「SEOはオワコン」という言葉を、ここ最近また何度も見かけるようになりました。AIによる概要(AI Overview)が検索結果の上に居座り、ChatGPTのような対話型AIで調べ物が済んでしまう。青いリンクを開かなくても答えが手に入るなら、記事を作り込む意味はもうないのではないか。そう感じる気持ちは、Web集客に取り組んできた人ほど自然なものだと思います。
先に結論をお伝えします。SEOという営み全体が終わったわけではありません。終わったのは「ラクに勝てた時代」だけ、というのが現場から見た実感です。かつては情報をきれいにまとめ直すだけで上位を取れました。その手軽な勝ち方が消えただけで、検索から人を連れてくる仕組みそのものが無価値になったわけではないのです。
本記事では、数多くのSEO記事を制作してきた立場から、「SEOはオワコン」という声の何が正しくて何が的外れなのかを切り分けます。そのうえで、自社が今もSEOを続けるべきか、それとも別の手に切り替えるべきかを判断するための具体的な軸までお渡しします。
- 「SEOはオワコン」と言われる5つの背景と、その中で本当に効いている変化
- オワコンになったのはSEOではなく「手間なく勝てた時代」である理由
- 成約に近い検索ほど価値が上がるという、上位ページが語らない構造
- 自社がSEOを続けるべきか、やめるべきかを見分ける判断軸
- AI検索時代に成果を出すSEOの進め方と、内製・外注の使い分け
「SEOはオワコン」と言われる5つの背景を整理する
まずは、なぜ今これほど「オワコン」論が広がっているのかを冷静に並べてみます。感情論で片付けず、一つずつ分解すると、本当に向き合うべき変化と、昔から言われ続けている誤解とが見えてきます。
生成AIとAIによる概要で、クリックせず終わる検索が増えた
最も大きな変化がこれです。検索結果の上部にAIが答えを要約して表示するため、ユーザーはページを開かないまま知りたいことを把握できます。用語の意味や手順の確認といった、いわゆる調べ物の検索は、サイトに来る前に完結してしまうようになりました。
検索よりSNSや動画で調べる人が増えた
とくに若い世代を中心に、飲食店や商品の情報をInstagramやYouTubeで探す動きが定着しています。テキストで検索する場面が相対的に減れば、Web記事への流入も細くなる。この体感が「もう検索の時代ではない」という声を後押ししています。
アルゴリズムの更新で順位が安定しない
Googleは年に何度も評価基準を見直します。昨日まで上位だった記事が、更新のたびに大きく順位を落とす。この不安定さを何度も経験すると、努力が報われない博打のように感じられ、やる気が削がれていくのも無理はありません。
成果が出るまで時間がかかり、効果がないと誤解される
SEOは記事を公開してから評価が定まるまで、数か月単位の時間を要します。広告のように出してすぐ反応が返ってくるわけではないため、途中で「効果がない」と判断され、道半ばで撤退してしまうケースが後を絶ちません。
上位表示の難易度とコストが上がった
参入する企業が増え、各社が本気でコンテンツに投資するようになりました。片手間の記事では歯が立たず、取材や設計に相応の手間をかけないと勝てない。この負担の重さが、費用対効果への疑問を生んでいます。
5つの背景のうち、事業の成果に直結するほど重いのは1つ目と5つ目です。SNSへの流れやアルゴリズムの変動は昔から形を変えて言われてきた話で、本質的な脅威というより向き合い方の問題にとどまります。切り分けて考えることが、無用な悲観を避ける第一歩になります。
結論、オワコンになったのは「SEO」ではなく「ラクに勝てた時代」
ここからが本題です。「SEOはオワコンか」という問いには、実は罠が仕込まれています。SEOをひとかたまりの善し悪しで語ろうとする時点で、答えを見誤るのです。検索という行為の中身が二つに枝分かれしている事実を見落とすと、議論はいつまでも噛み合いません。
減るのは「調べて終わる」検索、残るのは「決める」検索
AIによる概要が奪っているのは、減るのは「調べて終わる」検索のクリックです。言葉の意味を知りたい、手順を確認したい、といった情報収集の検索は、要約で満たされてサイトに来なくなります。ここだけを見れば、たしかにSEOは苦しくなったように映るでしょう。
一方で、人が何かを「決める」ときの検索は事情が違います。どの会社に頼むか、どの商品を買うか、いくらかかるのか。お金や責任がからむ場面では、人は要約をうのみにしません。失敗できない買い物ほど、提供元が信頼できるか、料金や条件は最新か、自社の事情に合うかを、自分の目で複数のサイトを見比べて確かめようとします。AIが代わりに決断し、その結果に責任を負ってくれるわけではないからです。要約で足りる問いと、要約では踏み切れない問い。その境目が、そのままSEOの生きる領域と消える領域の境目になっています。
つまり、成約に近い検索ほど価値が上がっているという逆転が起きています。情報収集層のクリックが減った分、意思決定層に届くページの一等地としての価値は、むしろ高まっている。ここを見ずに流入数の減少だけで「オワコン」と嘆くのは、畑の一部が痩せたのを見て農業全体を諦めるようなものです。

この構造を、Google自身もAI機能とWebサイトの関係として説明しています。AIが答えを作る材料は、あくまで検索でたどれるコンテンツから来ている。だからこそ、意思決定層に選ばれる情報を持つサイトの立場は揺らいでいません。

本当にオワコン化したSEOと、むしろ価値が上がったSEO
では、具体的に何が終わって何が伸びているのか。制作の現場から見た線引きを表に整理します。同じ「SEO」でも、やり方によって明暗がくっきり分かれているのが実態です。
| かつて通用したSEO | これから伸びるSEO | |
|---|---|---|
| コンテンツ | 情報をまとめ直した網羅記事 | 一次情報と体験にもとづく記事 |
| 評価の軸 | 文字数と更新頻度、被リンクの量 | 検索意図への的確さと信頼性 |
| 勝ち方 | 手間をかけた者が上位を取れた | 独自の視点を持つ者が選ばれる |
| AIとの関係 | 要約され、読まれずに終わる | 回答に引用され、露出が増える |
表の左側、どこかで読んだ内容をまとめ直しただけの記事は、はっきり厳しくなりました。同じことをAIが一瞬で生成しますし、その要約に吸収されて読まれずに終わります。逆に右側、自社にしか語れない一次情報や実体験を持つ記事は、AIが答えを作るときの引用元として引き合いが増えている。この二極化こそが、今のSEOで起きている核心です。
AIに要約されてしまうなら、時間をかけて記事を書いても無駄になりませんか。
編集部
要約されて終わる記事なら、たしかに無駄になります。ただ、それは「まとめ直しただけの記事」の話です。自社の実績データや現場での気づきなど、AIが持っていない情報を載せた記事は、要約の材料として選ばれ、かえって露出が増えます。書く内容を、読まれて終わるものから、引用されて広がるものへ変える。そこが分かれ目です。
あなたの会社でSEOを続けるべきかを見分ける軸
「SEOはオワコンか」を世間一般の善し悪しで語る限り、答えは出ません。問うべきは「自社ではどうか」です。同じ施策でも、事業のタイプによって費用対効果は正反対になります。ここでは、続ける価値が上がっている会社と、別の手を優先したほうがよい会社を、それぞれの特徴から見分けていきます。

SEOの費用対効果が上がっている会社
次のような特徴に当てはまるほど、AI検索時代でもSEOは強い武器であり続けます。意思決定層の検索を取りにいける立ち位置だからです。
- BtoBや高単価商材で、検討期間が長く比較検討の検索が発生する
- 「サービス名+料金」「商品名+比較」など、成約に近いキーワードを持っている
- 医療、士業、専門サービスなど、信頼性が問われE-E-A-Tが効く業界にいる
- 店舗や地域ビジネスで、ローカル検索やマップ経由の集客余地がある
- 一度作った記事を、長く働き続ける資産として活かしたい
SEOより他の施策を優先したほうがよい会社
反対に、以下に近い状況なら、SEOに大きく張るより先に取り組むべきことがあります。無理にSEOへ資源を注ぐより、事業の性質に合った集客へ寄せるほうが合理的です。
- 3か月から6か月以内に売上を作らないと、資金繰りが持たない
- 検索ボリュームがほぼゼロの、超ニッチな商材しか扱っていない
- 購入の意思決定が、SNSや口コミだけで完結する市場にいる
- 収益が、情報収集層のページ表示数(広告収入)に強く依存している
自社がどちらに立っているかを見極めないまま、周囲の「オワコン」論に流されて撤退するのは、最ももったいない判断です。成約に近い検索を持つ会社にとって、他社が諦めて撤退していく今は、むしろ空いた椅子に座れる好機でもあります。
自社のSEOに続ける価値があるのか、判断がつかないなら
事業タイプによって、答えは正反対になります。御社の検索キーワードが成約にどれだけ近いのかを、GA4とSearch Consoleを一緒に読み解きながら、続ける価値があるかどうかを見極めます。
今もオワコンな「やってはいけないSEO」
誤解のないように申し添えます。「SEOはオワコンではない」と言っても、何をやってもよいわけではありません。かつて効いた手法の一部は、今では逆効果になるほど時代遅れです。次のようなやり方は、AI検索が広がる前から、そして今なお通用しません。
- 戦略のないまま、キーワードだけ決めて記事を量産する
- 検索意図を無視して、キーワードを不自然に詰め込む
- 購入や自作自演で、見せかけの被リンクを増やす
- 公開したら公開しっぱなしで、順位も内容も点検しない
- どこかで読んだ内容をまとめ直しただけの、薄い記事を並べる
とくに最後の項目は、AIの登場で致命傷になりました。独自の情報が何もない記事は、AIが同じものを瞬時に生成できてしまいます。
量産と網羅が正義だった時代の感覚のまま記事を増やし続けると、サイト全体の評価をかえって押し下げる恐れがあります。Googleは、検索順位のために作られた中身の薄いコンテンツを見抜き、評価を下げる方針を明確にしています。数を追う前に、1本の中身を問い直すことが先決です。
AI検索時代に成果を出すSEOの進め方
ここまでで、続けるべき会社にとってのSEOがまだ有効だと整理できました。では、伸びる側のSEOをどう実践するのか。手順として押さえておきたい流れを示します。順番に意味があるので、上から積み上げる前提でご覧ください。
何を書くかを決める前に、そのキーワードで検索する人が最終的に何を求め、自社のどの成果につながるのかを定めます。成約に近い検索から優先して押さえることで、限られた手間を成果に直結させます。
自社の実績データ、現場での気づき、実際に試した結果など、他社にもAIにも書けない要素を軸に据えます。経験にもとづく情報こそが、E-E-A-Tのなかでも今いちばん重く評価される部分です。
読者が抱くであろう個々の疑問に、一つずつはっきり答える構成にします。AIは質問を細かく分解して情報源を探すため、問いに正面から答えている記事ほど、回答の引用元として拾われやすくなります。
公開して終わりにせず、検索順位やAIによる概要での表示のされ方を追い、反応を見ながら手を入れます。SEOは書く技術である以上に、育てる運用だと考えると成果が安定します。
一連の流れで軸になるのは、2番目の一次情報です。一次情報と体験がAI時代の差別化になるという一点に、伸びるSEOの本質が集約されています。裏を返せば、ここを外注も含めてどう引き出すかが、これからのコンテンツ制作の勝負どころになります。
一次情報は、必ずしも大がかりな調査でなくてかまいません。営業担当がよく受ける質問、問い合わせで多い誤解、導入後にお客様が漏らした一言。社内に埋もれている生の声を拾い上げるだけで、AIには書けない記事の芯ができます。
Googleがどのような記事を評価すると公言しているかは、公式のガイドで直接確かめられます。憶測が飛び交うテーマだからこそ、一次情報にあたる習慣そのものが対策の質を左右します。

※ 出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
AI時代に評価される記事を、社内だけで作り続けるのが苦しいなら
一次情報の取材と検索意図の設計は、片手間ではなかなか続きません。AIの回答に引用される前提で組み立てた記事制作を、企画から執筆まで丸ごとお引き受けします。
順位が同じでもクリックが減る時代の、成果の測り方
伸びるSEOを実践できたとしても、その成果を昔ながらの物差しで測ると実態を見誤ります。AIによる概要が広がった今、順位もクリック数も、単体では判断材料になりにくくなりました。ここを更新できるかどうかで、本当は効いている施策を「効果がない」と早合点して手放すリスクが大きく変わります。むしろ、多くの会社が「オワコン」と感じてしまう原因の一つは、測り方が時代に追いついていない点にあります。

順位とクリックの乖離を、異常ではなく前提と捉える
かつては、順位が上がればクリックも増えるという素直な関係が成り立っていました。ところがAIによる概要が答えを先に見せるため、1位を保っていてもクリックだけが目減りする現象が普通に起きます。表示回数(インプレッション)は伸びているのにクリック率だけが下がっているなら、それは順位を落としたのではなく、要約で満たされた情報収集層が減っただけかもしれません。下がった理由を切り分けないまま落胆するのは、あまりに早すぎる判断です。
表示のされ方と、成約からの逆算で測る
見るべき指標そのものを入れ替えます。Search Consoleでは検索での表示回数を確認できるため、クリックされたかどうかだけでなく、自社のページがどれだけ検索の場に露出しているかという視点を持てます。そこに、流入の総数ではなく、成約に近いキーワードからの訪問がどれだけ問い合わせや購入につながったかという出口の指標を重ねる。入口の量から出口の質へ物差しを移すことが、AI検索時代の成果管理の要になります。順位という一つの数字に一喜一憂する運用からは、そろそろ卒業する頃合いです。
SEOは外注すべきか、内製すべきか
伸びるSEOには手間がかかります。そうなると次に迷うのが、社内で書くか、外に任せるかという体制の問題でしょう。どちらが正解ということはなく、会社の状況によって最適解は変わります。三つの進め方を比べておきます。
| 内製 | 外注 | 内製と外注のハイブリッド | |
|---|---|---|---|
| 立ち上げの速さ | 遅くなりやすい | 速い | 速い |
| 一次情報の引き出し | 社内知見を出しやすい | 取材設計で引き出せる | 双方の強みを合わせられる |
| E-E-A-Tの担保 | 担当者の力量次第 | 設計と品質管理で担保 | 監修は社内、設計は外部 |
| 続けやすさ | 属人化で止まりやすい | 費用は継続的にかかる | 負荷を分散して続けやすい |
| 向いている会社 | 専任と知見が十分ある | 体制がなく早く成果が要る | 知見はあるが手が足りない |
多くの会社にとって現実的なのは、右端のハイブリッドです。自社の一次情報や監修は社内が担い、検索意図の設計や執筆、品質管理は外部の手を借りる。こうして役割を分ければ、内製の弱点である立ち上げの遅さと、外注の弱点である社内知見の不足を、互いに補い合えます。書ける体制を社内に残しながら外の力で加速させる形が、続けやすさの面でも理にかなっています。
SEOのオワコン論について、よくある質問
最後に、現場でよく寄せられる疑問にお答えします。判断に迷ったときの参考にしてください。
遅くありません。むしろ「オワコン」と誤解した競合が撤退していく今は、成約に近いキーワードを持つ会社にとって空いた席に座れる好機です。ただし、まとめ直しただけの記事では通用しないため、始めるなら一次情報を軸にした設計が前提になります。
楽にはなりません。AIが得意なのは既存情報の整理であって、自社にしかない体験やデータは生み出せません。下書きや構成の補助にAIを使うのは有効ですが、独自情報のない量産はかえって評価を下げる恐れがあります。
時間軸で使い分けます。すぐに売上が必要なら広告、資産として長く集客したいならSEOが向きます。資金に余裕があるうちに広告で成果を出しつつ、並行してSEOを育てる進め方が現実的です。
一般的には数か月から半年ほどを見込みます。競合の強さやサイトの状態で変わりますが、短期の成果を求めて数か月で撤退するのが、最も多い失敗のパターンです。
土台は同じです。AIに引用されるための施策と、検索で評価される施策は大部分が重なります。良質なコンテンツを作り、見つけやすく整えるという原則は、どちらにも共通します。
まとめ、オワコンなのはSEOではなく「昔のやり方」
「SEOはオワコン」という言葉は、半分は誤解で、半分は事実です。まとめ直しただけの記事で手軽に勝てた時代は、たしかに終わりました。けれども、成約に近い検索の価値はむしろ上がり、一次情報と体験を持つ記事は、AIの回答に引用される新しい露出まで手に入れています。終わったのはSEOそのものではなく、手間なく勝てた古いやり方だけなのです。
大切なのは、世間の空気に流されて続ける・やめるを決めないことです。自社の検索が成約にどれだけ近いか、独自の情報を引き出せるか。この二つを見極めれば、答えはおのずと定まります。合同会社Writers-hubは、数多くのSEO記事を制作してきた立場から、この線引きと最初の一手を一緒に描くお手伝いをしています。
「終わったやり方」を捨て、伸びるSEOへ切り替えるなら
何がオワコンで、何が伸びるのか。その線引きは事業ごとに違います。御社にとっての続ける価値と、踏み出すべき最初の一手を、現状の把握から一緒に具体化します。


