「機能が多くて実績のあるCMSを選んでおけば間違いないはず」。比較を始めた段階では、そう考えるのが自然です。どの製品紹介にも「使いやすい」「SEOに強い」と書かれ、比較表も機能の有無で組まれているため、優劣は搭載機能の差で決まるように見えるからです。ところが候補を並べて見比べるほど、決め手がどこにあるのか分からなくなります。
しかし、自社のオウンドメディアに記事を入稿しながら企業のメディア運営を支援してきた弊社の立場から言えるのは、製品を比べる前に決めておく条件が4つあるということです。更新担当者、更新頻度、サイト規模、費用の配分の4点で、ここが埋まると5つのタイプのうち現実的な候補は2つ程度まで減ります。逆に、条件を決めないまま機能一覧を眺めても、どの機能の差が自社に効くのかは判断できません。
本記事では、CMSの5つのタイプの違いと目的別おすすめ12製品の比較から、記事を入稿する側から見た更新が続く条件、導入後に更新が止まる理由まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- CMSの5タイプ(オープンソース・パッケージ・クラウド・ヘッドレス・ノーコード)の違いと向き不向き
- 目的別におすすめのCMS12製品と、それぞれが力を発揮する場面
- 製品を絞り込む前に決めておきたい4つの条件
- 記事を入稿する側から見た、更新が止まらないCMSの条件
- 導入後につまずきやすい点と、その回避のしかた
CMSを比べる前に決めておく4つの条件
製品名を並べる作業は、選定工程のなかではむしろ後半にあたります。先に輪郭をつけるべきなのは、そのCMSを誰がどう使うのかという部分。ここが定まると、候補は自然と3つか4つまで減っていきます。
- 更新担当者は誰か(社内の非エンジニア、制作会社、社内エンジニアのいずれか)
- 更新頻度はどのくらいか(月に1回の情報更新か、週に数本の記事投入か)
- サイトの規模と構成(10ページ前後か、数百ページと多言語を抱えるか)
- 費用を初期と月額のどちらに寄せられるか(作り込み型か、サービス利用型か)
この4つのなかで判断を最も強く左右するのは、1つ目の更新担当者です。社内の非エンジニアが更新するなら、テンプレートの自由度より入力画面のわかりやすさが優先されます。一方、制作会社が保守込みで運用するなら、多少とっつきにくくても構造を細かく設計できる製品のほうが結果的に扱いやすい。同じ製品でも、誰が触るかで評価は反転します。
更新頻度も見落とされがちな条件でしょう。月に1回お知らせを差し替えるだけのサイトと、週に3本の記事を出すオウンドメディアでは、必要な機能がまるで違ってきます。前者ならノーコード型で十分足りますが、後者では下書き・レビュー・予約公開といった編集フローの作り込みが効いてきます。

順番を逆にすると、条件のほうを製品に合わせて後づけすることになります。要件定義の段階で決着をつけておきたい部分です。
予算だけが先に決まっていて、更新担当者が決まっていない状態が最も危険です。運用者が不在のまま導入されたCMSは、初回公開のあと誰も触らないまま古い情報を出し続けることになります。
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CMSは5つのタイプに分かれる|提供形態ごとの向き不向き
製品数こそ多いCMSですが、提供形態で分類すると5つに収まります。提供形態の違いは、責任をどこまで自社で持つかの違いだと捉えるとつかみやすいでしょう。サーバーの管理、脆弱性への対応、機能追加。この3つを自社と提供元のどちらが担うのかが、タイプごとに異なります。
| 初期費用 | 更新のしやすさ | 拡張の自由度 | 保守の負担 | |
|---|---|---|---|---|
| オープンソース型 | 低い | ○ | ◎ | 自社または委託先が負う |
| パッケージ型 | 高い | ◎ | ○ | ベンダーと分担する |
| クラウド型 | 低い | ◎ | △ | 提供元が負う |
| ヘッドレス型 | 中程度から高め | ○ | ◎ | 提供元とフロント側で分かれる |
| ノーコード型 | 低い | ◎ | △ | 提供元が負う |
オープンソース型は、ソースコードが公開されていて誰でも無償で使えるタイプ。WordPressやDrupalが代表格で、拡張の自由度と情報量の多さが強みになります。ただしサーバーの用意も、バージョン更新も、脆弱性が公表されたときの対応も自社側の仕事。「無料」はライセンス費用の話であって、運用費用がゼロという意味ではありません。
パッケージ型は、ベンダーが開発した製品をライセンス購入し、自社サーバーや専用環境に構築するタイプです。初期費用は上がるものの、サポート窓口があり、要件に合わせた作り込みも相談できます。上場企業のコーポレートサイトなど、止められないサイトで選ばれやすい形態でしょう。
クラウド型(SaaS型)は、提供元が用意した環境をそのまま使うタイプ。サーバー管理も更新作業も提供元の担当なので、社内に技術者がいなくても始められます。反面、できることは提供元の機能の範囲内。独自の要件が多いサイトでは、途中で頭打ちになる場面が出てきます。
ヘッドレス型は、コンテンツの管理機能だけを提供し、表示側(フロントエンド)は自由に開発するタイプです。1つのコンテンツをWebサイトとアプリの両方に配信するような使い方に向きます。表示側を作る開発リソースが前提になるため、社内にも委託先にも開発体制がないなら、候補から外して構いません。
ノーコード型は、画面上の操作だけでデザインからページ作成まで完結するタイプ。公開までの速さは5タイプのなかで最も優れています。細かなSEO設定や大量ページの管理には向かないため、規模が大きくなる見込みがあるなら早い段階で見極めておきたい部分でしょう。
タイプが2つまで絞れたあと、どちらに決めるかで迷う場面はよく起こります。判断が割れたときは、3年後にサイトがどうなっているかを想像してみると輪郭が出てくる。ページ数が10倍になっている見込みがあるなら拡張性のあるタイプ、3年後も規模がほとんど変わらないなら保守の手間が少ないタイプが合理的でしょう。CMSの乗り換えは記事データの移行だけでなく、URL設計とリダイレクトの設定まで含む作業になります。数年単位で使う前提で選んだほうが、結果的に費用は下がります。
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目的別おすすめCMS12選
ここからは実際の製品を目的別に紹介します。網羅ではなく、日本国内で導入実績と情報量が確保できるものに絞りました。
ECサイト構築が主目的の場合は、CMSではなくECプラットフォーム(ShopifyやEC-CUBEなど)から検討したほうが早くまとまります。決済・在庫・配送の機能が最初から揃っているためです。本記事では対象外としました。
汎用性と実績で選ぶオープンソース型3製品
WordPressは、世界で最も広く使われているCMSです。W3Techsの調査でも長期にわたりシェア1位が続いており、テーマやプラグインの数、対応できる制作会社の数、日本語の情報量のいずれも群を抜いています。判断に迷ったときの初期候補として置いておくと、比較の基準線として機能するでしょう。注意点はプラグイン依存で、入れすぎると更新のたびに表示崩れや不具合の確認が必要になります。
※ 出典: W3Techs「Usage statistics of content management systems」

Drupalは、権限管理と多言語対応に強いオープンソースCMSです。部署ごとに編集権限を分けたい大学や公共機関、多言語展開する企業サイトでの採用例が知られています。設計の自由度が高い半面、扱える人材が限られるため、パートナー選定とセットで検討する製品といえます。
baserCMSは、日本発のオープンソースCMS。管理画面が日本語で設計されており、日本のビジネスサイトでよく使う会社概要やお問い合わせフォームが標準で用意されています。小規模から中規模のコーポレートサイトを国産のオープンソースで作りたい場合の候補になるでしょう。
企業サイトを国産の商用CMSで固めたい場合の3製品
Movable Typeは、シックス・アパートが提供する国産CMSです。ページをあらかじめHTMLとして書き出す静的な公開方式を採れる点が特徴で、表示速度の安定と、閲覧側からの攻撃面の小ささにつながります。ソフトウェア版とクラウド版が用意されており、自社の運用形態に合わせて選べる構成。
a-blog cmsは、アップルップルが提供する国産CMS。カスタムフィールドやモジュールの設計が細かく、更新担当者が迷わない入力画面を制作側で作り込みやすい製品です。制作会社が保守まで担う体制と相性がよく、更新頻度の高い企業サイトで力を発揮します。
HeartCoreは、ハートコアが提供する商用CMSです。大規模サイトや、部署をまたぐ運用体制を前提とした機能が揃っています。既存サイトの構成を引き継ぎながら段階的にCMS化していく進め方も取りやすく、リニューアルと同時にすべてを作り替えたくない場合の選択肢になります。
コードを書かずにデザインを優先して公開したい場合の3製品
STUDIOは、日本発のノーコードWeb制作サービス。デザインツールに近い操作感でレイアウトを組めるため、デザインの再現度を落とさずに公開まで進められます。ブログ機能も備わっており、ページ数が数十程度のサービスサイトやコーポレートサイトに向くでしょう。
Wixは、テンプレートの数と編集画面のわかりやすさで定評のあるサービスです。無料で作り始められ、独自ドメインでの公開や広告の非表示は有料プランに含まれます。まずは形にして走り出したい小規模事業者に適しています。
ジンドゥー(Jimdo)も同じくノーコードのWebサイト作成サービスで、日本語のサポート窓口が用意されている点が安心材料になります。店舗サイトや小規模な会社案内など、ページ数が限られるサイトで扱いやすい製品。
開発前提でフロント側を自由に作りたい場合の3製品
microCMSは、日本発のヘッドレスCMSです。管理画面もドキュメントも日本語で、APIの設計もわかりやすく整理されています。ヘッドレス構成を初めて採用するチームが最初に触る製品として選ばれやすい印象があります。
Contentfulは、海外発のヘッドレスCMSで、多言語・多ブランドのコンテンツを1か所で管理する用途に強みを持ちます。管理画面が英語基調のため、編集担当が日本語環境を求める場合は事前の確認が必要でしょう。
Payload CMSは、TypeScriptで書かれたオープンソースのヘッドレスCMS。Next.jsと統合した構成が組みやすく、管理画面の項目もコードで定義していきます。弊社が運用しているオウンドメディアもこの構成で、記事の入稿から予約公開までを1つの管理画面で完結させています。
続いて、記事を継続的に出す前提で候補に挙がりやすい4製品を、判断軸ごとに並べます。
| WordPress | a-blog cms | microCMS | STUDIO | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 低い(本体は無償) | ライセンス費用が必要 | 月額のサービス利用 | 月額のサービス利用 |
| 記事の量産しやすさ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
| デザインの自由度 | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 非エンジニアの更新しやすさ | ○ | ◎ | △ | ◎ |
| 依頼できる制作会社の多さ | ◎ | ○ | ○ | △ |
| 脆弱性対応の担い手 | 自社または委託先 | 自社または委託先 | 提供元 | 提供元 |
WordPressに印を付けているのは、機能で勝っているからではありません。選定を誤ったときの逃げ道が最も広いためです。担当者が代わっても引き継ぎ先が見つかり、制作会社を変更しても運用を継続できる。長く使うサイトほど、この乗り換えやすさが効いてきます。
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無料CMSと有料CMS、選ぶ基準はどこにあるか
無料か有料かという軸は、実際には費用の話ではなく、保守作業を自社で抱えるか、外に出すかの選択にあたります。
- サーバー管理やバージョン更新を担える人が社内か委託先にいる
- 標準機能と公開されている拡張で要件が満たせる
- 初期費用を抑えて小さく始め、様子を見ながら育てたい
- 障害が起きたときに問い合わせられる窓口が必要
- 稼働を止められない、または個人情報を扱うサイトである
- 更新担当者が入れ替わる前提で、入力画面を作り込んでおきたい
無料CMSの費用は、ライセンス料がかからない代わりに人の時間として現れます。バージョン更新の検証、プラグインの互換性確認、脆弱性が公表されたときの緊急対応。これらを誰の工数で吸収するのかを決めないまま「無料だから」で選ぶと、担当者の残業として静かに積み上がっていきます。
社内にエンジニアはいませんが、制作会社に保守を頼めば無料のCMSでも問題ないでしょうか。
編集部
保守の範囲が契約に明記されていれば現実的な選択です。確認したいのは「バージョン更新の作業は含まれるか」「脆弱性が公表された際の対応時間はどう扱われるか」の2点。ここが月額に含まれていない契約だと、いざというときに都度見積もりとなり、対応が遅れる原因になります。
有料CMSを選ぶ判断は、機能の差よりも「止まったときに誰が動くか」で決まる場面がほとんどでしょう。価格差の実態はサポート窓口の有無にある、と考えるとつじつまが合います。
記事を入稿する側から見た、更新が続くCMSの条件
ここからは、記事コンテンツを日常的に入稿している立場からの話です。製品比較ではあまり書かれないものの、運用が始まってから効いてくる部分があります。
結論から言えば、入稿1本あたりの手数が、月に出せる本数の上限を決めます。記事本文を貼るだけなら、どのCMSでも大きな差は出ません。差が生まれるのは、タイトルとメタディスクリプション、アイキャッチ、カテゴリ、内部リンクといった付随項目を入力する工程です。
- 記事本文とSEO設定が同じ画面に収まっている
- 使える装飾があらかじめ定義され、担当者ごとにぶれない
- プレビューが公開後の表示と一致する
- 予約公開と下書き共有ができる
1つ目が満たされないと、1本ごとに画面移動が発生します。月に10本入れるなら、その往復が10倍になって効いてくる計算です。2つ目は複数人で運用する場合に効いてきます。装飾を担当者ごとの判断に任せると、記事間で見た目が揃わず、あとから統一する作業が発生してしまう。
3つ目のプレビュー精度は、実務では地味に大きい要素です。プレビューと本番の表示がずれるCMSでは、公開してから直す作業が毎回付いてきます。確認と差し戻しにかかる時間は、そのまま公開ペースの遅れになる。4つ目の予約公開と下書き共有は、執筆者と確認者と公開者が分かれている体制なら必須と考えて差し支えありません。

もうひとつ、意外と効いてくるのがカテゴリと投稿タイプの設計です。記事が50本を超えたあたりから、過去記事を探す時間が無視できなくなります。導入時に「この分類でいいのか」を一度立ち止まって決めておくと、あとから全記事を付け替える作業を避けられるでしょう。
公開後の修正しやすさも、選定時にはほとんど話題に上がらない割に、運用が始まると毎週のように使う機能です。SEOを目的に記事を出すなら、公開して終わりではなく、順位や流入を見ながら加筆と修正を重ねていくことになります。そこで効いてくるのが、過去の版に戻せるか、公開済みの記事を下書き状態で編集して差し替えられるか、URLを変えずに本文だけ更新できるかの3点。とくに2つ目の機能がないと、修正の途中経過が公開ページに出てしまうため、直しの作業を営業時間外へ寄せる運用になりがちです。
CMSのデモを見るときは、営業担当が操作するデモ画面ではなく、自社の記事を1本そのまま入稿させてもらうのが確実です。判断材料になるのは機能の一覧ではなく、1本入れ終わるまでにかかった時間と、途中で迷った箇所の数。
こうした確認を経ても、実際の運用では別の壁が現れます。
入稿の手数が減るのはわかりましたが、そもそも記事を書く時間が社内で確保できていません。
編集部
その場合は、CMSの選定と並行して制作フローの分担も決めておくほうが早く進みます。構成案までを社内で持ち、執筆と入稿を外に出す形にすると、社内に残る作業を確認と承認だけに絞れます。
入稿画面をどれだけ整えても、原稿がなければ公開ページは増えません。ここが詰まっている場合は、CMSの検討と同時に制作の担い手も並行して決めておくと手戻りが減ります。
CMSは決まりそうでも、記事を書く人はまだ決まっていませんか
合同会社Writers-hubでは、キーワード選定から構成、執筆、CMSへの入稿までを引き受けるかたちでSEO記事の制作を支援しています。社内に残す工程と外に出す工程の分け方から相談できます。
CMS選定の進め方
条件が固まったら、実際の絞り込みに入ります。順番を入れ替えると手戻りが増えるため、この流れで進めるのが無難でしょう。
「広報担当が1名で、月に4本の記事と随時のお知らせを更新する」という粒度まで具体化します。ここが曖昧なままだと、次の要件定義がぶれます。
要望をすべて書き出したうえで、1つずつ「これがなくても運用は回るか」を問い直します。要望をそのまま残すと、どの製品も要件を満たさないという結論になりがちです。
更新担当者と保守体制から考えると、5タイプのうち現実的なものは2つ程度に収束します。先にタイプで絞ると、製品の比較にかかる手間が大きく減ります。
デモ画面ではなく、実際に公開したいページを1つ作ってみます。判断材料は完成までの時間と、途中で詰まった箇所。
既存サイトからのデータ移行方法と、将来ほかのCMSへ移る際にコンテンツをどう書き出せるかを確認しておきます。出口が確認できない製品は、長期の運用で不利になります。
5番目を軽く扱うと、数年後に身動きが取れなくなります。書き出し機能の有無は導入前なら質問一つで確認できるものの、導入後に判明すると移行費用として跳ね返ってくる項目です。

導入後につまずきやすい点と、更新が止まる理由
CMSを入れたのに更新されていないサイトは珍しくありません。原因を製品に求めたくなりますが、実際に多いのは別のところにあります。
- 更新担当者を決めないまま公開日を迎える
- 「あとで整理する」前提で、カテゴリを暫定のまま運用し続ける
- 制作会社の保守範囲を口頭で確認しただけで契約する
- 管理者アカウントを1人分しか作らず、退職時に触れなくなる
- テスト環境を用意せず、本番環境で直接編集する
このなかで実害が出やすいのは、管理者アカウントと保守範囲の2つでしょう。担当者の退職とともにログイン情報が失われ、軽微な文言修正のために制作会社へ都度依頼する状態になっている企業は、実際に少なくありません。
すでにこの状態にあるなら、復旧はアカウントの棚卸しから始めるのが順当です。まず管理者権限を持つアカウントを一覧にして、現職の担当者が最低2名分の権限を持っているかを確認してください。次に制作会社との契約書を開き、保守範囲としてどこまでが書かれているかを洗い出します。記載のない作業が見つかれば、追記を依頼しておくと安全でしょう。ここまで済ませてからCMSの乗り換えを検討しても、判断が遅れることはありません。更新が止まっている原因が製品側にあるのか体制側にあるのかは、この棚卸しでおおよそ切り分けられます。
オープンソース型を選ぶ場合、バージョン更新を止めた時点から脆弱性のリスクが積み上がります。改ざんや情報漏えいの多くは、すでに公表されている脆弱性が放置された環境で起きています。更新作業を誰の担当にするかは、導入前に契約書か社内規定のどちらかへ落としておいてください。
※ 参考: 情報処理推進機構(IPA)「安全なウェブサイトの作り方」

そして最も多い停止理由は、CMSの使いにくさではありません。更新担当者に、記事を作る時間が残っていないという一点に集約されます。Web担当者は問い合わせ対応、広告運用、社内調整を抱えたうえで、ようやく記事を書く順番が回ってくる。優先順位の最後に置かれた作業は、ほかの仕事が詰まった週から順に後ろへずれていきます。
CMSの操作性で吸収できるのは、この構造のうちごく一部にすぎません。そのため、選定と同時に「誰がどの工程を担うか」まで決めておくと、公開ペースが安定します。構成案は社内、執筆は外部、確認は社内、入稿は外部といった分担でも構いません。全部を社内で抱える前提を外すだけでも、月に出せる本数の見通しは立てやすくなるでしょう。
CMSは動いているのに、公開ページだけが増えていない状態ではありませんか
記事が出ない原因が担当者の時間にあるなら、CMSを替えても解決しません。Writers-hubでは編集部の機能ごと引き受けるかたちで、企画から公開までの制作体制づくりを支援しています。
CMSに関するよくある質問
選定の相談でよく受ける質問をまとめます。
使えます。ただし、サーバーの用意とバージョン更新、脆弱性への対応を誰が担うかを先に決めておく必要があります。社内に担い手がいない場合は、保守範囲を明記した契約を制作会社と結んでおくと安全でしょう。
多くのケースで無難な選択になりますが、部署ごとの権限分割が必要な大規模サイトや、アプリにも同じコンテンツを配信したい場合は、ほかのタイプのほうが適します。更新担当者とサイト規模の2点で判断してください。
可能です。ただし記事本文だけでなく、画像、カテゴリ、公開日、URLの構造をどう引き継ぐかで作業量が変わります。乗り換えの可能性があるなら、導入時にコンテンツの書き出し機能があるかを確認しておくと後の負担が軽くなります。
表示側を作る必要があるため、開発リソースは前提になります。社内にも委託先にもエンジニアがいない場合は、クラウド型かノーコード型のほうが現実的です。
CMS自体が順位を押し上げるわけではありません。タイトルやメタ情報を正しく設定できること、表示が速いこと、更新を続けられることが評価につながります。Googleの公式資料でも、基本的な設定と継続的な改善が土台として示されています。
より詳しい前提は、Googleが公開している検索エンジン最適化の資料が参考になります。

まとめ|CMSは製品比較の前段で決まる
CMS選びで迷いが長引くときは、候補が多すぎるのではなく、比べるための条件が決まっていないことがほとんどです。更新担当者、更新頻度、サイト規模、費用の配分。この4つを先に埋めるだけで、5つのタイプのうち現実的な選択肢は2つ程度まで絞られます。製品比較は、条件を決めたあとで十分間に合います。
そのうえで、導入後に効いてくるのは入稿1本あたりの手数と、記事を作る担当者の時間です。前者はCMSの選定で改善できる一方、後者は体制の設計でしか動きません。CMSの検討と並行して、誰がどの工程を持つのかまで決めておくと、公開が止まる確率は下がります。
合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作代行と制作体制づくりの支援を行っています。CMSは決まったが中身を作る人がいない、あるいは記事の本数が計画どおりに出ていないという状況であれば、現状の体制を伺ったうえで進め方をご提案します。
候補が絞れたあと、記事を出し続ける段取りはできていますか
CMS選定の次に来るのは、誰が何本書くかという計画です。現状の体制と目標本数を伺えば、社内で持つ工程と外に出す工程の分け方をお伝えできます。








