「BtoBでSEOを始めるなら、まずはオウンドメディアを立ち上げて記事を書くところからだろう」。そう考えるのは、SEOの成果はPVで語られることが多く、PVを伸ばす手段として最初に思い浮かぶのが記事の公開だからです。ところが、BtoBで商談に近い語を検索する人が探しているのは、解説記事よりも、課題をどう解決する会社なのかを書いたサービスページと事例ページです。記事でPVを伸ばしても、読んだ人が依頼先として比べるページが整っていなければ、問い合わせにはつながりにくくなります。
本記事では、どのページから手を付けるかの決め方から、検索ボリュームがゼロと表示されるキーワードの扱い、社内にある情報を記事に変える手順、PVではなくリードと商談で成果を測る方法まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- BtoBの記事は担当者から上長へ共有されるので、社内を説得できる材料を入れる
- 商談に近い検索語はサービスページで受けるため、記事より先にサービスページと事例ページを整える
- 検索ボリュームが0と表示される語は、顧客の言葉か、競合のページがあるか、サジェストに出るかで書くか決める
- 営業が毎回する説明、失注の理由、導入時の質問が、代理店や比較メディアに書けない記事の材料になる
- 成果はPVではなくリードと商談の数で測り、最短でも1年単位で評価する
BtoBのSEOは、検索した人が決める人とは限らない
BtoBのSEOとは、企業向けの商材やサービスを扱う会社が、検索エンジン経由で見込み顧客との接点をつくる取り組みを指します。定義そのものはBtoCと変わりません。技術的な作法も、内部施策・コンテンツ・外部施策という枠組みで整理される点は同じです。
決定的に違うのは、検索した人がその場で買わないという一点でしょう。BtoCなら、検索して比較して、納得すればそのまま購入に進めます。BtoBの検索者はまず稟議を通す必要があり、多くの場合、自分ひとりでは決められません。
記事は社内で転送される前提で書く
現場の担当者が課題を感じて検索し、いくつかの記事を読んで、良さそうだと判断すれば、上長やチームに記事のURLをそのまま共有します。ここでBtoBの記事に求められる役割が、BtoCとは変わってきます。
最初の読者が社内を説得するための材料が、記事の中に必要になるのです。担当者本人が納得しただけでは何も動きません。担当者が上長に説明するときに、記事に書いてあった内容をそのまま使えるかどうかという一点で、読まれた記事とコンバージョンにつながった記事が分かれます。
具体的には、効果の目安を数字や条件で示すこと、他の選択肢と比べたときの判断軸を書くこと、そして導入時に社内から出やすい反対意見への答えを用意することです。この3つが揃っている記事は、共有された先で話が前に進みます。逆に「重要です」「効果的です」といった評価だけで構成された記事は、担当者が上長の前で引用できません。
BtoB向けの記事を出しているのですが、資料請求までいきません。アクセス自体は少しずつ増えているようなのですが。
編集部
読者が社内で説明するときに使える材料が入っているか、既存記事を1本開いて確認してみてください。BtoBの一次読者は、多くの場合その場で決められる立場にいません。効果の目安、他の選択肢との比較軸、社内から出る反対意見への答え。この3つがあると、上長に共有されたあとの動きが変わります。
記事の役割を「読ませて終わり」から「社内で使わせる」に置き換えると、必要な情報の粒度が一段変わります。抽象度の高い一般論は、社内の会話では武器になりません。

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BtoBとBtoCで、SEOの前提がどう変わるか
BtoBとBtoCのSEOは、手法よりも前提が違い、BtoBの施策の優先順位は前提の違いから決まります。前提の違いを6つの項目で比べると、次の表のとおりです。
観点 | BtoC | BtoB |
|---|---|---|
検索する人 | 買う人と同じ | 買う人と別のことが多い |
月間検索数 | 数千から数万 | 数十から数百、ゼロ表示も珍しくない |
検討期間 | 数分から数週間 | 数か月から1年以上 |
1件あたりの単価 | 数千円から数万円 | 数十万円から数千万円 |
記事を読む人の知識量 | 初心者が中心 | その分野の実務者が中心 |
判断のきっかけ | 価格・レビュー | 実績・導入事例・サポート体制 |
検索ボリュームの読み方が変わる
月間10回しか検索されない語でも、1件受注すれば数百万円という商材なら、投資判断としては十分に成立します。BtoBのキーワード選定を検索数の大小で並べ替えると、ほぼ確実に判断を誤ります。見るべきは検索数ではなく、その語で流入した人が商談まで進む確率のほうです。
もっとも、検索数が読めない語ばかりを並べても社内の合意は取りづらいでしょう。実務では「検索数は少ないが商談に近い語」と「検索数はあるが遠い語」を意図的に混ぜ、前者で成果を、後者で流入の規模感をつくる組み方が現実的です。
記事の浅さが、会社そのものの評価につながる
記事の浅さが会社そのものの評価につながる点は、BtoCとの最も大きな差かもしれません。BtoCの読者は、期待外れの記事に当たっても「役に立たなかった」で終わります。BtoBの読者は、その分野の実務者です。用語の使い方が一つ雑なだけで、「この会社は現場を分かっていない」という判断が下されます。
BtoBの記事は、商材の説明ではなく技術力の見本として読まれます。SEOのために記事本数を増やそうとして、外部に丸投げした一般論の記事を大量に出すと、検索順位よりも先に会社の評価が下がるケースがあります。本数を追う前に、1本目が業界の人の目に耐えるかを確認してください。
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着手順序を間違えると、成果までの時間が伸びる
BtoBのSEOと聞いて、多くの企業がまずオウンドメディアの立ち上げを検討します。記事を書き、流入を集め、リードにつなげるという流れは、方向としては正しいのですが、最初に手をつける場所としては遠回りになりがちです。
理由は単純で、検索行動のなかで最も商談に近い語は、記事ではなくサービスページで受けるべきものだからです。「勤怠管理 システム 比較」「請求書 発行 代行」といった語を検索している人は、すでに課題を言語化し、解決手段を探す段階まで来ています。この層に対して用意すべきは解説記事ではなく、自社が何をどう解決するかを書いたページでしょう。
しかも、既存のサービスページのタイトルと構成を検索語に合わせて直す作業は、記事を1本書くより工数が少なくて済みます。ここを飛ばしてオウンドメディアから始めると、集めた潜在層を受け止めるページが未整備のまま流入だけが増えます。
自社サービスが解決する課題を、顧客が実際に使う言葉で書き直します。社内の呼称ではなく、検索されている語を使ってください。サービスが複数の課題に対応しているなら、課題ごとにページを分けたほうが検索に当たりやすくなります。
事例は「業種名 + 課題」で検索されます。PDFの中に事例を閉じ込めず、Webページとして公開し、業種・規模・導入前の課題・導入後の変化を本文に書いてください。BtoBの検索者は、自社に近い事例を探しています。
問い合わせフォーム1つでは、検討初期の人が動けません。サービス資料、料金表、課題整理のチェックシートなど、検討段階に応じた受け皿を置きます。ここが整っていない状態で記事を増やしても、流入はコンバージョンにつながりません。
ここまで整えてから記事を始めます。課題に気づいていない層、他の手段を検討している層に向けた記事から、既存のサービスページと事例ページへつながる設計になります。
順番を守ると、初期の成果が早く出ます。サービスページの改善は反映から数週間で順位が動くこともあり、社内に対して「効いている」という説明ができます。この初期成果があるかどうかで、オウンドメディアに割ける予算の交渉しやすさが変わってきます。

なお、この順序は新規に立ち上げる場合だけの話ではありません。すでに記事を出している企業にも当てはまります。
すでにオウンドメディアを運用している場合も、この順序は有効です。記事を増やす手を一度止めて、サービスページと事例ページを検索語に合わせて直しましょう。既存記事からの内部リンクを整えるだけで、同じ流入量でも問い合わせ数が変わることがあります。
自社の場合にどこから手をつけるかは、一般論だけでは決まりません。扱う商材の検索のされ方と、いま自社サイトがどの語で拾えているかによって答えが変わるためです。
どのページから着手するか、社内で決めきれていないなら
サイトの現状と、商談につながっている検索語を突き合わせて、着手順序を整理します。記事を書き始める前に、どこを直せば最短で成果が出るのかを明らかにするところからご一緒します。
関連記事:SEO記事の検索順位が突然下がった——原因特定から復旧までのフローチャート
BtoB SEOの進め方
BtoBのSEOの作業は、商談記録から顧客の言葉を拾うところから始め、商談化まで追える計測を用意するまでの6つの工程で進めます。
キーワードツールから始めないでください。まず営業に同行するか、商談メモと問い合わせフォームの自由記述欄を読みます。顧客が課題をどう言い表しているか、その言葉がキーワード選定の出発点になるからです。ツールは、拾った言葉の検索数と関連語を確認するために後から使います。
同じ商材に関する検索でも、課題に気づいた段階、解決手段を探す段階、比較検討の段階では意図がまったく違います。「業務効率化 方法」と「勤怠管理システム 比較」を同じページで受けようとすると、どちらの検索意図も満たせません。段階ごとに分類してください。
比較検討の段階はサービスページと事例ページ、解決手段を探す段階は解説記事とホワイトペーパー、課題に気づいた段階は記事という具合に対応づけます。この対応表がないまま記事を発注すると、記事とサービスページで同じ語を取り合う共倒れが起きます。
検討初期の読者に「お問い合わせはこちら」を出しても押されません。段階が浅いページには資料ダウンロードやメール講座、深いページには問い合わせや無料相談を置きます。同じ記事のなかでも、読み進めた位置によって出す出口を変える設計が有効です。
外部の情報をまとめ直しただけの記事では、実務者の読者に読まれません。次の章で詳しく触れますが、社内にしかない情報をどれだけ入れられるかが、BtoB記事の質を決めます。
公開して終わりにせず、流入から商談までを追える計測を先に用意します。ここを後回しにすると、効いている記事を判別できないまま予算の話になり、施策そのものが止まります。
工程としては6つですが、実際に時間がかかるのは1つ目と5つ目です。ツールで完結する作業ではなく、社内の人に話を聞く時間が要ります。ここを省略した進め方は、体裁は整っても成果につながりにくいと考えています。
集客記事・導入事例・資料と連動した記事など、記事の種類ごとの役割は、BtoB記事制作で成果を出す進め方で整理しています。
キーワード選定で判断に迷う3つの場面
BtoBのキーワード選定では、BtoCの定石が通用しない場面が出てきます。実務で判断に迷いやすい場面を3つ取り上げます。
検索ボリュームがゼロと表示される語
ツールで0と出る語のなかに、商談に直結するものが混ざっています。ツールは一定以下の数値を切り捨てて表示するため、月に数回検索されている語でも0になります。BtoBのニッチな商材では、この帯にこそ本命の語があります。
ただし「0だから狙え」ではありません。書いてよい0と、書いても意味のない0があります。次の3つのうち2つ以上に当てはまるなら、対策する価値があると判断しています。
- 商談や問い合わせの場で、顧客が実際に口にした言葉である
- 競合がその語に対応するページを持っている
- Googleのサジェストや関連する検索キーワードに表示される
逆に、社内でしか使っていない造語や、業界団体の資料にしか出てこない硬い表現は、0のまま動きません。判断に迷ったら、営業に「お客様からこの言葉で聞かれたことはありますか」と確認するのが最も早い方法でしょう。

検索数の大きい語を狙うべきか
「勤怠管理システム」のような、業界を代表する語のことです。検索数は大きく、社内でも狙いたいという声が上がりやすい傾向があります。しかしBtoBのこの帯は、比較メディアや代理店のサイトで上位が埋まっているのが通例です。
事業会社が自力でここを取るには、時間もコストもかかります。実務的な選択肢としては、その語で上位に出ている比較メディアに自社サービスを掲載してもらうほうが、費用も期間も現実的なことが多いです。SEOで正面から取りにいくか、掲載で露出を確保するかは、投資対効果で比べて決めるべき論点です。
用語解説の記事に意味はあるか
「◯◯とは」の記事は商談から遠く、優先度を下げられがちです。ただし、まったく無価値というわけでもありません。BtoBでは、社内で新しく担当になった人が用語を調べ、その記事を上長やチームに共有するという動線が実際に存在します。
問題は比率でしょう。用語解説だけが増えると、流入は伸びるのにリードが増えない状態になります。全体の2割程度に抑え、必ず自社サービスの領域につながる内部リンクを持たせておきましょう。この形なら、遠い語でも回収の見込みが残ります。
- 検索数の大きい語だけを集めた記事計画
- 用語解説記事だけで構成されたオウンドメディア
- キーワードツールの数値のみで優先順位を決めた選定
- サービスページと記事で同じ語を狙ってしまう重複
記事の説得力を決めるのは、社内にしかない情報
BtoBの検索結果では、代理店や比較メディアが上位を占めがちです。事業会社がそこに割って入れる理由は一つで、代理店には書けない粒度の情報を、事業会社は持っているからです。
Googleも、検索エンジンのために作られたコンテンツではなく、人に向けた有用なコンテンツを評価すると公式に示しています。BtoBにおける有用さは、その分野の実務者が読んで「ここまで書くのか」と思う具体性のことだと捉えています。

※ 出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
では、その情報はどこにあるのか。多くの場合、マーケティング部門の外にあります。
営業が毎回説明していることを書く
商談で必ず出る質問、毎回ホワイトボードに描いている図、資料には載せていないが口頭で補足している条件は、営業にとっては当たり前すぎて、コンテンツになるとは思われていません。しかし顧客にとっては検索しても出てこない情報です。
営業に1時間もらい、「直近の商談で、お客様から聞かれて答えに詰まった質問は何ですか」と聞くだけで、記事の企画が数本分は出てきます。
失注理由は、比較記事の設計図になる
失注の記録は、顧客がどの軸で比較したかの一次情報です。価格で負けたのか、機能で負けたのか、導入後のサポート体制で不安を持たれたのか。この軸がそのまま、比較検討段階の記事に入れるべき項目になります。
自社が不利な軸を記事に書くことに抵抗があるかもしれません。ただ、読者は他社の記事でその軸を必ず知ります。先に自社の記事で触れ、どう考えているかを説明したほうが、信頼を落とさずに済みます。
導入時の質問リストは、そのままFAQになる
契約後のキックオフや初期設定の場面で顧客から出る質問は、検討段階の人が最も不安に思っている点と重なります。カスタマーサクセスや導入支援の担当者が持っている質問リストを、記事のFAQセクションに移すだけで、他社にはない具体性が生まれます。
社内の一次情報を扱うときは、公開してよい範囲を先に確認してください。顧客名、契約金額、他社比較の詳細は、事例として使う前に相手企業の許諾が要ります。この確認を飛ばして公開すると、記事の成果どころではない問題になります。
材料は社内にあり、あとはそれを記事の形にする工程だけという段階で、つまずく企業も少なくありません。営業もカスタマーサクセスも本業があり、書く時間を捻出できないためです。
社内に材料はあるのに、記事の形にする手が足りないなら
社内の情報を記事にする編集者・ライター・監修者のチーム編成から、レギュレーションと品質管理の流れまでを組み立てます。担当者が替わっても品質が落ちない制作体制を、御社の中に整えます。
成果が出ているのに、出ていないと判断してしまう測定のミス
BtoBのSEOで最ももったいないのは、効いている施策を数字の読み違いで止めてしまうことです。BtoCの測定の感覚をそのまま持ち込むと、この判断ミスが起きます。
PVの少なさで成果を判断しない
BtoBのSEOの成果は、PVではなく、リードと商談の数で判断します。商談に近い語は検索数が少ないことが多く、問い合わせにつながっているページでもPVは小さく出るためです。
筆者は、記事の制作を受け持った上場企業のオウンドメディアを、半年で月間10万PVに育てたことがあります。「LeadGrid」のサービスサイトでは、初代編集長として、月60件のリードを獲得する体制を作りました。
月間10万PVは記事が読まれた回数で、月60件のリードは連絡先を残した見込み客の数です。BtoBの商談の数を左右するのは、PVよりリードの数です。
SEOで追う数字は、次の3つに分けて扱います。
数字 | 数えているもの | 扱い方 |
|---|---|---|
PV | 記事やページが読まれた回数 | 記事が検索から読まれ始めたかを確かめる |
リード | 資料請求や問い合わせで連絡先を残した見込み客の数 | 月ごとに推移を追う |
商談 | リードのうち、営業が商談に進めた数 | 最終の目標にする |
記事別のコンバージョン数だけで良し悪しを決めない
最後に見たページを成果の帰属先とする見方だと、問い合わせ直前に見られたサービスページばかりが評価されます。BtoBの検討期間は数か月に及び、その間に複数の記事が、複数のセッションにまたがって読まれるのが普通です。
最初の接触になった記事は、この見方では貢献ゼロと表示されます。実際には、その記事がなければ検討そのものが始まっていません。記事を整理するときは、コンバージョン直前のページだけでなく、その人が最初にサイトに入ったページも合わせて確認してください。

3か月で結論を出さない
検討期間が半年の商材で、公開から3か月の数字を見て判断するのは、結果が出る前に採点しているのと同じです。検索順位が安定するまでに3か月から6か月、そこから読者が検討を進めて商談になるまでにさらに数か月かかります。BtoBのSEOは、最短でも1年単位で評価する施策だと社内で合意しておく必要があります。
短期で見るべき先行指標
とはいえ、1年間まったく数字を見ないわけにもいきません。商談化という最終指標が動く前に確認できる先行指標を、いくつか挙げておきます。
公開から半年の間に確認する指標として、次の3つが扱いやすいと考えています。ひとつは社名やサービス名での指名検索数の推移で、認知が広がっているかが分かります。次に、資料ダウンロード数と、その資料を取った人の所属企業の質です。最後に、検索流入で入ってきた人が何ページ読んで離脱したかという閲覧の深さです。指名検索数はGoogle Search Consoleで、閲覧の深さはアクセス解析で確認できます。資料ダウンロード数と所属企業は、ダウンロードのフォームに届いた件数と会社名で確かめます。
指名検索数が伸びていれば、まだ問い合わせが増えていなくても、施策の手応えを示す材料になります。指名検索数の推移を社内に示せば、施策を続ける理由を説明できます。
集客の手段としてSEOと広告のどちらを先に進めるかで迷っている場合は、コンテンツSEOとリスティング広告の比較も参考にしてください。
内製と外注、どこで線を引くか
BtoBのSEOは、社内の一次情報が要になります。だからといって全工程を内製すべきかというと、実務ではそうなりません。体制の選び方を3つの型で比べます。
| 完全内製 | 完全外注 | 社内と外部で分担 | |
|---|---|---|---|
| 一次情報の反映 | ◎ | △ | ◎ |
| 記事の公開ペース | △ | ◎ | ○ |
| SEO設計の精度 | △ | ◎ | ◎ |
| 立ち上げまでの期間 | × | ◎ | ○ |
| 本業への影響 | × | ◎ | ○ |
| 社内へのノウハウ蓄積 | ◎ | × | ○ |
完全内製は、一次情報の反映という一点では最も強い形です。ただし、SEOの設計を学びながら記事も書くとなると、営業やマーケティングの本業が止まります。担当者の異動でメディアが停止する例も珍しくありません。
完全外注は速い代わりに、社内の情報が入らないぶん、どこかで見たような記事になりがちです。前の章で触れたとおり、それはBtoBでは致命的になり得ます。
現実的なのは、社内が一次情報の提供と事実確認を担い、外部が戦略設計と執筆・編集を担う分担でしょう。社内の負担は、ヒアリングへの同席と原稿の内容確認に限定されます。この形なら、担当者が異動しても記事の供給は止まりません。
将来的に内製へ寄せていきたい場合も、いきなり全部を自社で抱えるのではなく、外部と並走しながら型を移していく進め方のほうが安全です。制作のフローと品質基準を先に固めてから、担当を社内に移していく順序になります。
外部と分担しながら、いずれは記事づくりを社内に移したいなら
弊社が自社サイトと取引先のサイトで毎日の公開に使っている、記事の指示文を作るツールを、御社の担当者が使える形でお渡しします。公開前の確認は、御社で行っていただきます。キーワード戦略の設計や制作体制の構築とあわせてご相談いただけます。
BtoB SEOでよくある質問
BtoBのSEOについて、始める前に確かめておきたい5つの質問に答えます。
サービスページの改善なら1か月から3か月、記事による集客なら6か月から1年が目安です。ただし商材の競合状況とサイトの既存評価によって幅があります。着手前に、自社サイトが現在どの語で表示されているかを確認しておくと、見通しの精度が上がります。
受注単価が高いBtoB商材ほど、少ない検索数でも投資が回収できます。月間10回の検索でも、そこから年に1件受注できれば十分に成立する商材は多いはずです。判断は検索数ではなく、その語で流入した人が商談に進む確率で行ってください。
本数の目標を先に決めることをおすすめしていません。BtoBは対象となる市場が小さいため、浅い記事を100本出すより、実務者の目に耐える記事を30本持つほうが成果につながります。書ける一次情報の量から逆算して、無理のないペースを決めてください。
AIによる回答も、Web上のコンテンツを情報源としています。参照される側になるためには、根拠が明確で構造の整った情報を自社サイトに持っておく必要があります。検索順位の獲得とAIへの引用のどちらを目的にしても、やるべき土台の作業は重なります。
記事を増やす前に、サービスページと事例ページが検索語に対応しているかを確認してください。潜在層を集めても、着地させるページが整っていなければ問い合わせにはつながりません。既存記事からの内部リンクの設計も、あわせて見直す価値があります。
まとめ|BtoBのSEOは、順番と測り方で結果が変わる
BtoB企業のSEOで成果を分けるのは、施策の目新しさではありません。検索した人が決裁者ではないという前提を踏まえて記事を設計すること、オウンドメディアより先にサービスページと事例ページを整えること、社内にしかない情報を記事に入れること、そして商談化まで追える形で測ることの4つで、成果の大半が決まります。
検索数の少なさを理由に見送られてきた商材ほど、競合も同じ理由で手をつけていません。ニッチな語ほど上位を取りやすく、そこで拾える1件には大きな価値があります。BtoBのSEOが中長期の投資として成立するのは、この構造があるからでしょう。
合同会社Writers-hubでは、BtoB企業のキーワード戦略の設計から記事制作、公開後の改善までを支援しています。自社の商材でどこから着手するのが早いのか、既存記事に何が足りないのか。現状を見たうえでの整理からご相談いただけます。
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