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インタビューの企画書の書き方|必要な項目と例文、承諾率を上げるコツ

インタビューの企画書は、社内の稟議に出すものと取材先に送るものとで書く項目が変わります。取材先向けなら、相手が承諾を判断するのに要る情報、つまり所要時間・原稿確認の有無・謝礼・掲載後の使い道を先に書いておくと、やり取りの往復が減ります。初めて依頼する相手ほど、この4点の記載を優先してみてください。

A4一枚の取材企画書と質問案の別紙が机に並べられ、その脇にノートとペンが置かれている構図。落ち着いた配色で実務的な印象にする。

「取材を申し込みたいものの、企画書に何を書けばいいのか分からない」。広報やオウンドメディアの担当になって最初に手が止まるのが、この一枚ではないでしょうか。

インタビューの企画書に決まった書式はありません。ただ、書く項目にはほぼ共通した型があります。そして承諾されるかどうかを分けているのは、文章のうまさよりも、相手が受けるか断るかを決めるための材料が揃っているかどうかです。

本記事では、取材記事の制作を数多く手がけてきた立場から、企画書の2種類の使い分け、記載すべき項目、そのまま流用できる例文、承諾率に効く書き方までを解説します。「熱意を伝えましょう」で終わらせず、その熱意を紙の上でどう形にするかまで踏み込みました。

この記事でわかること
  • 社内提案用と取材先向け、2種類の企画書の違いと使い分け
  • 取材先に送る企画書に入れる11の項目と、優先度の付け方
  • A4一枚に収めた企画書の記載例(そのまま流用可)
  • 承諾率を左右する書き方と、企画書を送るタイミング
  • 謝礼・原稿確認・二次利用など、後で揉めやすい項目の書き方

インタビューの企画書は2種類ある

「インタビュー 企画書」で調べると、そのほとんどが取材先に送る依頼用の書き方として解説されています。ところが実務でこの言葉が指すものは2つあり、読む相手も書く内容も別物です。ここを取り違えたまま書き始めると、社内会議に取材先向けの挨拶文を出してしまったり、逆に取材先へ社内向けのKPIを送ってしまったりします。


社内提案用の企画書

取材先に送る企画書(取材依頼書)

読む人

上長、編集責任者、決裁者

取材候補者、広報窓口

判断すること

この企画に工数と予算をかけるか

この取材を受けるか

中心になる情報

狙う読者、想定成果、制作体制、費用

企画の趣旨、依頼理由、当日の負担、公開後の扱い

分量の目安

1〜2枚(体制や見積を含む)

A4一枚(質問案は別紙)

社内提案用は「やる価値があるか」に答える資料

社内で問われるのは費用対効果です。インタビュー記事は通常のコラムより単価が高く、日程調整、撮影、原稿確認と工程も増えます。企画が止まる理由の大半は「面白そうだけど、それ普通の記事じゃだめなの?」という一言でした。

つまり社内提案用の企画書で答えるべきは、インタビューでしか取れない情報は何かという一点です。当事者しか知らない判断の経緯、数字の裏側、失敗して方針を変えた瞬間。ここが一行で書けない企画は、提案の段階で組み直したほうが早く進みます。

取材先向けは「受けるかどうか」に答える資料

一方、取材候補者が知りたいことはまったく違います。どこに載るのか、何時間拘束されるのか、話した内容がどう扱われるのか、公開前に確認できるのか。企画の面白さは、これらが分かったあとに効いてくる要素だと考えたほうが実態に近いでしょう。

Web担当者Web担当者

企画書というと、企画の面白さを一生懸命プレゼンする書類だと思っていました。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

面白さを伝えるのは大事です。ただ取材先が最後に確認するのは、負担の大きさと公開後の扱われ方のほうなんです。そこが空欄だと社内に相談しようがなくて、返事が止まってしまいます。

社内提案用の企画書と取材先向けの企画書の違いを整理した図

以降は、検索して来られる方の多くが必要としている「取材先に送る企画書」を中心に解説します。

関連記事:SEO記事の品質基準を統一する方法|制作体制の最適化とチェックリスト活用術

取材先に送る企画書に書く11の項目

取材依頼書、取材趣意書と呼ばれることもありますが、中身に大きな差はありません。まずは入れるべき項目を並べます。

  • 挨拶と自己紹介(会社名・媒体名・氏名・立場)
  • 掲載メディアの概要(テーマ、読者層、規模、過去の掲載例)
  • 企画の趣旨とテーマ
  • なぜこの方に依頼するのか
  • 当日の質問の方向性(詳細は別紙)
  • 希望日時の候補と場所
  • 所要時間と当日の流れ
  • 取材チームの構成(誰が何人で伺うか)
  • 写真撮影の有無と撮り方
  • 謝礼の有無と金額
  • 原稿確認の有無、公開予定日、掲載後の使い道

全部を同じ熱量で書く必要はありません。初めて連絡する相手ほど、下の4つの項目の記載が返事の早さを左右します。

メディア概要は媒体名より「誰が読むか」

「弊社オウンドメディア○○にて」とだけ書かれた企画書は、相手からすると判断材料がありません。社名を知らない媒体であればなおさらです。読者がどんな職種・立場の人で、月にどのくらい読まれていて、過去にどんな人が登場したのか。この3点があると、相手は自分が登場したときの絵を想像できます。

過去の掲載記事のURLを1〜2本添えるのが最も早い説明になります。実績が少ない立ち上げ期であれば、無理に盛らず「今年開設したばかりで、○○業界の実務者に向けて発信しています」と正直に書くほうが信頼されるでしょう。

「なぜこの方に依頼するのか」が承諾を左右する

ここが企画書の心臓部にあたります。とはいえ「貴社の取り組みに感銘を受け」といった定型句では、誰に送っても成立する文面になってしまい、かえって逆効果です。

具体的にするコツは、相手が公開している情報を1つ名指しで引用することに尽きます。登壇されたセミナーのテーマ、自社サイトで公開されているリリース、書かれた記事の一節。「先日の○○という発表で触れられていた△△の判断について、詳しくお聞きしたい」という一文があるだけで、企画書は相手専用の文書になります。

所要時間と当日の流れは分単位で書く

「1時間程度」とだけ書かれた依頼は、相手の予定表に入れにくいものです。撮影があるならなおさらで、実際には準備と着替えを含めて2時間近く拘束することもあります。

💡

当日の流れは、10分刻みで書くと親切です。たとえば「14:00 ご挨拶/14:10 インタビュー開始/15:00 撮影(15分程度)/15:20 終了」のように示すと、相手は前後の予定を組みやすくなります。撮影の要否を書き忘れると、当日「聞いていない」となりやすい項目でもあります。

謝礼・原稿確認・二次利用は先に書く

後から揉めやすいのは、この3点にほぼ集約されます。謝礼を出さない場合も、書かないより「恐れ入りますが謝礼のご用意はございません」と明記したほうが親切です。相手が社内で申請を要するケースもあるためです。

原稿確認については、確認の有無だけでなく、いつ送っていつまでに戻してほしいかまで書きます。公開日の直前に初稿を送って修正時間がない、という進行は取材先との関係を確実に悪くします。

そして見落とされがちなのが、掲載後の使い道です。

記事を自社SNSで告知する、広告に使う、営業資料や会社案内に転載する。こうした二次利用の予定があるなら、企画書の段階で範囲を書いてください。「Web記事1本」の想定で受けた相手が、後から広告クリエイティブに顔写真を使われていると知ったときのトラブルは、謝礼の額とは比べものにならない負担になります。

関連記事:コンテンツブリーフの書き方——ライターが「何を書けばいいかわからない」をなくす

そのまま流用できるインタビュー企画書の記載例

ここまでの項目をA4一枚に収めた例です。角括弧の部分を自社の情報に置き換えて使えます。

A4一枚にまとめた取材企画書の項目配置図
TEXT
取材のご依頼(企画書)

[日付]
[取材先の会社名]
[部署名][お名前]様

株式会社[自社名]/[媒体名]編集部
担当:[氏名]
電話:[番号] メール:[アドレス]

■ ごあいさつ
突然のご連絡を失礼いたします。[媒体名]にて編集を担当しております[氏名]と申します。
このたび、[テーマ]をテーマとした企画にて、[お名前]様に取材のお願いをしたく
ご連絡を差し上げました。

■ 掲載メディアについて
媒体名:[媒体名](URL:[掲載先URL])
テーマ:[例|製造業の現場改善に関する実務情報]
読者層:[例|製造業の生産管理・品質管理の実務担当者]
規模 :[例|月間○万PV/メールマガジン登録○名]
掲載例:[過去記事のタイトルとURLを1〜2本]

■ 企画の趣旨
[例|属人化した検査工程をどう標準化したかを、判断の経緯とともに伝える企画です。
   同じ課題を抱える読者が、自社で試す順番を持ち帰れる記事を目指しています。]

■ ご依頼の理由
[例|先日公開された○○のリリースで触れられていた△△の進め方について、
   実際に判断された方から直接お聞きしたいと考えたためです。]

■ 取材内容(詳細は別紙の質問案をご参照ください)
・[聞きたいテーマ1]
・[聞きたいテーマ2]
・[聞きたいテーマ3]
※ 当日の流れによって、関連する内容を追加でお伺いする場合がございます。

■ 取材の概要
希望日時:[第1候補]/[第2候補]/[第3候補]
所要時間:60分(撮影を含む場合は計90分)
場  所:[貴社会議室をお借りできますと幸いです/オンライン(Zoom)]
当日体制:編集[氏名]、ライター[氏名]、カメラマン[氏名]の計3名
撮  影:あり(人物カット、作業風景。掲載可否は事前にご確認いただけます)
謝  礼:[金額/規定によりご用意がございません]

■ 公開までの流れ
取材実施 → 初稿を[取材日の○営業日後]にお送りします
→ [○営業日以内]にご確認・ご修正のご連絡をお願いいたします
→ 公開予定日:[日付]
掲載後の使用範囲:[例|自社Webサイトおよび公式SNSでの告知に使用します。
           広告・営業資料への転載は行いません。]

ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

質問案は同じ紙に詰め込まず、別紙に分けたほうが読みやすくなります。本文は要点だけにして、相手が上長に転送しやすい状態を作ることを優先してください。

関連記事:外注ライターへのフィードバックシートの作り方——修正コストを半減させるテンプレ

承諾率を上げる書き方は「熱意」の前にある

多くの解説記事が挙げる「熱意を伝える」「オリジナリティを出す」は正しい助言です。ただ、企画書が読まれずに止まる原因は、その手前にあることのほうが多いと感じています。

転送されても意味が通る一枚にする

企業への取材依頼で見落としがちなのが、受け取った人がその場で決められるとは限らないという点です。窓口の広報担当者は、社内の当事者と上長に企画書をそのまま転送します。

つまり企画書は、書き手を知らない第三者が単体で読んでも判断できる必要があります。「先日お電話でお伝えした件です」といった、やり取りの前提に寄りかかった書き方は避けてください。冒頭に媒体名と目的を明記し、メール本文を読んでいなくても中身が分かる状態にしておくと、社内で回った先で止まりにくくなります。

A4一枚に収め、質問案は別紙にする

分量の目安がA4一枚とされるのは、体裁の問題ではなく、相手が5分以内に読み切れる量だからです。判断に必要な情報は先ほどの11項目でほぼ足ります。それ以上は補足であり、別紙か添付資料に逃がすほうが読まれる確率は上がるでしょう。

質問はすべて出さず、方向性で示す

質問案の粒度は、実務で意見が割れるところです。細かく出しすぎると、相手が準備した回答を読み上げるだけの取材になり、その場でしか出てこない言葉が消えてしまいます。かといって何も示さないと、相手は準備のしようがなく不安になります。

現場での落としどころは、テーマ単位で5〜7個、当日の深掘りは断りを入れておくというやり方です。「以下は当日の話の流れによって順番や内容が変わる可能性があります」と一文添えておけば、想定外の質問が出ても失礼になりません。

送るタイミングと送り方

いきなり企画書を添付して送るか、まず短い打診を送るか。相手との関係によって使い分けます。

1
STEP
窓口を確認する

企業なら広報部門や問い合わせフォーム、個人なら公開されている連絡先を確認します。SNSのダイレクトメッセージは、公式に受け付けている場合を除いて避けるのが無難です。

2
STEP
短い打診を送る

初めての相手には、いきなりA4一枚を読ませるより、3〜4行で企画の趣旨と依頼理由を伝えます。ここで関心を持ってもらえた段階で企画書を送るほうが、丁寧に読まれます。

3
STEP
企画書と質問案を送る

返信をもらったら、企画書と別紙をあわせて送付します。日程候補は3つ以上、時間帯の幅も持たせておくと調整が1往復で済みます。

4
STEP
日程確定と事前共有

確定後、当日の流れと持ち物、撮影の有無を再送します。オンラインならURLの発行もこの段階です。

5
STEP
リマインドを送る

取材の前日または2営業日前に、日時と接続方法を短く再確認します。ここを省くと当日のすれ違いが起きます。

余裕を持って動くなら、最初の打診は取材希望日の2〜3週間前が目安です。決算期や繁忙期にあたる業界であれば、さらに前倒ししたほうが確実でしょう。

取材の打診から公開までの流れを示したフロー図

企画書を整えても、取材当日の進行や記事化まで含めると工数はまとまった量になります。社内に取材と執筆を回せる人がいない、あるいは他業務と兼務で回しきれないという状況であれば、企画設計から取材、記事化までを外部に委ねる選択肢もあります。

取材の企画から記事化まで、社内だけで回しきれていますか

企画書の作成、取材先との調整、当日の取材、原稿化と確認対応。Writers-hubでは、この一連の工程をまとめてお引き受けしています。既存の編集体制に足りない部分だけを補う形でもご相談いただけます。

企画書でつまずきやすいところ

最後に、実際に承諾が得られなかった企画書、あるいは取材後に関係がこじれた事例に共通していた書き方を挙げます。

  • 誰に送っても成立する定型文だけで、依頼理由が書かれていない
  • 所要時間が「1時間程度」としか書かれず、撮影の記載がない
  • 原稿確認の有無が書かれておらず、公開後に修正依頼が来る
  • 掲載後にSNS広告へ転用する予定を伝えていない
  • 質問案が20問以上あり、回答の丸暗記を招いている
  • 日程候補が1つしかなく、相手に調整の余地がない
  • 媒体の説明が社名と媒体名だけで、読者像が分からない

いずれも文章力の問題ではなく、記載の抜けです。逆にいえば、項目を埋めるだけで防げるものばかりだといえます。企画書のフォーマットを一度作って社内で使い回す価値は、この抜け漏れを構造的になくせる点にあります。

社内でフォーマットを共有するときは、記入例つきの版を用意してください。空欄のテンプレートだけを配ると、依頼理由の欄に「貴社の取り組みに感銘を受け」と書かれた企画書が量産されがちです。

インタビュー企画書についてよくある質問

企画書はWordとPDFのどちらで送るべきですか

PDFをおすすめします。レイアウトが崩れず、スマートフォンでも開けるためです。相手が編集して返す想定の書類ではないので、編集可能形式である必要はありません。ファイル名は「取材依頼書_媒体名_会社名_日付」のように、転送された先でも中身が分かる形にしておきます。

謝礼はどのくらいが相場ですか

媒体の性質や取材の目的、拘束時間によって幅があり、一律の相場を示すのは実態に合いません。企業への事例取材では謝礼なしが一般的である一方、専門家への解説依頼では発生するのが通例です。判断に迷う場合は、社内の過去実績を基準にするのが確実でしょう。

メールの本文と企画書で内容が重複してもよいですか

重複して構いません。むしろメール本文には、企画の趣旨と依頼理由、希望日時の3点を短くまとめておきます。添付を開かずに読める情報があるほど、初動の返信が早くなります。

断られた場合、別の方に同じ企画書を送ってもよいですか

依頼理由の部分は必ず書き換えてください。他の項目は流用できますが、「なぜこの方なのか」を使い回した企画書は読めば分かります。断られた理由が日程や社内事情であれば、時期を変えて再度打診する余地もあります。

オンライン取材でも企画書は必要ですか

必要です。むしろ対面より、当日の流れや録画の有無を明記する重要性が増します。録画・録音を行う場合はその旨と使用目的を企画書に書き、当日も改めて口頭で確認を取ってください。

まとめ

インタビューの企画書は、社内提案用と取材先向けで書く内容が変わります。取材先に送るものであれば、相手が承諾を判断するのに要る情報、つまり所要時間、原稿確認の有無、謝礼、掲載後の使い道の4点を埋めることが出発点になります。依頼理由と企画の趣旨は、その土台の上で効いてくる要素です。

そのうえでA4一枚に収め、質問案を別紙に分け、転送されても単体で読める状態にする。ここまで整えれば、あとは依頼理由に相手の固有名詞をどれだけ具体的に書けるかで差がつきます。文章を凝る前に、まず項目の抜けを潰してください。

合同会社Writers-hubでは、インタビューの企画設計から取材、記事化、原稿確認の進行までを一貫してお引き受けしています。企画書のフォーマット作りだけ、取材と執筆だけといった部分的なご相談も承ります。

取材企画を進めたいが、社内に回せる人がいない

どの工程から任せるべきか、内製と外注をどう分けるか。現在の体制と本数の想定をお聞かせいただければ、進め方の案をご提案します。相談のみでも構いません。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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