「検索結果の順位が人によって違うのは、Googleが自分の閲覧履歴に合わせて表示を変えているからだ」。自分の画面では3位に出ているのに上司のパソコンでは見当たらない、といった食い違いに出くわしたとき、そう受け止める方は多いのではないでしょうか。シークレットモードで開き直すと並び順が変わる場面を何度か経験すると、履歴が順位を動かしているという見方が固まっていくからです。
しかし、これまで多くの企業サイトの検索順位を毎月追い続けてきた弊社の立場から言えるのは、人によって検索結果が変わる原因の多くはパーソナライズではなく、位置情報や言語設定、端末といった条件の違いにあるということでした。パーソナライズをオフにしても、検索結果は完全には揃いません。
本記事では、Googleのパーソナライズが働く場所と使われる情報を整理したうえで、確認の手順、検索と広告それぞれをオフにする方法、そして順位を測るときの扱い方までをお伝えします。
- Googleのパーソナライズが検索、広告、おすすめ表示のどこで働くのか
- 保存された履歴のうち、実際に検索結果へ効いている情報の範囲
- 自分の検索結果がパーソナライズされているかを確かめる手順
- 検索と広告のパーソナライズを、それぞれオフにする設定場所
- オフにしても順位が揃わない理由と、計測時に条件をそろえる考え方
Googleのパーソナライズが働く3つの場所
Googleのパーソナライズとは、同じキーワードで検索しても利用者ごとに表示内容を調整する仕組みを指します。ただし、ひとくちにパーソナライズと言っても働く場所は分かれており、設定を変える画面もそれぞれ別物です。1か所でまとめてオフにできると思って探し回る方が多いのは、この構造があまり案内されていないためだと見ています。
大きく分けると、検索結果、広告、おすすめ表示の3か所です。

検索結果のパーソナライズ
ログイン中の利用者に対して、過去の検索や訪問の記録をもとに並び順を調整する動きです。Google検索のヘルプは、以前に開いたページをもう一度探しているときや、関連するテーマを続けて調べているときに、この調整が働くと説明しています。
ここで押さえておきたいのが、調整の幅はそれほど大きくないという点になります。ある日突然、10位のページが1位に持ち上がるような変化は起きません。過去に何度も開いたサイトが、同じキーワードで数段階だけ上がる。実務で観察できるのはその程度の動きです。
※ 検索結果のパーソナライズについての説明は、Google検索ヘルプ「パーソナライズと Google 検索の検索結果」に基づいています。

広告のパーソナライズ
YouTubeや提携サイトに出る広告を、興味関心の推定に合わせて出し分ける仕組みです。検索のパーソナライズとは管理画面が完全に分かれていて、マイアドセンターという専用の画面で扱います。検索側の設定を変えても広告の出方は変わりませんし、その逆も同じことが言えます。
おすすめ表示のパーソナライズ
スマートフォンのGoogleアプリに並ぶDiscoverのカードや、YouTubeのトップに出る動画の並びが、おすすめ表示のパーソナライズにあたります。検索していないのに関心のある話題が出てくるのは、この仕組みが働いているためです。止めたい場合は個別の設定ではなく、ウェブとアプリのアクティビティの保存そのものを見直すことになります。
パーソナライズに使われる利用者の情報
では、何をもとに調整されているのか。Googleアカウントに保存されるアクティビティのうち、パーソナライズに関わるものは主に次の3種類です。
- ウェブとアプリのアクティビティ:Google検索で打ち込んだ語句や、検索から開いたページの記録。検索結果とおすすめ表示の両方に効きます
- 位置情報の履歴:訪れた場所の記録。地図や地域に関わる検索の並びに関わります
- YouTubeの履歴:視聴した動画と検索語句。YouTube内のおすすめのほか、広告の出し分けにも使われます
3種類はひとまとめのスイッチにはなっておらず、Googleアカウントのアクティビティ管理から1つずつオンオフを切り替えられます。位置情報だけ止めて検索履歴は残す、といった使い分けもできます。
ログアウトしていればパーソナライズされない、という理解は正確ではありません。ログアウト中でも、ブラウザに保存されたCookieをもとに一定の調整が働きます。ただし参照できる情報が減るぶん、ログイン中と比べて調整の幅は小さくなると考えられます。
検索結果の差を生むのはパーソナライズだけではない
ここからが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。同じキーワードなのに人によって検索結果が違うとき、原因をパーソナライズだけに求めると、打つ手を間違えます。
Googleは以前から、利用者ごとの好みに合わせた調整と、状況に応じた調整を別のものとして説明してきました。前者がパーソナライズで、後者は言語や場所、時期といった条件による違いです。人による検索結果の差は、履歴よりも場所と端末で大きく開きます。

場所によって変わるローカライズ
「税理士 相談」のような地域性のあるキーワードでは、検索した場所が変われば上位の顔ぶれごと入れ替わります。東京の事務所で調べた結果と、大阪の自宅で調べた結果を並べても比較になりません。そして厄介なことに、この差はシークレットモードでも履歴を消しても残ります。場所はアカウントではなく、接続元のIPアドレスや端末の位置情報から判定されるためです。
端末と言語による表示の違い
スマートフォンとパソコンでは、そもそも画面に出る要素の構成が違います。地図の枠が先に出るか、よくある質問の欄が挟まるかで、通常のリンクが何番目に見えるかは変わってきます。順位を「画面の上から何番目か」で数えていると、端末が違うだけで報告値がずれてしまうのです。
検索するたびに起きる順位の変動
Googleは常に検索結果の調整を続けており、同じ端末、同じ場所で数分後に検索し直しても並びが変わる場面があります。とりわけ競合が拮抗しているキーワードでは、1つか2つの入れ替わりが日常的に起きるものです。1回の目視で確定した順位として扱うのは、この点でも無理があります。
シークレットモードで検索すれば本当の順位が見られる、と聞いたことがあります。あれは間違いなのでしょうか。
シークレットモードへの期待は、実務でもよく耳にします。答えは「部分的には合っている」です。
編集部
消えるのは、ログイン情報とCookieに紐づく調整までです。場所と端末による違い、それに順位そのものの変動は残ったままなので、本当の順位というより「履歴の影響を除いた1回分の結果」と受け取ると実態に近くなります。
パーソナライズされているかを確認する方法
自分の検索結果が調整を受けているかどうかは、2つの結果を見比べれば見当が付きます。手順は3段階です。
ログインした状態のまま、対象のキーワードで検索します。自社サイトが何番目に出るかを、通常のリンクだけを数えて記録してください。広告や地図の枠は別に数えます。
同じキーワードを、シークレットウィンドウで検索します。場所と端末は変わらないため、ここで出た差は履歴やアカウントに由来する部分だと切り分けられます。
2つの結果を並べ、順位が変わったページを確かめます。過去に何度も開いたサイトが通常のブラウザ側で上に来ていれば、パーソナライズが働いている状態です。差がほとんどなければ、そのキーワードでは調整がほぼ効いていないと判断できます。
やってみると、上位10件のうち入れ替わるのは1件か2件、という結果に落ち着く場合が多いはずです。もし順位が大きく違うなら、履歴ではなく検索した場所や端末の条件がそろっていない可能性を先に疑ってください。
Googleのパーソナライズをオフにする方法
恒久的にオフにしたいなら、触る画面は用途ごとに分かれます。検索と広告のパーソナライズは、別々の画面で切る必要があります。片方だけ設定して変わらないと感じている方は、もう片方が残っている可能性があります。

検索設定から履歴の反映を止める
Google検索の設定画面には、アカウントに保存された情報を検索結果へ反映するかどうかの項目があります。オフにすると、過去の検索や訪問の記録が並び順に反映されなくなります。
なお、Googleは現在、検索サービス全体の設定画面を更新している最中です。ヘルプページにも、記載どおりの画面が表示されない場合があると但し書きが付いています。項目名が見当たらないときは、検索設定の中を上から順に探すか、Googleアカウント側のアクティビティ管理から止めるほうが早く済みます。
マイアドセンターで広告の出し分けを止める
広告側はマイアドセンターで管理します。パーソナライズド広告のスイッチをオフにすると、興味関心の推定に基づく出し分けが止まります。広告そのものが消えるわけではなく、表示されるのが検索語句やページの内容に応じた広告へ切り替わる、と受け取るのが正確です。
※ 広告のパーソナライズの範囲と設定手順は、Googleの「パーソナライズド広告の仕組み」に基づいています。

アクティビティの保存を止めて履歴を消す
大元から断つなら、Googleアカウントのアクティビティ管理で保存自体をオフにします。ウェブとアプリのアクティビティ、位置情報の履歴、YouTubeの履歴をそれぞれ止め、すでに保存されている分は期間や項目を指定して削除できます。一定期間を過ぎた記録を自動で消す設定も選べるので、全部消すか残すかの二択で考える必要はありません。
ただし、保存を止めると検索候補の精度が落ち、以前開いたページを検索からたどり直すことも難しくなります。日常の使い勝手と引き換えになる設定なので、業務用のアカウントだけ止めるという分け方も現実的だと考えています。
シークレットモードとpws=0で足りる場面
一時的に確認したいだけであれば、設定を変えずシークレットウィンドウで開くほうが手軽です。検索結果のURLの末尾に「&pws=0」を付ける方法も古くから使われてきました。ただしこのパラメータはGoogleのヘルプに記載がなく、公式に案内されている手段ではありません。今も効くかどうかを保証できないため、確認用の補助として扱うにとどめるのが無難でしょう。
社内の複数人で同じキーワードの順位を確認するなら、シークレットウィンドウを使うだけでは足りません。全員が同じ地域から、同じ端末種別で見るという取り決めまで作って、はじめて数字を並べて話せる状態になります。
パーソナライズをオフにする前の判断材料
オフにすれば万事解決、という話でもありません。止めることで失うものもあるため、何のために切るのかを先に決めておく必要があります。
判断の目安を挙げると、順位の確認が目的ならアカウントの設定は触らず、シークレットウィンドウで足ります。プライバシー上の理由で履歴を残したくないなら、アクティビティの保存自体を止めるところまで進めるのが筋でしょう。この2つは目的がまるで違うので、混ぜて考えると設定が中途半端になります。
順位を測るときにパーソナライズをどう扱うか
SEOの現場では、パーソナライズは消すものではなく、条件として固定するものとして扱っています。順位の食い違いは、計測の条件をそろえれば大半が消えます。
なぜそう言えるのか。順位が合わないという相談を受けて確認していくと、原因の多くは場所と端末の違いに行き着くからです。クライアントが大阪のオフィスで見て、担当者が東京で見ていれば、地域性のあるキーワードで結果が違うのは当然の帰結でした。
確認方法ごとに、何を固定できて何を固定できないのかを並べてみます。
| 目視(通常) | 目視(シークレット) | 順位計測ツール | |
|---|---|---|---|
| 履歴の影響を外せるか | × | ○ | ○ |
| 場所を指定できるか | × | × | ○ |
| 端末別に分けられるか | △ | △ | ○ |
| 日ごとの推移を残せるか | × | × | ○ |
| 手軽さ | ◎ | ◎ | △ |
3つを並べてみると、目視でできるのは履歴の影響を外すところまでだと分かります。場所を指定した計測や日ごとの記録まで求めるなら、ツールに任せたほうが早く、数字も安定するでしょう。
とりわけ見落とされがちなのが、順位という数字の伝え方です。パーソナライズと条件の違いがある以上、「3位」という報告は常に「特定の場所と端末で測った3位」という但し書き付きになります。その前提を共有しないまま数字だけを渡すと、クライアントが自分の画面で確認したときに食い違いが生まれます。順位表に計測条件を書き添えておくだけで、この種のやり取りはかなり減るはずです。
順位の食い違いを説明することに、毎回時間を取られていませんか
計測の条件をそろえても、順位そのものが動かなければ流入は増えません。今あるページがどのキーワードで何位にいるか、上げる余地が残っているのはどれかを整理したうえで、検索経由の流入を伸ばす順番を組み立てる支援を行っています。
Googleのパーソナライズによくある質問
設定や確認の場面で相談を受けることの多い5つを、短く整理しました。
大きくは変わりません。上位10件のうち入れ替わるのは1件か2件という場合が多く、並びごと変わるほどの影響は通常起きません。差が大きいときは、履歴ではなく検索した場所や端末の条件を疑ってください。
履歴の影響は外せます。ただし場所と端末による違いや、検索するたびの変動は残るため、正確な順位というより1回分の結果と考えるほうが実態に合います。
連動しません。検索結果のパーソナライズはGoogle検索の設定とアクティビティ管理で、広告のパーソナライズはマイアドセンターで、それぞれ別に切り替えます。
一時的には止まります。ただし保存の設定を変えていなければ新しい記録が積み上がるため、継続して止めるなら削除だけでなく、アクティビティの保存自体をオフにしてください。
消せません。接続元のIPアドレスや端末の位置情報から判定されるため、ログアウトしてもシークレットモードでも残ります。地域を指定して確認したいなら、地域指定に対応した計測ツールを使うことになります。
まとめ|パーソナライズより先に場所と端末を確認する
Googleのパーソナライズは、検索、広告、おすすめ表示の3か所で別々に働き、設定画面もそれぞれ分かれています。オフにする方法はあるものの、切ったあとに残る差のほうが実は大きいというのが、順位を追い続けてきた実感です。
検索結果が人によって違うと感じたら、確かめる順番があります。同じ場所か、同じ端末か、同じ時間帯か。場所と端末をそろえてから、履歴の影響を疑う。逆にしてしまうと、設定を触ったのに食い違いが直らないという遠回りになります。
私たち合同会社Writers-hubは、企業サイトの検索順位を毎月追いながら、記事の制作とキーワード設計を支援しています。順位の数字を細かく追うことより、どのキーワードで何を書くかの判断のほうが結果を左右する場面が多い、というのがこれまでの実感です。
順位のブレを追いかけるより、次に書く記事を決めたい方へ
順位が数段階動く理由を追い続けるより、まだ書けていないキーワードを見つけるほうが流入は増えます。検索需要と自社が答えられる範囲を照らし合わせて、書く順番を決めるところから支援しています。








