「『ご都合いかがでしょうか』だけでは、目上の方に軽く聞こえるのではないか」。取引先や上司に日程を尋ねるメールを書く前に、もっと丁寧な言い方を探して検索する方もいるでしょう。ビジネスメールの例文集には「ご都合のほど」「お差し支えなければ」といった長い言い回しが並ぶため、短い形ほど略式に見えやすいのです。
しかし、これまで多くの取材先や記事の監修者と日程を合わせてきた弊社の立場から言えるのは、「ご都合いかがでしょうか」は目上の方にそのまま使える敬語だということです。返信が一度で来るかどうかは、言い回しの丁寧さより、添えた候補日の書き方で決まります。
本記事では、「ご都合いかがでしょうか」の意味から、場面別の例文、言い換え、返信の仕方まで、取材先や監修者と日程を合わせてきた制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 「ご都合いかがでしょうか」は尊敬語の「ご」と丁寧な問いかけでできた表現で、上司や取引先に使っても失礼にならない
- 候補日は日付と曜日・時間帯・所要時間・会う方法をそろえて3つほど示すと、一度の返信で決まりやすい
- 一つの日時の可否を尋ねるなら「ご都合よろしいでしょうか」、複数の候補や相手の希望を尋ねるなら「ご都合いかがでしょうか」が合う
- 返信では、選んだ日時を曜日と時刻まで書き写して確定させる
「ご都合いかがでしょうか」は目上に使える敬語か
「ご都合いかがでしょうか」は、相手の予定や事情が合うかを丁寧に尋ねる表現で、上司や取引先に使っても失礼にはなりません。「ご都合」の「ご」は、相手の物事に付けてその人を立てる尊敬語です。文化庁の「敬語の指針」にも、相手側の物事に付く「お名前」「御住所」が尊敬語の例として載っています。

「いかが」は「どう」の改まった言い方で、「でしょうか」は「ですか」を柔らかくした丁寧な問いかけにあたります。敬語の指針は、一つの語に同じ種類の敬語を重ねたものを「二重敬語」と呼び、一般に適切ではないとしています。「ご都合いかがでしょうか」は「都合」「どう」「ですか」のそれぞれを一度ずつ丁寧にしただけなので、二重敬語には当たりません。

※ 出典:文化審議会答申「敬語の指針」(2007年2月2日)
「ご都合はいかがでしょうか」と「は」を入れても意味は同じで、どちらも正しい表現です。一方、「ご都合どうですか」は「どう」が話し言葉のため、同僚や社内の親しい相手に向く言い方になります。
「ご都合よろしいでしょうか」のほうが丁寧だと聞きました。言い換えたほうがよいですか?
編集部
丁寧さはほとんど変わりません。違うのは尋ね方です。「よろしいでしょうか」は一つの日時に「はい」か「いいえ」で答えてもらう聞き方なので、候補を3つ並べたときや相手に希望を出してもらうときは「いかがでしょうか」のほうが自然につながります。
「ご都合いかがでしょうか」を使う場面別の例文
「ご都合いかがでしょうか」は、こちらから候補日を示すとき、相手に候補日を出してもらうとき、日程の変更をお願いするときの3つの場面でよく使います。例文の日付と曜日は2026年のカレンダーに合わせています。
候補日を示して打ち合わせを打診するとき
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の山田です。
先日お話しした新サービスの件で、一度お打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか。下記の日程で、ご都合いかがでしょうか。
- 10月6日(火)14時〜17時のうち1時間
- 10月8日(木)10時〜12時のうち1時間
- 10月13日(火)15時〜17時のうち1時間
方法はオンライン(Zoom)を考えておりますが、ご来社をご希望でしたら合わせます。いずれも合わない場合は、ご都合のよい日時を2〜3ついただけますと幸いです。
お手数ですが、10月2日(金)までにご返信いただけますと助かります。
候補を「14時〜17時のうち1時間」と幅で示すと、相手は自分の空き時間に合わせて開始時刻を選べます。
相手に候補日を出してもらうとき
相手が多忙な役職者であるときや、こちらがいつでも合わせられるときは、期間と所要時間だけを示し、候補日は相手に出してもらいます。
来週10月5日(月)から9日(金)のあいだで、30分ほどお時間をいただけないでしょうか。ご都合いかがでしょうか。
ご都合のよい日時を2〜3ついただけましたら、こちらで合わせます。
「来週どこかで」とだけ書くと、相手は1週間分の予定をすべて見直すことになります。
日程の変更をお願いするとき
こちらの都合で日程を変えるときは、変更する元の日時を最初に書き、お詫びを添えてから新しい候補を示します。
10月8日(木)10時からのお打ち合わせにつきまして、社内の都合により変更をお願いしたく、ご連絡いたしました。直前のご相談となり、大変申し訳ございません。
代わりの日程として、下記ではご都合いかがでしょうか。
- 10月13日(火)15時〜16時
- 10月14日(水)10時〜11時
元の日時を書かずに「先日の件ですが」と始めると、相手は同じ週に入っている他の予定と取り違えるおそれがあります。複数の打ち合わせを抱える相手ほど、日時で予定を見分けているためです。
一度の返信で日程が決まる候補日の書き方
日程調整のメールが一度の返信で決まるかどうかは、相手が自分のカレンダーと見比べるだけで候補を選べるかで決まります。取材先や監修者と日程を合わせてきた経験では、返信が遅れたり確認のやり取りが増えたりする原因は、敬語より候補日の書き方にあることが多いと見ています。候補日には、次の5つを入れます。
- 日付と曜日
- 時間帯(開始と終了の時刻、または「14時〜17時のうち1時間」のような幅)
- 所要時間
- 会う方法(オンラインか訪問か、訪問なら場所)
- 返信の期限と、候補がすべて合わないときの頼み方
曜日を書くのは、定例会議のように曜日で決まっている予定が多く、相手が曜日から空きを思い出しやすいためです。ただし、日付と曜日が食い違っていると、相手は「6日と火曜のどちらが正しいのか」を問い合わせることになります。送信前に、候補の日付と曜日をカレンダーで一つずつ照らし合わせてください。
所要時間と方法は、相手が前後の予定と重ならないかを判断する材料になります。訪問の打ち合わせなら、相手は移動時間も含めて空きを探すので、同じ1時間でもオンラインより選べる候補が減ります。
候補の数は3つ前後が扱いやすいと感じています。1つだけだと合わなかったときにもう一往復が必要になり、5つを超えると相手がすべての候補をカレンダーと照らし合わせる手間が増えるからです。

とりわけ見落とされがちなのが、候補に出した日時を自分の予定で押さえておくことです。同じ時間帯を別の相手にも候補として出すと、両方から同じ日時で返事が来たときに、片方へ変更をお願いすることになります。
日程調整のメールを、毎回いちから書いていませんか
候補日に入れる5つの項目は、カレンダーの空き時間から書き出せる情報です。Writers-hubでは、日程調整のように社内で繰り返し書いている連絡を、AIと自動化で下書きまで作る仕組みづくりを支援しています。
「ご都合いかがでしょうか」の言い換え表現
「ご都合いかがでしょうか」は、尋ねたい中身と相手との関係に合わせて、次の6つの表現に言い換えられます。
| 尋ねる中身 | 向く相手 | |
|---|---|---|
| ご都合のほどいかがでしょうか | 候補が合うか、希望はあるか | 取引先の役員など特に改まった相手 |
| ご都合はよろしいでしょうか | 一つの日時が合うか | 上司・取引先 |
| ご予定はいかがでしょうか | 予定が空いているか | 上司・取引先 |
| お時間をいただくことは可能でしょうか | 時間を割いてもらえるか | 初めて連絡する相手 |
| ご都合のよい日時をお知らせください | 相手の希望の日時 | 上司・取引先 |
| ご都合どうですか | 予定が空いているか | 同僚・社内の親しい相手 |
「ご都合のほど」の「ほど」は、はっきり言い切らずに表現を和らげる語です。「ご予定」は相手のカレンダーの空きだけを尋ねるのに対し、「ご都合」は準備の状況など相手の事情も含めて尋ねる言葉です。
「ご都合いかがでしょうか」への返信例
「ご都合いかがでしょうか」と尋ねられたら、候補の中から選んだ日時を曜日と時刻まで書き写して返すと、相手はそのままカレンダーに登録できます。「2番目の日程で」と番号だけで返すと、相手は元のメールに戻って日時を確かめることになります。

合う候補があるとき
ご連絡ありがとうございます。
10月8日(木)10時〜11時でお願いいたします。オンラインで問題ございません。
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
どの候補も合わないとき
どの候補も合わないときは、お詫びを添え、こちらから代わりの候補を2〜3つ示します。「いずれも難しいです」とだけ返すと、相手は候補を出し直すところから始めることになります。
せっかくご提示いただいたのですが、いずれの日程も先約があり、お時間をいただくことができません。大変恐縮ですが、下記の日程ではいかがでしょうか。
- 10月14日(水)13時〜17時のうち1時間
- 10月15日(木)10時〜12時のうち1時間
相手は候補に出した日時を仮で押さえて待っていることが多いため、返信は候補を選べた時点で早めに送ります。
「ご都合いかがでしょうか」に関するよくある質問
社外の相手とのチャットでは、メールと同じように使って問題ありません。社内の同僚には「6日(火)の14時からはどうですか」のように、候補を入れた短い形でも伝わります。
電話では、まず「今お時間よろしいでしょうか」と今話せるかを確かめてから、「来週火曜の午後はご都合いかがでしょうか」と候補を一つずつ尋ねます。電話では相手が候補をすべて覚えきれないため、決まった日時は後からメールでも送ります。
ビジネスメールでは「Would Tuesday, October 6 at 2 p.m. work for you?」や「Are you available on Tuesday, October 6?」がよく使われます。候補を複数示すときは、日付を並べたあとに「Please let me know which works best for you.」と添えます。
伝えた返信の期限を過ぎたら、前のメールの候補日をもう一度書き、「念のため再度ご連絡いたしました」と添えて送ります。期限を過ぎた候補日が含まれていれば、新しい候補に差し替えてから送ります。
まとめ|「ご都合いかがでしょうか」は候補日の書き方で伝わる
「ご都合いかがでしょうか」は、上司や取引先にもそのまま使える敬語です。言い換えを探すより、日付と曜日、時間帯、所要時間、会う方法をそろえた候補を3つほど添えるほうが、日程は早く決まります。
尋ねる中身が一つの日時の可否なら「ご都合よろしいでしょうか」、相手の希望を聞くなら「ご都合のよい日時をお知らせください」と使い分けると、相手は答えやすくなります。返信する側に回ったときは、選んだ日時を曜日と時刻まで書き写して返してください。
私たち合同会社Writers-hubは、取材や監修の日程調整を含む記事制作に加え、社内で繰り返している連絡や作業をAIで減らす支援も行っています。日程調整に毎週時間を取られているなら、候補日の書き方をそろえるところから始めてみてください。
社内の連絡文の書き方が、人によってばらついていませんか
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