確認の担当 | 原稿を確認するのはどなたで、何営業日かかりますか |
公開後の運用 | 誰がどの頻度で更新しますか |
記事制作のヒアリングでは、三つ目の「社内にしかない情報」に時間の半分を使います。検索上位に並ぶ内容を要約しただけの記事は、読み手にも検索エンジンにも新しい情報を渡せません。一方で、実際に扱った案件の数値や、やってみて失敗した手順は、その会社からしか出てきません。ここを引き出せるかどうかで、完成した記事の説得力は大きく変わります。
社内にしかない情報が、記事のかたちにならないままなら
ヒアリングまでは進んでも、集めた材料を記事へ組み直す工程で止まる例は少なくありません。合同会社Writers-hubでは、取材の設計から構成、執筆、公開後の改稿までを制作体制ごとお引き受けしています。すでにお手元にある材料を見せていただくところから始められます。
ヒアリングシートの作り方(六つの手順)
拾ってきたテンプレートを自社用に組み直す手順を整理します。ゼロから作る場合も、流れは同じです。
「この案件を受注するか判断する」「概算の見積もりを出す」のように、シートを埋め終えた直後に何をするかまで書き出します。使い道が決まっていない項目は、この段階で落ちます。
提案書、要件定義書、評価シートなど、回答を書き写す先のフォーマットを先に用意します。転記先の欄が、そのまま質問項目の候補になります。
思いつく質問をいったん全部並べたうえで、同じことを聞いている項目と、後工程で使わない項目を消します。増やす作業と減らす作業は、必ず別の日に分けて行ってください。
事実を確認する項目は選択式や記入式、背景や意図を聞く項目は自由記述にします。全部を自由記述にすると読み比べができず、全部を選択式にすると個別の事情が拾えません。
答えやすい事実から入り、評価や意見を挟み、まだ決まっていない条件を後半に置きます。冒頭に予算を置くと、以降の回答が守りに入ります。
いきなり全案件へ配らず、二件ほど実際の商談で使います。埋まらなかった欄と、書きながら聞き直した箇所が、そのまま改訂の対象です。
五番目に挙げた順番は、思っている以上に回答内容を左右します。人は最初に答えた内容と辻褄を合わせようとするため、序盤に置いた質問が後半の回答を縛るのです。予算や決裁者のように相手が身構える項目を先に置くと、その後に続く課題の説明まで慎重になり、本音が出にくくなります。

回答の精度を落とす作り方
シートそのものが原因で、回答の質が下がる場合があります。現場でよく見かける形を挙げておきます。
- 一つの設問で二つ聞く(「現在の課題と今後の方針を教えてください」)
- 選択肢を作り込みすぎて、当てはまらない相手が近い選択肢を選ぶ
- 事前記入シートに「なぜ」を入れ、書く手が止まって空欄で返ってくる
- 社内でしか通じない略語や専門用語を、そのまま設問に使う
- 空欄をすべて同じ扱いで放置する
- その場は走り書きだけ残し、面談後に記憶で埋め直す
後半の二つは見落とされやすい部類でしょう。特に空欄には少なくとも三種類あり、それぞれ次に取るべき動きが違います。
「まだ決まっていない(未定)」「答えたくない、社外に出せない(非公開)」「聞き忘れた(漏れ)」は、同じ空欄でも意味が正反対です。未定なら決まる時期を確認する、非公開なら代わりに聞ける情報を探す、漏れなら次回に回す。シート上に記号欄を一つ設けて三つを区別しておくと、面談後のアクションが自動的に決まります。
空欄は未定・非公開・聞き漏れの三つに分けて記録する。埋まった欄より、埋まらなかった欄のほうが情報量は多いという場面が、実務では頻繁にあります。
事前に書いてもらう欄と、その場で聞く欄を分ける
一枚のシートで全部をまかなおうとすると、たいてい破綻します。事前記入と対面ヒアリングでは、相手が答えられる内容の性質そのものが違うためです。
- 会社名、担当者、人数、契約先など調べれば分かる事実
- 既存の数値(アクセス数、件数、単価)
- 希望する時期と、社外に出せる予算の幅
- 選択式で答えられる要否の確認
- 課題が生まれた背景と経緯
- 過去に試して、やめた理由
- 社内で意見が割れている論点
- 決裁の実態(最終判断は誰か)
事前記入シートに「なぜそう考えたのですか」と書いても、多くの場合は空欄で返ってきます。背景を文章で書く作業には時間がかかり、業務の合間に埋めてもらう前提と噛み合わないからです。逆に、調べれば分かる事実を面談中に聞くと、その場で確認する時間が発生し、限られた面談時間を削ります。二枚に分けるだけで、面談で扱える論点の数は増やせます。

Excel・Word・Webフォーム・共有ドキュメントの選び分け
形式で迷ったときの判断軸はひとつです。回答を書き込むのが相手なのか、自社の担当者なのか。相手が自分で入力するならWebフォーム、担当者が聞きながら埋めるならExcelや共有ドキュメントのほうが速く動けます。
| Excel | Word | Webフォーム | 共有ドキュメント | |
|---|---|---|---|---|
| 相手に事前記入してもらう | △ | △ | ◎ | ○ |
| 担当者が聞きながら埋める | ◎ | ○ | × | ◎ |
| 複数名で同時に見る | △ | × | ○ | ◎ |
| 過去案件を横断して探す | ○ | × | ◎ | ◎ |
| 印刷して持参する | ○ | ◎ | × | △ |
| 項目の追加や変更のしやすさ | ◎ | ○ | △ | ◎ |
表の「共有ドキュメント」は、社内で共同編集できるオンラインの文書やデータベースを指しています。印刷を前提とする場面が残っている業種ではWordの評価が上がるため、自社の実情に合わせて読み替えてください。
形式を決めるうえで見落とされがちなのが、蓄積のしやすさでしょう。個々のシートは一件ごとに完結しますが、二十件、三十件と溜まると、案件の傾向が見えてきます。予算を先に開示する相手とそうでない相手で受注率が違う、といった発見が出てくることもあるでしょう。ファイル単位で保存すると横断して読めないため、蓄積まで見据えるなら一行一案件の表形式か、共有ドキュメント上のデータベースへ寄せておくのが現実的です。
フレームワークは見出しではなく点検表として使う
ヒアリングの解説では、SPINやBANTといったフレームワークが必ず登場します。有用な考え方ではあるものの、使い方を取り違えたシートをよく見かけます。フレームワークの頭文字を、そのまま設問の見出しに並べてしまう形です。
BANTの四項目を見出しにしたシートを相手に見せると、予算・決裁・必要性・導入時期を順番に確認されている構図がそのまま伝わります。営業側の都合で並んだ設問だと分かるため、回答は慎重になる。フレームワークは、シートを作り終えた後の点検に使うほうが合っています。完成した項目を並べ、抜けている観点がないかを照らし合わせる用途です。
- SPIN(状況・問題・示唆・解決)/課題を相手自身の言葉で語ってもらう設問が入っているか
- BANT(予算・決裁・必要性・導入時期)/商談を次へ進める条件が揃っているか
- 4W2H(誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように)/事実確認の項目に抜けがないか
- 3C(顧客・競合・自社)/相手を取り巻く外部環境を聞く項目があるか
※ SPINは、ニール・ラッカム氏が著書『SPIN Selling』で提唱した質問の枠組みです。
個人情報の扱いと、シートの改訂
ヒアリングシートには、担当者の氏名や連絡先、採用面接であれば経歴といった個人情報が入ります。取得した目的の範囲を超えて使わないこと、保管場所とアクセス権限を決めておくことは、シートを配る前に整理しておく必要があります。共有ドライブに置きっぱなしにした結果、異動した担当者のアカウントからも読める状態が残っている例は珍しくありません。

改訂については、運用の型を一つだけお伝えします。案件が一件終わるたびに、「聞いておけばよかった項目」を一つ足す。ただし、足したら使っていない項目を一つ削る。この上限つきの改訂を回すと、項目数が増え続ける事態を避けながら、シートが実務に寄っていきます。項目を増やす提案は誰でも出せますが、削る判断は仕組みにしておかないと誰も出しません。
削る項目をどう選べばいいのか迷います。どれも聞いておきたい気がして。
編集部
直近十件のシートを開いて、その欄が埋まっていた件数を数えてみてください。半分以上が空欄なら、その項目は聞かれていないか、聞いても答えが返っていません。埋まってはいるものの、提案書に一度も転記されていない項目も、同じく削除の候補です。勘に頼らず実際のシートで数えるほうが、判断は早く決まります。
ヒアリングシートについてよくある質問
対面で埋める場合は15問から20問前後、事前に記入してもらう場合は10問以内が目安です。項目数そのものより、確保できる面談時間に対して現実的かどうかで判断してください。30分の面談で20問を超えると、後半の回答が短くなりがちです。
出発点として使う分には問題ありません。ただし、自社の提案書や要件定義書に転記できない項目が必ず混ざっているため、一度は全項目の転記先を確認し、不要な項目を削ってから配ってください。
記入形式にこだわらず、こちらが聞きながら埋める運用へ切り替えます。シートは相手に書かせるための道具ではなく、聞く側が漏れなく確認するための道具です。面談後に埋めた内容を共有し、認識のずれがないか確認すれば役割は果たせます。
相手が自分で入力するならWebフォーム、担当者が聞きながら埋めるならExcelが向いています。両方の場面があるなら、事前記入用のフォームと面談用のシートを分けて用意するのが現実的でしょう。
呼び方の違いで、指しているものはほぼ同じです。取材や調査の文脈ではインタビューシート、営業や制作の文脈ではヒアリングシートと呼ばれやすい、という程度の使い分けです。
まとめ
ヒアリングシートのテンプレートは、探せばいくらでも見つかります。差がつくのは、拾ってきた項目を自社の後工程に合わせて削れるかどうかでしょう。
回答の転記先を言えない項目は外す。課題と期待する状態は分けて聞く。空欄は三種類に分けて記録する。事前記入と対面で聞く内容を分ける。案件が終わるたびに一つ足して、一つ削る。ここまで回せば、シートは配った初日より確実に実務へ近づいていきます。項目は足すより削るほうが、回答の精度は上がります。
最後に、記事制作の現場から一点だけ付け加えます。ヒアリングで引き出した内容のうち最も価値が高いのは、その会社の中にしか存在しない数値や手順、失敗の経緯です。検索すれば分かる情報は、シートに書き取っても提案書にも記事にも独自性を与えません。項目を設計するときは「この質問への答えは、検索して出てくるか」を一度自問してみてください。出てこない答えを引き出す項目こそ、残すべき項目です。
ヒアリングで集めた材料が、社内に置かれたままなら
合同会社Writers-hubは、クライアントの社内にしかない情報を引き出す取材の設計から、SEO記事の執筆、公開後の改稿までを請け負っています。すでにヒアリング済みの材料がお手元にあるなら、そこから記事の企画に落とし込む工程だけでもお手伝いできます。








