「URLに狙うキーワードを入れておけば、検索順位が上がるはず」。SEOの入門記事の多くでURLの付け方が1項目として扱われるため、URLの構造そのものが順位を左右すると受け取る方もいるでしょう。
しかし、オウンドメディアの記事制作と運用を数多く支援してきた弊社の立場から言えるのは、URLで順位が動く場面は少なく、困るのは公開後にURLを変えるときだということです。Googleの公式ガイドにも、URLのキーワードだけではパンくずリストとして表示される以上の効果はほとんどない、と明記されています。URLは順位のためより、変えずに済むように決めるものです。
本記事では、URLを構成する5つの要素の役割から、Googleが推奨する付け方、公開後に変えずに済むURL設計の決め方まで、記事の制作と運用を支える制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- URLはスキーム・ホスト名・パス・クエリパラメータ・フラグメントの5つに分けて読める
- URLのキーワードが順位に与える影響は小さく、主な役割は検索結果での見え方にある
- Googleの推奨は、意味の分かる英単語・ハイフン区切り・小文字・最小限のパラメータ
- 記事URLにカテゴリ名や日付を入れると、構成を変えるたびにURLの変更が必要になる
- URLを変えるときは301リダイレクトを1年以上残し、内部リンクも新しいURLに直す
URLを構成する5つの要素
URLは「Uniform Resource Locator」の略で、Web上のページの場所を示す文字列です。次のURLを例に、左から順に分解してみましょう。
https://www.example.com/blog/url-structure?utm_source=mail#faq区切り記号の「://」「/」「?」「#」を目印にすると、URLは5つの要素に分かれます。

スキーム
先頭の「https」の部分がスキームで、ブラウザがサーバーとやり取りするときの通信方式を示します。末尾に「s」が付くhttpsは、通信が暗号化された方式です。企業サイトでは、httpsで公開するのが現在の標準といえます。
ホスト名
「://」の後ろから最初の「/」までの「www.example.com」がホスト名で、どのサーバーにあるサイトかを示します。「example.com」がドメイン、前に付く「www」がサブドメインです。
ドメインとURLの違いもここで整理できます。ドメインはサイト全体を指し、URLはサイト内の1ページまでを指す文字列です。通信の出入り口を示すポート番号も本来はホスト名の後ろに付きますが、httpsの標準では省略されます。
パス
ホスト名の後ろの「/blog/url-structure」がパスで、サイトの中のどのページかを示します。「blog」のような途中の階層をディレクトリと呼び、最後の「url-structure」がページ固有の名前です。WordPressなどのCMSでは、ページ固有の名前の部分を「スラッグ(slug)」と呼びます。
SEOのためにURLを設計するとき、実際に決めるのはほぼパスの部分です。
クエリパラメータ
「?utm_source=mail」のように「?」から後ろがクエリパラメータで、「キー=値」の組を「&」でつないで書きます。商品一覧の並べ替えや絞り込み、広告やメールマガジンの効果測定によく使われます。
注意したいのは、表示内容が同じでも、パラメータが違えば別のURLとして扱われる点です。同じ記事に複数のURLが生まれると、評価の対象がどれか分かりにくくなります。
フラグメント
「#faq」のように「#」から後ろがフラグメントで、ページ内の見出しなど特定の位置を示します。フラグメントはページを取得するときにサーバーへ送られず、ブラウザがページ内の移動に使うだけです。
そのためGoogleは、フラグメントでページの内容を切り替えないよう求めています。別の内容を見せるなら、別のパスを用意します。
URLの構造はSEOにどこまで影響するか
URLの構造は、順位を直接押し上げるものではありません。GoogleのSEOスターターガイドでは、URLのキーワードの効果は検索結果にパンくずリストとして表示される以上にはほとんどない、と説明されています。
では、URLの設計は気にしなくてよいのか。そうではなく、URLが効くのは次の3つの場面です。
1つ目は、検索結果での見え方です。URLの各部分はパンくずリストとして表示されるため、「/blog/url-structure」のように意味の分かる語なら、検索した人がクリック前にページの中身を想像できます。
2つ目は、Googleの巡回です。似た内容のページを同じディレクトリにまとめると、ディレクトリごとの更新頻度をGoogleが学習しやすくなる、とガイドに書かれています。
3つ目は、URLの重複です。大文字と小文字、末尾のスラッシュ、wwwの有無、パラメータの違いで、同じページに複数のURLが生まれると評価の対象が分散します。重複を1つのURLにそろえる方法は「canonicalタグとは何か」が参考になるはずです。

※ 出典:Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」
Googleが推奨するURLの付け方
Googleは「Google 検索における URL 構造のベスト プラクティス」で、URLの付け方を具体的に示しています。オウンドメディアの記事URLで守りたいものを、避けたい例と並べると次のとおりです。
| 避けたい書き方 | 推奨する書き方 | |
|---|---|---|
| 使う語 | /p?id=1234 のような番号だけ | /blog/url-structure のように内容が分かる英単語 |
| 単語の区切り | アンダースコア(url_structure) | ハイフン(url-structure) |
| 大文字と小文字 | /Blog/URL-Structure と /blog/url-structure の混在 | すべて小文字にそろえる |
| パラメータ | 内容に関係しないセッションIDや並び順を付ける | 表示内容に関係するものだけを残す |
| フラグメント | #page2 でページの内容を切り替える | 内容が違うページは別のパスにする |
表のうち見落とされやすいのが、大文字と小文字の扱いです。Google検索のURL処理は大文字と小文字を区別するため、「/Blog/」と「/blog/」は別のURLとして扱われます。入稿する人によって表記が揺れないよう、すべて小文字に決めておくのが確実です。
単語の区切りについても、Googleがすすめているのはアンダースコアではなくハイフンです。

※ 出典:Google 検索セントラル「Google 検索における URL 構造のベスト プラクティス」
日本語のURLは使ってよいか
使えます。Googleのガイドでも、読み手の言語の単語をURLに使うことが推奨され、ASCII以外の文字はパーセントエンコードすればよい、という立場です。
ただし、日本語のURLはメールやチャットに貼り付けると「%E3%81%…」のような長い記号の列になることがあります。社外に共有される機会の多い企業のオウンドメディアでは、記事の主題を表す英単語でslugを付けるほうが、共有したときに相手が内容を読み取れるはずです。
オウンドメディアのURL設計で先に決めること
記事を増やしていくメディアでURLが問題になるのは、公開から1〜2年たってカテゴリを組み替えるときです。キーワード戦略を見直すと、当初「SEO」の下に置いた記事を「コンテンツ制作」の下へ移す、といった入れ替えが起こるものです。
このとき、記事URLに「/seo/記事名」のようにカテゴリ名が入っていると、移した記事の数だけURLを変え、リダイレクトを設定する作業が発生します。日付入りの「/2024/05/記事名」も同様で、記事を書き直してもURLだけが古い日付を示し続けるのです。

一方で、先ほどのとおりGoogleは、似た内容をディレクトリにまとめる利点も挙げています。両者は矛盾しません。ディレクトリは「/blog/」「/services/」「/case/」のように、記事・サービス・事例といった変わらないページの種類で分けるのが現実的な折り合いです。
記事URLには、後で変わりうるカテゴリ名や日付を入れない。弊社が支援先のURL設計で最初に確認するのも、この点です。
カテゴリ名をURLに入れたほうが、記事のテーマがGoogleに伝わってSEOに有利ではないのですか。
編集部
テーマを示す効果がまったくないとは言えません。ただ、Googleはキーワードの効果を表示以上にはほとんどないと説明しています。カテゴリを組み替えたときのURL変更の手間のほうが大きいと見ています。記事のテーマは、カテゴリページとパンくずリスト、内部リンクで示すほうが、後から直すのも簡単です。
カテゴリの見せ方は「SEOでパンくずリストは効くのか」でも取り上げました。そのうえで、公開前に決めておきたい項目を順に見ていきましょう。
記事は「/blog/slug」のように1階層にまとめ、カテゴリ名や日付を含めない形にします。分けるのは、サービスや事例などページの種類ごとのディレクトリだけです。
記事の主題を表す英単語を2〜4語、ハイフンでつなぐ形が扱いやすいでしょう。狙うキーワードをそのまま英訳すると、記事が増えても主題とslugの対応を追いやすくなります。
「/blog/url-structure」と「/blog/url-structure/」のどちらに統一するかを決めておきましょう。もう一方の形でアクセスされたときは、統一した形へ301リダイレクトします。
外部のライターや入稿担当がslugを付ける体制では、ルールを指示書と入稿の手順に書いておきます。書いていないと、担当者ごとに日本語・ローマ字・英語が混在しがちです。
URLのルールは、どのカテゴリにどんな記事を書くかが決まっていれば、迷わずに決められます。逆に、記事の計画が固まる前にURLを決めると、後の組み替えでURLを変える場面が増えると見ています。
カテゴリの切り方が固まらないまま、記事を増やしていませんか
URLのルールで迷う原因の多くは、どのテーマの記事をどのカテゴリに何本書くかが決まっていないことです。Writers-hubでは、狙うキーワードの洗い出しからカテゴリの構成、記事の計画までを一緒に設計します。
公開後にURLを変更するときの注意点
すでに公開しているページのURLを変えるなら、古いURLから新しいURLへの転送(リダイレクト)が欠かせません。Googleのガイドでは、サーバー側の永続的なリダイレクト(301リダイレクト)を使うよう示されています。
リダイレクトを残す期間の目安が明記されている点も見逃せません。リダイレクトはできるだけ長く、一般的には1年以上残すことが推奨されています。

リダイレクトの設定だけで終わらせず、サイトの中に残る古いURLも書き換えましょう。URLを変えたときに確かめる項目は、次の4つです。
- 旧URLから新URLへ、1ページずつ対応させて301リダイレクトを設定した
- サイト内の内部リンクを、旧URLから新URLに書き換えた
- XMLサイトマップに新URLを載せ、旧URLを外した
- canonicalタグの指定先を新URLにそろえた
作業を減らそうとして、転送先を1か所にまとめてしまうケースには注意が要ります。
多数の旧URLを、トップページのような関連の薄い1つのURLへまとめてリダイレクトするのは避けてください。Googleのガイドでは、読み手を混乱させ、ページが見つからない扱い(ソフト404)とみなされる場合があると説明されています。

※ 出典:Google 検索セントラル「URL の変更を伴うサイト移転」
URLの構造に関するよくある質問
URLの見直しを進める担当者が迷いやすい4つの点に、短く答えます。
指している範囲が違います。ドメインは「example.com」のようにサイト全体を指し、URLは「https://www.example.com/blog/url-structure」のようにサイト内の1ページまでを指します。
文字数だけで順位が決まるとは、Googleのガイドには書かれていません。ただし、内容に関係しないパラメータを外してURLを短くすることは推奨されています。短いURLは、共有したときに相手が読み取りやすい点でも扱いやすくなります。
別のURLとして扱われます。ドメイン直後のスラッシュを除き、「/blog/url-structure」と「/blog/url-structure/」は別のページとみなされるため、どちらかに統一してもう一方をリダイレクトします。
パスが「/」で終わるURLにアクセスしたとき、サーバーが返すファイルとして一般的に使われる名前です。「/blog/」と「/blog/index.html」は同じ内容でも別のURLになるため、リンクはどちらかの形にそろえます。
まとめ|URLは効かせるより変えずに済む形で決める
URLは、スキーム・ホスト名・パス・クエリパラメータ・フラグメントの5つに分けて読めます。SEOのために設計するのは、ほぼパスの部分です。
URLのキーワードが順位に与える影響は小さく、URLが効くのは検索結果での見え方、Googleの巡回、重複の防止の3つの場面です。だからこそ、オウンドメディアでは記事URLにカテゴリ名や日付を入れず、英単語・ハイフン・小文字で付けるルールを公開前に決めておきます。変える必要が出たときは、301リダイレクトを1年以上残し、内部リンクとサイトマップも新しいURLに直しましょう。
私たち合同会社Writers-hubは、オウンドメディアの記事制作とあわせて、サイト構造やURLの見直しも支援しています。
URLの変更やサイト構造の見直しを、手順から確かめたい方へ
カテゴリの組み替えやドメインの移転でURLが大きく変わる場合は、リダイレクトの対応表づくりと内部リンクの書き換えまで一続きで進めるのが安全です。現在のURLの一覧から、変更の範囲と手順を一緒に整理します。







