「LP構成には鉄板の法則がある。まずはその法則を覚えて、順番どおりに当てはめればいい」。LPの構成づくりを任された方から、この前提でご相談をいただくことがあります。法則という言葉には、条件さえ揃えば同じ結果が出るという響きがありますし、社内の打ち合わせでも「今回はPASONAで行こう」と型の名前がそのまま方針として共有される場面は珍しくありません。
しかし、企業の集客ページや記事の文章をこれまで数多く設計してきた弊社の立場から申し上げると、法則は読者心理をなぞる台本ではなく、作り手の省略を止める点検表です。同じ新PASONAで組んだ2枚のLPでも、片方は問い合わせが伸び、もう片方はほとんど動きません。差がついているのは型の選択そのものより、型が空欄のまま残した箇所に気づけたかどうかにあります。
本記事では、LP構成の法則という言葉が指している2つの意味の切り分けから、代表的な5つの型の違い、自社の商材でどれを選ぶかの基準、そして法則どおりに並べても成果が出ないときに見る場所まで、LPと記事の文章を設計する側の視点で順にお伝えします。
- LP構成の法則という言葉が指す、画面の器と話の運び方という2つの意味
- AIDMA、新PASONA、BEAF、QUEST、AIDCASという5つの型の違い
- 読者が課題をどこまで自覚しているかで型を選ぶ基準
- 選んだ型を自社のLPの構成案に落とす5つの手順
- 法則どおりに並べても成果が出ないときに疑う3つの原因
LP構成の法則が指す2つの意味
LP構成の法則を調べると、「ファーストビュー、ボディ、クロージングの3ブロック」という説明と、「AIDMAの法則」「新PASONAの法則」という型の説明が、同じ見出しの下に並んでいることがよくあります。どちらも法則と呼ばれてはいますが、担っている役割は別物です。
前者が指しているのは、どのLPにもほぼ共通して現れる画面の構造です。1枚のページを上から3つの区間に割り、それぞれの区間で果たす役割を決めたものにあたります。後者が指すのは、その区間の中身をどの順番で語るかという話の運び方のほうでしょう。
つまり3ブロックは「どこに何を置くか」を決める器であり、5つの型は「器の中で何をどの順に話すか」を決める筋書きです。器だけ決めても語る順番は決まりませんし、筋書きだけ決めても画面のどこに置くかは決まりません。両方を分けないまま「法則どおりに作った」と言うと、たいてい片方しか決まっていない状態でデザインの工程へ進むことになります。
2つの法則の役割分担
- 3ブロック(ファーストビュー・ボディ・クロージング):ページ上のどの位置に何を置くかを決める
- 5つの型(AIDMA、新PASONA、BEAF、QUEST、AIDCAS):ボディの中で何をどの順に語るかを決める
そのうえで、法則を探している方が本当に迷っているのは、たいてい後者のほうだと感じています。3ブロックは名前を聞けば納得できますが、型のほうは5つも6つも名前が出てくるうえ、どれを選ぶべきかまでは書かれていないためです。
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どのLPにも共通する3つのブロック
型の話に入る前に、器のほうを短く押さえます。LPは1枚のページを縦に読み進める形式のため、上から順に読み進める理由をつくる、疑問を消す、行動の直前の不安を外すという3つの仕事を配置します。
ファーストビュー
画面を開いた瞬間に見える範囲です。ここで判断されるのは商品の良し悪しではなく、「自分に関係のあるページかどうか」の一点に尽きます。キャッチコピー、メインビジュアル、最初のボタンを置き、広告や検索で見た言葉との連続性を保ちます。関係がないと判断されれば、下にどれだけ丁寧な説明を書いても読まれません。
ボディ
ページの大半を占める部分で、読者が抱く疑問に順番で答えていく区間です。商品の説明、利用者の声、実績、料金といった材料は、すべてここに入ります。この記事で扱う5つの型が働くのも、ほぼボディの中でしょう。
クロージング
申し込みや問い合わせの直前に置く区間です。よくある質問、保証や返金の条件、入力フォームが並びます。ここで扱うのは商品への疑問ではなく、手続きそのものへの不安のほうです。入力項目が多い、費用が最後まで分からない、解約条件が書かれていないといった理由で、内容には納得した読者が最後の数センチで止まります。

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LP構成で使われる5つの法則
ここからが本題です。LP構成の法則として名前が挙がる型は複数ありますが、実務で使い分ける対象としては、次の5つを押さえておけば足ります。違いは段階の数ではなく、どの段階を厚く扱うかにあります。
AIDMAの法則
Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字を取った型で、1920年代のアメリカで整理された購買行動のモデルが元になっています。商品を知らない読者が、知り、欲しくなり、覚えて、買うまでを5段階で追う形です。
LPで使うときは、Memory(記憶)の扱いに注意が必要でしょう。もともとは広告を見た人が後から思い出して店頭で買う流れを前提にした段階のため、その場で申し込みを取るLPでは、記憶ではなく納得の裏付けを置く形に読み替えて設計する場面が多くなります。
新PASONAの法則
Problem(問題提起)、Affinity(親近感)、Solution(解決策)、Offer(提案)、Narrowing down(絞り込み)、Action(行動)の6段階です。マーケターの神田昌典氏が提唱したPASONAの法則を、後に本人が改訂した型で、2番目の段階が「Agitation(煽り立て)」から「Affinity(親近感)」へ変わりました。
不安を強めて買わせる進め方から、同じ悩みを理解している立場を示して信頼を得る進め方へ、軸足が移ったと捉えると使いやすくなります。読者が自分の課題をまだ言葉にできていない商材、たとえば健康や学習に関わる商材と組み合わせやすい型です。
BEAFの法則
Benefit(利得)、Evidence(証拠)、Advantage(優位性)、Feature(特徴)の順に並べる4段階の型です。最初に読者が得られる結果を示し、その根拠を出し、他社と比べた優位点を挙げ、最後に仕様や機能を書きます。
共感の段階を持たないところが特徴で、すでに商品カテゴリを知っていて、複数社を比べている読者に向いています。BtoBの資料請求や、通販サイトの商品ページで採用されることが多い型でしょう。
QUESTの法則
Qualify(絞り込み)、Understand(理解)、Educate(教育)、Stimulate(刺激)、Transition(行動)の5段階で、もともとはセールスレターのコピーライティングで使われてきた型です。
特徴は最初のQualifyにあるでしょう。冒頭で「この商品は誰のためのものか」を宣言し、対象から外れる読者にはあえて離脱してもらう構えを取ります。単価が高く、契約後の手間も大きい商材、たとえば個別指導や伴走型のコンサルティングのように、合わない相手が申し込むと双方が損をする商材で効いてきます。
AIDCASの法則
Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Conviction(確信)、Action(行動)、Satisfaction(満足)の6段階です。AIDMAのMemory(記憶)をConviction(確信)に差し替え、購入後のSatisfaction(満足)まで含めた型と捉えると分かりやすいはずです。
確信の段階が独立しているため、価格が高く、選び間違えたくない気持ちの強い商材で扱いやすくなります。満足の段階は、LPの中では利用者の声や購入後のサポート内容として表現されます。
| 段階の数 | 共感パート | 向いている読者 | 主な使いどころ | |
|---|---|---|---|---|
| AIDMA | 5 | 薄い | 商品カテゴリを知らない | 認知から作る新商材 |
| 新PASONA | 6 | 厚い | 悩みを言葉にできていない | 健康・美容・学習 |
| BEAF | 4 | なし | 他社と比較中 | BtoBの資料請求・通販 |
| QUEST | 5 | 中程度 | 対象が限られる | 高単価の個別サービス |
| AIDCAS | 6 | 薄い | 選び間違えたくない | 高額商材・長く使う商品 |
5つを並べてみると、段階の名前は違っても、扱っている材料はかなり重なっていると分かります。違いが出るのは冒頭の入り方と、共感にどれだけ紙面を割くかという配分のほうです。
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法則を選ぶ基準は読者の自覚度
5つの型を並べると、次に出てくるのが「結局どれを使えばよいのか」という問いでしょう。ここで見落とされやすいのが、選ぶ基準は商品の種類ではなく、読者が自分の課題をどこまで自覚しているかだという点です。
同じ商材でも、流入元によって読者の状態は変わります。法人向けの勤怠管理システムのLPには、「勤怠管理システム 比較」と検索して来た読者と、「残業時間 集計 大変」と検索して来た読者が、同じ日に同じページへ着地するでしょう。前者は課題も解決手段も分かっていて、他社との違いだけを見に来ています。後者は困ってはいるものの、それがシステムで解決する話だとまだ結び付いていません。前者に共感の段落を長く読ませれば「早く比較の材料を見せてほしい」と離脱しますし、後者にいきなり機能一覧を出しても、自分に必要かどうかを判断できないまま画面を閉じるでしょう。
だから型は、商材の属性より先に、そのLPへ来る読者の自覚度から決めます。

自覚度の判定に使う材料は、社内にすでにあります。検索からの流入なら検索キーワード、広告からの流入なら広告文言、メールからの流入なら件名と本文です。課題の言葉で来ているのか、商品名や比較の言葉で来ているのかを見れば、おおよその見当はつきます。
広告と検索の両方からアクセスがあるのですが、その場合はどちらに合わせて型を選べばよいのでしょうか。
編集部
流入が混ざっているLPは、自覚度の低いほうに合わせるのが基本です。課題に気づいていない読者にも通じる構成なら、比較検討中の読者にとっては前置きが長いだけで、読み飛ばして目当ての情報にたどり着けます。逆の順で組むと、自覚のない読者は判断材料を持てないまま離脱してしまいます。ただし広告からの流入が大半を占めるようなら、広告文言に合わせた別のLPを用意したほうが確実でしょう。1枚で兼ねるか分けるかは、流入量と、ページを増やしたあとに更新が回るかどうかで判断してください。
型と自覚度の対応は、おおむね次のように整理できます。
自覚度から型を選ぶ目安
- 課題に気づいていない:新PASONA(問題提起と親近感から入る)
- 課題は分かっているが手段を知らない:AIDMAまたはAIDCAS(関心から確信まで積む)
- 手段も分かっていて比較している:BEAF(利得と根拠を先に出す)
- 対象を絞る必要がある高単価商材:QUEST(冒頭で対象を宣言する)
この対応は固定ではありません。読者の自覚度は広告の出し方を変えれば動きますし、競合の出稿状況や季節によっても変わります。だからこそ型は一度決めて終わりにせず、流入の中身が変わった時点で選び直す前提で扱います。
法則が成果につながる仕組み
ここで、LPや記事の文章を作ってきた立場から本音を言えば、型そのものに読者を動かす力があるわけではありません。AIDMAの順に並べたから買われるというより、順番を先に決めておくと作り手が自分の都合で飛ばす説明を減らせることのほうが、成果への影響は大きいと見ています。
LPを作るのは、その商品をいちばんよく知っている人たちです。よく知っているからこそ、読者にとっては初耳の前提を飛ばします。「うちの業界では常識だから」と省いた仕様の説明、「聞かれたら答える」と伏せた費用感、「言わなくても伝わる」と載せなかった導入社数。どれも作り手の中では処理済みの情報でも、読者の頭の中では空欄のまま残ります。
型を当てはめる作業は、その空欄を見えるようにします。新PASONAで組んだのにOffer(提案)の欄に書くことが浮かばないなら、それは型の問題ではなく、特典も保証も条件も決まっていないという事業側の空欄です。BEAFのEvidence(証拠)が埋まらないなら、社内に出せる数字や事例がまだ用意できていません。
とりわけ効くのが、埋まらない欄が原稿を書く前に見えるという副産物でしょう。型の紹介記事ではあまり触れられない部分ですが、構成案の段階で欄が空いていると分かれば、デザインや原稿に入る前に社内で材料を集め直せます。公開してから「実績の見せ方が弱い」と指摘されて作り直すより、費やす時間も費用もはるかに小さく済みます。
構成案の空欄を埋める材料集めで、社内の手が止まっていませんか?
型に沿って欄を洗い出しても、そこへ入れる事例や数字を集め、読める文章にする工程にはまとまった時間がかかります。弊社は、社内への聞き取りから原稿、公開後の書き直しまでを制作体制ごとお引き受けしています。材料はあるのに形にする人手が足りない、という段階からご相談ください。
法則を自社のLPに当てはめる手順
選ぶ型が決まったら、構成案に落とします。順番は次の5つです。ここを飛ばして見出しから書き始めると、途中で型と実際の内容が噛み合わなくなります。
購入、資料請求、無料相談のうち、このページで取るものを1つに絞ります。取る行動によって、型のどの段階を厚くするかが変わるためです。資料請求のように申し込みの負担が軽い場合、確信の段階は短くて済みます。
広告の文言、検索キーワード、メールの件名など、読者がLPに来る直前に見ていた言葉を書き出します。書き出した言葉が課題の表現なのか、商品名や比較の表現なのかで、前の章で整理した自覚度を判定できます。
選んだ型の段階を上から書き出し、それぞれに何を入れるかの欄を作ります。この時点では中身を埋めません。どの欄が埋まらないかを先に見るための工程です。
営業資料、既存顧客への聞き取り、問い合わせ履歴、導入事例から、各欄に入れる材料を集めます。埋まらない欄が残ったら、原稿に進む前に材料を用意するか、その段階を短く扱う判断をここで下します。
各欄に、本文の目安文字数と必要な画像の点数を書き込みます。分量を決めずにデザインへ渡すと、1画面に収まらない箇所が出て、構成から組み直すことになります。
5つを通すと、型の名前を挙げただけの状態から、各欄に何を書くかまで決まった構成案に変わります。デザインと原稿の見積もりが取れるのも、ここまで来てからです。

法則どおりでも成果が出ない3つの原因
型に沿って組み、欄も埋めたのに数字が動かない。ご相談の中で多いのは、次の3つのどれかに当てはまる場合です。
各ブロックの説明が足りない
法則が守るのは順番だけで、各ブロックの中身の質までは守りません。Evidence(証拠)の欄に「多くの企業に導入されています」とだけ書いてあれば、順番は正しくても読者の疑いは消えません。導入社数、業種、導入後に変わった数字のうち、公開できるものを具体的に書けているかを、欄ごとに確認してください。
広告や検索の言葉とのズレ
広告で「初期費用0円」と伝えているのに、LPの冒頭が会社の理念から始まっている。この状態は、型の選択とは無関係に離脱を生みます。ファーストビューは型の1段階目である前に、流入元の言葉を受け取る場所です。広告を運用しながらLPを触る場合、広告文言を変えたらファーストビューも合わせて見直します。
途中の段階を飛ばした構成
納期や予算の都合で、型の途中の段階を落とすことがあります。落とす判断そのものはあり得るとしても、落とした段階が担っていた疑問までは消えません。たとえばQUESTのEducate(教育)を省くと、読者は商品の使い方が分からないまま価格を見ることになり、高いか安いかを判断する材料を持てないままページを離れます。
3つに共通しているのは、型の選び直しでは直らないという点です。並べ替える前に、各欄の中身と流入元を先に見てください。
- 型の名前だけ決めて、各段階に何を書くかは原稿の担当者に任せる
- 上位表示されている他社LPの並び順を、そのまま自社に写す
- 埋まらない欄を空欄のまま残し、デザインで見栄えを整えて公開する
- 公開後に複数箇所を同時に直し、どの変更が効いたか分からなくする
型を変えるかどうかを検討するのは、ここまで確認したあとで構いません。
広告を出している間しか、LPに人が来ない状態が続いていませんか?
流入元の言葉とファーストビューを合わせ続ける作業は、広告を出稿しているあいだずっと発生し続けるでしょう。悩みの言葉で検索した段階で読まれる記事を用意しておけば、LPに着地する時点で自覚度の高い読者が増え、共感の段階に割く分量も減らせます。検索とAI検索の両方から人を集める設計を、現在の流入の内訳をうかがったうえでご提案します。
LP構成の法則についてよくある質問
1つに決めたほうが進みます。複数の型を混ぜると、同じ内容を扱う段階が重複し、ページが長くなるだけで読者の疑問は減りません。迷う場合は、共感の段階を厚く取る案と短く取る案の2つを作り、公開後の数字で比べてください。
読者の状態で変わるため、型そのものの優劣では決まりません。課題を自覚していない読者が多いLPなら新PASONA、商品カテゴリを知らない読者へ認知から作るならAIDMAが扱いやすくなります。判断材料は流入元の検索キーワードと広告文言です。
入れ替えて構いません。型は仮説であって規則ではありません。ただし入れ替えるときは、その段階が担っていた読者の疑問をどこで解消するかを決めてから動かしてください。
あります。段階の数を減らして使えば十分です。1画面で終わるような短いLPでも、利得と証拠の2つが揃っているかを確認するだけで、書き漏らしは減らせます。
使えます。サービス紹介ページや提案資料の構成にも当てはめられるはずです。ただし複数ページを行き来するサイトでは、1ページで全段階を終える必要がないため、段階をページ単位で分けて配置する形になります。
まとめ|法則は当てはめる前に選ぶ
LP構成の法則は、3ブロックという画面の器と、5つの型という話の運び方の2つに分かれます。型を選ぶ基準は商材の種類ではなく、そのLPへ来る読者が課題をどこまで自覚しているかです。そして型の役割は、読者を動かすことより、作り手が飛ばしがちな説明を空欄として見せることにあります。
構成案を作るときは、型の段階を縦に並べて空欄を作り、社内の材料で埋め、埋まらない欄を先に見つけてください。工程の順番として、これがデザインより前に来ます。
私たち合同会社Writers-hubは、企業の集客ページや記事の企画から原稿、公開後の書き直しまでを制作体制ごとお引き受けしています。型は決まったものの、各欄に入れる文章のところで止まっているという段階からでもご相談いただけます。
どの型を選ぶかの段階で、社内の意見が割れていませんか?
商材と流入の内訳、これまでのLPの数字をうかがえば、どの型から試すべきかと、最初に埋めるべき欄はその場で整理できます。途中まで作った構成案があれば、それを見ながらでも構いません。ご相談は無料です。








