「記事の下に関連記事の枠を出せば、読者はもう1本読んでくれるはずだ」。関連コンテンツはWordPressのプラグインやCMSのレコメンド機能を有効にするだけで数分で並べられるため、設置そのものが目的になりやすく、置いた時点で手を離してしまいがちです。ところが公開後に数字を見ると、枠は表示されているのにクリックされないまま止まっているサイトが目につきます。
しかし、これまで多くの企業のオウンドメディア運営と記事制作を支えてきた弊社の経験から言えるのは、この枠の効き方を左右しているのは表示の仕組みではなく、読み終えた読者に差し出せる記事がどれだけ用意できているかだ、ということです。次に抱かれる疑問に答える記事が手元にあるなら、プラグインを高機能なものに替えなくても、いま公開している記事の並び順を手で決め直すところから変えていけます。
本記事では、関連コンテンツで実際に起きる4つの効果と回遊率やSEOへの影響から、クリックされないサイトで起きていること、並べる記事の選び方と効果の測り方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 関連コンテンツで実際に起きる4つの効果と、そのうちSEOに直結する部分
- 設置したのにクリックされないサイトで共通して起きていること
- 読了直後の疑問から逆算して並べる記事を決める手順
- 自動表示と手動選定を記事数で切り替える判断基準
- クリック率からコンバージョンまでを追う効果測定の進め方
関連コンテンツとは、読み終えた読者に次を渡す枠
関連コンテンツとは、あるページの内容と関係の深い記事やページをまとめて提示する枠を指します。ブログでは記事末尾の「あわせて読みたい」「関連記事」がその代表例で、ECサイトなら特集ページやカテゴリへの動線、ニュースサイトなら続報や背景解説がここに入ります。
呼び方はサイトによって揺れており、「関連記事」「おすすめ記事」「レコメンド」も実体はほぼ同じもの。関連コンテンツは、読者の離脱地点に置く「次の入口」と捉えると、設計の判断を誤りにくくなります。
関連コンテンツが置かれる代表的な位置
- 記事末尾(読了直後。もっとも一般的な位置)
- 本文の途中(話題が切り替わる直前に1本だけ差し込む形)
- サイドバー(PCでのみ表示されるケースが多い)
- 記事上部(導入文の直後に前提記事へ誘導する形)
ブログ以外のサイトでも考え方は変わりません。求人サイトなら「この求人を見た人が見ている求人」、不動産サイトなら同一エリアの類似物件、ECサイトなら関連商品が同じ役割を担っています。扱う対象が記事か商品かという違いだけで、読者が今いる場所から次へ進む道をつくるという目的は共通です。とくにデータベース型のサイトでは、この枠が回遊のほとんどを支えているケースも珍しくありません。
関連記事の枠は、とりあえず入れておけば回遊率が上がるものではないのですか。
編集部
枠の有無で変わるのは「クリックできる状態かどうか」までです。実際に押されるかどうかは、そこに並ぶ記事が読者の次の疑問に合っているかで決まります。同じテーマの記事が数本しかない時期に枠だけ入れても、関係の薄い記事が並んで終わりでしょう。
関連記事:【2025年最新】オウンドメディア構築の完全ガイド|手順からコツまで徹底解
関連コンテンツの効果は、性質の違う4つに分かれる
関連コンテンツを設置したときに何が起きるのか。効果は漠然と「回遊率が上がる」とまとめられがちですが、実際には性質の異なる4つに分かれます。どれを狙うかによって、並べるべき記事も、見るべき数字も変わってきます。

1本で帰るはずだった読者が2本目に進む
検索から来た読者の多くは、目的の答えを得た時点でブラウザを閉じます。関連コンテンツは、その離脱の直前に「まだ解決していない次の疑問」を差し出す仕掛けです。1セッションあたりの閲覧ページ数が増えれば、流入量が同じでもサイト全体のページビューは積み上がっていきます。
ここで見落とされがちなのが、2本目に進んだ読者は1本目だけで帰った読者よりも、サイトそのものを記憶しやすいという点。ドメイン名やサービス名に触れる回数が増えるため、後日の指名検索につながる可能性も高まります。
埋もれた記事と、公開直後の記事が読まれ直す
公開から時間が経った記事は、検索順位が下がらなくても、サイト内からの入口が徐々に減っていきます。関連コンテンツは、新しい記事が増えるたびに古い記事へ入口を作り直す仕組みでもあるわけです。
逆方向にも同じことが言えます。公開直後で検索流入がまだ無い記事に、既存記事の読者を流し込めるため、初速の確保に使えます。関連コンテンツは、記事間の露出を再分配する装置と考えると、どこに何を置くかの判断がしやすくなるはずです。
検索エンジンがサイト内の関係を理解しやすくなる
Googleはリンクをたどってページを見つけ、アンカーテキストからリンク先の内容を推測します。関連コンテンツは内部リンクの一種であるため、記事が増えるほど、階層の深いページにもクロールの経路ができていきます。同じテーマの記事同士がリンクで結ばれていれば、そのテーマについてサイトが厚みを持っていることも伝わりやすくなるでしょう。
ただし、この効果は過大評価しないほうが安全です。滞在時間や直帰率そのものが順位を決めるとGoogleが述べたことはありません。SEO面で確かなのは、クロールと発見の経路が増えることと、アンカーテキストによる文脈の補強まで。この線引きを曖昧にしたまま「関連記事はSEOに効く」と説明すると、期待した数字が出なかったときに原因を切り分けられなくなります。

※ リンクのクロールとアンカーテキストの扱いについては、Google検索セントラルの解説を参照しています。
読者の関心が具体化し、問い合わせに近い記事へ渡せる
基礎的な解説記事を読み終えた読者は、その時点で「自社の場合はどうなるのか」という段階に進んでいます。関連コンテンツで事例や比較、費用の記事へ渡せば、問い合わせフォームのすぐ手前まで読者を運べるわけです。
同じページビュー数でも問い合わせ数に差が出るサイトを比べると、この経路が設計されているかどうかで分かれていることが少なくありません。関連コンテンツを「回遊のための飾り」と見るか「コンバージョンへの通路」と見るかで、選ぶ記事はまるで変わります。
実際に機能しやすいのは、解説記事から事例記事へ、事例記事からサービス紹介へという二段構えの経路です。解説記事から直接サービスページへ渡そうとすると、情報を集めに来た読者にとっては急に売り込まれた感覚になり、そもそもクリックされません。あいだに一段はさむことで、読者は自分のペースで判断を進めながら次へ移動できます。
関連記事:既存コンテンツの棚卸し方法——100記事超のサイトを整理する手順
効果が出ないとき、たいてい起きていること
関連コンテンツを入れたのにクリックされない、という相談は珍しくありません。原因はプラグインの選定ではなく、その手前にあることがほとんどです。
- 同じテーマの記事が数本しかなく、関連度の低い記事が並んでしまっている
- リンク先が1本目とほぼ同じ内容で、読者にとって新しい情報がない
- タイトルだけが並んでいて、クリックする理由が読み取れない
- 記事末尾のさらに下にあり、SNSボタンやプロフィール欄に埋もれている
- 自動表示に任せきりで、どの記事が並んでいるかを誰も確認していない
とくに多いのが1つ目です。関連コンテンツの効果は、渡す先の記事の在庫量で頭打ちになります。同じテーマの記事が数本しかない状態では、判定ロジックがどれだけ賢くても「関連しているように見える記事」しか出せません。
この段階でやるべきは、表示位置の微調整ではなく、記事を増やすか、既存記事の並び順を手で決め直すことです。前者には制作の工数が要りますが、後者なら今日から着手できます。
プラグインの入れ替えから始めない関連度の判定ロジックはプラグインによって異なりますが、素材である記事が薄ければ結果は大きく変わりません。まず自分のサイトの主要記事を開き、下に並んでいる記事を実際に読んでみてください。自分でクリックしたいと思えないなら、読者もクリックしないものです。
もうひとつ見落とされやすいのが、表示のさせ方が読み込み速度に与える影響です。サムネイル付きで十数件を並べれば、そのぶん画像の読み込みが増えます。遅延読み込みを設定していない場合、記事本文の表示そのものが遅くなり、関連コンテンツにたどり着く前に離脱する読者も出てしまいます。効果を狙って入れた要素が1本目の読了率を下げていないか、一度確かめる価値はあるでしょう。
関連記事:オウンドメディアの効果測定|見るべき指標と数字から打ち手を決める手順
並べる記事は、読了直後の疑問から逆算して選ぶ
では、どの記事を並べればよいのか。判断の起点は「カテゴリが同じかどうか」ではなく「読み終わった瞬間に読者が何を知りたくなるか」です。カテゴリで機械的にまとめると、同じ話題の記事が横並びになるだけで、読者から見れば読む理由がありません。
「関連コンテンツとは何かを理解した」で止めず、「自社でも入れたくなった」「実装方法が気になっている」まで具体化します。ここが粗いと、次の工程がすべてぼやけます。
やり方を知りたい(実装)、他と比べたい(比較)、自社の場合を知りたい(事例・費用)。この3方向で候補記事を探すと、抜けに気づきやすくなります。
同じ方向の記事を3本並べても、読者にとっては選択肢ではなく重複です。方向を散らしたほうが、どれか1本は刺さる確率が上がります。
料金、事例、サービス紹介のいずれかを必ず1枠使います。すべてが解説記事だと、読者は延々と回遊した末に何も残さず離脱していきます。
記事が増えれば自動表示の中身も変わります。流入上位の記事だけでも定期的に開いて、意図した並びになっているか確かめましょう。
選ぶときにもう一点意識したいのが、新旧のバランスです。公開日の新しい記事ばかりを並べると、これまで蓄積してきた記事群が読まれないまま埋もれていきます。反対に古い記事だけでは、情報が更新されていない印象を与えかねません。実務では、直近半年以内の記事を1本、読まれ続けている定番記事を1本、コンバージョンに近い記事を1本という配分が扱いやすい形になります。
この作業を実際にやってみると、多くのサイトで「渡したい方向の記事がそもそも存在しない」ことに気づきます。関連コンテンツの設計は、結局のところコンテンツ計画の点検作業でもあるわけです。埋まらない枠が見つかったなら、それは次に書くべき記事のリストにほかなりません。
関連コンテンツに並べたい記事が、そもそも足りていませんか
読了直後の疑問に答える記事を並べるには、テーマごとに数本ずつの記事群が要ります。どのキーワードで何本書けば読者が回遊するのかを、検索データと競合ページの状況から設計するのが弊社のSEOキーワード戦略設計です。既存記事の棚卸しから着手できます。
自動表示と手動選定は、記事数で切り替える
WordPressのプラグインやCMSのレコメンド機能を使えば、関連コンテンツは自動で表示できます。手で選ぶより圧倒的に速い一方、精度は記事数に依存するのが弱点です。どちらが正解かではなく、サイトの規模で使い分けるのが現実的でしょう。
| 自動表示 | 手動選定 | |
|---|---|---|
| 運用の手間 | ◎ 設定すれば放置できる | △ 記事ごとに指定が要る |
| 関連度の精度 | △ 記事数が少ないほど落ちる | ◎ 意図どおりに並ぶ |
| コンバージョン導線 | × 制御できない | ◎ 狙った記事を必ず入れられる |
| 記事数が多い場合 | ◎ 更新のたびに自動反映 | △ 保守が追いつかない |
| 向いている段階 | 数百本規模のメディア | 立ち上げから数十本の時期 |
実務では、記事末尾の枠を自動表示に任せつつ、本文中に1本だけ手動でリンクを差し込む形が扱いやすいところです。自動は網羅、手動は導線と役割を分けておけば、更新の手間を抑えたまま、問い合わせへの経路だけは確保できます。
クリックされる位置は、読み終えた直後
定番は記事末尾ですが、より正確には「まとめの直後、フォームやバナーより上」が押されやすい位置です。まとめまで読み切った読者は、満足しているか、物足りなさを感じているかのどちらか。いずれの状態でも次を提示できるため、ここが最も反応を取りやすくなります。
本文の途中に挟む場合は、話題が切り替わる直前に限ります。説明の途中に差し込むと、理解が完了する前に読者を連れ去ることになり、1本目の評価も2本目の理解も中途半端に終わってしまうためです。
ラベルと画像で、押す理由をつくる
「関連記事」というラベルは、読者にとって情報量がほぼゼロです。次に何が得られるのかをラベルに書くだけでも、クリック率は目に見えて変わります。「実装方法まで知りたい方へ」「費用感を先に確認したい方へ」といった書き方なら、読者は自分に必要かどうかを一瞬で判断できるはずです。
サムネイル画像についても同様のことが言えます。記事の内容と関係のない汎用イメージが並んでいると、読者の視線は素通りしていきます。図解や画面キャプチャなど、中身が推測できる画像に差し替えるだけで反応が変わることも珍しくありません。

ラベルの文言を書き換えるだけなら、実装の工数はほとんどかかりません。記事を増やす前に手を付けられる数少ない改善策なので、優先度は高めに見ておいてよいはずです。
記事の途中にも関連リンクを入れたほうがよいと聞きますが、離脱が増えてしまいませんか。
編集部
増えます。ただし離脱ではなくサイト内の移動ですから、全体で見れば損ではありません。問題になるのは、まだ結論を伝えきっていない位置に差し込んだ場合。1本目の目的が果たされる前に読者を移すと、どちらの記事も中途半端な読まれ方になってしまいます。
効果は、枠そのものの通過率で測る
関連コンテンツの効果を「回遊率が上がったかどうか」だけで判断すると、読み違えます。回遊率はサイト全体の平均値であり、記事の増減や流入キーワードの変化にも動かされてしまうためです。見るべきは、枠そのものが通過されているかどうかでしょう。
Googleアナリティクス4であれば、関連コンテンツ内のリンクにイベントを設定し、どの記事の枠が押されたかを記録します。Googleタグマネージャー(サイトの計測タグをまとめて管理する仕組み)でクリック対象を指定する方法が扱いやすいところです。
記事ごとに「記事の表示回数」と「関連コンテンツのクリック数」を並べ、比率を確認します。全記事を見る必要はなく、流入上位の20記事程度で傾向はつかめます。
押されていても即座に離脱しているなら、選んだ記事が読者の疑問と合っていません。2本目の平均エンゲージメント時間まで見て初めて、選定の良し悪しが判断できます。
探索レポートの経路データで、コンバージョンしたセッションが関連コンテンツを経由していたかを確認します。ここが繋がっていれば、関連コンテンツは導線として機能していると言えます。
こうした数値を取れる環境がまだ整っていないなら、ヒートマップツールでクリック位置を眺めるだけでも判断材料になります。関連コンテンツの枠まで読者のスクロールが届いているのか、届いた上で押されていないのか。前者なら位置の問題、後者なら記事選定の問題と切り分けられるため、次の打ち手がはっきりします。
数字が出たら、クリック率の低い記事から並び順を手で入れ替えていきます。全記事を均等に改善するより、流入上位の記事だけを月に一度見直すほうが、費やす時間に対する見返りは大きいというのが実務での感触です。関連コンテンツは全記事で完璧を目指す施策ではなく、読まれている記事に集中投下する施策と割り切ったほうが長続きします。

4つの指標を縦に並べると、読者がどの段階で落ちているのかが見えてきます。直すべきは枠なのか、記事そのものなのか。この切り分けさえできていれば、次に投じる工数を的外れな場所に使わずに済みます。
クリックはされているのに、2本目で離脱していませんか
枠の見せ方を直しても数字が動かない場合、原因は記事の中身にあります。合同会社Writers-hubは、記事の企画から執筆、公開後のリライトまで編集部の機能ごとお引き受けする制作パートナーです。既存記事のどこを直すべきかという整理からご相談いただけます。
関連コンテンツについてよくある質問
一定数を超えると逆効果になります。選択肢が増えるほど読者は選べなくなるため、記事末尾なら3本から6本程度に絞るのが扱いやすい範囲です。数を増やすより、1本ずつの精度を上げるほうが結果につながります。
付ける必要はありません。nofollowは広告や信頼性を保証できない外部リンクに使う指定であり、自サイト内の記事同士を結ぶリンクに付けると、クロールの経路を自ら塞ぐことになります。
記事末尾の枠であればサムネイル付きのほうが押されやすい傾向にあります。一方、本文の途中に差し込む1本はテキストリンクのほうが自然で、読む流れを止めません。位置によって使い分けるのが現実的です。
併用が前提になります。カテゴリページはテーマ全体を見渡したい読者向け、関連コンテンツは具体的な次の1本を探している読者向けと、役割が異なるためです。ただし記事末尾に両方を大きく並べると選択肢が増えすぎるので、関連コンテンツを上に、カテゴリへのリンクは控えめに置く形が扱いやすいでしょう。
クリック率の変化は設置した直後から確認できます。ただし回遊が問い合わせにつながるまでには記事の本数が要るため、サイト全体の数字として表れるまでには数か月単位の運用を見込んでおくのが安全でしょう。
どの質問も、判断の分かれ目は「読者がその場で何を求めているか」に戻ってきます。仕様としての正解を探すより、自分のサイトの読者がどこで迷っているかを観察したほうが、答えは早く出るものです。

※ nofollowの用途については、Google検索セントラルの外部リンクの品質に関する解説を参照しています。
まとめ
関連コンテンツの効果は、枠を設置した瞬間ではなく、渡す先の記事が揃った時点から表れます。回遊率や滞在時間の改善は結果であって、目標そのものではありません。狙うべきは、1本目で満足した読者を2本目、3本目へ運び、最終的に問い合わせの手前まで連れていく経路をつくることです。
そのために必要なのは、高機能なプラグインよりも、読了直後の疑問に答える記事の在庫と、それを手で並べ直す運用でしょう。まずは流入上位の記事を開き、下に並んでいる記事を自分でクリックしたくなるかどうか確かめるところから始めてみてください。
合同会社Writers-hubでは、どのテーマで何本の記事を用意すれば読者が回遊するのかという設計から、実際の記事制作、公開後の効果測定までを一貫して支援しています。枠が埋まらない、並べたい記事が思い浮かばないという段階でしたら、現状の記事構成を一緒に整理するところからお手伝いできます。
関連コンテンツの枠に、並べたい記事が思い浮かびませんか
渡す先の記事が足りないのか、選び方の問題なのかは、既存記事の構成を見れば判断がつきます。今のサイトに何が不足していて、次に書くべき記事は何なのかを整理するところからご相談ください。








