「インタビュー記事 テンプレート」で検索すると、出てくるものが大きく2種類に分かれることに気づいたはずです。ひとつは誌面やページの見た目を決めるデザインの型紙、もうひとつは書き方を解説した記事。取材を終えて原稿の形が見えずに探している方が求めているのは、たいてい後者でしょう。
ところが書き方の解説を読んでも、「では自分の手元にある発言を、どの順で並べればよいのか」という問いは残ります。ここでつまずく原因ははっきりしています。先に決めるべきなのは質問ではなく記事の形式だからです。Q&A形式なのか、一人称なのか、三人称なのか。形式が定まらないまま書き始めた原稿は、途中で語り手が入れ替わり、読み返したときに違和感の正体がつかめなくなります。
本記事では、企業のオウンドメディアや採用サイトの取材記事を手がけてきた立場から、形式別の構成テンプレート、リード文とまとめの型、見出しの切り出し方、写真とレイアウトの目安までを順に整理しました。コピーしてそのまま使える雛形も置いています。
- デザインの型紙と構成の型、自分がどちらを探すべきかの見分け方
- Q&A・一人称・三人称、3形式それぞれで変わる記事の骨格
- コピーして使えるインタビュー記事の構成雛形
- リード文を組み立てる4つの部品と、まとめに書くこと
- 発言から見出しを切り出す手順、写真枚数とレイアウトの目安
インタビュー記事のテンプレートには2つの種類がある
テンプレートという言葉は、この分野で2つの意味に使われています。ひとつは誌面やWebページの見た目を決めるデザインの型紙。もうひとつは、記事の中身をどの順で並べるかを決める構成の型です。探しているものが違えば、参考にすべき情報も変わってきます。
| デザインの型紙 | 構成の型 | |
|---|---|---|
| 手に入るもの | ページのレイアウトと写真の配置 | 見出しの並びと各ブロックに書く内容 |
| 向く用途 | 社内報、広報誌、印刷物、スライド | Webメディア、オウンドメディア、採用サイト |
| 必要になる作業 | 画像の差し替えと文字量の調整 | 取材素材の取捨選択と見出しの言語化 |
| 差が出るところ | 見た目の完成度 | 最後まで読まれるかどうか |
| 使い回した時の弊害 | 号を重ねると誌面が単調になる | 見出しの言葉まで型のままになる |
紙媒体の社内報や広報誌であれば、型紙から入るほうが早く進みます。ページの寸法と写真の位置が先に決まり、そこへ収まる文字数から逆算して原稿を書けるためです。
一方でWeb記事の場合、レイアウトはCMSのテンプレートで大部分が決まっており、書き手が動かせる余地はほとんど残っていません。Web記事で結果を分けるのは、見た目ではなく構成のほうになります。本記事で扱うのは、後者の構成の型です。
無料のデザインテンプレートを探している場合は、デザイン作成ツールや印刷会社が用途別の型紙を配布しています。ただし型紙に文字を流し込む前に、構成の型で原稿の骨格を固めておいてください。文字量が合わずに書き直す手戻りが減ります。
関連記事:SEO記事の品質基準を統一する方法|制作体制の最適化とチェックリスト活用術
形式を決めると、記事の骨格が決まる
インタビュー記事の形式は、大きく3つに分かれます。話し手と聞き手のやりとりをそのまま見せるQ&A形式、話し手の一人称で語らせるモノローグ形式、書き手が第三者の視点から描くルポ形式(三人称形式)です。
同じ取材素材から出発しても、選ぶ形式によって完成する記事は別物になります。形式を決めずに書き始めると語り手が入れ替わるという失敗は、原稿の中盤あたりで表面化しがちです。

| Q&A形式 | 一人称(モノローグ)形式 | 三人称(ルポ)形式 | |
|---|---|---|---|
| 誌面の見え方 | 質問と回答が交互に並ぶ | 話し手が続けて語る | 書き手が場面ごと描写する |
| 執筆の難度 | ◎ 低い | ○ 中程度 | △ 高い |
| 必要な取材素材 | ◎ 発言がそのまま使える | ○ 語りの流れを組み直す | △ 発言以外の観察も要る |
| 向く用途 | 採用、導入事例、対談 | 社員紹介、経営者の考え | 現場ルポ、特集 |
| 相手の言葉の残り方 | ◎ ほぼそのまま | ○ 整えたうえで残る | △ 要約されやすい |
| 1本あたりの制作時間 | 短い | 中程度 | 長い |
初めてインタビュー記事を作る場合や、本数を増やしていきたい場合は、Q&A形式から入るのが現実的でしょう。発言をそのまま活かせるため執筆の負荷が軽く、担当者が交代しても品質が揺れにくいという利点もあります。
Q&A形式の骨格
導入部で話し手を紹介し、そのあとは質問と回答を交互に並べていきます。質問文がそのまま小見出しになるため、見出しの言葉を考える工程を省けるのが特徴です。
注意したいのは、取材の流れをそのまま並べただけの原稿になりやすい点でしょう。当日の会話は行き来しますから、記事にする段階で質問の順番を並べ替え、読者にとって分かりやすい流れへ組み直す必要があります。
一人称(モノローグ)形式の骨格
質問文を消し、話し手が語り続ける形にまとめます。人柄や考え方を前面に出したいときに向いており、社員紹介や経営者のインタビューでよく使われる形です。
書き手の作業は、発言の順番を組み替えて語りとしてつながるようにするところにあります。取材では別々に出てきた話を、時系列や論点でまとめ直す。ここで発言の意味を変えてしまわないよう、原稿確認の工程を必ず挟んでください。
三人称(ルポ)形式の骨格
書き手が観察者として、場面や表情を描きながら話を進めます。発言は引用として本文に差し込む形です。第三者の視点が入るため、事実として読まれやすいのが利点になります。
ただし、発言以外の素材が要ります。取材時の様子、机の上にあったもの、話し始めるまでの間。こうした観察を取材中にメモしていないと、原稿を書く段になって描写する材料が足りません。三人称で書くと決めたなら、取材の持ち物と記録の取り方から変える必要があります。
形式は取材前に決めておくのが原則ですが、取材後に変更したくなる場面はあります。判断の基準は素材の量です。相手が具体的な場面を豊かに語ったなら一人称が活き、事実の受け答えが中心だったならQ&Aのほうが読みやすくなります。変更するなら、原稿を書き始める前に決め切ってください。
関連記事:外注ライターへのフィードバックシートの作り方——修正コストを半減させるテンプレ
そのまま使えるインタビュー記事の構成テンプレート
ここまでの内容を、実際の原稿の形に落とし込みます。Q&A形式を基本に、一人称や三人称でも流用できる並びにしました。
【インタビュー記事の構成テンプレート】
■ タイトル
{肩書き・所属}+{記事で扱う一点}
取材相手の名前だけを置かない。何が読めるかを入れる
■ リード文(200〜300字)
1. 誰の話か(所属・役職・担当業務)
2. なぜこの人に聞いたのか
3. この記事で何が読めるか
4. 読み終えたあと読者が持ち帰れること
■ 話し手のプロフィール枠
氏名/役職の正式表記/担当業務/略歴を2行程度
本文に長い経歴説明を混ぜず、枠として独立させる
■ 見出し1 前提の話
Q(質問文がそのまま小見出しになる)
A(回答)
補足段落(読者が知らない前提を書き手が補う)
■ 見出し2 きっかけの話
Q / A
写真1枚目(人物の全身または作業風景)
■ 見出し3 判断の理由と具体の話
Q / A
引用ブロック(記事でいちばん残したい一言)
■ 見出し4 これからの話と読者へのひとこと
Q / A
写真2枚目(表情が分かるもの)
■ まとめ
取材から分かったことを2〜3文
読者に取ってほしい次の行動
■ 記事末の情報
取材日/撮影者/会社概要や関連ページへのリンクこの雛形で肝になるのは、見出し1から見出し4までの並びです。前提、きっかけ、判断、これから。この順番は、読者が話を理解していく順序に沿っています。取材当日の会話がどんな順で進んだとしても、原稿ではこの並びへ組み替えてください。

そして、全部を埋めるのではなく要らない項目を削って使うのが正しい使い方になります。プロフィール枠が要らない企画もあれば、写真を1枚しか用意できない場合もあるでしょう。項目を残したまま中身の薄い文章で埋めると、どの記事も同じ形の量産物に見えてしまいます。
取材から原稿までを任せられる先をお探しですか
構成テンプレートがあっても、企画ごとに組み直し、取材に同席し、原稿へまとめる工程は残ります。本数を増やしたいのに社内の手が足りない場合は、企画から執筆までを外部に預ける方法もあります。合同会社Writers-hubでは、取材を伴う記事の制作を体制ごと支援しています。
関連記事:WordPressの記事入稿マニュアルの作り方——新人でも迷わないSOP設計
リード文とまとめ、記事の両端を先に固める
インタビュー記事で読者の離脱がいちばん起きるのは、冒頭です。本文がどれだけ良くても、リード文で「自分に関係のある話だ」と判断されなければ、その先は読まれません。
リード文は4つの部品でできている
リード文を感覚で書こうとすると、毎回時間がかかります。部品に分けて考えると、埋める作業に変わります。
所属、役職、担当業務。ここは事実だけを短く書いてください。長い経歴はプロフィール枠に回します。
読者の関心と、この人が話せることの接点を示します。「同じ課題を抱える担当者に向けて」「未経験から転職を考えている方に向けて」といった形で、読者の側から書くのがコツです。
記事の中身を1文で予告します。目次を言い換えただけの文にならないよう、いちばん具体的な話をひとつ挙げてください。
読者にとっての利得を書きます。判断材料が増えるのか、手順が分かるのか、応募を決める材料になるのか。ここが書けない企画は、取材の目的自体を見直したほうがよいかもしれません。
書き出しの一文には、いくつかのパターンがあります。取材時の場面から入る描写型、印象的な発言から入る引用型、読者の悩みから入る課題提示型の3つです。採用サイトなら課題提示型、社外向けの読み物なら描写型や引用型が合いやすい傾向があります。
リード文は取材が終わってから書けばよいと思っていました。先に書いておく意味はあるのでしょうか。
編集部
仮のリード文を取材前に書いておくと、当日に何を取りに行くべきかがはっきりします。4つの部品のうち、3つ目と4つ目が埋まらないなら、その企画はまだ読者が定まっていない状態です。取材後に本番のリード文へ書き直す前提で、仮の形を作っておくことをおすすめします。
まとめは要約ではなく、次の行動へつなぐ場所
記事末尾のまとめで、本文の内容をもう一度なぞる書き方をよく見かけます。ただ、そこまで読んだ読者は内容を覚えているはずです。まとめに置くべきなのは、取材から分かったことと、読者が次に取れる行動になります。
用途別に、まとめで書く内容は変わります。採用向けなら募集要項や説明会への案内、導入事例なら資料請求や相談への導線、読み物なら関連する別記事への案内。いずれの場合も、まとめに新しい情報を足さないという点は共通します。本文で触れていない話を最後に持ち出すと、記事の主題がぼやけてしまうためです。
見出しは要約せず、発言から切り出す
インタビュー記事の見出しは、記事の質がいちばん見えやすい部分です。「入社のきっかけ」「今後の目標」といった項目名を並べた見出しは、どの会社の記事にも当てはまってしまいます。
- 入社のきっかけについて
- 仕事のやりがい
- 今後の目標
- 学生へのメッセージ
- 導入の背景
これらが悪いのは、読者が見出しを読んでも中身を想像できない点にあります。目次だけを見て「この記事は読む価値がありそうだ」と判断してもらうには、見出しに具体を入れる必要があるでしょう。
手順としては、まず取材の文字起こしから印象に残った発言を10個ほど抜き出します。次に、それぞれの発言を短く言い切りの形へ整える。「最初の3か月は、毎日ひとつ質問を持って帰っていました」といった発言が見出しになると、その下の本文を読みたくなります。
Q&A形式の場合は質問文が小見出しになりますが、質問文をそのまま置くと単調になりがちです。核心の見出しだけは発言から切り出した言葉に差し替える、という運用も現場ではよく使われています。見出しの前半4文字か5文字に、具体的な言葉を置くと一覧で目を引きやすくなります。
写真とレイアウトを当てる
Web記事の場合、レイアウトの自由度は限られています。それでも、写真の枚数と置き場所は書き手が決められる部分です。

記事の分量 | 写真の枚数 | 置き場所 |
|---|---|---|
2,000字前後 | 2枚から3枚 | アイキャッチ、記事中盤 |
3,000字から5,000字 | 3枚から5枚 | アイキャッチ、見出し2つおき |
5,000字以上 | 5枚以上 | アイキャッチ、各見出しの区切り |
※ 上記は取材記事の制作現場で使っている目安であり、公的な統計にもとづく数値ではありません。写真の質や記事の性格によって前後します。
写真は撮った順に並べるものではありません。その見出しで語られている内容に合う一枚を選ぶのが原則です。仕事の話をしている箇所には作業風景、考え方の話をしている箇所には表情が分かる一枚。合う写真がない場合は、無理に入れず文字だけで進めるほうが読みやすくなります。
紙媒体の場合は考え方が変わります。社内報や広報誌では、先にレイアウトを決めてから原稿の文字数を確定させる進め方が一般的です。写真の点数と大きさが決まれば入る文字数も決まるため、取材の前にページ構成を固めておくと、原稿を削る作業が発生しません。
テンプレートを使うと崩れやすい箇所
構成の型を導入すると制作は速くなりますが、代わりに起きる問題もあります。
- 見出しの言葉が型のままで、記事ごとの違いが出ていないか
- 話し手が違うのに、リード文の言い回しが前回とほぼ同じになっていないか
- 発言を整えすぎて、話し方の癖まで消えていないか
- 項目を埋めるために、取材で聞いていない内容を推測で書いていないか
- 掲載してよい範囲を確認しないまま、数値や固有名詞を残していないか
とくに3つ目は、原稿の善し悪しを大きく左右するところです。読みやすさのために整文は必要ですが、整えすぎた原稿は誰が話しても同じ文章になります。言いよどみや独特の言い回しを残すかどうかは、記事の目的から判断してください。採用サイトの社員インタビューであれば、多少くだけた言い方を残したほうが人柄が伝わるでしょう。
インタビュー記事の価値は、取材でしか得られない情報を含んでいる点にあります。検索エンジン側も、独自の情報や一次的な取材にもとづく内容を評価の観点として挙げています。テンプレートは作業を速くする道具であって、中身を作る道具ではありません。

※ 出典: Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
毎回テンプレートを使っていると、記事が似てくるのは避けられないのでしょうか。
編集部
似てくるのは構成ではなく、見出しとリード文の言葉です。骨格はむしろ揃っているほうが読者は読みやすい。差をつけるべきなのは、取材で引き出した具体的な話と、そこから切り出した見出しの言葉になります。テンプレートを使いながら、その2箇所だけは毎回ゼロから考えるという運用が現実的です。
原稿確認を相手に依頼する際は、掲載してよい範囲を明示したうえで送ってください。数値、社名、個人名、役職表記。この4点は取材時に口頭で了承を得ていても、公開前に文面で確認を取っておくほうが安全です。確認の往復が増えると公開日が後ろへずれていきます。
社内で書ける体制にしたいと考えていませんか
構成テンプレートは、一度作れば担当者が変わっても使えます。ただし社内の手順として定着させるには、最初の数本を一緒に回して判断基準をそろえる過程が必要です。Writers-hubの内製化支援では、構成設計から取材の同席、原稿レビューまで伴走し、外部に頼らず回せる状態づくりをお手伝いしています。
インタビュー記事のテンプレートに関するよくある質問
制作の相談でよく挙がる疑問をまとめました。
構成の型に著作権上の問題は生じにくいと考えてよいでしょう。ただしデザインの型紙については、配布元の利用規約で商用利用の可否や改変の範囲が定められています。社内報や広報誌など印刷物で使う場合は、必ず配布元の規約を確認してください。
用途によって変わります。採用サイトの社員インタビューであれば2,000字前後で読み切れる分量が扱いやすく、導入事例やオウンドメディアの読み物であれば3,000字から5,000字程度が一般的な幅です。分量を先に決めてから構成テンプレートの見出し数を調整すると、書きながら削る作業が減ります。
1本の記事の中で混在させるのは避けてください。読者が語り手を見失います。ただし、記事の前半をQ&Aで進め、最後の1ブロックだけ本人のメッセージを一人称で置く、といった明確に区切った使い分けであれば成立します。区切りが分かる見出しやデザイン上の変化を添えてください。
リード文で予告した内容に関係するかどうかで判断します。面白い話でも、その記事の主題から外れていれば別記事の素材として保管しておく。1本の記事に複数の主題を詰め込むと、読者はどれも覚えないまま読み終えてしまいます。
意味が変わらない範囲での整文は必要です。「えー」「あの」といった言いよどみ、重複した言い回し、話し言葉特有の助詞の欠落は整えます。一方で語尾の癖や独特の言い回しは、人柄が伝わる部分なので残す判断もあります。整えた原稿は必ず本人に確認してもらってください。
構成の考え方は同じですが、ページの寸法が先にある点が異なります。紙面では入る文字数が物理的に決まるため、見出しの数を先に確定させてから取材内容を割り当てる進め方になります。写真の点数と大きさも、取材前に決めておいてください。
まとめ
インタビュー記事のテンプレートは、見た目を決める型紙と、中身の並びを決める構成の型に分かれます。Web記事で成果を左右するのは後者です。そして構成を決める前に、Q&Aか一人称か三人称かという形式を選んでおく必要があります。
構成テンプレートは、前提、きっかけ、判断、これからの順で見出しを並べ、リード文には4つの部品を入れ、まとめでは次の行動へつなぐ。この骨格を持っておけば、初めて扱う題材でも記事の形は再現できます。一方で、見出しの言葉とリード文だけは毎回ゼロから考えてください。型で埋めた見出しが並んだ瞬間に、記事は誰の話でもなくなります。
合同会社Writers-hubでは、企業のオウンドメディアや採用サイトの取材記事を、企画設計から取材、執筆、原稿確認の進行まで一貫して支援しています。テンプレートを使っても本数が伸びない、担当者によって仕上がりが揺れるといった課題があれば、現状の進め方を伺ったうえで、どの工程を仕組みにできるかからご提案します。
次の1本から、記事の設計を相談してみませんか
本記事の構成テンプレートはそのままお使いいただけますが、企画ごとの組み直しには手間がかかります。今回の取材で何を取りに行くべきか、構成のどこを削るべきか。無料の相談枠で、実際の企画を見ながら整理するところから始められます。








