「『〜とは』が付いていればKnowクエリ、『やり方』が付いていればDoクエリ」。検索意図の分類を、語尾のパターンで覚えている方は多いのではないでしょうか。キーワードプランナーから抜き出した数百語を仕分ける場面では、語尾で機械的に振り分けるのがいちばん早く、その手軽さのまま管理シートに記録されていきます。
しかし、これまで企業のオウンドメディア向けにキーワード設計から記事制作までを引き受けてきた弊社の立場から言えるのは、Knowクエリかどうかは語尾ではなく検索結果で決まるということです。同じ「〜とは」でも、上位が用語解説で埋まっている語と、料金表や申込ページが混ざっている語とでは、書くべき記事の中身がまるで変わります。
本記事では、Knowクエリの定義と4分類の違いから、検索結果を見て型を判定する手順、記事にする語と見送る語の線引きまで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- Knowクエリの定義と、Go・Do・Buyとの違い
- 語尾ではなく検索結果から検索意図を判定する手順
- 記事にする価値がある語と、見送ってよい語の線引き
- 「Knowクエリは問い合わせにつながらない」と言われる理由と実際の役割
- KnowクエリとDoクエリのどちらを先に書くかの判断
Knowクエリとは
Knowクエリとは、何かを知りたい、理解したいという意図で打ち込まれる検索語のことです。意味を調べたい、仕組みを把握したい、違いを整理したい。そうした状態にある人が使います。この段階の読者は、商品を買う、サービスに申し込むといった行動をまだ想定していません。
呼び名の出どころは、Googleがモバイル時代の検索行動を「知りたい」「行きたい」「したい」「買いたい」の4つの瞬間として整理した考え方にあります。SEOの現場では、この4つをKnow・Go・Do・Buyと呼び分ける形で定着しました。
※ Googleがマーケティング担当者向けに公開している検索行動の整理(マイクロモーメント)に由来する分類です。検索アルゴリズムの内部区分として公表されているものではありません。
Knowクエリの見分け方で最も間違いが少ないのは、「この語で検索した人は、このあと何をするつもりか」を考えることです。答えを読んで終わりならKnow、その場で何かを実行するならDo、候補を比べて選ぶ段階ならBuyに寄ります。
検索意図の4分類でのKnowクエリの位置
4分類のなかで、Knowクエリは検討の入口にあたります。何かを知った人が方法を探し、候補を比べ、特定のサイトへ向かうという流れを考えると、Knowは最も上流に位置しています。
上流にあるということは、検索する人の数が多い一方で、その多くはまだ自社の顧客候補ではないという意味でもあります。Knowクエリの記事だけを増やしてもアクセスは伸びるのに問い合わせが増えない。この状態が起きるのは、分類の位置づけからすれば当然のことなのです。
クエリとキーワードの違い
混同されがちですが、クエリとキーワードは別のものを指します。クエリは、ユーザーが実際に検索窓へ打ち込んだ語そのものです。誤字や口語、助詞の混じった長い文もそのまま含まれます。対してキーワードは、書き手や広告主が狙いを定めて選んだ語を指します。
Search Consoleの一覧に並ぶのが前者、記事を書く前に設計するのが後者です。両者は必ずずれます。狙ったキーワードと実際に流入したクエリの差分を見ることが、公開後のリライトでいちばん確実な手がかりになるでしょう。
関連記事:【2025年最新版】初心者でもできるSEOのやり方完全ガイド | 上位表示するための具体的な方法を徹底解説
Know・Go・Do・Buyの違いと具体例
4分類は、言葉の定義を覚えるより、検索した人がその直後に何をするかで並べたほうが実務で使えます。次の表に、それぞれの状態と検索語の例を整理しました。
| 検索した人の状態 | 検索語の例 | 上位に並びやすいページ | |
|---|---|---|---|
| Knowクエリ | 意味や理由、違いを理解したい | 「knowクエリ とは」「被リンク 効果」 | 用語解説、比較記事、解説動画 |
| Goクエリ | 特定のサイトや場所にたどり着きたい | 「search console ログイン」「渋谷 郵便局」 | 公式サイト、地図、店舗ページ |
| Doクエリ | その場で何かを実行したい | 「pdf 圧縮」「確定申告 やり方」 | ツール、手順記事、アプリ |
| Buyクエリ | 購入や申込の候補を絞りたい | 「seo 記事制作 費用」「ノートpc おすすめ」 | 料金ページ、比較サイト、申込ページ |
表を横に見ていくと、同じ「調べる」という行為でも、上位に並ぶページの種類がまったく違うとわかります。Knowクエリの検索結果に料金ページが1つも出てこないのは偶然ではありません。その語で検索した人が、料金を求めていないからです。

インフォメーショナルクエリとの関係
Knowクエリとほぼ同じ意味で、インフォメーショナルクエリ(情報型)という呼び方も使われます。こちらは、検索を「情報型」「案内型」「取引型」の3つに分けた古くからの整理に由来するものです。
対応関係を並べると、情報型がKnow、案内型がGo、取引型がDoとBuyの両方にあたります。解説記事のなかには案内型をDoクエリと説明しているものも見かけますが、案内型は特定のサイトへ移動したい意図を指すため、対応するのはGoクエリのほうです。用語の対応を取り違えると、キーワードの仕分け結果そのものがずれてしまいます。
関連記事:Googleの検索クエリの意味と調べ方|キーワードとの違いも解説
Knowクエリを分ける2つの層
ここからが、キーワードの仕分けで最も差が出るところです。Knowクエリと一口に言っても、一文で答えが確定する質問と、条件によって答えが変わる質問とでは、記事にしたときの結果がまるで違います。
前者の例が「html head 意味」「seo 読み方」のような語です。答えが短く、誰が書いても同じ内容になります。検索結果の最上部に抜粋が表示されたり、AIによる要約で答えが済んでしまったりするため、記事を開かずに離れる人が大半を占めるでしょう。
Googleが検索品質の評価者向けに公開している資料でも、Knowの内側に「短い答えで完結する質問」という区分が置かれています。答えの長さで扱いを分けるという発想は、検索エンジン側にも制作側にも共通していると見てよさそうです。
後者は「オウンドメディア 立ち上げ 進め方」「seo 内製化 判断」のように、前提条件によって結論が変わる質問です。書き手の経験や判断基準が入る余地があり、読み終えるまでに時間もかかります。単体の記事として成立するのは、ほぼこちらだけだと考えています。
そのため実務では、一文で答えが終わる語は単体の記事にしないという線を引いています。この種の語は、より大きなテーマの記事のなかで1つの見出しとして扱うほうが、順位も滞在時間も安定するはずです。
検索数が多い語なら、答えが短くても1本立てたほうが得ではないでしょうか。
編集部
検索数だけを見ればそう思えます。ただ、答えが1行で終わる語は検索結果の上部で答えが出てしまうため、順位が1位でもクリック数が伸びない例が多いのです。同じ労力をかけるなら、その語を含む一段上のテーマで書き、内側の見出しで答えたほうが取りこぼしは減ります。
関連記事:allintitleとは?intitleとの違いと、キーワード選定での使い方・注意点
検索結果から検索意図を判定する手順
語尾での仕分けを検索結果で確かめる作業は、1語あたり2分ほどで終わります。数百語すべてに行う必要はなく、記事化の候補として残った語だけで十分です。
シークレットウィンドウを使い、地域や閲覧履歴の影響を減らした状態で検索します。ログインしたままの結果では、自社サイトが実際より上に見えることがあります。
用語解説と比較記事が中心ならKnow、サービスページや料金表が混ざっているならBuy寄り、ツールや手順記事が並ぶならDo寄り、企業の公式サイトが上位を占めるならGoと判定します。
検索結果の上部に短い答えが表示されている語は、答えがすでに確定している質問です。記事を開いてもらう前提が崩れるため、単体での記事化は見送る候補に入れます。
検索結果の途中に表示される質問の並びは、その語で検索した人が次に知りたがっていることの手がかりになります。見出しの候補としてそのまま使える場合も少なくありません。
「〜とは」でありながら上位が料金ページで埋まっているなら、その語の実質はBuyクエリです。管理シートの分類を書き換え、記事の中身も比較検討向けに設計し直します。
最後の項目が、実際にはいちばん効きます。語尾で分類した結果をそのまま信じて書いた「〜とは」の記事が、上位の比較記事にまったく歯が立たない。こうした事態は、原因のほとんどが判定のずれにあると見ています。

記事にするKnowクエリと見送る語の線引き
判定が終わったら、次は取捨選択です。Knowクエリはいくらでも見つかるため、全部書こうとすると制作が回らなくなります。
記事にする価値がある語には、次のような条件が重なります。
- 答えに複数の選択肢があり、前提条件によって結論が変わる
- 自社の実務経験や、社内に蓄積した判断基準を書き足せる
- 読み終えた人が、比較や検討の段階へ自然に進む
- 関連する記事から内部リンクを集める受け皿になる
- 記事を読んだ人が、社名やサービス名で再検索する動機を持つ
反対に、次に当てはまる語は後回しにするか、別の記事の一部として扱います。
- 一文で答えが終わり、文字数を足そうとすると水増しになる
- 上位が公的機関や辞書サイトで、内容の正確さでは並びようがない
- 自社の商材と縁が薄く、読んだ人が顧客層と重ならない
- すでに自社の別記事が同じ意図で上位にいる
最後の項目は見落とされがちです。同じ検索意図の記事を複数持つと、検索エンジンがどちらを上位に出すか決めきれず、双方の順位が下がることがあります。書く語を選ぶ作業は、書かない語を決める作業と必ず対になるのです。
すでに公開している記事と意図が重なる語を見つけたら、新規記事ではなく既存記事への見出し追加を検討してください。新しく1本立てるより、既存記事の順位が上がるほうが早い場面は多くあります。
候補が数十語で収まるうちは、この判断を担当者ひとりでも回せます。ところが200語、300語と増えてくると、1語ずつ検索結果を確認する時間そのものが取れなくなってきます。仕分けが止まった結果として、書きやすい語から手を付けてしまう。順番が崩れるのは、たいていこの段階です。
仕分けたキーワードのうち、どれから書くかで止まっていませんか
Knowクエリの候補は、少し掘るだけで数百語まで膨らみます。弊社では検索結果を1語ずつ確認したうえで、記事にする語と既存記事へ吸収する語を仕分け、公開の順番まで含めた設計をお引き受けしています。
「Knowクエリは問い合わせにつながらない」の実際
Knowクエリを後回しにすべきだという意見は、制作の現場でもよく聞きます。その主張には根拠がある一方、見落とされている部分もあります。
Knowクエリの記事は問い合わせが出ないと聞きました。Buyクエリだけ書いていれば十分ではないですか。
編集部
記事ごとの問い合わせ率で比べれば、Buyクエリの記事に及ばないのは事実です。ただ、Knowクエリの記事が担っているのは問い合わせそのものではなく、その手前にある3つの働きだと考えています。
1つ目は、検討段階の記事への受け渡しです。Knowクエリで訪れた人のうち一定数は、読み終えたあとに具体的な方法や費用を知りたくなります。その受け皿として、DoクエリやBuyクエリの記事への内部リンクを本文中に置いておきます。
2つ目は、社名やサービス名での再検索を増やす働きです。役に立つ解説を読んだ人は、その情報を出した会社を覚えています。すぐに問い合わせなくとも、必要になった時点で社名を検索してもらえるのなら、広告よりも確実な入口だといえるでしょう。
3つ目が、資料のダウンロードやメール登録といった、問い合わせの手前で起きる反応です。購入の意思がまだ固まっていない読者にいきなり相談を求めるより、成立しやすくなります。
ここで実務上の注意を1つ。Knowクエリ記事の成果は、その記事のCV数では測れません。内部リンクで渡した先で問い合わせが発生した場合、成果は渡した先の記事に計上されるためです。
Knowクエリ記事を評価するときは、その記事から次のページへ進んだ人の数と、進んだ先のページ名を確認してください。問い合わせ数がゼロでも、検討段階の記事へ毎月数十人を送り込んでいる記事は、削除やリライトの対象にすべきではありません。
裏を返せば、次のページへ誰も進んでいないKnowクエリ記事は、読まれていても働いていないことになります。内部リンクの置き場所と文言を見直す対象は、順位が伸び悩んでいる記事より先に、こちらだと考えています。

KnowクエリとDoクエリはどちらを先に書くか
順番を尋ねられたら、立ち上げ初期はBuyクエリとDoクエリを先に押さえるのが順当だとお答えしています。購入や申込に近い語は数が限られており、書けばそのまま問い合わせにつながりやすいためです。
Knowクエリは検索する人が多いぶん、上位を狙う競合も強くなります。サイトの評価が育っていない時期に検索数の大きいKnowクエリへ挑むと、書いても数か月は順位が動かない状態が続きます。成果が必要な時期が近いほど、Knowクエリの優先度は下がると考えてよいでしょう。
ただし例外もあります。世に出て間もない商材で、比較検索も指名検索もまだ発生していない場合、Buyクエリを狙おうにも検索需要そのものが存在しません。この場合はKnowクエリで課題を認知させるところから始めるほかなく、時間がかかる前提で計画を組む必要があります。
AI検索の回答に残るための書き方
AIによる要約が検索結果の上部に出るようになり、Knowクエリの記事は読まれ方が変わりつつあります。答えだけを知りたい読者は、記事を開かずに要約で済ませるようになりました。
とはいえ、要約に引用される元は依然として個々のページです。現時点で観察できる範囲では、引用されるのは検索順位が高く、答えが明確に書かれているページに偏っています。細かな小細工より、次のような書き方の基本が効いているように見えます。
- 見出しの直後に結論を1文で置き、理由や背景をそのあとに書く
- 定義は言い切りの形にして、条件付きの説明と分けて書く
- 「場合による」で終わらせず、どの条件でどうなるかまで書く
- 他社の記事に載っていない自社の判断基準や実務の手順を入れる
4つ目が、要約に取り込まれても記事を開いてもらうための現実的な手立てだと考えています。どこにでも書いてある内容は要約で足りてしまいますが、その会社でしか書けない判断の中身までは、数行の要約に収まりません。

※ Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」。検索エンジン向けではなく読者のために作られたコンテンツをどう評価するかの考え方が示されています。
解説記事は増えたのに、問い合わせが動かないままではありませんか
Knowクエリの記事は、書く語の選び方と、読み終えた人をどこへ渡すかの設計で結果が分かれます。弊社では検索結果の確認から構成、執筆、記事どうしのつなぎ方まで一貫してお引き受けしています。
よくある質問
Knowクエリの扱いについて、企業のご担当者からよくいただく質問をまとめました。
ほぼ同じ意味で使われます。インフォメーショナルクエリは検索を情報型、案内型、取引型の3つに分ける整理での呼び方で、そのうちの情報型がKnowクエリにあたります。呼び名が違うだけで、対象となる検索語の範囲に大きな差はありません。
検索結果の1ページ目で多数派を占めている型に合わせます。10件のうち7件が解説記事なら、その語はKnow寄りとして扱い、残りの意図には記事の後半で触れる形にします。すべての意図を同じ比重で扱うと、どの読者にも中途半端な記事になってしまいます。
決まった正解はありません。上位10件の文字数の平均を出し、読者の疑問が尽きる量に合わせて調整します。平均を大きく超える記事が上位にいる場合でも、その内容が繰り返しや水増しであれば、無理に合わせる必要はないでしょう。
部分的には可能です。クエリ一覧の表示回数とクリック率を並べると、表示回数が多いのにクリック率が極端に低い語が見つかります。この種の語は、検索結果の上部で答えが出てしまっている可能性が高いといえます。
検索結果の再確認から始めます。公開時と上位ページの顔ぶれが変わっていれば、読者が求めている答えも変わっています。文章の手直しより、記事の構成が現在の検索結果と噛み合っているかを先に確かめてください。
まとめ|Knowクエリの判定は語尾でなく検索結果
Knowクエリは「知りたい」意図の検索語を指し、Go・Do・Buyと並ぶ4分類の入口にあたります。ただ、実務で意味を持つのは分類そのものではなく、その語を自社が記事にすべきかどうかの判断のほうです。
判定は語尾ではなく検索結果の1ページ目で行い、一文で答えが終わる語は単体の記事にしない。書く語を選ぶと同時に、書かない語も決める。そして公開したあとは、問い合わせ数ではなく次のページへ進んだ人の数で評価する。この4点を押さえるだけで、Knowクエリの記事だけが積み上がって成果が動かないという状態は避けられるはずです。
私たち合同会社Writers-hubは、企業のオウンドメディア向けに、キーワードの仕分けから記事の執筆、公開後のリライトまでを引き受けています。数百語のキーワード一覧を前にして着手の順番が決まらないときは、検索結果の確認からご一緒することもできます。
手元のキーワード一覧から、書く順番を決めるところを一緒にやりませんか
どの語を記事にして、どの語を既存記事へ吸収するか。判断の基準は商材と現在の順位によって変わります。狙っている語と今のサイトの状況をお聞かせいただければ、着手すべき順番の考え方からお話しします。








