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CTA文言の作り方|押される言い回しの型と用途別の例、見直しの手順

CTAの文言は、ボタンの中の言葉だけを言い換えても数字は動きにくいと感じています。先に決めたいのは押した先で何が起きるか、つまり所要時間と費用と入力項目で、それをボタンの動詞と周辺の一文に振り分けて書くと、同じ内容でも結果が変わります。用途別の言い換え例は本文にまとめました。

ノートパソコンの画面に映したWebページの申し込みボタンを拡大表示し、その脇に文言の候補を書き出した付箋を数枚並べた机の上の様子。落ち着いた配色にする。

「ボタンの文言を変えれば、資料請求や問い合わせの数は増えるはずだ」。そう考えるのは無理もありません。ページの構成やフォームを作り替えるのに比べると、ボタンの中の十数文字は手を入れやすく、真っ先に試せるからです。

しかし、記事の企画から公開後の見直しまでを多くの企業と進めてきた弊社の経験から言えるのは、ボタンの中の言葉だけを入れ替えても結果は変わりにくい、ということです。読者は押す直前に読んでいた本文と、押した先のページを、ボタンとひと続きのものとして受け取ります。言い換えの候補を並べる前に、ボタン直前の数行と、その記事を読みに来た読者が今取れる行動と、押した先のページの3か所を確かめたほうが、書き換えの手戻りは減ります。

本記事では、押される言い回しに共通する条件から、用途別の言い換え例、既存ページを点検する手順まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • CTAの文言が、誘い文・ボタンのラベル・マイクロコピーの3層に分かれる理由
  • 押されるラベルに共通する4つの条件と、日本語での書き分け方
  • 資料請求や相談など、用途別の言い換え例と変えている点
  • 文言を変えても数字が動かないときに、先に見るべき3か所
  • 申込みボタンの文言にかかる法令上の制約

CTAの文言は、3つの層に分かれている

「CTAの文言を見直しましょう」という一文から議論を始めると、たいてい途中で噛み合わなくなります。ある人はボタンの中の「お問い合わせはこちら」を指し、別の人はボタンの上に置かれた「まずは資料をご覧ください」という誘い文を指し、また別の人はボタンの下の小さな注記を思い浮かべている。同じ「文言」という語で、違う場所の話をしているためです。

CTAまわりのテキストは、役割で3つに分けられます。

置かれる場所

担っている役割

誘い文

ボタンの上、CTAエリアの見出し

立ち止まらせ、自分に関係があるかを判断させる

ラベル

ボタンの中

押した後に起きる動作を伝える

マイクロコピー

ボタンのすぐ外、多くは下

費用や所要時間などの条件を示し、迷いを減らす

この3層は、読者が目を通す順番でもあります。誘い文で「自分向けかどうか」を判断し、ラベルで「何が起きるか」を確認し、マイクロコピーで「今それをやってよいか」を決める。どこかが欠けていると、読者はその判断を自力で埋めることになり、多くは埋めきれずに手が止まります。

ラベルは動詞を、マイクロコピーは条件を引き受ける

3層に分けると、ひとつのボタンに情報を詰め込みすぎる失敗が減ります。「無料・1分で完了、今すぐ資料をダウンロードする(個人情報の入力は不要)」というラベルは、伝えたいことは揃っているものの、ボタンとしては読みにくく、折り返しも増えて押しづらくなる。

ボタンの中は動詞、外側は条件。この分担が、文言設計のいちばん手前にある判断です。ラベルは「資料をダウンロード」で止め、その下に「無料・入力は3項目のみ」と置く。同じ情報量でも、視線の負担がまったく変わります。

💡

マイクロコピーは、ボタンの下だけとは限りません。フォームの送信ボタンの直前、価格表の申込ボタンの横など、読者が最後に迷う位置に置かれていれば役割を果たします。逆に、離れた場所にある注意書きは読まれないまま押されるため、条件の提示としては機能していないと考えたほうが安全です。

「文言を変える」の指す範囲を、先に揃える

社内やパートナーと改善を進めるときは、この3層のどこを触るのかを最初に決めてください。誘い文の書き換えは記事本文の話、ラベルの変更はCMSやテンプレートの話、マイクロコピーの追加は法務やカスタマーサポートへの確認が必要になることもある。担当も所要時間も別物です。

改善案が衝突するチームの多くは、案の質ではなく、対象範囲を揃えないまま議論を始めています。CTA全体の考え方や種類の整理はCTAとは?意味と種類、成果につながる設計と改善の手順にまとめているため、そもそもの前提から合わせたい場合はあわせてご覧ください。

CTAの文言が誘い文・ボタンのラベル・マイクロコピーの3層に分かれることを示した図

関連記事:コンテンツマーケティングの基礎知識を総まとめ|やり方から成果につなげる方法まで徹底解説

押されるCTA文言に共通する4つの条件

リンクやボタンのラベルについては、ユーザビリティ研究の分野で早くから整理が進んでいます。Nielsen Norman Groupは、リンクテキストの条件を Specific(具体的)・Sincere(誠実)・Substantial(単独で意味が通る)・Succinct(簡潔)の4つにまとめています。

Better Link Labels: 4Ss for Encouraging Clicks
Specific link text sets sincere expectations and fulfills them, and is substantial enough to stand alone while remaining succinct.
🌐 www.nngroup.com
外部リンク

※ 出典:Nielsen Norman Group「Better Link Labels: 4Ss for Encouraging Clicks」

英語圏の知見をそのまま日本語に持ち込むと外れる部分もあるため、実務で使える形に置き直します。

押した先で起きることが、ラベルだけで分かる

同記事では、リンクは周囲の説明文とセットでは読まれず、リンクテキストだけが抜き出して見られることが多いと指摘されています。つまりラベルは、単独で意味が通らなければ判断材料になりません。

日本語のサイトでいちばん多い違反は「詳しくはこちら」でしょう。同じNielsen Norman Groupの別記事では、Learn more のような曖昧なラベルが、押した先の予想を難しくし、画面読み上げを使う読者にとっては複数のリンクを区別できない原因になると説明されています。推奨されているのは、遷移先の内容を表す語を使うか、少なくとも「〇〇について詳しく見る」のように対象を補うことです。

“Learn More” Links: You Can Do Better
Increasingly used as a crutch for link labels, 'Learn More' is a vague call to action and also inaccessible. Instead, use descriptive labels that help users predict the next page.
🌐 www.nngroup.com
外部リンク

※ 出典:Nielsen Norman Group「"Learn More" Links: You Can Do Better」

画面読み上げソフトには、ページ内のリンクだけを一覧で読み上げる操作があります。そのとき「こちら」「詳しくはこちら」「こちらから」が並んで聞こえる状態を想像すると、対象語のないラベルがどれだけ選びにくいかが分かるはずです。

動詞の重さと、読者が払うコストが釣り合っている

ここからは、上位の解説記事ではあまり触れられていない観点です。CTAのラベルは動詞で終わるものが多く、その動詞は読者にとって「これから自分が払うもの」の予告として読まれます。

ラベルの動詞

読者が実際に差し出すもの

合いやすい場面

見る・読む

時間だけ

関連記事や事例ページへの回遊

受け取る・ダウンロード

氏名とメールアドレス

資料請求、チェックリスト配布

試す

登録に加えて初期設定の手間

トライアル、無料プラン

相談する・話を聞く

予定を空ける時間と、その後の連絡

個別相談、見積もり前のヒアリング

申し込む・購入する

金銭と契約上の責任

申込フォーム、決済

問題が起きるのは、この対応がずれたときです。実際には入力項目が10個あるフォームなのに「1分で受け取る」と書く。相談のあとに営業連絡が続く前提なのに「気軽に聞くだけ」と書く。押した瞬間はクリック率が上がったように見えても、遷移先で落差に気づいた読者は離脱し、次からは同じ形のボタンを避けるようになります。

動詞の重さと、読者が実際に払うコストを釣り合わせる。軽く見せる工夫より、こちらのほうが長い目では効きます。

経営者経営者

社内では「心理的ハードルを下げる文言にしよう」と言われています。軽い言い方に寄せるのは、良くないのでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

言い方を軽くすること自体は有効です。ただ、軽くすべきなのは表現ではなく、読者が実際に負担する中身のほうだと考えています。入力項目を減らす、電話番号を任意にする、日程調整をカレンダーで完結させる。負担そのものが軽くなっていれば、文言は事実を書くだけで軽くなります。

冒頭に情報を持つ語が来ている

Nielsen Norman Groupは、リンクの先頭に情報量の高い語を置くこと(frontload)を勧めています。ただ日本語は述語が後ろに来る言語のため、英語の語順をそのまま真似ると不自然になります。日本語では、動詞を後ろに残したまま、対象を表す名詞を先頭に寄せる形が現実的でしょう。

「こちらから資料をダウンロード」ではなく「導入事例の資料をダウンロード」。「登録はこちら」ではなく「更新情報を受け取る」。先頭の数文字を読んだ時点で何の話かが分かれば、ページを流し読みしている読者の目にも引っかかります。

押す前の不安が、ボタンの外で消えている

最後の条件は、ラベルではなくマイクロコピーの仕事です。押す直前に読者の頭に浮かぶのは、たいてい同じ種類の疑問に絞られます。費用はかかるのか、どれくらい時間を取られるのか、電話がかかってくるのか、あとから解約できるのか。

この4つに答えているCTAは、それほど多くありません。文言の候補を10案考える前に、この4つのうち自社で答えられるものを書き出すほうが、結果としては早く進みます。

CTAの動詞の重さと読者が払うコストの対応を示した図

条件は整理できても、記事ごとに文言まで手が回らないなら

記事の企画と執筆に加えて、その記事からどの出口へ送るか、ボタンとその周辺に何を書くかまで含めてお引き受けしています。既存記事の文言を点検するところから始める形も可能です。

関連記事:LPOとは?SEO・EFOとの違いと改善の手順、成果につながる施策

用途別に見るCTA文言の言い換え

条件を踏まえたうえで、実際によく使われる文言を用途ごとに並べ替えてみます。左が現場でよく見かける形、中央が言い換えの一例、右がどこを変えたのかです。

用途

よく見る文言

言い換えの例

変えている点

資料ダウンロード

資料請求はこちら

導入事例5社の資料を受け取る

中身と分量を名詞で示した

問い合わせ・相談

お問い合わせはこちら

進め方を30分で相談する

所要時間と話す内容を示した

無料トライアル

無料で試す

登録して7日間試す

期間と最初の動作を示した

見積もり

お見積り依頼

条件を入力して概算を確認する

押した後に出てくる画面を示した

記事内の回遊

詳しくはこちら

キーワード設計の手順を見る

遷移先の主題を示した

メール登録

登録する

週1回の更新情報を受け取る

頻度と届くものを示した

見比べると、変えているのはほぼ全部が名詞の部分だと分かります。動詞は「受け取る」「相談する」「見る」のまま。押した後の動作を変えているのではなく、その動作の対象を具体的にしているだけです。

だからこそ、例文の名詞部分を自社の実物に入れ替える作業が欠かせません。他社の記事から「導入事例5社の資料を受け取る」をそのまま持ってきても、自社の資料が事例集でなければ、遷移先で読者の期待が裏切られます。言い回しは借りられても、名詞は借りられない。

社内の呼び名をそのままラベルに使ってしまう例も、意外と多く見かけます。「無料診断」「お役立ち資料」「個別セッション」といった語は、社内では通じても、初めて訪れた読者には中身が想像できません。営業資料ではなく、初回接触の相手が読む前提で言い換えられているかを確認してください。

文言を変えても数字が動かないときに見る3か所

冒頭の相談に戻ります。文言を変えたのに動かなかった、というとき、原因が文言そのものにあったケースは、実感としては多くありません。多くは次の3か所のどれかで止まっています。

直前の数行が、ボタンにつながっていない

読者はボタンの直前で読み終えた内容を引きずったまま、ボタンを見ます。本文が「対策の重要性」で終わっているのに、ボタンが「無料相談を申し込む」だと、重要性の理解から相談の申し込みまでの間が、読者の頭の中で埋まりません。

このとき効くのは、ラベルの言い換えよりも、直前に1文か2文を足すことです。「自社で判断がつかない部分は、既存ページを見ながら整理したほうが早く進みます」といった橋渡しが入るだけで、同じラベルのままクリックが変わることがあります。

記事の検索意図の段階と、求める行動が離れている

用語の意味を調べに来た読者と、他社と比較検討している読者では、その場で取れる行動が違います。前者に見積もり依頼を求めても、判断材料が揃っていないため動きようがない。

段階が合っていない記事に対しては、文言を工夫するのではなく、出口そのものを軽いものに差し替えるほうが確実です。関連記事へ送る、チェックリストを渡す、といった行動なら、意味を調べに来た読者でも取れます。

遷移先が、文言の約束を裏切っている

Nielsen Norman Groupの4つのSのうち、Sincere は「リンクは約束であり、クリック直後にその期待を満たす必要がある」という考え方でした。ここが崩れると、文言が良いほど落差が大きくなります。

「30分で相談する」と書いたのに、遷移先のフォームに所要時間の記載がなく、入力項目が12個ある。「無料で受け取る」と書いたのに、ダウンロードの前に電話番号が必須になっている。押した読者は、その場で戻るか、入力を途中でやめる。ラベルだけを何度書き換えても、この構造は変わりません。

  • 本文の話題と、ボタンが求める行動の重さが離れている
  • 遷移先のページに、ラベルで約束した条件が書かれていない
  • 同じページに、違う行動を求めるCTAが並んでいる
  • 記事下のバナーだけを、全記事に一律で貼っている
  • 変更前後を比べる期間や流入の内訳を揃えずに、数字だけ見ている

文言の前に、直前の数行と遷移先を見る。順序を逆にすると、書き換えの回数だけが増えていきます。既存記事全体の受け皿をどう設計するかについては、オウンドメディアのコンバージョンを増やす方法でも扱っています。

直前の数行と遷移先まで含めて、既存記事を見直す手が足りないなら

公開済みの記事を検索意図の段階で分類し、どの記事にどの出口を置くかを整理するところから支援します。編集部の機能ごとお任せいただく形も、必要な工程だけを切り出す形も選べます。

マイクロコピーで消せる不安と、消せない不安

マイクロコピーは万能ではありません。何が消せて何が消せないのかを分けておくと、書く手間の配分が変わります。

消せるのは、事実を書けば済む不安です。費用の有無、所要時間、入力項目の数、解約や退会の可否、その後の連絡方法。いずれも自社で確定できる情報であり、一行添えるだけで読者の判断が進みます。

一方、消せないのは読者の状況に属する不安です。そもそも課題を自覚していない、検討の時期がまだ先、社内で予算の権限を持っていない。この種の停滞は、ボタンのそばに何を書いても動きません。

消せない不安を、文言の強さで押し切ろうとすると逆効果になります。「今だけ」「あと3社限定」といった表現が機能するのは、期限や数量に実体がある場合だけ。締切のないキャンペーンに期限を装う書き方をすると、遷移先で矛盾が見えた時点で、そのページ全体の記述が疑われかねません。

代わりに用意すべきなのは、別の出口です。今すぐ相談できない読者に対して、資料や事例、チェックリストのように持ち帰れるものを置いておく。文言で埋められない不安には、別の出口を用意するという考え方に切り替えたほうが、結果として取りこぼしが減ります。

申込みボタンの文言には、法令上の制約がある

ここまでは読まれ方の話でしたが、申込みや購入に直結するボタンには、表現の自由度に制限がかかります。意外と知られていない部分です。

特定商取引法では、インターネット通信販売の最終確認画面について、分量や販売価格、支払時期、引渡時期、申込みの撤回や解除に関する事項などの表示が求められ、人を誤認させるような表示は禁止されています。あわせて、顧客が申込みの内容を容易に確認し、訂正できる状態になっていない場合も、行政処分の対象になり得るとされています。

ガイドライン|通信販売|特定商取引法ガイド
特定商取引法は、消費者トラブルを生じやすい特定の取引類型を対象に、トラブル防止のルールを定め、事業者による不公正な勧誘行為を取り締まることにより、消費者取引の公正を確保するための法律です。規制内容などをわかりやすく解説しています。
🌐 www.no-trouble.caa.go.jp
外部リンク

※ 出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「ガイドライン|通信販売」

この観点で見ると、「送信する」「次へ」だけのボタンには注意が必要です。押した先が確定的な申込みなのか、確認画面へ進むだけなのかが、ラベルから読み取れません。EC や有料サービスの申込導線では、「注文を確定する」のように、押した結果として何が確定するのかが分かる書き方が求められます。

言い換えると、申込導線のラベルはクリック率を上げるための調整対象ではなく、正確さを優先する場所です。クリック率を上げる工夫は、その手前の商品ページや誘導部分で行う。この線引きを社内で共有しておくと、施策の議論が噛み合いやすくなります。

Web担当者Web担当者

「無料」という語をボタンに入れると押されやすいと聞きました。使っても問題ないでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

無料である範囲が実際と一致していれば問題ありません。注意したいのは、初回だけ無料で継続課金が前提になっている場合や、一部の機能に限って無料である場合です。その条件をボタンの外に書ききれないなら、ラベル側で「無料」を強調しない判断も含めて検討したほうが安全だと考えています。

CTA文言を見直す手順

最後に、既存サイトの文言を見直すときの進め方をまとめます。順番を守ると、書き換えの手戻りが減ります。

1
STEP
今あるCTAをすべて書き出す

ページ名、置いている位置、誘い文、ラベル、マイクロコピー、遷移先URLを一覧にします。この時点で、同じ行動を求めるCTAが別の言い回しになっていたり、遷移先が古いページのままだったりする問題が見つかることが多くあります。

2
STEP
ページごとに、求める行動を1つに決める

1ページに複数の出口が並んでいる場合は、主にする行動を決めます。残りは補助として、文言のトーンを一段落とすか、位置を下げる。選択肢が横並びのままだと、どちらも選ばれにくくなります。

3
STEP
ラベルとマイクロコピーに情報を振り分ける

動詞と対象の名詞をラベルへ、費用・所要時間・入力項目・その後の連絡をマイクロコピーへ。ここで、社内の呼び名になっている語を、初見の読者に伝わる語へ置き換えます。

4
STEP
遷移先を、ラベルの内容と突き合わせる

書き換えたラベルの約束が、遷移先で果たされているかを確認します。所要時間を書いたなら遷移先にも記載する、入力項目を減らすと書いたなら実際に減らす。ここを飛ばすと、文言だけが先行します。

5
STEP
変更前後を、同じ条件で比べる

比較する期間の長さ、流入経路の内訳、季節要因を揃えたうえで数字を見ます。条件が違うまま比べると、施策の良し悪しを取り違えます。

手順としては単純ですが、最初の書き出しでつまずくケースが少なくありません。記事数が数十本を超えると、どのページにどのCTAが入っているかを誰も把握していない状態になりがちです。

文言のABテストを検討する場合は、先に必要な回数を見積もってください。元のクリック率が低く、検出したい差が小さいほど、判断に必要なクリック数は増えます。月のクリックが数十回という規模では、差が出たように見えても偶然の範囲に収まることが多く、判断材料になりません。テストを回せる規模に達するまでは、条件を書き足す、遷移先を整えるといった、論理で判断できる改善を先に済ませるほうが早く進みます。

検証の進め方そのものについては、ABテストの事例から学ぶ7つの検証パターン記事タイトルのA/Bテスト方法で扱っている考え方が、ボタンの文言にもそのまま応用できます。

CTA文言を見直す手順の流れを示した図

この見直しを、社内で繰り返せる形にしておきたいなら

文言の決め方と検証の手順を、担当者が入れ替わっても回る形に落とし込むところまで伴走します。既存記事を題材にした点検の進め方を、実際の画面を見ながら共有する形から始められます。

CTA文言についてのよくある質問

CTAの文言は何文字くらいが適切ですか

文字数の正解はなく、ボタンの中は押した後の動作が分かる最短の長さにとどめ、条件はボタンの外へ出す、という分け方のほうが実務的です。日本語のボタンでは10文字前後に収まることが多いものの、「導入事例5社の資料を受け取る」のように名詞を具体化した結果として長くなる場合もあります。折り返しが起きる幅かどうかを、スマートフォンの実機で確認してから決めてください。

「詳しくはこちら」は使ってはいけませんか

単独で使うと、押した先が読み取れません。Nielsen Norman Groupも、遷移先を説明する語を使うか、少なくとも対象を補うことを勧めています。画面読み上げソフトにはリンクだけを抜き出して読み上げる操作があるため、対象語のないラベルは選択肢として機能しにくくなります。「〇〇の手順を見る」のように、主題を1語入れるだけでも改善します。

「今すぐ」や「限定」といった煽り文句は効きますか

期限や数量に実体があれば機能します。実体がないまま付けると、遷移先で矛盾が見えた時点で信頼が下がり、そのページの他の記述まで疑われます。急がせる語を足すより、押した後の所要時間や入力項目の数を書くほうが、結果として押されやすい場面も多いはずです。

1ページに置くCTAの文言は、揃えるべきですか

同じ行動を求めるなら揃えるほうが安全です。ページの上と下で違う言い回しになっていると、別の出口だと受け取られます。一方、記事の途中では軽い行動、記事末では重い行動というように役割を分ける場合は、文言も意識的に変えてください。その場合も、1ページで求める行動の種類は絞ったほうが選ばれやすくなります。

ボタンの色と文言では、どちらを先に見直すべきですか

文言を先に見直すことをおすすめします。色は目に入るかどうかを左右しますが、押すかどうかを決めるのは、押した先で何が起きるかの理解です。色を変えても押されない場合、ラベルか遷移先のどちらかで期待が噛み合っていないことが多く見られます。色の調整は、文言と遷移先を整えた後の詰めの工程に置くほうが順序として自然でしょう。

まとめ|CTA文言は、ボタンの中だけでは決まらない

CTAの文言は、誘い文とラベルとマイクロコピーの3層でできています。ラベルには押した後の動作を、その外側には費用や所要時間といった条件を。この分担ができていれば、ひとつのボタンに情報を詰め込む必要はなくなります。

押される言い回しの条件は、ラベル単独で意味が通ること、動詞の重さと読者が払うコストが釣り合っていること、先頭に対象を表す語が来ていること、そして押す前の疑問がボタンの外で解消されていること。用途別の言い換えを見比べても、変わっているのはほとんどが名詞の部分でした。

そして、文言を変えても数字が動かないときは、直前の数行と、記事の検索意図の段階と、遷移先の3か所を先に確認してください。申込みや購入に直結するボタンについては、押した結果として何が確定するのかが読み取れる表記が求められる点も、あわせて押さえておきたいところです。

合同会社Writers-hubでは、記事の企画から執筆、公開後の見直しまでを支援しています。既存記事のCTAが読者の段階と噛み合っているか、どのページで受けるべきかといった点検からご相談いただけます。

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この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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