「テクニカルSEOとコンテンツSEOは、どちらにも同じだけ手をかけないと順位は上がらなさそう」。2つの施策は同じ「SEO」の名前で並べて語られるため、同じ重さで続けるものだと受け取られがちです。ところが、Googleの公式の解説にも、技術面の要件は検索結果に表示されるために満たすべき最低限の要件で、多くのサイトはそのままでも満たしていると書かれています。テクニカルSEOは決まった基準まで整えれば足りる作業で、その先は、同じ検索語の上位ページと比べて記事の中身を直すほうが、順位に効きやすくなります。
本記事では、2つの違いから、テクニカルSEOをどこまで整えれば足りるかの確かめ方、時間の配分の決め方まで、自社と取引先のサイトで記事を公開し続けている制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- コンテンツSEOは検索する人に向けて記事の中身を整え、テクニカルSEOはGoogleがページを見つけて読める状態を整える
- テクニカルSEOは、Googleの3つの技術要件を満たし、Core Web Vitalsの3指標が良好と判定されれば、多くのサイトで足りる
- 2つの基準を満たしているかは、Search Consoleのレポートで確かめられる
- 基準を満たしたサイトは、毎月の時間の大半を記事の制作と書き直しに回す
- ページ数が多く更新の多いサイトや、絞り込み検索でURLが増えるサイトは、技術面の作業が続く
コンテンツSEOとテクニカルSEOの違い
コンテンツSEOは、検索する人に向けて記事の中身を整える施策です。テクニカルSEOは、Googleのクローラー(Web上のページを巡回して内容を取得するプログラム)がページを見つけて読める状態に整える施策です。
比べる点 | コンテンツSEO | テクニカルSEO |
|---|---|---|
働きかける相手 | 検索する人 | Googleのクローラーとインデックス |
主な作業 | キーワードの選定、記事の制作、既存記事の書き直し | クロールの許可、URLの正規化、表示速度の改善、スマートフォン表示への対応 |
担う人 | 編集者、ライター | サイトの制作会社、エンジニア |
作業の頻度 | 記事を出すたびに続く | サイトの構築と改修のときに集中する |
順位への効き方 | 同じ検索語の上位ページとの比べ合いで、上限がない | 決まった基準を満たせば足り、満点を目指す効き目は小さい |
どちらを優先するかを決めるのは、順位への効き方の違いです。

テクニカルSEOはどこまでやれば十分か
テクニカルSEOは、Googleが示す技術要件を満たし、Core Web Vitalsの3つの指標が良好の目安に入るところまで整えれば、多くのサイトで十分です。Googleは、Core Web Vitalsについても、SEOのためだけに満点を目指すのは有効な時間の使い方とは言えないとしています。
Googleの3つの技術要件を満たすまで
Google検索の技術要件は、次の3つです。3つとも満たしたページが、インデックス登録(Googleのデータベースへの登録)の対象になります。
- Googlebot(Googleのクローラー)がブロックされていない
- ページが機能し、HTTP 200のステータスコードを返す
- インデックス登録できるコンテンツがページにある
Googleは検索の基本事項で、多くのサイトはそのままでも技術要件を満たしており、技術的な変更を加える必要はほとんどないと説明しています。ただし、3つを満たしてもインデックス登録は保証されません。

Core Web Vitalsが良好になる数値
Core Web Vitalsは、ページの使いやすさを実際の利用者のデータで測る3つの指標です。Googleが優れたユーザー体験の目安として示す数値は、次のとおりです。
指標 | 測るもの | 良好の目安 |
|---|---|---|
LCP | 読み込みの速さ | 2.5秒以内 |
INP | 操作への反応の速さ | 200ミリ秒未満 |
CLS | 表示のずれにくさ | 0.1未満 |
Core Web Vitalsはランキングに使われる要素ですが、Googleは、Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートなどで良い結果が出ても、上位表示は保証されないとしています。
コンテンツSEOに上限がない理由
コンテンツSEOに上限がないのは、順位が、同じ検索語で表示される他のページとの比べ合いで決まるからです。Googleは、コンテンツの自己評価の質問に「検索結果に表示された他のページと比較した場合、コンテンツは実質的な価値を提供していますか」を挙げています。
比べる相手の上位ページも書き直されるため、上回るために足す情報は、上位ページが変わるたびに変わります。技術の基準はGoogleが数値で示し、中身の基準は上位ページが決めます。

ページエクスペリエンス(ページの使いやすさ)の出来が、検索語との関連性の高さより優先されることはありません。Googleは、ページエクスペリエンスが平均を下回るページも含め、最も関連性の高いコンテンツを表示するよう検索を設計しているとしています。ただし、多くの場合は検索語に合う有用なページが多数あるため、その中で順位を上げるには優れたページエクスペリエンスが大切になるとも説明しています。
PageSpeed Insightsの点数が60点台です。記事を増やす前に、90点以上まで上げたほうがよいですか?
編集部
PageSpeed Insightsの点数は、読み込みを模擬して測ったラボの値で、Core Web Vitalsの評価とは別のものです。同じ画面に出る実際の利用者のデータで評価に合格しているなら、記事の制作を止めてまで点数を上げる必要はありません。合格していなければ、表示速度の改善を制作会社に頼み、記事の制作は並行して進めてください。
アクセスの少ないページやサイトでは、実際の利用者のデータが足りず、Core Web Vitalsの評価が表示されないことがあります。

コンテンツSEOとテクニカルSEOの優先順位
コンテンツSEOとテクニカルSEOの優先順位は、テクニカルSEOを基準まで先に整え、その後の時間の大半をコンテンツSEOに使う順番です。インデックス未登録のページは、中身が良くても検索結果に出ません。
順番を決めるときは、Search Consoleで次の3つの手順を踏みます。
ページのインデックス登録レポートで、検索に出したいページが登録されていない理由を見ます。Googleのクローラーのブロックや、HTTP 200以外のステータスコード、noindex(検索結果に出さない指定)などが見つかったら、記事を増やす前に直します。サイト全体にnoindexが残っていれば、新しく足す記事も登録されないためです。
Core Web Vitalsレポートで、良好に入っていないURLがあるかを見ます。良好でないURLも、検索結果から外れるわけではありません。表示速度の改善は制作会社やエンジニアに頼み、記事の制作と並行して進めます。
インデックス登録とCore Web Vitalsの確認で直す所がなければ、毎月の時間の大半を、記事の制作と既存記事の書き直しに回します。サイトの改修やテンプレートの変更をしたときは、同じ2つの確認をやり直します。
狙うページごとに、クロール、インデックス登録、検索結果の表示のどの段階で止まっているかを見分ける手順は、SEO対策の種類と優先順位の決め方で解説しています。
テクニカルSEOの作業が続くサイト
ページ数が多く更新の多いサイトと、絞り込み検索でURLが増えるサイトは、基準を一度満たしても、テクニカルSEOの作業が続きます。Googleが1つのサイトのクロールに使える時間とリソースには限りがあり、不要なURLの巡回に時間を取られると、新しいページが見つかるのが遅れるからです。
Googleのクロール管理のガイドは、主に次の3つのどれかに当てはまるサイトを対象にしています。1つでも当てはまれば、テクニカルSEOを毎月の予定に入れることをおすすめします。
- 重複のないページが100万以上あり、1週間に1回ほど更新されるサイト
- 重複のないページが1万以上あり、毎日更新されるサイト
- Search ConsoleでURLの大部分が「検出 - インデックス未登録」になっているサイト
ページ数は大まかな目安で、正確な境目ではありません。

当てはまるサイトで続く作業は、重複したURLを1つにまとめること、クロールさせないURLをrobots.txtで指定すること、削除したページに404か410を返すことなどです。頻繁に更新するページがそれほど多くないサイトなら、Googleは、サイトマップを最新に保ち、ページのインデックス登録レポートを定期的に確かめるだけで十分としています。
色やサイズの絞り込みでパラメータ付きのURLが大量に生まれるサイトについて、Googleはファセット ナビゲーション URL のクロール管理で、インデックス登録が要らない絞り込みのURLはクロールを防ぐよう勧めています。
ページは数万あるのに、大半がインデックスに登録されていないままですか
データベースSEOでは、内部リンクとURL構造の設計、title・meta description・構造化データのページタイプごとのテンプレート化、sitemapとcanonicalによるインデックス制御までを行います。最初にサイトの構造とインデックスの状況、クロールの効率を分析し、改修の順番を決めます。
titleタグや内部リンクの担当の分け方
titleタグや内部リンクのように、解説によってコンテンツSEOにもテクニカルSEOにも数えられる施策は、仕組みと中身に分けて担当を決めます。仕組みはサイトのテンプレートやCMSが全ページに同じように出すもので、中身は記事ごとに人が決めるものです。
施策 | 仕組み(テクニカルSEO) | 中身(コンテンツSEO) |
|---|---|---|
titleタグ | 記事のタイトルをtitleタグに出す設定 | 記事ごとのタイトルの文言 |
内部リンク | パンくずリストと関連記事の自動表示 | 本文のどこからどの記事へリンクを張るか |
重複ページ | URLの正規化とcanonicalタグの自動出力 | 同じテーマの記事を2本作らない企画の確認 |
構造化データ | マークアップの実装 | よくある質問など、マークアップする中身の文章 |
titleの文言やリンク先のように記事ごとに人が決める項目は、記事を1本出すたびに決め直すため、テクニカルSEOの診断だけを外部に頼むと、誰の担当にもならないまま残りやすいと見ています。これらの項目は、記事の公開前の確認に組み込んで担当を決めます。

記事を増やしているサイトで後から見つかる重複ページの多くは、企画の段階で生まれていると見ています。Googleは内容のよく似たページを1つのグループにまとめ、その中の1ページを検索結果に出す正規ページに選びます。内容がよく似た記事を2本公開すると、canonicalタグを正しく出していても、検索結果に出るのはどちらか1本になりやすいと見ています。
記事を足すたびに確かめる項目の一覧は、SEOの内部対策20項目にまとめています。
記事ごとのタイトルやリンク先を、公開のたびに誰が確かめていますか
記事コンテンツの制作支援では、編集者・ライター・監修者のチーム編成から、レギュレーションの策定、品質管理の流れの構築までを行います。弊社が自社と取引先のサイトで毎日の記事公開に使っている、記事の指示文を作るツールも、御社で回せる形でお渡しします。公開前の確認は御社で行っていただきます。
コンテンツSEOとテクニカルSEOのよくある質問
コンテンツSEOとテクニカルSEOについて、記事の担当者が疑問に思いやすい2つの質問に答えます。
AI検索にはどちらが効く?
AI検索のために、コンテンツSEOとテクニカルSEOのどちらか一方を増やす必要はなく、通常の検索と同じ順番で整えます。Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も要らないとしています。ページが参照先のリンクとして表示されるには、次の3つをすべて満たす必要があります。
- インデックスに登録されている
- 検索結果にスニペットが表示される
- Google検索の技術要件を満たしている
3つを満たした先でGoogleが重視するのは、通常の検索と同じく、信頼できる有用なユーザー第一のコンテンツです。

CMSで作ればテクニカルSEOは要らない?
CMSで作ったサイトでも、技術要件を満たしているかの確認は要ります。公開前に検索エンジンを拒む設定をしたまま公開すると、全ページが登録されないためです。公開後に一度、URL検査ツールでトップページと記事を1本ずつ調べ、インデックス登録の対象になっているかを確かめてください。
まとめ|基準を満たした先で効きやすいのは記事の中身
コンテンツSEOとテクニカルSEOは、順位への効き方が違います。テクニカルSEOは、Googleの3つの技術要件を満たし、Core Web Vitalsの3指標が良好と判定されれば足ります。その先は、上位ページと比べて記事の中身を直すほうが、順位に効きやすくなります。
Search Consoleで2つの基準を確かめ、満たしていれば、毎月の時間の大半を記事の制作と書き直しに回します。ページ数が多く更新の多いサイトや、絞り込みでURLが増えるサイトは、技術面の作業も予定に入れます。
私たち合同会社Writers-hubは、自社と取引先のサイトで記事を毎日公開しながら、企業の記事の制作体制づくりと、大規模サイトの構造の見直しを支援しています。
自社のサイトが2つの基準を満たしているか、判断がつかずにいませんか
Search Consoleのページのインデックス登録レポートとCore Web Vitalsレポートの画面をご用意ください。無料相談(オンラインで30分ほど)で2つのレポートを一緒に確かめ、テクニカルSEOで直す所が残っているか、時間を記事の制作に回してよいかを決めます。







