Webライティングを覚えていく過程で、見出しは後回しになりやすい部分でしょう。本文さえ丁寧に書けていれば、見出しは章のラベルとして付けておけばよい。そう考えて構成の段階をすばやく通過してしまう書き手は少なくありません。
ところが、Web記事の読まれ方はその順番と逆になっています。読者は本文を最初から読んでいるわけではなく、画面をスクロールしながら見出しを拾い、自分に関係があるかどうかを先に判断しています。見出しが弱ければ、丁寧に書いた本文はそもそも視界に入りません。
本記事では、数多くのSEO記事を制作してきた立場から、Webライティングにおける見出しの作り方を整理しました。役割の確認から、決める手順、文言の条件、編集の現場で修正が入りやすい型、納品時の設定まで扱います。
- Webの読者が見出しを見るタイミングと、そこで起きている判断
- タイトル・リード文・見出しがそれぞれ担っている役割の違い
- 見出しを決める5つの手順と、読まれる見出しに共通する条件
- 編集者から修正が入りやすい見出しの型と、その直し方
- 執筆から納品までの間に、見出しをどう設定しておくか
Webライティングの見出しは、読者が読むかどうかを決める場所
紙の文章とWeb記事では、読者の姿勢がまるで違います。書店で手に取った本は最初から順に読まれますが、検索結果から流入した読者は、開いた瞬間に「ここに答えがあるのか」を確かめようとしてスクロールを始めます。このとき目に入るのは、行の詰まった本文ではなく、大きく表示された見出しのほうです。
つまり、見出しは本文を読むかどうかを決める場所として機能しています。本文の質がどれだけ高くても、見出しの並びが読者の関心とずれていれば、その質は評価される手前で見送られてしまう。見出しを軽く扱うと、記事全体の労力がまとめて無駄になりやすいのはこのためです。
見出しが担っている働きは、読み手・検索エンジン・書き手の3方向に分かれます。
誰にとって | 見出しが果たしていること |
|---|---|
読者 | 記事の全体像を短時間でつかみ、自分に必要な箇所を探す目印になる |
検索エンジン | ページ内で話題が切り替わる位置と、各ブロックの主題を示す手がかりになる |
書き手 | 書き始める前に内容の範囲を確定させ、本文が脱線するのを防ぐ |
3つ目は見落とされがちですが、実務では効き方が大きい部分です。見出しが決まっていない状態で書き始めると、本文の途中で話題が増えていき、あとから構成をやり直すことになります。先に見出しを確定させておけば、各ブロックで書くべきことが1つに絞られ、執筆時間そのものが短くなるはずです。
本文をしっかり書ければ、見出しは後から付ければいいのではありませんか。
編集部
逆の順番をおすすめします。本文を先に書くと、見出しが「書いた内容のラベル貼り」になってしまうんです。読者が知りたい順ではなく、書き手が説明しやすかった順に並んでしまうので、拾い読みされたときに話が追えなくなります。
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タイトル・リード文・見出しは、それぞれ何を担っているのか
見出しの書き方に迷う原因のひとつが、タイトルやリード文との役割の混同です。3つとも記事の入り口に置かれる短い文なので、同じ調子で書いてしまい、結果としてどれも中途半端になります。
役割を分けて整理しました。
要素 | 主な目的 | 読者が接する場面 | 数 |
|---|---|---|---|
タイトル | 検索結果の一覧の中から選んでもらう | 記事を開く前 | 記事に1つ |
リード文 | 開いた読者に、この記事で解決することを伝えて読み進めてもらう | 記事の冒頭 | 記事に1つ |
見出し | 記事の中で、読者が必要としている箇所へ案内する | 記事を開いた後、繰り返し | 複数 |
タイトルは競合との比較の中で選ばれる必要があるため、多少強い訴求が入ります。一方で見出しは、すでに記事を開いた読者に向けたものなので、興味を引く工夫より正確さが優先されます。見出しをタイトルと同じ調子で煽ると、中身と釣り合わず、かえって読者を離脱させることになりかねません。
関連記事:SEOに強い見出しの作り方|1本ずつではなく並びで決める設計手順
見出しの階層|本文で使うのはh2とh3の2段
Web記事の見出しにはh1からh6までの階層があり、数字が小さいほど大きな区切りを表します。h1は記事タイトルとして使われ、多くのCMSではタイトル欄に入力した文言が自動でh1になるため、本文中に書く必要はありません。本文で使うのはh2からです。
h2が章、h3がその中の節にあたります。階層を飛ばさない、つまりh2の次にいきなりh4を置かないというルールは、見た目の問題ではなく、文書の構造として親子関係が壊れるためです。
h4以降が必要に感じたときは、記事の主題が広すぎる可能性を先に疑ってください。1つのh2の下で3階層に分けたくなる内容は、多くの場合、独立した1記事として書いたほうが読者にとって探しやすくなります。
実際の制作でも、h4まで使う記事はそれほど多くありません。手順書や条件分岐の多い解説では必要になりますが、検索キーワードに答える記事であれば、h2とh3の2段でおおむね収まります。階層を増やすほど読者は現在地を見失いやすくなるため、増やす前に主題を絞れないかを検討する順番が現実的でしょう。

関連記事:HTMLのhタグとは?h1〜h6の使い分けとSEOに効く見出しの作り方
見出しを決める5つの手順
見出しは、思いついた順に書き出すものではありません。読者の疑問を材料として、並べ替えて組み立てる作業になります。
「Webライティング 見出し」であれば、見出しとは何か、どう書くのか、何文字か、キーワードは入れるのか、といった疑問が想定されます。この段階では順番を気にせず、思いつく限り書き出してください。
書き手が説明したい順ではなく、読者が疑問を持つ順に並べます。前提を知らない読者は「そもそも何か」から入り、理解が進むにつれて「どう書くか」「どこまで細かく決めるか」へ進んでいきます。
同じ場面で浮かぶ疑問はひとつのh2にまとめ、その中で分けて説明したい要素をh3にします。ここで束ね方に迷う項目は、たいてい記事の主題から外れているので、思い切って落とす判断も必要でしょう。
本文を書く前に、見出しだけを続けて読んでみてください。見出しだけを読んで話の筋が通るかが、構成が成立しているかどうかの判定になります。途中で話が飛ぶ感覚があれば、抜けている見出しがあるはずです。
本文を書くと、当初の想定より内容が広がったり狭まったりするものです。書き終えた本文と見出しを照合し、ずれていれば見出しのほうを直します。この工程を省くと、見出しと中身が一致しない記事ができあがってしまいかねません。
最後の手順は省略されがちですが、修正指示が集中するのはまさにここです。構成の段階で決めた見出しをそのまま残し、本文だけが変化した記事は、拾い読みした読者の期待を裏切ります。

読まれる見出しに共通する条件
手順に沿って組み立てたら、次は1本ずつの文言を整えます。判断の基準になるのは次の5点です。
見出しだけで中身が想像できる
もっとも多い失敗が、「注意点」「ポイント」「メリット」といった枠だけの見出しです。何の注意点なのかが書かれていないため、読者は本文を読むまで判断できません。「発注前に確認する3つの条件」のように、対象と中身を含めた文言に置き換えてください。
具体語と数字を入れる
数字は、読む前に分量を見積もれるという点で読者に親切な情報です。ただし数を合わせるために内容の薄い項目を足すと本末転倒になるため、実際に列挙する数だけを書きます。数字が入らない見出しでも、対象を具体的に示せば十分に機能します。
粒度と語尾をそろえる
同じ階層に並ぶ見出しは、抽象度と語尾の形をそろえます。「見出しの役割」と「20文字以内に収める」が同じ階層に並んでいると、片方が概念でもう片方が作業指示になり、読者は並列関係を読み取れません。体言止めと疑問形の混在も、目次として一覧したときに落ち着かない印象を与えます。
長さは20文字前後を目安にする
20文字前後という基準は、スマートフォンの画面幅で折り返さずに読める範囲と、目次に並べたときに一覧しやすい長さから来ています。媒体によっては25文字から30文字を上限に置くこともあり、絶対的な数値ではありません。ただし20文字は目標ではなく、超えたときに疑う目安として扱ってください。削ることで対象や条件が消えてしまう場合は、上限を超えても具体性を残したほうが読者の役に立ちます。
キーワードは、入る場所にだけ入れる
検索キーワードを見出しに含める効果は否定しませんが、全部のh2に同じ語を並べると日本語として不自然になり、拾い読みの妨げにもなります。目安として、記事の中心となるh2にいくつか自然に含まれていれば足ります。含まれない見出しを無理に書き換える必要はありません。

修正が入りやすい見出しと、その直し方
編集の現場で差し戻しの対象になる見出しには、いくつか決まった型があります。
- 見出しと直後の本文の内容がずれている
- 抽象語だけで終わり、何の話か判別できない
- h3が1つしかないh2がある
- 見出しで結論を言い切ってしまい、本文が繰り返しになっている
- 記号や煽り文句で目立たせ、中身の説明を省いている
3つ目は見落とされやすいので補足します。h3が1つだけということは、そのh2を分ける必要がなかったか、もう1つあるはずのh3が抜け落ちているかのどちらかです。前者ならh3を外してh2の本文に統合し、後者なら不足している論点を足すことになります。構成の穴が形として表面化する場所なので、点検の際は真っ先に確認したい箇所でしょう。
書き換えの方向は、次のように整理できます。
修正前 | 修正後 | 変えた点 |
|---|---|---|
見出しの注意点 | 見出しを書くときに避けたい3つの型 | 対象と数を明示した |
キーワードについて | 見出しにキーワードを入れる位置と回数 | 何を説明するかを具体化した |
まとめ | 見出しは書く前と書いた後の2回決める | 記事の結論を文言に含めた |
修正前の見出しも、日本語として間違ってはいません。それでも読者の役に立たないのは、見出しが果たすべき案内の機能を持っていないからです。判断に迷ったときは、その見出しだけを読んで自分の探している情報かどうか判別できるかを基準にしてください。
見出しの基準が書き手ごとにばらついていませんか
見出しの型は、記事単位で覚えるより、レギュレーションとして社内に残したほうが早く定着します。合同会社Writers-hubでは、構成の作り方から差し戻しの基準までを言語化し、自社で記事を書ける体制づくりを支援しています。
執筆と納品のときに、見出しをどう設定するか
見出しは文言を決めて終わりではなく、どう設定して渡すかまでが書き手の仕事です。ここを軽く扱うと、入稿の工程で手戻りが発生します。
GoogleドキュメントやWordで納品する場合は、必ずスタイル機能を使って「見出し1」「見出し2」を指定してください。文字を大きくして太字にしただけの行は、見た目こそ見出しに見えますが、データとしてはただの本文です。
見た目だけで作った見出しは、入稿者がどの階層のタグにすべきか判断できません。結果として階層の付け間違いが起こり、目次の自動生成も正しく働かなくなります。クライアントから修正依頼が来る原因としても、内容以前のこの部分は珍しくありません。
CMSに直接入稿する場合も考え方は同じで、見出し用の書式ではなく本文の文字装飾で代用しないことが基本になります。納品前にアウトライン表示や目次のプレビューを開き、意図した階層で並んでいるかを確認しておくと、この種の指摘はほとんど防げるはずです。
公開前に見出しだけで点検する
本文を仕上げたあと、見出しだけを対象にした点検を1回入れます。本文を読み返す作業とは別に行うほうが、構造の問題に気づきやすくなります。
- 見出しだけを上から読んで、記事の話の筋が追えるか
- 見出しと、その直後の本文の内容が一致しているか
- 同じ階層の見出しで、粒度と語尾がそろっているか
- 抽象語だけで終わっている見出しが残っていないか
- 階層を飛ばしていないか、h3が1つだけのh2がないか
なお、見出しタグの使い方についてはGoogleも公式ドキュメントで言及しており、階層に沿った使用と、内容を表す文言にすることを推奨しています。

※ 出典: Google検索セントラル「Google検索の基本事項に沿ってサイトを最適化する方法」
公式の記述は原則を示すものなので、そこから先の「どんな文言にするか」は書き手の判断になります。ルールを守った見出しが、そのまま読まれる見出しになるとは限らない点は意識しておきたいところです。
Webライティングの見出しについてよくある質問
数の正解はなく、読者の疑問の数で決まります。目安としては、本文が続けて800文字を超えても見出しが現れない場合、区切りが不足していると考えてよいでしょう。逆に、2、3行ごとに見出しが入る記事は、内容が細切れになっていないか確認してください。
必須ではありません。記事の中心となる見出しにいくつか自然に含まれていれば十分で、すべての見出しに入れると日本語として不自然になり、読みづらさのほうが目立ちます。入れられない見出しを無理に書き換える必要はありません。
呼び方の慣習で、一般にh2を見出し、その下のh3を小見出しと呼びます。h2が章、h3がその章の中の節にあたる関係です。クライアントによって呼称が異なることがあるため、レギュレーションでどのタグを指すのかを確認しておくと認識のずれを防げます。
避けてください。h1は記事タイトルとして1ページに1つ使うのが原則で、多くのCMSではタイトル欄の入力が自動でh1になります。本文中に重ねて置くと、ページ内で最上位の見出しが複数存在することになり、構造として不整合が生じます。
本文を書く前に決め、書き終えた後にもう一度見直す流れをおすすめします。書く前に決めることで本文の脱線を防ぎ、書いた後に見直すことで内容とのずれを埋められます。
まとめ|見出しは書く前と書いた後の2回決める
Webライティングにおける見出しは、記事を飾る要素ではなく、読者が本文へ進むかどうかを判断する場所です。役割を理解したうえで、読者の疑問を並べ替えて組み立て、文言の具体性と粒度を整えれば、拾い読みされる前提のWeb記事でも内容が伝わるようになります。
作業として押さえておきたいのは、見出しは書く前と書いた後の2回決めるという進め方です。書く前の見出しは執筆の設計図として働き、書いた後の見直しは本文とのずれを埋める工程になります。どちらか一方だけでは、構成か内容のどちらかに歪みが残ってしまう。
合同会社Writers-hubでは、SEO記事の構成設計から執筆、社内で書ける体制づくりまでを支援しています。見出しの型が担当者ごとにばらついている、構成のレビューに時間がかかっているといった状態であれば、工程のどこに原因があるかの切り分けからお手伝いが可能です。
構成づくりに時間がかかりすぎていませんか
見出しの設計は慣れるまで時間がかかる工程で、本数が増えるほど所要時間も比例して積み上がる部分です。構成から執筆までをまとめて任せたい場合の進め方と費用感を、記事の本数や現在の体制に合わせてご説明します。








