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社員インタビューの4つの型|掲載先ごとの違いと質問の並べ方

社員インタビューは、採用サイト・社内報・自社メディア・動画のどこに載せるかで、聞く相手も質問も変わります。質問例を先に集めると、取材で聞いた話が掲載先と噛み合わず書き直しになりやすいので、読者と掲載先を1つに決めてから設問を組んでください。他社の実例は、写真の質より設問の並べ方を見ると自社に移せます。

机の上に採用サイト・社内報・自社メディア・動画とラベルの付いた4枚のページ見本が並び、そのうちの1枚に手が伸びている俯瞰の構図。付箋とボールペンが脇に置かれている。

社員インタビューを作ることになり、まず「質問例」を検索する。多くの担当者がここから始めます。ところが集めた質問をそのまま並べて取材すると、話は聞けたのに記事にした途端、どこの会社でも通用しそうな内容になってしまう。

原因は質問の中身ではなく、決める順番にあります。社員インタビューは、採用サイトに載せるのか、社内報なのか、自社メディアや動画なのかで読む人も読む理由も変わる。読者が変われば聞くべきことも変わるため、掲載先を決めないまま質問を選ぶと、集めた素材と出し先が噛み合わなくなるのです。

記事制作を請け負っている立場から、社員インタビューを掲載先ごとの4つの型に整理し、型の決め方と共通する質問の並べ方をまとめました。

この記事でわかること
  • 社員インタビューが会社の説明文より信じられやすい理由
  • 掲載先で分かれる4つの型と、型ごとに変わる読者・長さ・人選の軸
  • 質問リストを探す前に決めておく2つのこと
  • 他社の社員インタビューから、真似てよい部分と真似ると外す部分
  • 顔写真や退職者の扱いなど、取材依頼の前に決めておく取り決め

社員インタビューは、会社の説明を社員の言葉に置き換えるコンテンツ

社員インタビューとは、自社で働く社員に取材し、入社の経緯や仕事の内容、働き方などを本人の言葉で紹介するコンテンツを指します。採用サイトの定番として広まった形式ですが、使われる場所は採用領域にとどまりません。

なぜ会社の説明ではなく、社員に語ってもらうのか。読み手が、会社発の文章を割り引いて読むからです。「風通しの良い職場です」と会社が書けば宣伝文句として処理されますが、「入社2か月目に、自分の担当範囲を変えたいと会議で言えた」と社員が話せば、出来事の報告として受け取られる。会社が自分で語る言葉より、そこで働く人の言葉のほうが疑われにくいという差を使ったコンテンツです。

会社側が公式には書きにくいことを代弁してもらえる役割もあります。繁忙期の忙しさ、うまくいかなかった案件、希望どおりの配属にならなかった経験。採用担当が名前を出して書けば角が立つ話も、本人の回想としてなら載せられる。良い話だけのページより、そうした記述が1つ混じるほうが読まれます。

関連記事:SEO記事の品質基準を統一する方法|制作体制の最適化とチェックリスト活用術

掲載先によって、社員インタビューは4つの型に分かれる

同じ「社員インタビュー」でも、掲載先が変われば作るものは別物になります。読む人が違い、読む目的が違い、求められる長さも違う。まずどれを作るのかを確かめてください。

採用サイト社内報自社メディア・note動画
主な読者応募を検討中の求職者既存社員とその家族顧客・取引先・潜在候補者求職者・社外の閲覧者
読む目的入社後の自分を想像する他部署の仕事を知る会社の考え方に触れる雰囲気と話し方を見る
目安の長さ2000〜4000字800〜2000字3000字以上も可2〜5分
人選の軸求める人物像に近いか社内で知られていない人か語れる考えを持っているか話し方が自然か

1回の取材から複数の型を作る場合もあります。ただし兼用を前提に設計すると、どちらの型でも中途半端になりやすい。優先する掲載先を1つ決め、余った素材を別の型へ回す順番が現実的です。

社員インタビューの4つの型と読者の違いを示した図解

採用サイトの型は、応募をためらう理由を外すために書く

読者は応募を迷っている求職者であるため、記事の役目は「良さを伝える」より「引っかかっている点を外す」ことにあります。残業の実態、未経験からの立ち上がり、転勤の有無など、募集要項に書ききれない部分を社員の経験として語ってもらう形が機能します。

社内報の型は、知らない同僚を知ってもらうために書く

読者が社内の人である点が決定的に違います。仕事内容の説明は最小限で足り、その代わり人柄や部署をまたいだ関わり方に紙面を使う。採用サイト向けの質問を流用すると、既知の情報ばかりが並びます。

自社メディア・noteの型は、会社の考え方を外へ伝えるために書く

社員の言葉を借りて会社の姿勢を示す型です。文字数の上限がないぶん深く掘れる反面、目的が拡散しやすい。「読んだ人にどうなってほしいか」を1文で書けないまま着手すると、長いだけの記事になります。

動画の型は、話し方と場の空気を見せるために書く

情報量では記事に劣りますが、表情や声の調子は動画でしか伝わりません。両方作るなら同じ取材の場で撮影まで済ませ、記事を先に公開して動画を後から足すほうが社員の負担は軽くなります。

関連記事:インタビュー台本の作り方|質問の並べ方・時間配分・当日の使い方

質問リストを探す前に、読者と掲載先を決める

ここまでで、質問例を探す前にやることがあると気づいた方も多いはずです。実務の順番は、目的、読者、掲載先、質問という並びになる。逆から始めると、集まった話をどこにも収めきれなくなります。

社員インタビューを決める順番を示した流れ図

目的は1つに絞ってください。「採用も社内向けもカバーしたい」と広げた時点で、質問は当たり障りのないものへ収束します。質問リストは、読者と掲載先が決まったあとでなければ選べません

💡

「この記事は、(誰)が(何)を心配して読むので、(何)が伝われば成功」に当てはめてみてください。埋まらない箇所が、まだ決まっていない部分です。

質問を作るときは、伝えたいことを直接聞かないのがコツです。「風通しの良さを伝えたい」なら「風通しは良いですか」ではなく、「直近で、上司の意見と違う提案をした場面はありますか」と聞く。抽象的な問いには抽象的な答えが返り、具体的な問いには場面が返ってきます。

経営者経営者

採用サイト用に社員インタビューを4本作ることになりました。人事は私ひとりで、取材も執筆も未経験です。何から手をつければよいでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

4本の内訳を先に決めてください。職種、入社年次、新卒か中途かという3軸で見て、応募が欲しい層に近い人から埋める。同じ職種で4本より、4つの入口を用意したほうが少ない本数で広い読者をカバーできます。取材の技術は、内訳が決まってからで間に合います。

社員インタビューを作ることは決まったが、取材と執筆を担う人が社内にいないなら

社員インタビューは、書く作業より日程調整と原稿確認のやり取りに時間がかかる。合同会社Writers-hubでは、設問設計から取材、執筆、確認対応までを編集部の機能ごとお引き受けしています。作りたい本数と掲載先をお聞かせいただければ、着手の順番をお伝えできます。

関連記事:インタビューの仕方|当日の進行と深掘り質問の出し方

他社の社員インタビューを参考にするときは、真似る部分を分けて見る

「社員インタビュー」で検索すると、上位に並ぶのは知名度の高い大企業の採用ページです。参考にしたくなるのは自然ですが、そのまま真似るとうまくいかない。理由は文章力ではなく、置かれた状況の違いにあります。

大手企業の社員インタビューは、応募者を絞り込むための作りです。大量の応募が来る前提で、合わない人に辞退してもらうため、仕事の厳しさや求める水準を前面に出す構成が選ばれる。一方、名前を知られていない会社がまず必要とするのは「実在する、まともな会社だ」と思ってもらう情報です。同じ形式でも目的が正反対になります。

規模を問わず移植できるのは、次の4点です。

  • 質問の順番と、話題の切り替え方
  • 1本あたりの分量と、見出しの区切り方
  • 一覧ページで職種や年次から選べる導線
  • 記事の冒頭で人物を紹介する書式

反対に、真似ても効かない要素もあります。

  • 社名の知名度を前提にした書き出し
  • 大型案件の規模感で語るやりがい
  • スタジオ撮影を前提にした写真の構図
  • 10本以上並べて初めて成立する網羅性

参考にするなら、大手より、自社と同じ規模で採用を続けている会社のページのほうが学べます。設問の並べ方と、写真をどこで撮っているかを見比べてください。オフィスの一角で撮った写真でも、明るさが揃っていれば十分に見られます。

どの型にも共通する骨組みは、過去・現在・未来の3区切り

掲載先が変わっても、質問の並べ方には共通の型があります。過去、現在、未来の順に時間軸で並べる方法です。人は経歴を時間順に思い出すため、話が途切れにくく、記事にしても読者が迷いません。

時間軸で並べた質問の例

過去(入社まで)

  1. 転職や就職の活動をしていた当時、何に困っていましたか
  2. 他に検討していた会社と、どこで迷いましたか
  3. 最終的な決め手は何でしたか

現在(今の仕事)

  1. 直近1週間で、いちばん時間を使った仕事は何ですか
  2. 入社前の想像と違っていたことはありますか
  3. うまくいかなかった案件と、そのときどうしたかを教えてください

未来(これから)

  1. これから任されたい仕事はありますか
  2. 今の自分に足りないと感じている力は何ですか
  3. 同じ立場で迷っている人に、伝えたいことはありますか

9問すべてを使う必要はありません。60分の取材で深く聞ける質問は5問前後が上限で、残りは予備として持っておく。答えが一言で返ってきたら、「たとえば直近だと、どんな場面がありましたか」と場面を求める聞き返しを使います。

3区切りのなかで記事の質を左右するのは過去の部分です。入社を決めた理由を、比較した対象とセットで聞けているか。「成長できそうだったから」で終わらせず、「何と比べて、どこがそう見えたのか」まで下ろすと、読者は自分の検討状況と重ねられます。

過去・現在・未来の3区切りに質問を配置した図解

依頼から公開までの流れと、各段階で決めること

つまずくのは、取材当日より前後の工程です。全体の流れを先に共有しておくと、社員の協力を得やすくなります。

1
STEP
掲載先と目的を決める

何本作り、どこに載せ、誰に読ませるかを文書にします。曖昧なまま進むと後の工程すべてが揺れます。

2
STEP
対象者を選び、上長に話を通す

本人へ直接依頼する前に、所属長へ趣旨と拘束時間を伝えて了承を得る。逆にすると本人が板挟みになります。

3
STEP
依頼と事前共有をする

質問項目、所要時間、撮影の有無、公開範囲を事前に渡します。当日に初めて見せると答えが浅くなります。

4
STEP
取材と撮影を行う

質問票をなぞらず、返ってきた話を掘る形で進めます。撮影は表情がほぐれる後半のほうが自然です。

5
STEP
執筆し、確認を回す

構成を先に固めてから本文を書く。確認は本人、所属長、広報の順に、観点を指定して依頼します。

6
STEP
公開し、一覧に組み込む

一覧ページでの並び方まで見て公開します。読者は一覧から選ぶため、並びの見え方が読まれる本数を決めます。

確認の工程では、観点を指定しないまま原稿を送らないでください。「気になるところがあれば」と依頼すると表現の平準化まで戻ってきて、具体的だった話が一般的な言い回しに置き換わります。「事実の誤りと、公開できない情報の有無だけ見てください」と範囲を切って渡すのが対処です。

社員インタビューを毎年続ける前提なら、社内で書ける人を育てる選択肢もあります

採用広報は毎年発生する仕事のため、外注だけで回し続けると費用が積み上がる。合同会社Writers-hubでは、設問テンプレートの整備、取材への同席、原稿レビューを通じて社内に書き手を育てる支援を行っています。担当人数と月に確保できる時間をお聞かせください。

公開後に起きる問題は、取材を依頼する前に決めておく

社員インタビューは、公開してからのほうが判断に迷う場面が増えます。決め事を後回しにすると、その都度の判断になり、社員からの信頼を損ないやすくなる。

先に決めておく項目は4つです。掲載する氏名の範囲(実名・イニシャル・仮名)、顔写真の可否と使い回しの範囲(採用サイト以外の資料や広告に使うか)、掲載期間、退職した場合の扱い。いずれも取材を依頼する時点で本人へ伝え、書面で了解を得ておきます。

とくに扱いが分かれるのが退職者の記事です。退職者の記事をどう扱うかは、公開前に決めておくほうが安全です。すぐ削除する運用は、記事が消えるたびに一覧が痩せていく。一定期間は残すなら、その旨を取材時に伝えておきます。どちらが正しいというより、決めていない状態がもっとも揉めます。

氏名や顔写真の扱いは個人情報の管理と地続きです。社内規程がある会社は担当部署にも確認してください。

個人情報保護委員会 - PPC |個人情報保護委員会
個人情報保護委員会の組織・活動方針・活動報告・予算・委員会開催に関する情報を掲載しています。個人情報保護委員会が発信している 出版物・動画・マンガ・教育資料 及び 報道発表や説明会、調達・採用 等について掲載しています。
🌐 www.ppc.go.jp
外部リンク

※ 個人情報の取り扱いに関する一般的な情報は個人情報保護委員会のWebサイトを参照。個別の判断が必要な場合は社内の管理部門または専門家へご確認ください。

社員インタビューについてよくある質問

制作の相談を受けるなかで繰り返し聞かれる質問をまとめました。多くは本数と、社員の協力の取りつけ方に関するものです。

社員インタビューは何本くらい必要ですか。

本数より、読者の入口が埋まっているかで判断してください。募集職種が3つなら3本、新卒と中途の違いを足すなら4本から5本。同じ職種で5本並べるより、5つの入口に1本ずつあるほうが機能します。

取材を断られたときはどうすればよいですか。

断られた理由を確認してください。顔出しが理由なら仮名と後ろ姿の写真、時間が理由なら書面での回答形式と、条件を変えると受けてもらえる場合があります。理由を聞かずに別の人へ切り替えると、同じ断られ方を繰り返します。

話がうまい社員を選ぶべきですか。

優先度は低めです。話がまとまっている人ほど、当たり障りのない模範解答になりやすい。読者に近い経歴で、迷いながら決めた経験がある人のほうが読まれます。話の整理は書き手の仕事です。

外注する場合、見積もりで確認すべき点はどこですか。

原稿確認への対応回数が含まれるかを必ず見てください。取材と撮影の有無、本数でも金額は変わります。

質問の作り方まで決まったので、あとは書ける状態にしたいなら

設問の骨組みが決まっていれば、そこから先の取材と執筆は外へ出しやすい。合同会社Writers-hubでは、社内で作った質問票を引き継ぎ、取材から記事化までを担当することもできます。作成済みの資料と公開予定の時期をお送りいただければ、工程と日程の目安をお返しします。

まとめ|社員インタビューは型を決めてから質問を選ぶ

社員インタビューを、掲載先ごとの4つの型に分けて整理しました。最後に要点を振り返ります。

社員インタビューが効くのは、会社が自分で語る言葉より社員の言葉のほうが疑われにくいためです。ただし採用サイト、社内報、自社メディア、動画では読者も目的も違うので、質問例を探す前に掲載先と読者を1つに決める。質問は過去、現在、未来の順に並べ、入社を決めた理由を比較対象とセットで聞くと、読者が自分と重ねられる記事になります。

他社の実例を見るときは、質問の順番や一覧の導線を移植し、知名度や撮影環境を前提にした部分は切り離す。氏名と顔写真の範囲、掲載期間、退職時の扱いも、取材を依頼する前に決めておいてください。

合同会社Writers-hubでは、社員インタビューの設問設計から取材、執筆、原稿確認の対応までを請け負っています。掲載先と本数が固まった段階でお声がけください。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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