BLOG

SEOのtipsは効くまでの時間で3つ|今日直す設定と数か月かける中身

SEOのコツは、タイトルや説明文のように1週間で直せるものと、記事の中身のように数か月かかるものが同じ一覧に混ざっています。順位が動かないと感じるときは、施策の良し悪しより、効き始める時期の違うものを同時に評価していないかを先に確かめると整理しやすいはずです。設定まわりを1週間で切り上げ、残りの時間を記事に回す順番が、多くのサイトで扱いやすい進め方だと考えています。

SEOの施策を、数日で終わる設定・数か月かかる記事の中身・半年以上かかる外部の評価の3段に分けて縦に並べ、下の段ほど時間がかかることを示した図。

「SEOのtipsをひととおり押さえれば、順位はまとめて上がるはずだ」。tipsという言葉には、短い時間で効く小技がいくつも並んでいるような響きがあります。実際に配られる資料や社内勉強会の一覧も、タイトルタグの見直しから被リンクの獲得まで、施策を同じ大きさの箇条書きで並べた形になっていることが多く、どれも似た手間で似た効果が返ってくるように見えます。ところが上から順に手をつけていくと、半日で終わる項目と、半年かけても終わらない項目が同じ列に混ざっていたことに途中で気づくはずです。

弊社はこれまで、企業のオウンドメディアや採用サイトの記事を数多く制作し、公開後の順位まで一緒に追ってきました。その経験から言えるのは、SEOのtipsは中身より「効くまでの時間」で分けたほうが扱いやすいということ。設定の直しは早く終わるかわりに順位への効き目が小さく、記事の中身は数か月かかるかわりに順位そのものを動かします。同じ日に両方へ手を出すと、順位が動いたときに何が効いたのかを切り分けられなくなるのです。

本記事では、SEOのtipsを効くまでの時間で3つに分け、1週間で終わる設定から数か月かける中身づくり、さらに実行しても順位が動かないときの見直しどころまで、記事制作を請け負う側の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • SEOのtipsを「効き始めるまでの時間」で3つに分ける考え方
  • 最初の1週間で終わらせたい設定まわりの6手順
  • 順位を動かす記事の中身づくりで、優先度が高い5つの判断
  • 技術面と外部評価で押さえる範囲と、公開後に見る4つの数字
  • コツを実行しても順位が動かないときに疑う3つの原因

SEOのtipsが効くまでの3つの時間差

SEOはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索結果の上のほうに自社のページを出すための取り組み全般を指します。取り組みの中身は数え方によって数十種類に分かれますが、効き始めるまでの時間で並べ直すと、3つの層にきれいに収まります。

では、なぜ内容ではなく時間で分けるのでしょうか。理由は、同じ週に設定と記事を同時に直すと、翌月に順位が動いたときの原因が分からなくなるからです。原因が分からなければ、次にどこへ時間を使えばよいかも決められません。

数日で終わる表示と設定の層

タイトルタグ、説明文、見出しの階層、画像の代替テキスト、サイトマップの送信。1項目にかかる時間は数分から1時間ほどで、直して公開すれば、早ければ数日で検索結果の表示に反映されます。

この層の効き目は「取りこぼしを防ぐ」方向に働きます。抜けていると検索エンジンがページの主題を読み違え、狙っていない語で拾われたり、そもそも候補に入らなかったりします。逆に、すべて整えたところで他社より上に出る理由が生まれるわけではありません。

1か月から半年で効く記事の中身の層

狙う語の選び方、記事の構成、本文に入れる自社ならではの情報。検索エンジンが内容を評価し直し、順位として表に出るまでに時間がかかるため、書いた翌日に結果が見えることはまずありません。

順位を押し上げる主役はこの層です。設定の層をどれだけ丁寧に整えても、同じ語を狙う他社の記事のほうが読者の疑問に答えていれば、順位は入れ替わります。

半年以上かけて差が開く外部の評価の層

他サイトからの言及、社名やサービス名での検索数、運営者情報や実績の充実。1本の記事で作れるものではなく、登壇や取材、導入事例の公開といった事業活動の副産物として溜まっていきます。

短期の施策として扱えないぶん、着手が遅れがちな層でもあります。ただし溜まってしまえば、競合が半年で追い抜くのは難しくなります。

表示と設定の層記事の中身の層外部の評価の層
手を動かす時間1項目あたり数分から1時間1本あたり2日から1週間事業活動と並行
効き始めるまで数日から2週間1か月から6か月6か月以上
順位への効き目
主に担当する人サイト管理者書き手と編集者広報と営業
手を止めたときの影響すぐには落ちない更新が止まると徐々に下がる蓄積は残る

3つを並べてみると、同じ「SEOのコツ」でも、手を動かす人も、成果を確かめる時期もまるで違うと分かります。一覧形式の資料が読みにくいのは、性質の違う3層を同じ粒の箇条書きにまとめてしまうためです。

SEOの施策を効き始めるまでの時間で3層に分けた図

関連記事:【2025年最新版】初心者でもできるSEOのやり方完全ガイド | 上位表示するための具体的な方法を徹底解説

1週間で終わる検索エンジン向けの基本設定

まず片付けるのは、手を動かせば終わる設定の層です。ここは完了の判定がはっきりしているため、着手した順に消していけます。以下の6手順は、サイトの規模にもよりますが、数ページから数十ページの構成であれば1週間で一巡できる範囲です。

1
STEP
検索エンジンにページが登録されているか確かめる

Google Search Consoleの「URL検査」に自社ページのURLを入れ、登録済みかどうかを見ます。登録されていなければ、以降の設定をいくら整えても順位には出てきません。登録されていない原因は、robots.txtでの拒否、noindexの記述、内部リンクが1本もない孤立ページの3つが大半を占めます。

2
STEP
タイトルタグを1ページ1本に整える

狙う語を前寄りに置き、30字前後にまとめます。大事なのは、同じ文言のタイトルが複数ページに付いていないかを確認すること。似たタイトルが並んでいると、検索エンジンがどのページを出すか決めかね、どちらも順位が伸びない状態が続きます。

3
STEP
説明文を書いてクリックされる理由を示す

説明文(メタディスクリプション)は順位そのものには影響しませんが、検索結果に並んだときに読者が選ぶかどうかを左右します。書かずに放置すると本文から機械的に切り出されるため、途中で切れた文がそのまま表示されることも起こりがちです。120字前後で、そのページでしか読めない内容を書きます。

4
STEP
見出しの階層を順番どおりに直す

h1は1ページに1つだけ。h2の下にh3が入る順序を飛ばさず、文字を大きくする目的で見出しタグを使わないようにします。読者にとっての目次であると同時に、検索エンジンがページの構造を読む手がかりでもあります。

5
STEP
新規ページのURLを短く読める形にする

日付や自動採番の羅列ではなく、内容が分かる英数字にそろえます。ここで注意したいのは、すでに公開していて順位が付いているページのURLは触らないこと。変更にはリダイレクトの設定が必要で、扱いを誤ると積み上げた評価を落とします。

6
STEP
画像に代替テキストを入れる

その画像が何を写しているかを、短い文で書きます。画像検索からの流入と、読み上げ環境で閲覧する方の理解の両方に効きます。装飾目的の画像には無理に入れず、内容を説明している図や写真から先に手をつけましょう。

6手順と並行して、一度だけ済ませておきたいのがサイトマップの送信です。サイト内のURLを一覧にしたファイルをSearch Consoleから登録しておくと、新しく公開したページを見つけてもらうまでの時間が短くなります。主要なCMSなら自動で生成されるため、生成されたファイルのURLを登録するだけで終わります。

あわせて、robots.txtに意図しない拒否の記述が残っていないかも見ておきます。制作中にサイト全体を非公開にしていた設定がそのまま残り、公開後も検索エンジンを締め出していた。順位が付かない相談のなかで、原因がここだったという例は毎年いくつか出てきます。

6手順に共通するのは、直したその日に完了したと言い切れる点です。裏を返せば、設定まわりは1週間で切り上げ、残りの時間を記事に回すのが配分としては素直な形になります。ここに1か月をかけてしまうと、順位を動かす層に手が届かないまま四半期が終わります。

Googleが公開している案内も、発見、登録、検索結果への表示という段階で組まれていて、設定まわりの説明はその前半に位置づけられています。

Google 公式 SEO スターター ガイド | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
検索エンジン最適化に関する、Google 公式の SEO スターター ガイドです。SEO の定義からウェブサイト運用者向けの基本的な施策まで、SEO 関連の基礎を幅広くご紹介します。
🌐 developers.google.com
外部リンク

※ 出典:Google 検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」

関連記事:seo in marketingとは?マーケティングにおけるSEOの3つの役割

順位を動かすのは記事の中身づくり

設定を終えたら、時間の大半をここへ移します。同じ語を狙う他社と比べられるのは、突き詰めれば記事の中身だからです。優先度の高い判断は5つに絞れます。

1本の記事で狙う語を1つに決める

複数の語を1本に詰め込むと、どの語で呼ばれても中途半端な答えしか返せないページになります。狙う語を1つに決めると、リード文で答える内容も、見出しの並びも自動的に決まります。

関連する語をどこまで同じ記事に含めるかは、検索結果の顔ぶれで判断します。2つの語で検索したときに上位10件の半分以上が同じページなら、Googleは両方を同じ疑問として扱っているため、1本にまとめたほうが無駄がありません。顔ぶれが入れ替わるなら、記事を分けたほうが両方で上位に入る余地が残ります。

この確認を省いて語の一覧だけを見て記事を割り振ると、同じ疑問に答える記事が2本できあがります。2本が同じ語で並ぶと評価が分かれ、どちらも10位前後で止まる状態になりがちです。作る前に検索結果を見比べるだけで避けられるため、構成を書き始める前の数分をここに使う価値があります。

検索意図は上位の見出しではなく結果画面全体から読む

上位10本の見出しを書き出して足し合わせる進め方は広く使われていますが、それだけでは上位と同じ構成の記事がもう1本できるだけです。実務では、結果画面そのものに現れている手がかりを先に読みます。

動画枠が上のほうに出ていれば、文章だけでは足りていない合図です。「他の人はこちらも検索」に価格や比較の語が並んでいれば、読者は調べ物の段階を越えて選ぶ段階に入っています。広告が4本並ぶ語なら、購入に近い読者が多いぶん、記事の役割は説明よりも比較材料の提示に寄ります。

見出しは読者が次に知りたい順に並べる

上位記事の見出しを集めて並べ替える作り方が広まっていますが、それでは読む順番まで他社と同じになります。並べる基準は、1つ目の疑問を解いた読者が次に何を聞くかに置きます。

調べ物の段階にいる語なら、意味、種類、やり方、注意点の順で成立します。一方、すでに選ぶ段階に入っている語では、この順番だと本題まで遠すぎます。判断の基準、選択肢の比較、費用、依頼するときの確認点という並びのほうが、読者の手が止まりません。

目標にしたいのは、見出しだけを上から読んで記事の答えが分かる状態です。「〜とは」「〜の種類」「まとめ」だけが並んでいる記事は、中身を読まないと他社との違いが分かりません。目次の時点で、この記事が何を言い切ろうとしているのかが見えるかどうかを確かめてから、本文を書き始めます。

自社にしかない情報を1つ入れる

調査データを持っていない会社でも、独自の情報は作れます。見積書の内訳、問い合わせで実際に何度も聞かれた質問、作業手順を撮った写真、過去にうまくいかなかった進め方とその理由。どれも社内にあるのに、記事に書かれないまま眠っています。

1本につき1つで構いません。他社の記事を読み比べて書いた要約には、その1つが入りません。読者にとっての違いも、検索エンジンにとっての違いも、そこから生まれます。

公開後3か月を待ってから見直す

公開直後は評価が定まっていないため、順位が上下しても判断材料になりません。3か月ほど置き、検索でどの語から来ているかをSearch Consoleで確かめてから手を入れます。

見直す順番は、タイトル、リード文、不足している見出しの追加の順です。すべてを同時に書き換えると、順位が動いたときの原因が分からなくなります。1回の改稿で変える箇所は1つか2つにとどめておくと、次の判断が楽になります。

記事の中身づくりで判断する4つの順番を示した図

記事の本数だけが積み上がり、検索からの流入が横ばいのまま止まっているサイトは珍しくありません。多くの場合、原因は書く量ではなく、狙う語の決め方と本文に入れる情報の選び方にあります。

本数は増えているのに、検索からの流入が横ばいのままですか

狙う語の選定から構成、執筆、公開後の見直しまでを一貫して請け負っています。すでにある記事の順位が伸びない理由の切り分けからご相談いただけます。

関連記事:SEOの費用対効果とは?計算方法や高める方法を徹底解説

見つけてもらうための技術面のコツ

記事を用意しても、検索エンジンがページを巡回して内容を登録できなければ順位は付きません。技術面の対策は範囲が広く見えますが、記事中心のサイトで押さえる箇所は限られます。

クロールとインデックスは別の工程

検索エンジンの処理は、ページを見つけに来るクロールと、内容を読み取って登録するインデックスに分かれています。見つけられているのに登録されていない状態があり、両者を混同していると原因を取り違えます。

Search Consoleの「ページ」という項目を開くと、登録されたページと、登録されなかったページが理由別に並びます。「クロール済み、インデックス未登録」と表示されているなら、見つけてはもらったものの、登録する価値があると判断されなかったという意味です。設定を直しても変わらない種類の指摘で、記事の中身を厚くするほうが近道になります。

内部リンクは本文の中から関連記事へ貼る

サイト内のリンクは、検索エンジンがページを見つける経路であると同時に、どのページが重要かを伝える材料でもあります。記事末に関連記事を並べるだけでは足りず、本文で触れた話題から、それを詳しく扱った記事へ貼るほうが読まれます。

リンクを貼るときの文言も、「こちら」ではなく、リンク先の内容が分かる文にします。読者が押すかどうかを決める材料になり、検索エンジンにとっても、リンク先が何について書かれたページかを知る手がかりになるためです。

似た内容のページが増えていく問題

見落とされやすいのが、意図せずページが量産される現象です。商品ページの色違い、絞り込み条件ごとに発行されるURL、印刷用ページ。本来評価されるべきページと同じ語で並んでしまい、どちらも上がらない状態を招きます。

対処は、どれを正規のURLとするかを指定することです。ページ数の多いサイトでは、まず同じタイトルが付いているページを一覧で洗い出すと、重複の発生源が見つかります。

表示速度は原因を一度だけ調べる

表示速度は数値を追いかけるより先に、何が遅くしているのかを一度だけ調べておくと判断しやすくなります。原因が画像の容量であれば圧縮して終わりますが、外部サービスの読み込みが原因なら、削るかどうかは事業側の判断になるためです。

速度が順位に与える影響は、極端に遅いページが不利になるという形で働きます。ほどほどの速さのページを、さらに速くした見返りは大きくありません。読み込みに数秒かかっている状態を解消したら、そこで手を止めて記事に戻るのが配分としては合理的でしょう。

  • 重要なページへ、トップページから3回以内のクリックでたどり着ける
  • 似た内容のページが複数ある場合、どれを正規のURLとするか指定してある
  • スマートフォンで開いたときに文字が読め、リンクの押し間違いが起きない
  • 表示に時間がかかる要因を把握している
  • よくある質問やパンくずリストに構造化データを入れている
  • 削除済みページへのリンクがサイト内に残っていない

外からの評価と指名検索を増やす動き

他サイトからのリンクは、いまも評価の材料として働いています。ただし、買ったり交換したりして集めたリンクは効果を失って久しく、ペナルティの対象にもなります。

自然に集まるのは、自社で取った調査結果、無料で使える計算ツールや書式、業界の一次資料といった、引用する側に利点があるものです。作れるものがないなら、まずは社名やサービス名で検索される回数を増やす活動から始めても遅くありません。登壇、プレスリリース、導入事例の公開、取引先のサイトへの掲載。どれも検索対策の外側にある動きですが、結果として検索での評価に効いてきます。

💡

被リンクの獲得そのものを目標に置くと、数を集める方向に手段が寄り、報酬付きのリンク設置に近づいていきます。Googleはリンクの売買をスパムとして明示しているため、外部の評価は「引用される材料を作る」ことと「社名で検索される機会を増やす」ことの2つに置き換えて考えると、手を出してはいけない方法を避けられます。

AI検索で変わったことと変わらないこと

検索結果の上部にAIの要約が出るようになり、クリックされずに疑問が解決する検索が増えました。とはいえ、要約の引用元として選ばれているのは、いまのところ検索上位のページが中心です。基本の対策が不要になったわけではありません。

変わったのは、狙う語の選び方です。答えが1行で終わる語は、要約のなかで完結してしまうため、記事を作ってもクリックが伸びにくくなりました。反対に、複数の選択肢を比べる語、条件によって答えが変わる語、費用や進め方を判断したい語は、読者が本文まで読みに来ます。

自社のどの記事が要約に引用されているかは、Search Consoleの検索パフォーマンスで表示回数とクリック数の比率が急に変わった語を探すと見当がつきます。表示回数は維持しているのにクリックだけが落ちた語は、要約で完結されている可能性が高い語です。その語で追加の記事を書くより、比較や判断が必要な語へ時間を移すほうが結果につながります。

生成AIの回答に載ることを目的にした特別な書き方は、いまのところ確立していません。事実関係がはっきり書かれ、見出しから中身が推測でき、出典が明示されているページが引用されやすいという傾向は、読者にとって読みやすいページの条件とほぼ重なります。

効果を確かめるために見る数字

手を動かしたあと、効いたかどうかを判断する材料がなければ、次の配分を決められません。有料のツールを入れる前に、無料で使えるGoogle Search ConsoleとGoogleアナリティクスの2つで足ります。

  • 表示回数:その語の検索結果に自社ページが出た回数。候補に入っているかを示す
  • クリック数:実際に読まれた回数。表示回数との比率でタイトルの働きが分かる
  • 平均掲載順位:語ごとの順位。日ごとの上下は気にせず月単位で見る
  • 検索語句の一覧:想定と違う語で呼ばれていないかを確かめる

順位より先に見たいのが表示回数です。順位は語ごとに日々入れ替わるため1日単位では判断材料になりませんが、表示回数は「そのページが候補に入っている総量」を表します。順位が15位から12位へ動いても流入は変わりませんが、表示回数が3倍になっていれば、評価される語の範囲が広がっている合図として読めます。

もうひとつ、見る単位にも注意が必要です。記事1本ずつ追いかけると変動に振り回されるため、同じテーマの記事をまとめた単位で、月ごとの合計を並べます。3か月分を並べたときに合計が横ばいなら、本数を増やす前に狙う語の選び方を見直す局面に入っています。

公開後の計測でもっとも使いどころが多いのが、検索語句の一覧です。想定していなかった語で表示されているなら、その語に答える見出しを追加するだけで順位が動くことがあります。新しい記事を1本書くより手間が少なく、すでに評価されている土地の上で作業できるぶん、結果が出るまでの期間も短く済みます。

コツを実行しても順位が動かない3つの理由

ここまでの内容をすべて実行しても、順位が動かないことがあります。相談を受けて中身を見ていくと、原因はコツの中身ではなく、時間の配分と工程の止まり方にある場合がほとんどです。

Web担当者Web担当者

記事を20本書いたのですが、検索からの流入がほとんど増えません。本数が足りないのでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

本数を増やす判断もありますが、その前に20本がどの語を狙っているかを一覧にしてみてください。同じ語を別々の記事で狙っていたり、そもそも上位10件が大手サイトで埋まっている語ばかりだったりすると、本数を倍にしても流入は変わりません。20本のうち1本でも検索順位が10位以内に入っているなら、まずその語の周辺を厚くするほうが早く動きます。

設定の層に時間を使い切っている

診断ツールの指摘を全部消すことに数か月をかけ、記事に手が回らないまま期間が終わる。これがもっとも多い形です。設定の層は完了が目に見えるぶん達成感があり、着手しやすいという性質があります。

判断の目安として、設定の見直しに使う時間は全体の2割までと決めておくと、配分が崩れにくくなります。残りの8割を記事と、記事のための調べ物に充てます。

勝ち目のない語を狙い続けている

狙う語の難易度を測らずに書き始めると、いくら中身を良くしても順位表に入れないことがあります。難易度は専用のツールでも数値化できますが、無料で確かめる方法もあります。

その語で検索し、上位10件の顔ぶれを見ます。大手メディア、公的機関、大規模な比較サイトだけで埋まっていて、自社と同じくらいの規模のサイトが1つも入っていないなら、同じ土俵に上がるまでには相当の期間を見ておく必要があるでしょう。1件でも同規模のサイトが入っている語から始めると、成果が出るまでの期間を読みやすくなります。

検索数の多い語ほど、この顔ぶれが固まっています。月間で数万回検索される語を最初の1本に選ぶと、半年書き続けても順位表に現れないまま終わりかねません。検索数が数百回でも、自社の商品やサービスを検討している人が打つ語であれば、問い合わせにつながる確率は高くなります。最初の10本は、検索数より読者の状況の近さで選ぶほうが結果を読みやすいと見ています。

工程が1人に集中して途中で止まっている

SEO記事の制作は、狙う語の選定、構成づくり、執筆、事実確認、入稿、公開後の計測という6つの工程に分かれます。この6つを1人が兼務すると、月に1本から2本が実務的な上限です。

止まる箇所には偏りがあります。多いのは執筆と事実確認の間、それから公開後の計測です。書き終えた原稿を自分で点検する作業は、書いた直後ほど見落としが増えます。計測に至っては、本業が忙しくなると最初に飛ばされる工程になりがちです。

順位が動かないときに疑う3つの原因の切り分け図

3つのうちどれに当てはまるかは、記事一覧と工程表を並べれば1時間ほどで判別できます。原因を特定しないまま新しい施策を足すと、止まっている工程がさらに増えるだけで終わります。

書く工程まではたどり着くのに、点検と公開後の計測で止まっていませんか

構成づくりから事実確認、入稿までを分担して受け持ち、社内の担当者が判断に集中できる体制をつくります。止まっている工程だけを切り出してお任せいただくことも可能です。

順位を下げるおそれのあるやり方

短期間で順位を上げようとして選ばれやすい方法のなかには、効果を失ったものや、いまでは評価を下げるものが含まれます。

  • 狙う語を本文に不自然な回数だけ繰り返す
  • 他サイトの文章を言い換えただけのページを量産する
  • リンクを購入する、相互リンクだけを目的にしたページを作る
  • 中身の薄い自動生成ページでページ数を増やす
  • 背景色と同じ文字色で読者に見えないテキストを置く
  • 順位が付いている記事のURLを、リダイレクトを設定せずに変更する

最後の項目は、悪意なく起きる事故です。サイトを作り直すとき、URLの命名規則を整える目的で一括変更し、リダイレクトの設定が漏れる。積み上げてきた評価がリセットされ、戻すのに数か月かかります。リニューアルの前には、順位が付いているページの一覧を作っておくと安全です。

生成AIで書いた記事の扱いも、よく質問をいただく論点です。AIを使ったこと自体が問題になるわけではなく、評価が下がるのは、読者に役立てる意図がないまま検索順位のためだけに量産されたページのほうです。事実確認を人の手で行い、自社の情報を足したうえで公開しているなら、制作の過程に道具を使っていることは不利に働きません。

判断に迷うときは、その施策が読者の役に立つかどうかを基準にすると、ほとんどの場合は線が引けます。Googleが示している方針も同じ考え方で整理されています。

Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル | Documentation | Google for Developers
スパムに関するポリシーには、ページまたはサイト全体の掲載順位が下がったり、Google 検索から完全に除外されたりする原因となる動作や手法が詳しく記載されています。
🌐 developers.google.com
外部リンク

※ 出典:Google 検索セントラル「スパムに関するポリシー」

自社で回すか外に任せるかの判断軸

記事の中身づくりに時間を集中させると決めたとき、次に出てくるのが体制の問題です。社内で書くか、外部に任せるか。どちらが優れているという話ではなく、何を社内に残したいかで決まります。

社内で書くと得られるもの
  • 商品や現場の情報が、取材の手間をかけずに本文へ入る
  • 公開後の修正が、当日中に完了する
  • 書いた担当者に知見が残り、翌年以降の外注費を抑えられる
社内で書くと起きやすいこと
  • 本業との兼務のため、繁忙期に更新が止まる
  • 担当者の異動や退職で、狙う語の考え方ごと引き継がれずに消える
  • 自分の書いた原稿を客観的に直せず、同じ構成の記事が続く

現実的な折衷案として、工程で分ける方法があります。狙う語の選定と構成づくりは社内、執筆と事実確認は外部、公開と計測は社内。社内に判断の部分を残しつつ、時間を取られる作業を外に出す形です。将来的に内製へ戻す前提なら、外部の担当者と同じ書式で構成をやり取りしておくと、引き継ぎが短く済みます。

費用の目安としては、構成込みで5,000字前後のSEO記事1本あたり3万円から10万円程度の幅で動くことが多いと見ています。

※ 単価は、取材の有無、専門分野の難易度、有資格者による監修の要否、図版制作の範囲によって変動します。

外部に任せると決めたら、見積書の金額より先に3点を確かめておくと、後の行き違いを減らせます。狙う語を決めるのはどちらか。修正は何回まで含まれるか。そして、公開後の順位を一緒に見る工程が契約に入っているか。

3つ目が抜けている契約では、納品をもって関係が終わります。記事の本数だけが積み上がり、どの語が伸びていてどの語が止まっているのかを説明できる人が社内にも社外にも残らない状態になりがちです。逆に言えば、公開後まで見る前提で組んでおけば、翌年に内製へ戻すときの引き継ぎ材料もそこに溜まっていきます。

SEOのtipsに関するよくある質問

実際にご相談をいただくなかで、繰り返し聞かれる内容をまとめました。

SEOのtipsはいくつ覚えれば足りますか

10ほどで足ります。本記事で挙げた設定まわりの6手順と、記事の中身づくりの4つの判断です。数十項目の一覧は網羅性のために作られたもので、全部を同じ重みで実行する前提にはなっていません。

記事を公開してから順位が付くまで、どのくらいかかりますか

3か月が目安です。早い場合は数週間で順位表に現れますが、位置が落ち着くまでには時間がかかります。半年たっても30位より下から動かない語は、記事の中身より狙う語の難易度を疑ったほうが早く進みます。

文字数は多いほうが順位は上がりますか

上がりません。上位記事の文字数が多いのは、読者の疑問に答えた結果として長くなっているためで、長さそのものが評価されているわけではないと見ています。同じ内容を薄めて字数を伸ばすと、読者が途中で離れるぶん逆に働きます。

無料の診断ツールの点数を上げれば順位は上がりますか

直接は上がりません。診断ツールが見ているのは主に設定と技術面の層で、順位を動かす記事の中身は採点の対象外です。点数は取りこぼしの確認に使い、満点を目標にはしないほうが時間を有効に使えます。

古い記事は削除したほうがよいですか

削除の前に統合を検討してください。似た語を狙った記事が複数あると評価が分散するため、1本にまとめて残りをリダイレクトすると順位が戻ることがあります。検索からの流入が完全にゼロで、内容も古いものだけを削除の候補にします。

SEO対策の費用はどのくらいかかりますか

依頼する範囲で幅が出ます。記事制作だけを頼む場合は1本あたり3万円から10万円程度、狙う語の設計や技術面の改善まで含む月額の支援なら20万円から80万円程度の幅で動くことが多いと見ています。金額の比較より、月に何本納品されるのか、狙う語を決めるのはどちらなのかを先に揃えると、見積書を横に並べて判断できます。

SEOは社内の1人でも進められますか

進められます。ページ数が数十程度のサイトなら、本記事の設定6手順を一巡させ、月に1本から2本の記事を出す形を1人で回している運営者もいます。難しくなるのは月4本以上を続ける段階と、公開後の計測まで手が回らなくなる段階で、そこで工程の一部を外に出す判断が出てきます。

まとめ|tipsは数より手をつける順番

SEOのtipsは、集めた数で差が付くものではありません。効き始めるまでの時間が違うものを同じ一覧に並べているために、手をつける順番が見えなくなっている状態が、もっとも起きやすいつまずきだと感じています。

設定まわりの6手順は1週間で終わらせ、そこから先は記事の中身に時間を集中させる。狙う語を1本につき1つに決め、自社にしかない情報を1つ入れ、3か月後に見直す。順位が動かないときは、新しい施策を足す前に、時間の配分と狙う語の難易度と工程の止まり方の3つを確かめる。この順番で進めれば、何が効いて何が効かなかったのかを自分の手元で判断できるようになります。

私たち合同会社Writers-hubは、企業のオウンドメディアや採用サイトの記事制作を、狙う語の選定から公開後の見直しまで一貫して請け負っています。すでに記事があるものの順位が伸びないという段階からのご相談も多く、まずは現状の切り分けからお手伝いしています。

どこから手をつけるかを、自社のサイトで判断したい段階ですか

記事の一覧と現在の順位を見ながら、設定と中身と体制のどこに時間を使うべきかを一緒に切り分けます。その場でできる範囲の見直しもお伝えしています。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

記事の内容を自社に当てはめるとどうなるか、オンライン30分で一緒に整理します。費用はかかりません。

無料で相談する