「更新が止まると順位が落ちる」。サイトの運用を任されている方から、この言葉をよく聞きます。多くの企業では年間の運用計画が月あたりの本数で組まれていて、その数を守ることが担当者の役割として定義されているため、更新は続けるものという前提が社内に先にできあがりやすいのでしょう。結果として、何を直したかではなく何本出したかで進み具合を測る習慣が残ります。
しかし、弊社はこれまで多くの企業サイトの記事を制作し、公開したあとの書き直しにも並走してきました。その経験から言えるのは、順位が動いた場面で効いていたのは更新の回数ではなく、どのページに手を入れたかの選び方だということ。更新は頻度を決める作業ではなく、直す対象を選ぶ作業です。月10本という数字が同じでも、選び方が違えば半年後の検索流入はまったく別の形になります。
本記事では、SEOでいう更新に何が含まれるのかというところから、直すべきページの見分け方、頻度の決め方、更新日の扱いで間違えやすい点まで、記事を作る側の視点で順を追ってお伝えします。
- SEOの更新に含まれる3つの作業と、検索評価への効き方の違い
- 更新の回数そのものが順位を押し上げない理由と、間接的に効く3つの経路
- 情報の古びる速さと数字の2方向から、直すページを絞る手順
- サイトの規模別に見た、新規追加と書き直しの配分の目安
- 更新日やサイトマップの日付で間違えやすい扱いと、Googleの資料に書かれていること
SEOでいう更新に含まれる3つの作業
更新という一語には、性質のまったく違う作業が混ざっています。社内で更新の話が噛み合わないとき、たいていは同じ言葉で別の作業を指しているのが原因です。まず3つに分けておきましょう。
新規ページの追加、既存ページの書き直し、そして日付や表示だけの変更。検索評価への効き方は、この3つで大きく異なります。
| 新規ページの追加 | 既存ページの書き直し | 日付や表示だけの変更 | |
|---|---|---|---|
| 検索順位への効き方 | ○ | ◎ | × |
| 成果が出るまでの早さ | △ | ◎ | × |
| 1本あたりの作業量 | △ | ○ | ◎ |
| 拾えるキーワードの幅 | ◎ | △ | × |
| 100本を超えたサイトでの優先度 | ○ | ◎ | × |
表のとおり、すでに記事が積み上がっているサイトでは、書き直しのほうが早く数字に表れます。新しく書いたページが検索結果で評価を得るまでには数か月かかりますが、すでに10位前後まで来ているページは、検索する人が求めている情報を足すだけで数週間のうちに順位が動くことも珍しくありません。一方で、扱うキーワードの幅を広げたいのであれば新規の追加が要るでしょう。どちらが上という話ではなく、サイトが今どの段階にあるかで配分が変わるだけです。
3つ目の「日付や表示だけの変更」については、後半で改めて扱います。結論を先に言うと、ここに手間をかける価値はほとんどありません。
更新頻度が順位を直接上げない理由
更新の回数を増やせば検索順位が上がる、という理解は実務ではほぼ成り立ちません。Googleが公開している検索の仕組みに関する資料を見ても、更新の回数そのものを評価対象として挙げた記述は見当たらないのです。
ではなぜ「更新頻度が大事」と言われ続けるのか。更新が多いサイトは結果的に内容も整っていることが多く、相関が因果として語られてきた面があると見ています。評価されているのは更新した回数ではなく、変わった中身のほうです。
週3本の更新を1年続けてきましたが、検索からの流入がほとんど伸びていません。本数が足りないということでしょうか。
編集部
おそらく本数の問題ではありません。週3本を1年なら150本以上ある計算になります。その規模で流入が動かないときは、書いているキーワードに検索する人がいないか、書いた記事が既存ページと内容で重なっているかのどちらかです。まず公開済みのページを表示回数の多い順に並べて、上位20本がどんなキーワードで拾われているかを見てみてください。
とはいえ、更新がSEOに無関係というわけでもありません。直接の評価対象ではないものの、次の3つの経路を通って順位に効いてきます。
- 更新のあるサイトはクローラーが訪れる間隔が短くなり、書き直した内容が検索結果に反映されるまでが早くなる
- 料金や制度のように答えが変わるキーワードでは、情報が新しいページのほうが検索する人の求めるものに近くなる
- 検索結果に表示される日付が新しいと、同じ順位でもクリックされる割合が上がる場合がある
3つとも、更新という行為そのものではなく、更新した結果として中身が新しくなったことが効いている点に注目してください。ここを取り違えると、中身を変えずに日付だけ動かす運用に流れてしまいます。
直すべきページの見分け方
ここが本記事でいちばんお伝えしたいところです。更新の成果は、作業量ではなく対象の選び方でほとんど決まります。
選び方には2つの方向があり、両方を掛け合わせると迷いが減ります。ひとつは情報がどれくらいの速さで古びるかという、ページの中身から見る方向。もうひとつは今どこまで評価が進んでいるかという、数字から見る方向です。

情報が古びる速さで3つに分ける
サイトの全ページを同じ間隔で見直す必要はありません。中身の性質によって、放置しても平気な期間がまるで違うからです。
早く古びるのは、料金、法令や制度、ツールの操作画面、年度や統計の数字を含むページ。ここは半年に1回は確認したいところで、内容が実際に変わっていれば書き直します。制度改正の直後に競合が先に直し、自社だけ古い金額のまま残っているという状態は、検索順位以前に問い合わせの質に響きます。
ゆっくり古びるのは、手順やノウハウを扱うページでしょう。やり方の大枠は変わらないものの、使われるツールや前提が数年単位で入れ替わります。年に1回ほど見直せば足ります。
ほとんど古びないのは、言葉の定義や考え方を説明したページです。ここは日付を気にする必要がありません。順位が落ちている場合、原因は情報の古さではなく、検索する人が求めている内容との食い違いにあります。
数字から更新候補を絞る手順
中身の性質だけでは、どれから手を付けるかの順番が決まりません。そこで数字を重ねます。Googleサーチコンソールがあれば、次の手順で候補が出せます。
公開直後のページを混ぜないために、過去3か月で見ます。直近1か月だと季節の偏りを拾ってしまい、判断がぶれやすくなります。
ここが最も手を入れて動きやすい帯です。すでに検索エンジンから一定の評価を受けており、あと一段の内容の厚みで1ページ目に入る可能性が残っています。
同じ11位から20位でも、表示回数が月に数十回のページと数千回のページでは、書き直したときに増える訪問者の数が桁で変わります。上から順に見ていきます。
内容ではなくタイトルと説明文の問題かもしれません。印を付けたページは、本文の書き直しより先にタイトルの見直しから試します。
候補が30本出ても、着手するのは10本までに絞ります。手を広げるほど1本あたりが浅くなり、どれも順位が動かない結果になりがちです。
この手順で出てくる更新候補と、先ほどの「早く古びるページ」を突き合わせると、直す順番は、情報の古び方と数字の両方で決まります。片方だけで決めると、誰も検索していないページをていねいに直してしまったり、順位は惜しいのに内容が陳腐化したまま放置したりという無駄が出ます。
更新候補は出たのに、どれから直すか決めきれていませんか
サーチコンソールの数字と記事の中身を突き合わせて、今月どの10本に手を入れるべきかを一緒に決めるところからご支援しています。順位が惜しいページの一覧をお見せいただければ、着手の優先順位と、それぞれ何を足すべきかの見立てまでお伝えします。
SEOの更新頻度はどう決めるか
対象の選び方が決まったところで、ようやく頻度の話に入れます。頻度は「業界の平均」から借りてくるものではなく、目標から逆算して出す数字です。
考え方はシンプルで、狙いたいキーワードの数と、1本あたりにかけられる工数から必要本数を割り出し、それを月に割ります。半年で30本必要なら月5本。この5本という数字が社内の工数で回らないのであれば、狙うキーワードの数を減らすか、外部の手を借りるかの判断になります。頻度を先に決めて内容を薄めるという順番だけは避けたいところです。

サイトの規模によって、新規の追加と既存の書き直しの配分も変わります。弊社が制作に入るときに目安として置いている配分は次のとおりです。
サイトの状態 | 新規ページの追加 | 既存ページの書き直し |
|---|---|---|
記事が30本未満 | 月4〜8本 | 原則として行わない |
記事が30本から100本 | 月2〜4本 | 月2〜4本 |
記事が100本以上 | 月0〜2本 | 月4〜8本 |
※ 弊社が制作に入る案件で初期の目安として置いている配分です。業種、競合サイトの層の厚さ、社内で確保できる工数によって変わります。
記事が30本に満たない段階で書き直しを始めても、直す価値のあるページがまだ育っていません。この時期は新規の追加に寄せたほうが早く進みます。逆に100本を超えたあたりから、新しく1本足すより既存の1本を直したほうが、訪問者の増え方が大きくなる局面に入ります。
書き直しに着手する目安は、公開から3か月です。公開直後は検索エンジン側の評価が定まっておらず順位が大きく上下するため、この時期の数字で良し悪しを判断すると、まだ伸びる記事にまで手を入れてしまいかねません。3か月待ってから順位帯で仕分けると、判断の精度が上がります。
毎日更新はSEOに必要か
毎日更新しなければならないサイトは、ニュースや速報を扱う媒体に限られます。一般の企業サイトやオウンドメディアで毎日の更新を前提に計画を組むと、多くの場合は1本あたりの中身が薄くなり、書いても検索結果に出てこないページが積み上がります。
内容の薄いページが増えると、サイト全体としての評価にも響きます。検索で誰にも選ばれないページが半分を占めるサイトと、本数は少なくとも全ページが何らかのキーワードで拾われているサイトでは、後者のほうが新しく出す記事も評価されやすいというのが実感です。
毎日出すことを目標にするより、週に1本を確実に出し、月に数本を直す。この形のほうが、同じ工数でも検索からの訪問者は伸びやすいと見ています。
更新日の扱いで間違えやすい点
ここからは、日付そのものの扱いに絞ります。更新に関する相談のなかで、手戻りが起きやすいのがこの部分です。
日付だけを新しくする更新
本文に手を入れず、表示上の更新日だけを今日の日付に書き換える運用が一部で行われています。検索結果に新しい日付が出ればクリックされやすくなる、という発想でしょう。
- 本文を変えずに更新日だけを書き換える
- 文章の語尾や助詞だけを直して更新扱いにする
- 記事の冒頭に年号を足して、中身は前年のまま残す
- 著作権表示の年が変わっただけのページを更新として扱う
中身を変えずに日付だけ動かす更新には、順位を押し上げる効果がありません。クリックされる割合が一時的に上がったとしても、訪れた人が古い情報だと気づけば戻っていくだけで、かえって不利に働く場面もあります。
公開日と更新日の見せ方
ブログやコラムでは、公開日と更新日の両方を出しておくのがおすすめです。Googleの資料でも、公開日と更新日の両方を示せることが案内されています。どちらか一方しか出さない場合、読む人はその日付が書かれた日なのか直した日なのか判断できません。
構造化データを入れているサイトでは、画面に表示している日付とデータ側の日付をそろえておいてください。表示は今年、データ側は3年前というずれは、実装を入れ替えた直後によく見かけます。
サイトマップの日付の扱い
XMLサイトマップに書く日付にも、同じ考え方が当てはまります。ここは推測で判断する必要がありません。Googleの資料に、サイトマップの更新頻度や優先度を示すタグは使われないこと、最終更新日のタグは内容が確かに正確な場合にのみ使われることが明記されています。加えて、著作権表示の年を変えたような小さな修正は最終更新日に反映させるべきではない、とも書かれています。

※ 出典はGoogle検索セントラルのサイトマップ作成に関する公式資料です。
つまり、CMSの都合で全ページの最終更新日が毎日書き換わるような設定になっていると、その日付は当てにされなくなります。実際に中身を直したページだけ日付が動く状態に整えておくほうが、結果として書き直したページの反映が早くなります。
更新の手が止まるときの立て直し
計画どおりに更新が続かないという相談は、記事の書き方より体制の話であることがほとんどです。原因は3つに集約されます。誰が書くか決まっていない、何を書くか決まっていない、確認する人の手が空かない。

なかでも見落とされがちなのが、3つ目の確認工程です。書き手を増やしても、確認して公開の判断をする人が1人のままなら、そこで詰まります。月に10本を回すつもりなら、確認にかかる時間も10本分見積もっておいてください。
社内で回すか外に出すかの判断は、次の整理が参考になるはずです。
- 更新の本数が社内の人員の増減に左右されなくなる
- 直すべきページの選定から任せられるため、確認工程の負担が減る
- 検索順位の動きを見ながら書き直しの優先順位を組み替えられる
- 自社の商材や顧客の事情を伝える手間が初回に発生する
- 丸投げにすると社内に判断の基準が残らない
外部に依頼する場合も、どのページから直すかの判断基準だけは共有しておくことをおすすめします。基準が共有されていれば、担当者が代わっても更新の方針が揺れません。
直すページは決まったものの、書き直す手が足りていませんか
公開済みのページの書き直しから、新しく足すページの制作までをまとめてお引き受けしています。サーチコンソールの数字をもとに直す順番を決め、1本ずつ検索する人が求めている内容に近づける形で進めます。まずは順位が惜しい10本だけからでも構いません。
よくある質問
目標から逆算して決めてください。狙いたいキーワードの数と達成したい期間が決まれば、必要な本数は割り算で出ます。業界の平均値を借りてくると、自社に必要な量とずれたまま走ることになりかねません。記事が100本を超えているサイトなら、新規の追加より既存の書き直しに寄せたほうが訪問者の増え方は大きくなります。
検索からの訪問が半年以上ゼロで、扱っているキーワードを他のページでも拾えているなら削除の候補です。それ以外は書き直しを先に検討してください。削除の判断は、そのページに入っている内部リンクと、外部からのリンクの有無まで確認してから決めるのが安全です。
順位より先に表示回数を見てください。表示回数が増えていれば評価は進んでいるので、あと数週間待ちます。表示回数も動いていない場合は、書き直した内容が検索する人の求めているものと合っていない可能性が高く、上位に出ているページと自社のページで扱っている論点を並べて比べるところからやり直します。
単体で検索順位を押し上げる効果は期待しないでください。ただし、実績や導入事例のように内容のあるお知らせは、それ自体が検索されるキーワードを持つことがあります。数行で終わる告知を積み上げるより、1件を詳細ページとして書いたほうが結果につながります。
数日から数週間が目安です。更新の多いサイトほど早く、ほとんど更新のないサイトでは1か月近くかかることもあります。急ぐ場合はサーチコンソールのURL検査からインデックス登録をリクエストできますが、順位そのものが落ち着くまでには、反映後さらに数週間見ておいてください。
更新の計画をどう組み直すか、判断に迷っていませんか
新規の追加と書き直しの配分も、頻度も、サイトの本数と社内で確保できる工数によって変わります。今の記事数と検索の数字を見ながら、次の半年で何をどの順に進めるかを整理するところからご相談いただけます。
まとめ|SEOの更新は対象選びで決まる
SEOの更新には、新規ページの追加、既存ページの書き直し、日付や表示だけの変更という3つの作業が混ざっています。検索評価に効くのは前の2つで、日付だけを動かす更新に効果はありません。
そして、成果を分けるのは回数ではなく対象の選び方です。情報の古びる速さでページを3つに分け、サーチコンソールで11位から20位のページを表示回数順に並べる。この2方向を掛け合わせると、今月直すべき10本が自然に決まります。今月どの10本を直すかが決まれば、更新の計画はそれで足ります。
私たち合同会社Writers-hubは、数多くの企業サイトのSEO記事を制作し、公開後の書き直しまで並走してきました。どのページから直すかの選定と、実際に書き直す工程の両方をお引き受けしています。更新は続けているのに数字が動かないという状態が半年以上続いているなら、一度ご相談ください。








