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採用サイトの社員インタビューの作り方|誰を何人載せるかの決め方と記事の構成

採用サイトの社員インタビューで応募が動くかどうかは、文章のうまさより、誰を何人載せるかを募集職種と求める人物像に対応させたかで決まります。求職者が応募前に確認したい疑問を先に洗い出し、その答えを語れる社員から選ぶ順番にすると、質問リストも自然に決まります。退職したときに記事をどう扱うかは、公開前に本人と取り決めておいてください。

オフィスの窓際で行われている社員インタビューの様子を少し離れた位置から捉えた構図。椅子に座って話す社員と、ノートを取りながら聞き手を務める担当者、三脚に載ったカメラが写り込んでいる。

「いろいろな社員に登場してもらえば、会社の雰囲気は伝わるはず」。社員インタビューは雰囲気を伝えるコンテンツだと解説され、人選についても「多様な社員を選ぶ」という助言が広く語られてきたため、そう考えている採用担当者は多いでしょう。ただ、この考え方のままでは、取材の日が近づいてから予定の空いていた社員へ声をかけることになり、どの会社にも当てはまる話が並んだ記事ができあがります。

しかし、企業の採用サイトの記事制作を請け負ってきた弊社の立場から言えるのは、応募が動くかどうかは取材や執筆に取りかかる前の段階で決まるということです。載せる本数の下限を募集職種の数に置き、そこへ入社年次の軸を掛け合わせて配置を埋めると、人選が「今なら誰が出られるか」の話になりません。求職者が応募前に確かめたい事柄を先に並べ、それを語れる社員から選ぶ順番にすれば、何を聞くかも決まっていきます。

本記事では、募集要項との役割分担と人選の決め方から、記事に入れる要素の並べ方、質問の組み立て、退職したときの扱いまで、社員インタビューの制作を支援してきた立場で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • 社員インタビューが募集要項や仕事紹介ページと分担している役割
  • 何本・どの職種の社員を載せるかを、採用計画から決める考え方
  • 1本の記事に入れる要素と、読む側の知りたい順に並べ替える方法
  • 応募をためらう理由から質問を逆算する手順と、記事に載せない情報
  • 退職者の記事の扱いや更新サイクルなど、公開後に必要になる取り決め

採用サイトの社員インタビューは、応募をためらう理由を外していくページ

社員インタビューを「会社の雰囲気を伝えるコンテンツ」と説明する解説は多いのですが、この定義のままでは作るときの判断に使えません。雰囲気が伝わったかどうかは、あとから確かめようがないためです。

実務に寄せて言い換えると、社員インタビューは求人票では書けない情報を、名前と顔のある人が語る面です。給与や勤務地、応募資格は募集要項に書けます。一方で、入社してからの数か月をどう過ごすのか、上司との距離はどのくらいか、繁忙期に何が起きるのかは、条件表に収まりません。求職者が応募を止めるのは、たいてい条件ではなく、この収まらない部分が想像できないときです。

経営者経営者

社員インタビューは何本か公開しているのですが、応募が増えた実感がありません。書き方の問題でしょうか。

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編集部

文章より先に、載せている人と聞いている内容を見直してください。募集職種と、記事に登場する社員の職種がずれていると、求職者は自分の話として読めません。求人ページを見てから応募するまでのあいだに何を確認したがっているかを洗い出し、その答えを語れる社員へ人選を組み直すと、同じ書き方でも読まれ方が変わります。

募集要項や仕事紹介ページとの役割分担を先に決める

採用サイトには複数のページがあり、それぞれ答えられる問いが違います。分担を決めないまま作ると、仕事紹介ページとインタビューの内容が重なり、どちらも中途半端に終わります。

💡
  • 募集要項……応募資格、給与、勤務地、選考の流れ
  • 仕事紹介……職種ごとの業務内容と、1年目に任される範囲
  • 社員インタビュー……個人の判断と実感。なぜその選択をしたのか
  • 数字で見る……平均年次、中途入社比率、有給取得率といった事実の裏づけ

インタビューのなかで業務内容を丁寧に説明し直すと、仕事紹介ページの劣化版になってしまいます。インタビューが引き受けるのは事実ではなく判断の部分。「なぜこの会社を選んだのか」「迷ったときに何を基準にしたのか」という、本人にしか語れない領域へ絞ると、他のページと衝突しません。

関連記事:SEO記事の品質基準を統一する方法|制作体制の最適化とチェックリスト活用術

何本・どの職種の社員を載せるかは、求める人物像の分布から決める

人選については「多様な社員を選ぶ」という助言が広く出回っていますが、多様さの基準が示されないため、実際には選べません。基準になるのは採用計画そのものです。

載せる本数の下限は、募集職種の数と同じと考えてください。営業と技術と管理部門を募集していて、インタビューが営業職の2本だけなら、技術職を志望する求職者は判断材料を見つけられないまま離脱します。裏を返せば、募集していない職種の記事を増やしても、応募数にはほとんど反映されません。

募集職種と年次でインタビュー掲載社員を配置するマトリクス図

そのうえで、職種の軸へ年次の軸を掛け合わせます。入社1年目から3年目の社員は「入社の決め手」と「最初につまずいた場面」を語れる立場、5年目以降は「任される範囲の変化」と「キャリアの広がり」を語れる立場。新卒採用が中心なら前者を厚く、中途採用が中心なら後者を厚くする配分が基本の形になります。

人選で外しやすい4つの型

  • 話がうまい社員を優先し、求職者と経歴の離れた人ばかりが並ぶ
  • 表彰されるような成果を出した社員に偏り、平均的な働き方が見えない
  • 広報や人事の社員が多く、現場の仕事内容が語られない
  • 全員が本社勤務で、配属先が複数あることが伝わらない

どれも記事単体で読めば悪くありません。問題が出るのは一覧に並べたときです。求職者は自分に近い人を探して読むため、平均から遠い人ばかりが並ぶと「これはうちの話ではない」と受け取られます。取材相手を決める会議では、一人ずつの是非を議論するより、候補を一覧の形に並べた状態で眺めたほうが判断を誤りにくいでしょう。

関連記事:インタビュー記事のテンプレート|形式別の構成と見出しの作り方

1本のインタビューに入れる要素と、並べる順番

構成を聞いた順番のまま起こすと、ほぼ確実に読みにくくなります。取材は現在の仕事から入って過去へさかのぼるほうが話しやすい流れですが、読む側が知りたい順番は別だからです。

1
STEP
冒頭で、この人が誰で何を語る記事かを示す

所属、職種、入社年、前職の有無までを2行程度で置きます。ここが曖昧だと、求職者は自分に関係のある記事かどうかを判断できず、先を読みません。

2
STEP
入社前と、入社を決めた理由

他社と比較した内容まで踏み込めると、求職者が自分の検討状況に重ねられます。「社風がよかった」で止めず、何を見てそう感じたのかを一段掘ります。

3
STEP
現在の仕事と、任されている範囲

担当業務の一覧ではなく、判断を任されている範囲を書きます。誰に相談し、どこから自分で決めるのか。裁量の実態はここで伝わります。

4
STEP
つまずいた場面と、その後

慣れるまでにかかった期間や、最初の失敗と対処。求職者が入社後をいちばん具体的に想像する箇所です。

5
STEP
1日または1週間の流れ

時刻と行動を並べます。在宅勤務やフレックスの実際の使われ方も、ここで見せたほうが制度説明より伝わります。

6
STEP
これから応募する人への言葉

求める人物像に近い読者へ向けた一言で締めます。全員に向けた激励にすると、印象が薄れます。

6つの要素をすべて入れる必要はありません。中途採用向けであれば1日の流れを省いて任される範囲を厚くする、新卒採用向けであれば入社前の部分を長めに取る。読者に合わせて分量を動かすと、同じ型でも印象が変わります。

取材で聞く順番と記事に並べる順番の違いを示した対比図

良い面だけを書いた記事は、最後まで読まれない

大変さを書いた記事のほうが、最後まで読まれます。理由は単純で、良い話だけが並ぶ記事は求職者が広告として処理してしまい、読み進める理由が消えるためです。

とはいえ、公開する記事に会社の弱点を並べるわけにもいきません。実務では、掲載しても差し支えのない「大変さ」の型がいくつかあります。慣れるまでにかかった期間、繁忙期の時期と業務量、最初に任された仕事での失敗、覚える必要があった知識の量。いずれも本人が越えてきた事実として書けるため、社内の確認も通りやすい部類です。

取材と執筆に手が回らないまま、撮影日だけが近づいていませんか

人選の設計から質問リストの作成、取材当日の進行、原稿確認までを一つの流れとしてお引き受けします。すでに公開している記事がある場合は、次の一本で何を変えるかの整理からご一緒します。

関連記事:インタビュー台本の作り方|質問の並べ方・時間配分・当日の使い方

質問は、応募をためらう理由から逆算して組み立てる

質問リストを「聞きたいこと」から書き始めると、どの会社でも似た内容に落ち着きます。順番を逆にして、求職者が応募前に確認したがっている事柄を先に並べ、そこから質問へ変換していきます。

  • 独り立ちするまでにどのくらいの期間がかかるのか
  • 未経験や異業種からの入社者がどの程度いるのか
  • 残業や休日出勤が発生する時期はいつなのか
  • 評価や昇給が何によって決まるのか
  • 異動や転勤の可能性がどの程度あるのか

並べる項目は、説明会や面接で実際に出た質問から拾うのが最短です。人事の手元にある想定問答が、そのまま取材の設計図になります。「独り立ちまでの期間」という疑問であれば、「入社してから、一人で任せてもらえるようになったのはいつ頃でしたか」という具体的な質問へ置き換える。この変換を一問ずつ行うと、当たり障りのない質問が自然に減ります。

採用の場面では、尋ねる内容そのものに配慮が必要です。本籍地、家族の職業や収入、住宅状況、思想信条、支持政党などは、採用選考で把握すること自体が適切でないとされています。インタビュー記事は選考ではないものの、掲載された内容は求職者から見れば会社の姿勢そのものです。

家族構成や出身地を記事に載せる場合は、本人の同意に加えて、その情報が記事に必要である理由を確認してください。「親近感が出るから」という理由だけで載せると、読み手によっては採否の基準だと受け取られます。

公正な採用選考の基本
🌐 www.mhlw.go.jp
外部リンク

※ 出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」

写真と一覧ページの見え方で、読まれる本数が変わる

記事の質を上げても、一覧ページで選ばれなければ読まれません。採用サイトの社員インタビューは、まず一覧のサムネイルとキャッチコピーで比較され、そこから1本か2本だけ開かれる。この読まれ方を前提に設計すると、手を入れる場所が変わります。

社員インタビュー一覧ページのサムネイル配置とキャッチコピーの構成図

サムネイルは、全員分を同じ条件で撮ると一覧の見栄えが揃います。背景、明るさ、寄りの度合い、服装の系統。別々の日に撮った写真を寄せ集めると、並べた瞬間に統一感が失われ、更新が止まっているサイトという印象を与えかねません。

一覧に添えるキャッチコピーには、記事タイトルをそのまま使わないほうがよいでしょう。「入社3年目、未経験から設計を担当」のように職種と年次が入っていれば、求職者は自分に近い記事を選べます。本人の発言を引用する形式は印象に残る反面、誰の話かが分からず素通りされることがあります。

撮影について「スマートフォンは避ける」という助言が定番になっていますが、理由まで説明されることは多くありません。実際に差が出るのは画素数ではなく、背景のぼけ具合と光の当たり方です。オフィスの蛍光灯だけで撮ると顔に影が落ち、背景の書類や配線までくっきり写ってしまう。照明を一灯足して背景を整理するだけでも、仕上がりはかなり変わります。

顔写真の公開に抵抗がある社員への対応も、依頼の段階で決めておくと進行が止まりません。後ろ姿、手元の写真、イニシャル表記といった選択肢をあらかじめ用意し、取材を打診するときに提示しておく。断りにくさから承諾させる形になると、公開後の掲載取り下げにつながります。

公開後の更新ルールと、退職したときの扱いを先に決める

採用サイトの社員インタビューは、公開して完了する種類のコンテンツではありません。登場した社員が退職したり異動したりすれば、記事の内容と現状がずれていきます。ここを決めていない企業は多く、退職の連絡を受けてから対応を検討し始めることになります。

退職時の記事の扱いは、公開前に本人と決めておきます。掲載を続けるのか、非公開にするのか、名前を伏せて残すのか。取材の依頼書か同意書に一項目として入れておけば、退職後に連絡を取り直す手間がかかりません。異動した場合に所属表記だけ差し替えるのか、当時の所属として残すのかも、同じ場面で決められます。

更新のサイクルは、採用計画に合わせると迷いが減ります。新卒採用であれば、広報解禁の時期までに、その年に伝えたい職種の記事が揃っている状態を目標にする。中途採用は募集職種が変わるたびに追加する形が現実的で、年に何本という本数目標より、募集中の職種を空欄にしないという基準のほうが運用しやすいはずです。

効果を確かめるとき、ページビューだけを見ても判断できません。GA4であれば、応募フォームの送信をキーイベントとして計測したうえで、探索レポートの経路データ探索を終点から逆方向にたどると、応募の直前に見られていたページが分かります。特定のインタビュー記事が応募の手前に頻出していれば、その職種や年次の記事を足す判断につながります。

もう一つ、社内向けの効果も記録しておくと予算の説明がしやすくなります。取材を受けた社員が自分の記事を家族や友人へ共有した、内定者が入社前に読んで質問を持ってきた、といった反応は数字に出ません。人事の手元にメモとして残しておけば、翌年の稟議で使えます。

毎年更新し続ける体制まで見据えるなら

外注で立ち上げた社員インタビューを、翌年以降は社内で追加していきたいという相談を多くいただきます。質問設計と執筆の手順を型として残し、担当者が交代しても同じ品質で作れる状態まで伴走します。

内製と外注の分け方は、続けられるかどうかで決める

社員インタビューを社内で作るか外に出すかは、一本目の費用ではなく、続けられるかどうかで判断したほうが後悔が少なくなります。人事の担当者が本業の合間に取材と執筆を抱えると、公開が半年単位で遅れる例は珍しくありません。

すべて社内で作る取材と執筆を外部に任せる撮影から一括で制作会社に任せる
費用の抑えやすさ
公開までの速さ
社内事情の反映しやすさ
記事の品質の安定
担当者交代への強さ
写真まで含めた統一感

すべて社内で作る形は、費用と社内事情の反映では有利な反面、担当者の書く力と使える時間に品質が左右されます。人事担当者は聞き手としては優秀でも、聞いた話を読ませる文章へ組み替える作業は別の技能です。取材と執筆だけを外へ出す形にすると、人選と質問設計は社内に残しながら、公開までの速さと品質の安定を確保できます。撮影から一括で任せる形は費用が上がる代わりに、一覧ページの統一感まで含めて仕上がるため、採用サイトを新設または刷新する年に向いています。

採用サイトの社員インタビューについてよくある質問

制作を進めるなかで、担当者からくり返し受ける質問をまとめました。

社員インタビューは何本くらいから始めればよいですか

募集職種の数を下限にしてください。3職種を募集しているなら3本が最低ラインで、新卒採用を行う場合は入社1年目から3年目の社員を1本以上入れておくと、学生が判断材料を見つけやすくなります。

取材と撮影にはどのくらいの時間が必要ですか

撮影を含めて1人あたり60分から90分が目安です。話を聞く時間を40分前後にして、残りを写真撮影と雑談に充てる配分にすると、表情の硬さが取れた写真を撮りやすくなります。

社員が取材を嫌がる場合はどうすればよいですか

質問リストを事前に渡し、答えたくない項目は飛ばしてよいと伝えたうえで打診してください。それでも難しければ、無理に依頼せず別の社員へ切り替えます。断りにくい空気で受けてもらった取材は、当日の話も硬くなりがちです。

記事は本人に確認してもらうべきですか

必要です。確認の依頼は「事実の誤りと、公開してよい範囲の二点をご確認ください」と範囲を指定して出します。範囲を示さずに送ると表現の好みまで赤字が入り、往復が増えます。

動画のインタビューも用意したほうがよいですか

記事が揃ってからで構いません。動画は雰囲気や話し方が伝わる一方、求職者が探している情報へたどり着くまでに時間がかかります。記事で検索から拾い、動画で温度を伝える組み合わせが現実的です。

まとめ

採用サイトの社員インタビューは、求人票に収まらない部分を、名前と顔のある社員が語る面として設計します。誰を何人載せるかを決めた時点で、記事の半分は決まっています。募集職種の数を本数の下限に置き、年次の軸を掛け合わせて配置を埋める。その順番で進めれば、人選の議論が感覚の話になりません。

記事の中身は、聞いた順ではなく読む側の知りたい順に組み替えます。入社の決め手、現在の仕事、つまずいた場面、1日の流れ。大変さを含めて書いたほうが最後まで読まれるという点は、公開前の社内確認で削られやすい部分なので、なぜ必要なのかを説明できる状態にしておいてください。そして公開後の更新ルールと退職時の扱いは、取材の依頼段階で決めておく。ここまで含めて設計したものが、翌年も使える採用サイトのコンテンツになります。

合同会社Writers-hubでは、社員インタビューの人選設計から取材、執筆、原稿確認までの制作支援を行っています。一本目の立ち上げでも、公開済みの記事の見直しでも、現状を伺うところから対応しています。

次の一本を、誰にどう聞くところから決めたい方へ

募集職種と求める人物像を伺い、必要な本数と人選の組み合わせを整理したうえで、取材と執筆をお引き受けします。すでに公開している記事の課題整理だけでも構いません。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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