「AIの人格設定は、話し方やキャラクターを決めれば済みそう」。ChatGPTの設定画面でも「プロフェッショナル」「フレンドリー」といった話し方を選べるので、人格とは口調のことだと思われがちです。ところが、OpenAIのヘルプにも、パーソナリティを変えても、変わるのは伝え方だけで、ChatGPTにできること・できないことは変わらないと明記されています。仕事で使うAIの答えを変えるのは、口調より、何を優先してどう判断するかを書いた設定です。
本記事では、人格の設定に書く4つの項目から、ChatGPT・Claude・Geminiで設定する場所、設定どおりに動かないときの直し方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- AIの人格は、口調より、2つの方針がぶつかったときにどちらを取るかを書くと答えが変わる
- 人格の設定には、優先順位、判断の手順、口調、避けることの4つを書く
- すべての会話に効かせる決まりは各ツールの指示の欄に、用途ごとの決まりはプロジェクトの指示に書く
- ChatGPTのGPTsは個人向けアカウントで新しく作れず、GeminiのGemは個人のアカウントで2026年11月17日に使えなくなり、スキルへ移る
- 設定どおりに動かないときは、矛盾する行を消し、ずれた理由と次からの答え方を書き足す
AIの人格設定に書く4つの項目
AIの人格設定に書く項目は、次の表の4つに分けられます。なかでも、口調より先に書くのは、2つの方針がぶつかったときの優先順位です。
項目 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
優先順位 | 2つの方針がぶつかったときに取る方 | 見栄えと成果がぶつかったら、成果を取る |
判断の手順 | 答えを組み立てる順番と、答える前に確かめること | 結論を先に書き、理由を後に書く |
口調 | 文体、一人称、相手との距離 | です・ます調で、一人称は「私」 |
避けること | しないことと、その理由 | 確かめていない数字は、読者が誤って使うので書かない |
優先順位から書くのは、「丁寧に」「正確に」のような形容詞だけの指示では、AIが指示を守ったかどうかを、答えを読んで確かめられないからです。「見栄えと成果がぶつかったら成果を取る」と書いておけば、答えを読んで、AIがどちらを取ったかが分かります。
社内で使うだけなら、口調を決めておけば十分ではないでしょうか。
編集部
口調だけでは、迷う場面でAIがどちらを取るかは決まりません。社内の資料づくりに使うなら、正確さと読みやすさのどちらを取るかのように、迷いやすい場面の優先順位から書いておきましょう。
判断の手順に「結論を先に書き、理由を後に書く」と決めておくと、答えの形がそろい、読む側は毎回結論を探さずに済みます。

避けることには、理由も添えましょう。Anthropicのプロンプトの書き方の資料にも、指示の理由を伝えると、Claudeは目標についての情報を得て、理由の説明から一般化できると書かれています。
人格の設定ファイルの見本
人格の設定ファイルは、項目ごとに見出しを付け、1行に1つの決まりを書く形が基本です。社内で記事の下書きを手伝わせるAIなら、たとえば次のように書けます。
# 優先順位
1. 事実の正しさを、文章の読みやすさより優先する
2. 読者の疑問に答えることを、文字数を満たすことより優先する
# 判断の手順
- 結論を先に書き、理由を後に書く
- 渡された資料に無い数字は書かず、出典が要ると伝える
# 口調
- です・ます調で、一人称は「私」
- 専門用語は、読者が知らないものだけ短く言い換える
# 避けること
- 「必ず上位に表示される」と書かない(結果を約束できないため)テキストのファイルで持っておくと、答えがずれたときにどの行を直すかを探せます。ツールを替えるときも、同じ文面を新しいツールの設定の欄に貼り直すだけです。
ChatGPT・Claude・Geminiの設定欄
ChatGPT・Claude・Geminiでは、人格の設定を書く場所が、すべての会話に効かせる設定と、用途ごとに分ける設定の2つに分かれています。3つのツールの設定の名前は、次の表のとおりです。
ツール | すべての会話に効かせる設定 | 用途ごとに分ける設定 |
|---|---|---|
ChatGPT | パーソナライズの「基本のスタイルとトーン」「特性」「カスタム指示」 | プロジェクトの指示 |
Claude | 設定の「Your Claude」にある「指示」 | プロジェクトの指示 |
Gemini | 「Geminiへのカスタム指示」 | スキル(仕事用・学校用のアカウントは2027年までGem) |
すべての会話に効かせる設定
すべての会話に効かせる設定には、どの用途でも変えない決まりを書きます。ChatGPTでは、口調をパーソナライズの「基本のスタイルとトーン」でプロフェッショナルやフレンドリーなどから選び、温かさや絵文字の量を「特性」で調整できます。優先順位や避けることは、同じ画面の「カスタム指示」に書きましょう。カスタム指示に保存できるのは、FreeとGoのプランで1,500文字まで、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationのプランで5,000文字までです。

Claudeでは、設定の「Your Claude」にある「指示」に書いた内容が、すべての会話に効きます。Geminiでは「Geminiへのカスタム指示」に書きますが、使えるのは個人のGoogleアカウントだけで、仕事用や学校用のアカウントでは使えません。
用途ごとに分ける設定
記事の下書きや問い合わせの返信のように用途が決まっているなら、用途ごとにプロジェクトを作り、プロジェクトの指示に人格を書きます。ChatGPTのプロジェクトの指示は、そのプロジェクトの中だけで効き、すべての会話に効かせるカスタム指示より優先されます。共有したプロジェクトでは各メンバーのカスタム指示が使われないので、優先順位はプロジェクトの指示にも書いてください。Claudeのプロジェクトの指示も、そのプロジェクトの中のチャットにだけ効く設定です。
パソコンのフォルダで作業するClaude Codeでは、フォルダに置いたCLAUDE.mdというファイルに書けば、作業を始めるたびに読み込まれます。
人格を作る方法としてよく紹介されるChatGPTのGPTsとGeminiのGemは、提供の終了や移行が予定されています。OpenAIはカスタムGPTの提供終了を予定していて、Free・Go・Plus・Proの個人向けアカウントでは新しいGPTを作れません。GeminiのGemは、個人のGoogleアカウントでは2026年11月17日にスキルへ移って新しく作れなくなり、12月17日に削除されます。仕事用と学校用のアカウントでは2027年に移ります。
※ OpenAIのヘルプセンターの「ChatGPT カスタム指示」「ChatGPT のプロジェクト」「ChatGPT の GPT」と、Gemini アプリ ヘルプの「Gemini が記憶するユーザーに関する情報を管理し、回答をカスタマイズする」「Gem からスキルへの移行について」の記載による(2026年10月28日時点)

設定どおりに動かないときの直し方
AIが設定どおりに答えないときは、ずれた答えの原因になった行を探して直し、直した理由と次からの答え方を設定に書き足します。書いた設定と実際の答えは、一致するとは限らないためです。
Anthropicの資料にも、Claude CodeはCLAUDE.mdを強制の設定ではなく文脈として扱い、具体的で簡潔な指示ほど従う可能性が高くなると書かれています。2つの指示が矛盾していると、Claudeがどちらか一方を任意に選ぶことがある、という注意も同じ資料に載っています。
ChatGPTで設定の欄のほかに気をつけたいのは、保存したメモリに残った好みです。メモリにパーソナリティと食い違う好みが入っていると、パーソナリティの特徴が上書きされたり弱まったりすることがあります。
設定を直す手順は、次の4つです。
事実を聞く質問、文章を書かせる依頼、答えに迷う相談のように、種類の違う質問を投げ、設定した優先順位どおりに答えるかを読みます。
答えがずれたら、効いていない行と、ほかの行と矛盾している行を探します。保存されたメモリに、古い好みが残っていないかも見ます。
何が起きたか、なぜ困るか、次からどう答えるかの3つを1組にして、設定に書き足します。
書き足した行と食い違う行や、もう使わない行を消します。
書き足すときに次からの答え方まで書くのは、「〜しない」とだけ書いても、代わりに何をすればよいかがAIに伝わらないからです。

消す手順を省いて書き足しだけを続けると、設定は長くなっていきます。Anthropicの資料では、CLAUDE.mdを1ファイルあたり200行以下にすることが目安とされ、長いファイルほど指示が守られにくくなると説明されています。
AIに渡す書き方の決まりを、社内で書き出せていますか
記事を書かせるAIの設定も、人のライターに渡すレギュレーションと同じで、何を優先し、何を書かないかを書き出すところから始まります。記事コンテンツの制作支援の制作体制構築では、編集者・ライター・監修者のチーム編成から、レギュレーション策定、品質管理フローまでを一貫して構築します。
AIの人格設定の2つの注意点
AIの人格設定で気をつけるのは、社外に出せない情報を書かないことと、設定で答えの正しさは上がらないことの2つです。
人格の設定には、顧客の名前や社外秘の数字のような、社外に出せない情報を書きません。OpenAIのヘルプには、サードパーティのプラグインを使うと、カスタム指示から関連する情報がプラグインの開発者に渡ることがあると書かれています。ChatGPTのプロジェクトを共有した場合は、チャットの権限を持つメンバーもプロジェクトの指示を読めます。
人格の設定は、答えの正しさを上げるものではありません。「正確に答える」と書いても、AIが事実を誤って答えることは無くなりません。Googleも、Geminiアプリが作った内容を信頼したり公開したりする前に、自分で確かめるよう案内しています。社外に出す文章の数字と固有名詞は、元の資料で確かめてから使いましょう。
※ OpenAIのヘルプセンターの「ChatGPT カスタム指示」「ChatGPT のプロジェクト」と、Gemini アプリ ヘルプの「Gemini アプリで Gem を使用する」の記載による(2026年10月28日時点)
まとめ|AIの人格は口調より判断の優先順位
AIの人格設定で仕事の答えを変えるのは、口調より、2つの方針がぶつかったときにどちらを取るかを書いた優先順位です。書いた設定どおりにAIが答えるとは限らないので、性質の違う質問で試し、ずれた答えが出たら理由と次からの答え方を書き足し、古い行を消していきます。設定が効いているかは、設定の文面ではなく、答えの中の判断が変わったかで確かめましょう。
AIの答えで困った場面を1つ思い出し、そのとき取ってほしかった方を、最初の1行に優先順位として書くところから始めてください。
私たち合同会社Writers-hubは、記事コンテンツの制作支援で、AIに記事を書かせるときの書き方の決まりづくりからお手伝いしています。
関連記事:生成AIを「道具」から「資産」に変える——業務自動化の3つの実践パターン
関連記事:生成AIのビジネス活用完全ガイド|企業の活用事例と導入ポイントを徹底解説
記事を書かせるAIの指示文を、毎回一から書いていませんか
記事コンテンツの制作支援の「毎日出している型を渡す」では、記事の指示文を作るツールを、御社で回せる形でお渡しします。公開前の確認は、御社で行っていただきます。







