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BtoBのコンテンツマーケティング|BtoCとの違いと進め方

BtoBのコンテンツマーケティングで記事の本数を増やしても商談が増えないときは、記事の数より、読んだ担当者が上司や決裁者に説明するための材料が足りていないことが多いと考えています。導入事例や費用の目安のように決める人が見るページを先にそろえておくと、検索から来た人にも、営業が商談の後に連絡する相手にも、同じページを渡せます。

会議室のテーブルで、担当者が印刷した記事を上司と決裁者に見せながら説明し、テーブルの上に導入事例の冊子と費用の表が並んでいる様子。

「BtoBのコンテンツマーケティングは、SEOの記事を増やせば問い合わせも増えそう」。成功事例がオウンドメディアのアクセス数の伸びで紹介されることが多いため、記事の本数と検索からの訪問を増やすことが取り組みの中心だと思われがちです。ところが、BtoBで記事を読んだ担当者は1人では買うと決められず、上司や決裁者に説明する材料が見つからなければ、検討はそこで止まります。BtoBのコンテンツマーケティングで用意するのは、人を集める記事だけでなく、検討に関わる人それぞれの疑問に段階ごとに答える記事や資料、導入事例などです。

本記事では、BtoCとの違いと作るコンテンツの種類から、検討に関わる人ごとに用意するコンテンツ、進め方と成果の測り方まで、BtoB企業のオウンドメディアの制作を手伝ってきた制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • BtoBは買うと決めるまでに関わる人が多く、検討が長く、検索以外にも会社と接する場面がある
  • 作るコンテンツは、調べる・比べる・決めるのどの段階で、誰が読むかで選ぶ
  • 上司と決裁者が見る導入事例と費用の目安のページが無いと、記事を読んだ担当者の検討が止まる
  • テーマは営業とサポートが受けた質問から集め、成果は商談の数で確かめる

BtoBのコンテンツマーケティングとは

BtoBのコンテンツマーケティングとは、企業向けの商品やサービスを売る会社が、買う側の会社で検討に関わる人の疑問に、記事や資料、導入事例などで先に答える手法です。答えを読んだ人に資料請求や問い合わせをしてもらい、営業の商談につなげます。

読者の役に立つ情報で見込み客を集める考え方は、個人に売るBtoCと変わりません。コンテンツマーケティングそのものの種類や始め方は、コンテンツマーケティングとは?種類・メリット・始め方をわかりやすく解説で解説しています。

BtoBとBtoCの3つの違い

BtoBはBtoCと比べて、買うと決めるまでに関わる人と場面が多くなります。違いは次の3つです。

違い

BtoC

BtoB

買うと決める人

買う本人

調べる担当者、上司、決裁者、経理や情報システムなどの関係部署

検討にかかる期間

その場から数週間

見積もりと社内の承認を経るため、数か月かかることもある

買う前に会社と接する場面

検索、SNS、広告、店頭

検索に加え、資料請求の後のメール、展示会、セミナー、営業からの連絡

買うと決める人が複数いるので、1本の記事で全員の疑問に答えることはできません。

検討が長く、会社と接する場面も多いので、同じ見込み客が何度もコンテンツを読みます。たとえば、検索で記事を読んだ担当者が数週間後に資料をダウンロードし、さらに後で営業から届いた導入事例を上司に回す、という順に進むことがあります。

BtoCでは買う本人が1人で調べて決め、BtoBでは担当者が調べた内容を上司、決裁者、関係部署に説明して決める違いを示す図

BtoBで作るコンテンツと使われる段階

BtoBで作るコンテンツは、買う側の検討の段階のどこで使われるかで選びます。検討の段階は次の3つです。

  • 調べる段階:困りごとの原因や、解決の手段を調べる
  • 比べる段階:手段や依頼先の候補を比べて絞る
  • 決める段階:社内で説明し、予算と依頼先を決める

主なコンテンツは次の7つで、使われる段階と読む人の使い方がそれぞれ違います。

コンテンツ

主に使われる段階

読む人と使い方

解説記事

調べる

担当者が、困りごとの原因と解決の手段を知る

比較や費用の記事

比べる

担当者が、手段や依頼先の候補を絞る

ホワイトペーパー

比べる

担当者が社内で回すために持ち帰り、売る側は連絡先を受け取る

セミナー・ウェビナー

比べる

担当者が、質問しながら手段を比べる

導入事例

決める

担当者が、同じ業種での結果を上司と決裁者に見せる

費用の目安のページ

決める

決裁者が、予算に収まるかを確かめる

メールマガジン

3つの段階すべて

すぐには決めない見込み客に、新しい記事や事例を届ける

検索から人を集めるのは、主に解説記事と比較や費用の記事です。ホワイトペーパーは、記事を読んだ人の連絡先を受け取り、後からメールマガジンや営業の連絡で検討の続きを支えるために使います。作り方はホワイトペーパーとは?意味と種類、リード獲得につながる作り方を解説で、他社の取り組みはBtoBのコンテンツマーケティング事例7選|型で分けて自社の打ち手を選ぶで紹介しています。

調べる段階、比べる段階、決める段階の3つを左から右へ並べ、段階ごとに使われるコンテンツを示した図

検討に関わる人ごとに用意するコンテンツ

検討に関わる人ごとに用意するコンテンツは、担当者には記事、上司と決裁者には導入事例と費用の目安のページが中心になります。立場ごとによく出る疑問と、答えるコンテンツの例は次のとおりです。

検討に関わる人

よく出る疑問の例

答えるコンテンツ

担当者

自社の困りごとに合う手段か、導入までに社内で何をするか、ほかの手段と何が違うか

解説記事、比較や費用の記事

上司

費用に見合う効果が出るか、うまくいかなかったときに何が起きるか

導入事例、費用の目安のページ

決裁者

総額と支払いの時期、同じ業種や規模の会社での結果、取引先として信用できる会社か

導入事例、費用の目安のページ、会社概要

関係部署

今のシステムと一緒に使えるか、情報の扱いは安全か、契約と請求の条件

よくある質問、資料

上司と決裁者に答えるページが無いと、担当者の検討は社内で止まります。担当者は説明の材料を自分で作るか、材料がそろっている他社を候補に残すことになるからです。

経営者経営者

問い合わせを増やすために、まずは検索数の多いテーマで記事を増やすように言われています。導入事例や費用のページは後回しでもよいでしょうか?

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

後回しにしないほうがよいと考えています。導入事例が1件と、費用が何で決まるかを書いたページが1枚あれば、記事を読んだ担当者は上司に回せます。記事はそのあとに増やしても、増やした分の読者が同じページへ進めます。

導入事例と費用の目安のページに書くこと

導入事例と費用の目安のページには、担当者からURLを送られた上司と決裁者が、1ページを読むだけで判断できる内容を書きます。上司と決裁者は、自分で検索してほかの記事まで読むとは限らないためです。導入事例のページには、次の4つを書きます。

  • 対象の業種と規模
  • 導入前の困りごと
  • 導入までにかかった期間
  • 導入後に変わったこと

顧客の会社名や金額を事例に載せるのは、相手の会社の許可を得てからです。

費用の目安のページには、次の3つを書きます。

  • 費用が何で決まるか
  • 最も小さく始めたときの金額
  • 費用に含まれない作業

金額を公開できない商材でも、費用が何で決まるかが書いてあれば、担当者は見積もりを頼む前に、自社の場合にどの条件で費用が上がるかを上司に説明できます。

記事より先に直すページの順番は、BtoB企業のSEOで成果を出す進め方|着手順序とキーワード選定の判断軸で詳しく解説しています。

記事を読んだ担当者が、上司に回せるページはそろっていますか

記事コンテンツの制作支援では、事業とターゲットの聞き取りと競合の調査から、キーワードマップとコンテンツの計画、KPIの設計までを一緒に作ります。サービスのページには、社内での検討に使える稟議サポートキットと投資回収試算シートも用意しています。

BtoBのコンテンツマーケティングの進め方

BtoBのコンテンツマーケティングは、営業とサポートが受けた質問を材料にして、次の5つの手順で進めます。

1
STEP
営業とサポートが受けた質問の書き出し

商談のメモ、見積もりを出した後のメール、失注の理由、導入前の問い合わせなどから、見込み客に聞かれた質問を書き出します。質問ごとに、聞いたのが担当者か、上司や決裁者か、関係部署かも書いておきます。

2
STEP
質問の段階への振り分け

書き出した質問を、調べる・比べる・決めるの3つの段階に分けます。同じ答えで済む質問は1つにまとめます。

3
STEP
答えるコンテンツの形の決定

質問ごとに、記事、資料、導入事例、費用の目安のページのどれで答えるかを決めます。決める段階のページが無ければ、記事より先に作ります。

4
STEP
届け方の決定

1つの答えを、検索、資料をダウンロードした人へのメール、営業が商談の前後に送る連絡などのどれで届けるかを決めます。同じ記事を、検索から来た人と、営業が連絡する相手の両方に使えます。

5
STEP
商談の数での見直し

月に1回、商談になった見込み客が商談の前に読んでいたコンテンツを数え、読まれていないコンテンツから直します。

営業が毎回同じ説明をしている質問から、記事や資料にしていきます。記事や資料のURLを商談の前に送っておけば、営業は商談の時間を、相手の会社の事情を聞くことに使えます。

BtoBのコンテンツの成果の測り方

BtoBのコンテンツの成果は、記事の閲覧数ではなく、コンテンツを読んだ見込み客から生まれた商談の数で測ります。閲覧数が増えても、読んだのが買う立場にない人なら、商談は増えないからです。

商談までの間で確かめる数字は、次の4つです。

確かめること

見る数字

確かめる場所

記事が検索で見つかっているか

狙った検索語での表示回数とクリック数

Search Consoleの検索パフォーマンス

記事から次の段階へ進んでいるか

記事から資料、導入事例、費用のページへ進んだ数

GA4の経路データ探索

資料が商談につながっているか

資料をダウンロードした会社のうち、商談になった数

ダウンロードの記録と営業の商談記録

商談の前にコンテンツが読まれているか

商談の前に読まれていた記事や資料

問い合わせフォームの回答と営業の商談メモ

とりわけ見落とされがちなのが、記事を読んだ日と問い合わせの日が離れることです。問い合わせの直前に見たページだけを数えると、最初に読まれた記事は成果に数えられません。

見込み客が解説記事、資料、導入事例の順に読んでから問い合わせる経路で、問い合わせ直前のページだけを数えると最初の記事が数えられないことを示す図

最初に読まれた記事を数えるには、問い合わせフォームに「何で知りましたか」の欄を置きます。

💡

営業の初回のヒアリング項目に「商談の前に読んだ記事や資料」を1行足せば、ツールを入れなくても今月から記録を始められます。

BtoBのコンテンツマーケティングのよくある質問

BtoBのコンテンツマーケティングを始めるときに出やすい、4つの質問に答えます。

検索数が少ないテーマでも記事にする?

検索数が少ないテーマでも、見込み客が商談で実際に聞いてくる質問なら記事にします。BtoBの商材は買う会社の数が限られるので、比べる段階や決める段階の質問は検索数が小さくなりやすいからです。

担当者1人でも始められる?

担当者が1人でも始められます。1人で進めるときは、決める段階の導入事例と費用の目安のページを先に作り、記事は営業がよく聞かれる質問に答えるものから書きます。営業から質問を聞く時間を月に1回もらうと、書くテーマを営業の質問から選び続けられます。

記事の制作は外注してもいい?

記事の構成と執筆は外注できます。営業が受けた質問、導入事例、費用の条件のように社内にしかない情報は、自社で集めて外注先に渡します。社内の情報を渡さずに外注すると、どの会社のサイトにも書かれている内容の記事になりやすいからです。外注先の選び方は、BtoB記事制作で成果を出す進め方|種類の選び方から外注判断までで解説しています。

成果が出るまでどれくらいかかる?

導入事例や費用の目安のページは、公開した日から営業が商談の前後に送って使えるので、次の商談で使われたかを確かめられます。検索からの訪問は、記事が検索結果に表示されるまで時間がかかります。かかる期間は、サイトのほかの記事がどれだけ検索結果に表示されているかと、狙うキーワードで上位に並ぶ記事によって変わります。自社の過去の記事が表示され始めるまでにかかった期間を、目安にしてください。

まとめ|BtoBは集める記事より検討する人への答え

BtoBのコンテンツマーケティングは、記事で人を集めるだけの施策ではありません。買う側の会社で検討に関わる担当者、上司、決裁者、関係部署の疑問に、調べる・比べる・決めるの段階ごとに答えるコンテンツをそろえる施策です。

記事を増やす前に、上司と決裁者が読む導入事例と費用のページを用意すると、記事を読んだ担当者が社内で説明できるようになります。まずは営業とサポートが受けた質問を書き出し、答えているコンテンツが無い質問を探すところから始めてください。

私たち合同会社Writers-hubは、BtoB企業のオウンドメディアの記事づくりを手伝い、自社と取引先のサイトでも記事を毎日公開しています。

営業が受けている質問に、自社のどのページが答えているか分かりますか

公開済みの記事と資料の一覧と、営業がよく受ける質問をお送りください。無料相談(オンラインで30分程度)で、検討の段階と読む人ごとに、答えるページが無い質問を一緒に確かめます。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。