「うまいキャッチコピーさえ思いつけば、LPは書き上がる」。LPの原稿を任された方から、この前提でご相談をいただくことがよくあります。世に出回っているLPの見本集は、ファーストビューの大きな一文を並べて紹介する作りが多く、原稿づくりとは言葉を絞り出す作業なのだと受け取られやすいのでしょう。
しかし、記事やLPの原稿を数多く手がけてきた弊社の立場から言えるのは、手が止まる原因は文章力の側にほとんどないということです。書けずに困っている方の机の上には、たいてい商品の説明資料しか置かれていません。誰が何に困って問い合わせてきたのかという材料を持たないまま、頭の中だけで言葉を探している。それが実際に起きていることです。
本記事では、LPの文章が記事の文章とどこで違うのかというところから、書く順番、書き出す前に集める材料、原稿を自分で点検する観点、外注するときの分担までを、原稿を作る側の視点で順にお伝えします。
- LPの文章が記事の文章と違う3つの点と、そこから決まる書き方の前提
- ファーストビューのコピーを最後に書く理由と、デザインが先に決まっている場合の進め方
- 書き出す前に集めておく5つの材料と、社内での集め方
- 読者の疑問を並べ替えてボディコピーに変えていく手順
- 外注するときの分担と、依頼先ごとの費用の考え方
LPの文章が記事の文章と違う3つの点
LPも記事も、文章で読者を動かす点では変わりません。それでも原稿の作り方が変わるのは、読者がそのページにたどり着くまでの経路と、ページの外に用意されている逃げ道が違うからです。ここを踏まえずに記事の書き方を持ち込むと、情報は正しいのに何も起こらない原稿になります。
読者が自分の課題を言葉にしていない
検索から記事に来た読者は、自分で検索窓に言葉を打ち込んでいます。つまり、悩みをすでに言語化した状態で着地しています。
一方、広告からLPに来た読者は違います。SNSを見ている途中で広告が目に入り、なんとなく気になって押しただけという場合も多い。読者が持っているのは、広告で見た一文の記憶だけです。だからLPの冒頭では、まず「あなたはこういうことで困っていませんか」と課題の側を言葉にして差し出さなければなりません。記事なら省ける工程が、LPでは最初の仕事になります。
説明を他のページに預けられない
記事には関連記事があり、サービスページがあり、会社概要があります。詳しい説明はリンク先に置けます。
LPにはその通路がありません。ヘッダーのナビゲーションを外して作るのが一般的ですから、価格の考え方も、導入の流れも、解約の条件も、すべて1本のページに載せることになります。読者が疑問を持ったときにその場で答えが見つからなければ、確かめる手段は残されていません。
読み終わる前に判断が下される
記事は最後まで読まれてから評価されますが、LPは読んでいる途中で判断されます。3画面ぶんスクロールして自分に関係がないと感じられれば、そこで終わりです。
この差は、原稿の構成に直接効いてきます。
見る観点 | 記事の文章 | LPの文章 |
|---|---|---|
読者の状態 | 悩みを言語化している | 広告の一文しか持っていない |
情報の置き場所 | リンク先に分けられる | 1ページに収める |
判断のタイミング | 読み終わってから | 読んでいる途中で |
書き手が最初にやること | 検索の答えを出す | 読者の課題を言葉にする |
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LPの文章を組み立てるパートと役割
LPの原稿は、大きく3つのまとまりに分かれます。呼び方は会社によって多少変わりますが、担う役割はおおむね共通しています。それぞれが誰に向けて書かれているかを押さえておくと、書く分量の配分で迷いにくくなるでしょう。
パート | 位置 | 読者の状態 | このパートの仕事 |
|---|---|---|---|
ファーストコピー | ファーストビュー | 広告から着地した直後 | 続きを読む理由を作る |
ボディコピー | ページの本体 | 読み進めるか迷っている | 疑問に順番で答える |
クロージングコピー | 末尾の後押し部分 | 内容は理解した | 今動く理由を渡す |
分量の目安としては、ボディコピーが全体の7割前後を占めます。ファーストコピーは文字数こそ少ないものの、書き直す回数が最も多いパートでしょう。クロージングコピーは、価格や申込みの条件など、事実の確認に近い内容が中心になります。
3つのうち、社内のレビューで議論が集中しやすいのはファーストコピーです。目立つ場所にあり、誰でも意見を言えるためです。ただし、読者が離脱している位置を実際に調べると、多くの場合はボディコピーの中盤に集中しています。レビューの時間配分は、目立つ場所ではなく離脱している場所に合わせてください。
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ファーストビューのコピーを最後に書く理由
LPの解説記事の多くは、ファーストコピー、ボディコピー、クロージングコピーの順に説明を進めます。読む側にとっては分かりやすい並びですが、その順番は完成したページの並びであって、原稿を作る順番ではありません。
実務では逆から進めます。ファーストビューの一文は、本文を書き終えてから抜き出すほうが早く決まります。理由は単純で、ファーストコピーとは「この先を読むと何が分かるのか」を短く言い切った要約にほかなりません。先の中身が固まっていない段階で、その要約だけを先に作ることはできません。
先にコピーだけを作ると、もうひとつ困ったことが起きます。言葉が立派になるほど、本文でそれを裏づける材料が足りなくなるのです。「業界の常識を変える」と書いてしまえば、その後ろには常識が変わったと分かる事実を並べなければなりません。用意できなければ、読者はファーストビューと本文の落差を感じ取ります。

書き終えた本文を読み返すと、最も具体的に書けている一文が必ずどこかにあります。それを冒頭に持ち上げて磨くと、本文で証明できる範囲に収まった見出しになります。この作り方であれば、ファーストコピーだけを何日も考え続ける時間はいりません。
デザイン会社にワイヤーフレームを先に作ってもらっていて、ファーストビューの文字数の枠がもう決まっています。この場合も原稿は後ろから書くのでしょうか。
編集部
枠が先に決まっていても、埋める順番は変えなくて構いません。先に押さえておくのは、主見出しに何文字入るか、副見出しが何行入るかという入れ物の寸法だけです。中身の一文は、ボディコピーを書き終えたあとに本文から持ち上げて決めます。枠に合わせて言葉を先に作ると、本文で裏づけられない約束が入り込みやすくなります。
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書き出す前に集めておく5つの材料
原稿が進まないとき、足りていないのは表現の引き出しではありません。材料です。書けないのは文章力ではなく、材料が揃っていないからという場面が、実際にはほとんどを占めます。
集めるものは次の5つで足ります。特別な調査は必要なく、社内にすでにあるものばかりです。
- 実際に問い合わせた人、購入した人が最初に口にした言葉
- 検討をやめた人が挙げた理由と、そのとき比較していた相手
- 商品の条件のうち、数字や期間や範囲で言えるもの
- 第三者から見て確かめられる事実(導入数、資格、保有設備、返金や解約の条件)
- 広告側で使う予定の見出しと、配信する媒体
1つ目と2つ目は、営業担当やカスタマーサポートに15分ほど時間をもらえば集まります。「初回の商談で最初に聞かれることは何ですか」「断られたとき、理由として挙がるのは何ですか」。この2問への答えが、そのままボディコピーで扱う項目の候補になります。
3つ目が特に効きます。競合のLPを何本か見比べると、どこも同じ言葉で強みを語っていることに気づくはずです。「高品質」「安心」「手厚いサポート」。ここで自社だけが数字で言える条件を1つ持ち出せると、読者にとっての比較材料になります。対応時間、納品までの日数、対応できる範囲の広さ。抽象的な形容詞を並べるより、条件を1行書くほうが伝わります。
5つ目の広告の見出しは、原稿を書き始める前に必ず入手してください。広告で「資料を無料でダウンロード」と伝えているのに、LPの冒頭が「サービスのご紹介」から始まっていれば、読者は自分が押したものと違うページに来たと判断します。広告の運用担当が別部署や代理店の場合も、出稿予定の見出しの案を先に共有してもらうのが確実です。
材料が揃ったかどうかは、机の上に紙で並べてみると分かります。5つのうち2つ以上が埋まらないまま書き始めた原稿は、後半で必ず手が止まります。
材料は揃ったものの、原稿に組み立てる手が空かないとき
社内から材料を引き出すところまでは進んでも、それを読者が読む順番に並べ替えて文章にする作業は、通常業務と並行しては終わりません。合同会社Writers-hubがお引き受けしているのは、集めた材料を読み解き、どの疑問をどの順番で扱うかを設計したうえで本文まで書き上げる制作支援です。いま手元にある資料をお見せいただくところから始められます。
読者の疑問に順番で答えるボディコピーの作り方
ボディコピーは、商品説明を長くしたものではありません。読者が頭の中で順番に浮かべる疑問を、浮かぶ順に並べ替えて答えていく文章です。読者の疑問を、読む順番に並べ替える。この作業がボディコピーの中身そのものだと考えてください。
疑問の並びには、商材が変わってもおおむね共通する型があります。
自分に関係があるのか、何をしてくれるのか、本当なのか、他と何が違うのか、いくらなのか、申し込んだあと何が起きるのか、今決める理由はあるのか。この7つを起点に、集めた材料から出てきた実際の質問を足していきます。
順番を入れ替えるだけで読みやすさが変わります。価格の疑問は、その商品が自分向けだと分かる前に答えても意味を持ちません。逆に、比較検討が進んでいる読者向けのLPでは、価格を前に出したほうが早く進みます。
1つのセクションで2つの疑問に答えようとすると、どちらの答えもぼやけます。セクションの見出しは、その疑問に対する答えの要約にします。
「専任担当が付きます」は提供側の説明です。読者側に置き換えると「担当が変わるたびに一から事情を説明し直す手間がなくなります」になります。機能を書いたら、その右側に読者の生活や業務がどう変わるかを1行書き足す作業を挟んでください。
本文を隠し、見出しだけを上から読みます。それだけで話の筋が通っていれば、読み飛ばしながら進む読者にも内容が届きます。筋が通らなければ、順番かセクションの切り方に問題があります。
ステップ4は、ライティングの解説で「メリットではなくベネフィットを書く」と言われている部分です。言葉としてはよく知られていますが、実際の原稿では機能の説明のまま止まっていることが多い。理由は、書き手が商品に詳しくなるほど、機能そのものが価値に見えてくるからでしょう。

もうひとつ、実務で効く小さな工夫を挙げておきましょう。セクションの終わりに、次のセクションで扱う疑問を1行で予告しておく書き方です。「ここまでで内容はご理解いただけたかと思います。次に気になるのは費用でしょう」。縦に長いページでは、読者が読み進める理由を各所で作り直す必要があります。
書き上げた原稿を自分で点検する観点
初稿ができたら、書いた人自身で点検しましょう。読み返して直すのではなく、決まった観点で機械的に見ていくほうが確実です。文章の良し悪しを感覚で判断しようとすると、書き手は自分の原稿を甘く読みます。
まず、避けたい状態を挙げます。
- 主語が自社になっている文が全体の半分を超えている
- 「業界最安」「日本一」など、根拠を出せない表現が入っている
- 同じ内容を言葉を変えて2回以上書いている
- 見出しだけを拾うと話の筋が追えない
- 読者が抱く疑問のうち、価格か申込み後の流れのどちらかが抜けている
主語の点検は、実際にやってみると効果が分かります。「弊社は」「当社の製品は」で始まる文に印を付けていくと、原稿が誰の話をしているかが目に見えてきます。印が半分を超えていたら、そのLPは商品の説明ではなく会社案内に近いものになりかねません。
広告や販売ページの表示には法令上の制限があります。合理的な根拠のない「業界No.1」といった表示は景品表示法の優良誤認にあたる可能性があり、化粧品や健康食品では医薬品医療機器等法によって書ける効能の範囲が定められています。また、LPで直接申込みを受け付ける場合、最終確認の画面では申込みの内容とボタンを押すと申込みになることが分かる表示が特定商取引法で求められます。表現を詰める前に、対象となる法令の確認を法務担当や専門家と行ってください。
※ 通信販売の最終確認画面に関する表示義務は、消費者庁「特定商取引法ガイド」に説明が掲載されています。

点検が終わったら、社内の誰かに見出しだけを見せて、何のページか説明してもらってください。書いた本人以外が見出しだけで内容を言い当てられれば、構成は成立しています。言い当てられないなら、直すのは文章ではなく順番のほうです。
点検までは終わったが、書き直す時間が取れないとき
直すべき箇所が分かっても、セクションごとに本文を書き直す作業は片手間では進みません。弊社では、いまお持ちのLPの原稿と広告の見出しを並べて拝見し、読者の疑問がどこで置き去りになっているかを整理するところからご相談をお受けしています。原稿が途中の状態でも構いません。
LPライティングを外注するときの分担と費用
自社で書き切るのが難しいと判断した場合、外注が選択肢になります。ただ、丸ごと任せれば終わるという性質の仕事ではありません。外注先に渡すべきは指示ではなく材料です。前の章で挙げた5つが揃っていれば、どこに頼んでも仕上がりは安定します。
依頼先の性質は、おおまかに3つに分かれます。
| 社内で書く | フリーランス | 編集体制のある制作会社 | |
|---|---|---|---|
| 商品知識の深さ | ◎ | △ | ○ |
| 構成から設計できるか | △ | ○ | ◎ |
| 進行中の窓口の安定 | ◎ | △ | ◎ |
| 修正への対応 | ◎ | ○ | ◎ |
| 費用の抑えやすさ | ◎ | ◎ | △ |
| 材料集めの支援 | × | △ | ◎ |
社内で書けるなら、それが最も速い方法です。商品知識で外部に勝てる相手はいません。問題になるのは、書ける人が本業の合間に取り組むことになり、公開日が動き続ける点でしょう。
フリーランスへの依頼は、費用を抑えやすい方法です。相性の良い書き手に出会えれば、継続して頼めるでしょう。ただし、構成の設計から任せられる方は限られており、候補に当たる手間がかかります。制作会社は費用が上がるかわりに、ヒアリングから構成設計、修正対応までを一続きで引き受けます。
費用の見当も付けておきます。次の幅は、弊社が実務で見聞きしている範囲の目安です。
依頼の範囲 | 費用の目安 |
|---|---|
原稿の執筆のみ(構成は発注側が用意) | 数万円から20万円程度 |
ヒアリングと構成設計を含む原稿一式 | 20万円から50万円程度 |
デザインと実装を含むLP制作全体 | 30万円から100万円を超える場合もある |
※ 上記は商材の専門性、取材の有無、修正回数の上限、公開までの日数によって変動します。同じ範囲でも見積もりに差が出るため、金額だけでなく含まれる作業の内訳を並べて比べてください。

見積もりを比べるときに見ておきたいのは、単価より修正回数の扱いです。LPの原稿は、公開後に広告の反応を見ながら手を入れることになります。初稿の納品で契約が終わる形か、公開後の修正まで含む形か。この違いは、半年後にかかる費用に効いてきます。
どこまで自社で持ち、どこから任せるかを決めたいとき
外注の判断で迷いやすいのは、費用の大小より分担の線引きです。合同会社Writers-hubでは、社内にどんな材料が残っているかを確認したうえで、集める作業から任せるのか、材料は自社で用意して構成と執筆を任せるのかを一緒に決めるところから始めています。進め方の相談だけでもお声がけください。
まとめ|LPライティングは書き出す前の準備で決まる
LPの原稿で結果を分けるのは、言葉のうまさより、書き出す前に何を手元に集めたかという点です。問い合わせた人の言葉、検討をやめた理由、数字で言える条件、確かめられる事実、広告で使う見出し。この5つが揃えば、ボディコピーは読者の疑問を並べ替える作業として進められます。
ファーストビューのコピーは、本文を書き終えてから抜き出してください。先に作った立派な言葉は、本文で裏づけられずに浮きます。書き終えたら、主語が自社になっている文の数と、見出しだけで筋が通るかを点検する。ここまでを社内でやり切れば、外注する場合でも渡す材料が整います。
私たち合同会社Writers-hubは、記事コンテンツの制作を軸に、読者が納得する順番で文章を組み立てる仕事をしています。LPの原稿についても、材料を引き出すヒアリングから構成の設計、本文の執筆までをお引き受けしています。書き始めたものの途中で止まっている原稿がありましたら、その状態のままご相談ください。
作れます。必要なのは表現力より、社内にある材料を集めて順番に並べる作業です。問い合わせで実際に聞かれることと、検討をやめた人の理由を書き出すところから始めれば、扱うべき項目は自然に決まります。表現の精度は、公開後に広告の反応を見ながら直していけば間に合います。
主見出しは一息で読み切れる長さに収めます。目安として20字前後から30字程度で、それを超える場合は副見出しに分けてください。長さそのものより、本文で裏づけられる内容に収まっているかどうかを先に確認します。
決まった目安はありません。読者が浮かべる疑問の数で決まるため、比較検討の長い商材ほど長くなります。文字数を先に決めて埋めると、答えるべき疑問が抜けたまま分量だけ増えます。疑問を書き出してから、それぞれに答える分量を積み上げてください。
変わります。記事LPは広告色を抑えた読み物の形を取り、通常のLPへ進んでもらうことを目的とします。そのため冒頭で商品を出さず、読者の関心事から書き始めます。ただし、疑問を並べ替えて答えるという組み立て方そのものは共通です。
商品の条件を数字で書いたもの、問い合わせや失注の記録、広告で使う予定の見出しの3点です。この3点があれば、初回の打ち合わせから構成の話に入れます。逆にこれらがないまま依頼すると、ヒアリングの回数が増え、期間も費用も膨らみます。








