「記事構成は、競合の記事を集めて見出しを並べ替えれば形になるはず」と考えている方は多いのではないでしょうか。作り方を説明した解説の多くが、競合を調べて見出しを並べるところまでで終わっており、その先は書き手が自分で考える部分だと受け取られやすいためです。ただ、並べ終えても、その順番が読者にとって自然なのか、それぞれの見出しでどこまで答えを用意すべきなのかは決まらないまま、執筆に入ることになります。
しかし、企業のSEO記事制作を数多く請け負い、構成づくりから納品まで手がけてきた弊社の立場から言えるのは、構成の出来を分けるのは見出しの並びそのものではなく、並べる前に決めておく事柄の方だということです。読み終えた読者は何ができるようになるのかを一文にしてから見出しに手を付けると、並び順も、それぞれの見出しで答えるべき内容も決めやすくなります。
本記事では、記事構成に入れておく7つの要素と作り方の6ステップから、見出しの並び順の決め方や生成AIに任せてよい工程の切り分け、そのまま写して使えるテンプレート項目まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 記事構成が「見出しの一覧」と何が違うのか
- 構成に入れておく7つの要素
- 検索意図の言語化から見出しの確定までの6ステップ
- 見出しの並び順を決める3つの型
- 生成AIに任せられる工程と、人が決める工程の線引き
記事構成とは、書き手が迷わず書き切れる状態にした設計図
記事構成とは、書き始める前に、誰に向けて何をどの順番で伝えるかを決めておく設計図を指します。見出しを並べた一覧そのものだと理解されていることが多いのですが、見出しだけが並んだ紙は、まだ設計図になっていません。
見出しは「問い」だからです。たとえば「記事構成に入れる要素」という見出しは、要素が何かを問うているだけで、答えを含んでいない。その答えを書き手に委ねてしまうと、同じ構成を3人に渡しても3通りの原稿が返ってきます。構成の本来の役割は、答えの側を先に決めておくところにあります。
構成の完成度は、書き手が質問ゼロで書き切れるかで測れます。渡した相手から「ここは何を書けばよいですか」と聞かれた回数が、そのまま構成の穴の数だと考えて差し支えありません。
構成案、プロット、アウトラインはほぼ同じものを指す
呼び名は制作会社や媒体によって分かれます。構成案、プロット、アウトライン、記事設計。どれも「執筆前に決めておく設計」を指しており、業界共通の厳密な定義があるわけではありません。
ただし、社内で言葉が混ざっていると事故が起きます。ある人は見出しリストのつもりで「構成」と言い、別の人は本文の要旨まで含んだものを想定している。認識のずれは、たいてい原稿が上がってから発覚します。どこまでを含むのかを一度決めて、テンプレートの項目として固定してしまうのが早い解決策でしょう。
見出しだけの構成が差し戻しを生む理由
見出しの一覧は毎回作っているのですが、それでも原稿の差し戻しが減りません。何が足りていないのでしょうか。
編集部
見出しの下に「その節の結論」が書かれていない構成が多いです。見出しが問いである以上、答えのない構成は書き手に判断を丸投げしている状態になります。結論を一文ずつ入れるだけで、差し戻しの理由の半分近くは先に潰せます。
結論が書かれていない構成には、もうひとつ厄介な性質があります。書き手が自分で調べて答えを埋めるため、原稿が上がるまで中身が読めない。レビューする側は完成原稿を読んでから方向性の是非を判断することになり、指摘が「全体の作り直し」に近づいてしまいます。
関連記事:SEO記事の書き方完全ガイド|上位表示を実現する18のテクニックと対策
記事構成を先に作ると、直す作業が前倒しになる
記事構成が重要だと言われる理由を「SEOに強くなるから」と説明する記事は多いのですが、これは少し飛んでいます。構成そのものを検索エンジンが評価しているわけではありません。実際に効いているのは、構成を作る過程で行う検索意図の確認と、情報の取捨選択です。
構成づくりの本質は、記事の方向性に関する意思決定を、執筆前に前倒しすることにあります。前倒しした分だけ、あとから発生する手戻りが減ります。
検索意図とのずれを執筆前に潰せる
検索する人が知りたいことと、書き手が書きたいことは、放っておくとずれます。構成の段階で「この記事を読み終えた人は何ができるようになるのか」を一文にしておくと、そこから外れた見出しは自然に落ちる。書いたあとで削るより、はるかに軽い作業で済みます。
調べる範囲が決まり、リサーチが速くなる
見出しと結論が決まっていれば、必要な情報も決まります。逆に構成がないまま調べ始めると、関連しそうな資料を際限なく集めてしまい、集めた以上は使いたくなって記事が膨らむ。取材や専門家への確認が必要な記事ほど、構成を先に固めた方が確認事項を一度にまとめられます。
関係者との合意を安く取れる
クライアントワークでも社内メディアでも、方向性の合意は必要です。ここで重要なのは修正コストの差でしょう。構成段階の修正は、原稿ができてからの修正より圧倒的に安い。見出し1行の削除で済む指摘が、原稿になっていれば数千字の書き直しになります。構成レビューを工程として置いている制作現場が多いのは、この差を知っているからです。
関連記事:SEOに強い記事構成の作り方7ステップ!上位表示のコツとテンプレート
記事構成に入れる7つの要素
では、構成には具体的に何を書けばよいのか。制作現場で使われている構成フォーマットは会社ごとに違いますが、書き手が迷わない構成には共通して次の要素が入っています。
要素 | 書く内容 |
|---|---|
対策キーワードと関連キーワード | 狙う語と、本文や見出しに含めたい関連語 |
想定読者と読者の状況 | 職種や役割に加えて、いま何に困って検索したのか |
検索意図 | 読者が言葉にしている要求と、言葉にしていない不安 |
記事のゴール | 読み終えた読者にできるようになってほしいこと、次の行動 |
見出し構造 | H2とH3の階層、並び順 |
見出しごとの結論と根拠 | その節で言い切る内容と、根拠になる一次情報や実務経験 |
画像と文字数の目安 | 図解が必要な箇所、節ごとの分量配分 |
このうち抜けやすいのは「読者の状況」と「見出しごとの結論」の2つです。読者を職種だけで書いた構成は、書き手が誰に向けて話すのか掴めません。「Webマーケティング担当者」ではなく「メディアを立ち上げて半年、記事は出ているが問い合わせにつながらず、次に何を直すべきか判断できない担当者」まで書けているかどうかで、原稿の解像度が変わります。

関連記事:SEOテンプレートの作り方|記事構成・原稿・管理の3種類と導入手順
記事構成の作り方6ステップ
ここからは実際の手順です。順番を入れ替えても作れなくはありませんが、検索意図を言語化する前に見出しを書き始めると、競合の見出しを並べ替えただけの構成になりやすいので、この順序を推奨します。
狙う語を決め、サジェストや関連キーワード、共起語を集めます。ここではまだ取捨選択をせず、読者が使いそうな言い回しを広く並べておきます。
上位10件のタイトルと導入文を読み、何を求めて検索している人が多いのかを文章にします。「作り方を知りたい」で止めず、「作り方の手順に加えて、そのまま使える型を探している」まで踏み込みます。
上位記事の見出しを一覧化し、必須、任意、差別化の3層に分けます。1本ずつ読んで真似るのではなく、全体で何割が扱っているかを見るのがポイントです。
読み終えた読者にできるようになってほしいことを一文で書きます。資料請求や問い合わせにつなげる記事なら、どの節から導線を出すかもここで決めておきます。
必須と差別化の要素を見出しに落とし、H2とH3の階層をつくります。並び順の決め方は次の項で扱います。
各見出しの下に、その節で言い切る内容を一文、根拠になる情報源や実務経験を一行。ここまで書いて構成が完成します。
3つめの仕分けは、経験の差が出やすい工程です。競合の見出しは1本ずつでなく、集合として何割が持つかで見ます。10本中8本が扱っている論点は、検索する人が期待している情報とみなして入れる。2本だけが扱っている論点は、その2本が上位にいる理由を確かめてから判断する。どこにもない論点は、自分たちが書ける根拠を持っているかどうかで決めます。
上位記事の見出しをそのまま組み替えた構成は、検索意図を外しにくい代わりに、どこかで読んだ内容の集合になります。Googleは独自の情報や分析を含む、人のために作られたコンテンツを評価すると公表しています。仕分けの3層目を空欄にしたまま執筆に進まない方が安全でしょう。
評価の考え方そのものは、Googleの検索セントラルで公開されています。構成レビューの基準をつくるときの土台になるため、チームで一度読み合わせておくと判断がそろいます。

※ 出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
見出しの並び順は3つの型から選ぶ
並び順で迷ったときは、次の3つのどれを採るかを先に決めると早く片づきます。同じ見出しの集合でも、順番が違えば読者の離脱地点が変わります。
| 検索意図順 | 前提依存順 | 意思決定順 | |
|---|---|---|---|
| 並べ方 | 知りたい人が多い順 | 前提知識から積み上げる順 | 比較して選ぶまでの順 |
| 向いている記事 | 作り方や手順の解説 | 専門性が高い解説 | 比較記事、選び方の記事 |
| 冒頭に置くもの | 結論と手順 | 定義と前提 | 判断基準 |
| 弱点 | 前提知識の説明が後ろに回る | 結論までが遠く離脱されやすい | 前提のない読者が置き去りになる |
多くの記事では検索意図順が無難に機能します。ただし、前提を知らないと本題が理解できないテーマでは、前提依存順を採らざるを得ない。その場合も、定義の説明を短く切り上げて早めに本題へ入る組み方にしておくと、離脱を抑えられます。

構成の質を分ける5つのコツ
手順どおりに作っても、構成の質には差が出ます。差がつくのは、次の5点をどこまで詰めているかです。
見出しに結論を入れる
「記事構成の重要性」より「記事構成を先に作ると、直す作業が前倒しになる」の方が、読者は中身を読む前に内容を掴めます。目次から流し読みする読者が多い以上、見出しは要約として機能させた方が親切でしょう。
1つの見出しで伝えることを1つに絞る
1つの見出しで伝えることは、1つに絞ります。1つの節に論点が2つ入っていると、書き手はどちらを主に書くか迷い、読者はどちらを覚えればよいか迷う。分けられない場合は、見出しの表現がまだ抽象的すぎるサインだと考えてください。
文字数の配分を均等にしない
全H2を同じ分量にそろえた記事は、読み進めるリズムが単調になります。読者が最も知りたい節は厚く、前提説明は短く。構成の段階で節ごとの目安を書き込んでおくと、書き手が力の入れどころを間違えません。
独自性は執筆でなく構成で仕込む
「独自の情報を入れましょう」という助言は、執筆段階で言われても手遅れです。自社の実務データ、失敗の記録、現場で聞いた話。使える素材を構成の段階で見出しに割り当てておかないと、原稿では入れる場所がなくなります。
読後の行動を置く場所を構成で決める
問い合わせや資料請求につなげたい記事なら、どの節を読み終えた読者が動きやすいかを構成で考えます。課題が言語化された直後は動機が高まっている場面です。逆に、まだ課題を理解していない冒頭に導線を置いても、ほとんど反応は返ってきません。
作った構成を、誰にレビューしてもらっていますか
構成の穴は、作った本人には見えにくいものです。社内にレビューできる人がいない状態が続くと、同じ抜けが毎回繰り返されます。合同会社Writers-hubのSEO記事内製化支援では、構成フォーマットの整備からレビュー観点の共有まで、自社で構成を仕上げられる体制づくりを支援しています。
記事構成でつまずきやすい失敗
制作の現場で繰り返し見かける失敗は、だいたい次のパターンに収まります。作ったあとに一度照らし合わせてみてください。
- 上位記事の見出しをそのまま並べ替えただけで、独自の論点がない
- 見出しにキーワードを詰め込み、日本語として不自然になっている
- 1つの見出しに論点が2つ以上入っている
- 見出しの下が空欄で、書く内容が書き手任せになっている
- 網羅しようとして節が増えすぎ、読者が求めていない情報まで並んでいる
- 記事のゴールが決まっておらず、読後に何をしてほしいのか誰も答えられない
とくに5つめの網羅しすぎは、判断が難しい失敗です。関連しそうな情報を足していくと構成は立派に見えますが、読者は目的の情報にたどり着くまでの距離が伸びます。検索意図から遠い節は、独立した記事に切り出して内部リンクでつなぐ方が、両方の記事にとって扱いやすくなるでしょう。
キーワードを見出しに機械的に入れる作業は、いまはほとんど効果が期待できません。それどころか「記事構成の作り方の記事構成のコツ」のような不自然な見出しは、読者が読む気を失う原因になります。含めるとしても、助詞を補って自然な日本語として成立する形に整えてください。
生成AIに任せられる工程と、人が決める工程
記事構成の作成に生成AIを使う現場は増えました。実際に速くなる工程はあります。ただし、全工程を任せた構成が使い物になるかというと、経験上そうはなっていません。任せる範囲を切り分けるのが現実的です。
AIに任せると効率が上がるのは、次のような作業です。
- 関連キーワードや言い換え語の洗い出し
- 上位記事の見出しを一覧化し、共通項でグルーピングする作業
- 決めた見出しの表現を、より具体的な言い回しに書き換える案出し
- 抜けている論点がないかの点検
一方で、次の判断を任せると構成が平均的な形に寄ります。
- 検索意図の言語化
- 記事のゴールと読後の行動の設定
- 独自の論点をどこに置くかの決定
- 見出しの並び順の最終判断
検索意図の言語化と記事のゴール設定は、人が引き受ける工程です。理由は単純で、生成AIが参照しているのは既存の文章であり、自社が持っている実務経験や顧客の声は入っていないからです。既存の情報から平均を取る作業は得意ですが、平均から外れた価値をどこに置くかの判断材料を持っていません。
AIを入れても、構成の質が安定しないと感じていませんか
生成AIで本数は増やせても、構成の判断を担う人が足りないと品質は揃いません。合同会社Writers-hubの記事コンテンツ制作支援では、キーワード設計から構成、執筆、レビューまでの工程を編集部機能ごと引き受け、量と質の両立を支えています。
そのまま使える記事構成テンプレートの項目
最後に、構成テンプレートに置いておく項目を挙げます。ツールは表計算ソフトでもドキュメントでも構いません。重要なのは、項目が固定されていて、埋まっていない欄が一目で分かることです。
項目 | 記入する内容の例 |
|---|---|
対策キーワード | 記事 構成 |
関連キーワード | 記事構成 作り方、記事構成案 テンプレート、SEO 記事構成 |
想定読者 | メディア運用を始めて半年、構成の作り方が担当者ごとに違い、原稿の品質が揃わないと感じている編集担当 |
検索意図 | 手順を知りたい。あわせて、そのまま使える型を探している |
記事のゴール | 読了後に自分の手で構成を1本作れる状態になる |
参考にした上位記事 | 調査したURLと、そこから採用した論点 |
見出し構造 | H2とH3の一覧 |
各見出しの結論 | その節で言い切る内容を一文 |
各見出しの根拠 | 一次情報のURL、自社データ、実務経験のどれか |
分量の目安 | 節ごとの文字数配分 |
図解の指示 | 挿入位置と、図に描く内容 |

テンプレートを配っても品質が揃わない場合、原因は項目ではなく記入の粒度にあることが多いです。「想定読者」の欄に職種名だけが書かれている、「各見出しの結論」に見出しの言い換えが書かれている。記入例を1本、模範として添えておくと、粒度は揃いやすくなります。
記事構成についてよくある質問
構成づくりについて、制作の現場で受けることの多い質問をまとめました。
記事の難易度や書き手の習熟度で変わるため、一律の目安はありません。判断材料になるのは、構成にかけた時間と、原稿が上がってからの修正時間の合計です。構成を短く切り上げた結果、修正が増えて合計時間が伸びているなら、構成に時間を移した方が早く終わります。
数から決めるものではありません。検索意図を満たすために必要な論点を並べた結果として決まります。ただしH2が10を超えるようなら、読者が求めていない論点まで含めていないか、あるいは1本の記事に2つのテーマが混ざっていないかを確認してみてください。
同じにはなりませんが、下限は揃います。テンプレートが揃えられるのは項目の抜け漏れまでで、検索意図の読み取りや独自論点の設定には差が残ります。記入例を添える、構成レビューを工程に入れる、といった補いが必要でしょう。
論点を参考にするのは通常の調査です。ただし見出しの文言や並び順まで写した構成は、内容も似通ったものになります。参考にするのは扱われている論点までにとどめ、順番と切り口は自分たちで決めてください。
全体の目安と、節ごとの配分は決めておいた方が良いでしょう。目的は分量の管理ではなく、力の入れどころを書き手に伝えることにあります。文字数を満たすこと自体が目的化しないよう、上限として扱う運用をおすすめします。
構成づくりは、慣れると型が身体に入る作業です。最初の数本は時間がかかっても、フォーマットと判断基準が定まれば短くなっていきます。
構成のつくり方は分かった、あとは回す人手が足りない
手順が分かっても、毎月の本数を構成から執筆まで自社で回し切るのは負担の大きい仕事です。合同会社Writers-hubでは、キーワード設計と構成づくりを含めた記事制作をお引き受けしています。まずは今の体制と本数をお聞かせください。
まとめ
記事構成は、見出しを並べる作業ではなく、執筆前に意思決定を済ませておく設計の工程です。見出しごとに結論と根拠まで書き込んであれば、書き手は質問なしで書き進められ、レビューする側も方向性の是非を原稿の前に判断できます。
作り方は6ステップに分けられます。キーワードを洗い出し、検索意図を言語化し、競合の見出しを集合として仕分け、記事のゴールを決め、並び順を確定し、見出しごとの結論を書き込む。この順番を守るだけで、競合の並べ替えに寄った構成からは抜け出せるはずです。
生成AIは洗い出しと点検の工程を速くしてくれますが、検索意図の読み取りと独自論点の配置は人の仕事として残ります。まずは自社のテンプレート項目を固定し、記入例を1本つくるところから始めてみてください。構成から先の工程を外部と組みたい場合は、合同会社Writers-hubのSEO記事制作でも承っています。








