「AIに書かせた記事も、結局は昔のワードサラダと同じように機械が作った文章だから、いずれ見抜かれて評価が下がるのではないか」。自動生成の文章は検索に嫌われるという説明が、単語を組み替えて量産していた時代の話のまま語り継がれてきたため、生成AIで書くこと自体に不安が残ります。
しかし、弊社はこれまで生成AIを組み込んだ記事制作の工程づくりと、社内で記事を書ける体制の支援を重ねてきました。その経験から言えるのは、扱いを分けるのは機械が書いたかどうかではなく、調べた材料を渡してから書かせたか、字数だけを伝えて埋めさせたかだということです。前者であれば、AIを使ったこと自体が理由で低い評価を受けるわけではありません。
本記事では、ワードサラダがどのような仕組みで作られていたのかという前提から、生成AIの文章が同じ扱いを受ける三つの条件、公開前に自分で点検する手順まで、記事制作と内製化支援の現場に立つ編集者の視点で順を追ってお伝えします。
- ワードサラダを生成する仕組み(マルコフ連鎖と語句置換)
- 検索エンジンが機械的な文章を見抜けるようになった理由
- 生成AIの文章がワードサラダ扱いされる三つの条件
- 公開前に自分で点検する四つの手順
- 生成量を増やしながら品質を保つ体制の作り方
ワードサラダを生成する目的は、いまのSEOでは成立しない
ワードサラダは、文法としては読めるものの、内容として何も述べていない文章を指します。もともとは精神医学で使われていた言葉で、SEOの世界では2000年代後半に「自動生成した文章を大量に置いて被リンクを稼ぐ」手法の呼び名として広まりました。
当時の検索エンジンは、ページ内の単語の出現頻度やリンクの本数を主な手がかりにしていました。だからこそ、意味が通らなくてもキーワードが並んだページには一定の評価がつき、そこから本命のサイトへリンクを送る構図が機能したわけです。
ワードサラダの生成は、いまのSEOでは順位を上げる手段になりません。それどころか、生成した側のサイトも、リンクを受けた側のサイトも、検索結果から外される対象になります。Googleはスパムポリシーのなかで、検索順位の操作を主目的とした大量生成コンテンツを違反行為として明示しています。
※ 出典:Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」

過去に外注したサテライトサイトが残っている場合、そこからのリンクが今も自社サイトを指している可能性があります。Search Consoleの「リンク」レポートで参照元ドメインを一度確認しておくと、心当たりの有無がはっきりします。
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ワードサラダはどう生成されていたのか
仕組みを知っておくと、生成AIの文章との違いも判断しやすくなります。当時使われていた方式は大きく二つに分かれていました。

単語のつながりを確率で選ぶマルコフ連鎖方式
もっとも広く使われたのがマルコフ連鎖です。まず元になる文章を形態素解析にかけて単語に分解し、「この単語の次に来た単語」の組み合わせを記録します。生成するときは、記録した組み合わせのなかから次の単語を確率的に選び、これを繰り返して文をつなげていきます。
隣り合う二語のつながりだけを見ているため、文としての体裁は整います。ところが三文目、四文目と進むにつれて主題が入れ替わり、読むと何の話をしているのか追えなくなる。この「局所的には正しく、全体としては破綻している」性質が、ワードサラダの特徴そのものです。
元の文章の語句だけを入れ替えるスピニング方式
もうひとつは、既存の記事を丸ごと持ってきて、名詞や形容詞を類義語に置き換える方式で、アーティクルスピニングと呼ばれます。マルコフ連鎖より文章としては自然に見えますが、元の記事と構成も論旨も同じであるため、無断複製の側面を併せ持ちます。
置換の精度が低いと、文脈に合わない語が混ざります。たとえば「サイトの表示速度」を「サイトの表示スピード感」に置き換えてしまうような不一致が、記事のあちこちに散る。人が読めば違和感でわかりますが、当時の検索エンジンには判別が難しい時期がありました。
意味を読む仕組みが入って通用しなくなった
転機は、文脈を解析する言語モデルが検索に組み込まれたことでした。2019年に発表されたBERTのような仕組みは、単語を単体で数えるのではなく前後の関係から意味を推定します。単語の並びだけを最適化した文章は、この段階でふるい落とされるようになりました。
加えてGoogleは、スパム検出にSpamBrainと呼ぶ機械学習システムを使っていることを公表しています。生成側が新しいパターンを作っても検出側が学習で追いつく構図になっており、いたちごっこを続ける費用対効果は成立しません。
関連記事:チャットGPTの正確性はどこまで信用できる?誤りが出る仕組みと確かめ方
生成AIの文章がワードサラダ扱いされる三つの条件
ここからが本題です。まず前提として、機械が作った文章かどうかではなく、中身があるかどうかで評価されます。Googleは制作方法ではなく品質を見る方針を示しており、AIを使った時点で違反になるわけではありません。
問題は、AIの使い方によってワードサラダに近い出力が生まれる場面があることです。現場で見てきた限り、条件は三つに絞られます。
- 事実や具体例を与えないまま「〇〇について3000字で」と長さだけを指定して書かせた
- 同じ主張を言い換えた段落が、見出しを変えて何度も出てくる
- 検索キーワードを本文に散らすよう指示し、文脈と関係ない位置に語が入っている
長さを増やす目的で書かせた段落が、ワードサラダ化の最大の原因です。字数の指示だけを受け取ったAIは、手持ちの一般論を言い換えて枠を埋めにいきます。結果として、「重要です」「意識しましょう」といった内容のない文が積み上がる。マルコフ連鎖の出力とは見た目がまるで違うのに、読者が得る情報がゼロという点では同じ状態に着地します。

わかりやすいのは、同じテーマで二通りの指示を出して見比べる方法です。片方には調べた事実と具体例を渡し、もう片方には字数だけを伝える。出てくる原稿の差を一度見ておくと、以降は生成前の準備にどれだけ時間を割くべきかの判断がつきます。
AIに書かせた記事を読み返すと、間違ってはいないのに何も残らない感じがします。これはワードサラダに入りますか。
編集部
スパム認定という意味では違いますが、評価されないという結果は同じになります。判断は簡単で、その段落を削っても記事の主張が変わらないなら、その段落は情報を持っていません。まず削ってから、空いた分に事実を入れ直すほうが早く直ります。
生成AIを使うこと自体は、記事の質を下げる要因になりません。下げるのは、事実を集める工程を省いて生成量だけを増やす運用のほうです。
AIで書いた記事の「何も残らない感じ」を、社内で直せる状態にするには
削るべき段落の見分け方、事実を集める手順、公開前の点検項目。この三つを社内の手順書に落とし込めば、生成量を増やしても品質は保てます。Writers-hubでは、貴社の記事を題材にした添削と手順書づくりを通じて、自走できる体制の構築を支援しています。
関連記事:チャットGPTはバレる?見抜かれる3つの経路と、疑われない使い方の線引き
生成した文章がワードサラダになっていないか点検する手順
公開前の確認は、感覚ではなく順番を決めた作業にしたほうが結果が安定します。編集者が実際にやっている流れを四つに分けました。
本文を飛ばし、H2とH3だけを上から読みます。見出しだけを読んで意味が通るかを最初に確認します。同じ内容の見出しが二つある、順番が入れ替わっても成立してしまう場合は、構成の段階で情報が足りていません。
怪しい段落を一時的に削除し、前後がつながるかを見ます。つながってしまうなら、その段落は他の部分と重複しています。削除して終わらせるか、事実を足して独立した内容に書き直すかを選びます。
本文中の固有名詞、数値、日付、公式情報への言及に印をつけていきます。一つの見出しにつき最低一つ入っていない箇所は、一般論だけで構成されている可能性が高い部分です。
生成AIは、出典のない数値をそれらしく出すことがあります。印をつけた数字は必ず一次情報にあたり、確認できないものは残さず削ります。ここを省くと、ワードサラダより深刻な誤情報の掲載につながります。

この四つのうち、二番目の「段落を一つ消して読み直す」がもっとも効きます。手間はかかりますが、記事1本あたり15分ほどの作業で、読み終えたあとに何も残らない原稿はほぼ拾えるようになります。
生成量を増やしながら品質を保つ三つの進め方
点検の重要性はわかっても、担当者が一人で月に何十本も見るのは現実的ではありません。運用の形としては次の三つが選択肢になります。
| 社内で全部書く | 生成AIと社内点検を組み合わせる | 編集体制のある外部と組む | |
|---|---|---|---|
| 立ち上げの負担 | 大 | 中 | 小 |
| 本数を増やしたときの品質 | ○ | △ | ◎ |
| 社内に残るノウハウ | ◎ | ○ | ○ |
| 向いている状況 | 専門性が高く外部に出せない領域 | 点検の担当と手順が決まっている場合 | 本数を増やしながら品質も落とせない場合 |
真ん中の「生成AI+社内点検」を選ぶ会社が多いのですが、ここでつまずく原因ははっきりしています。点検の工程を誰が担うかを決めないまま生成量だけ増やすと破綻します。書く速度は10倍になっても、読んで直す速度は変わらないためです。
月に10本以上を継続するなら、生成する人と点検する人を分けてください。同じ人が書いて同じ人が確認する体制では、生成AIが出した文章の違和感に気づきにくくなります。
外部に任せる場合も、丸投げにすると同じ問題が起きます。依頼時に「誰に向けた記事か」「どの情報を必ず入れるか」を指定できているかどうかで、戻ってくる原稿の質は大きく変わってくるでしょう。
本数を落とさずに、読んで何かが残る記事に切り替えたい方へ
Writers-hubの記事制作は、構成づくりの段階で必要な事実と一次情報を洗い出し、執筆後に別の編集者が点検する二段階の工程で進めています。生成AIを使う場合も、この工程を通してから納品しています。まずは現在の原稿を1本お見せいただければ、どこを直せば変わるかをお伝えします。
ワードサラダに関するよくある質問
個人が公開しているものが残っている場合はありますが、SEOの目的で使う価値はありません。生成した文章を公開すればスパムポリシー違反にあたり、サイト全体の評価が下がるおそれがあります。文章の自動生成という目的であれば、通常の生成AIを使い、事実を与えたうえで書かせるほうが現実的です。
制作方法ではなく内容で判断されるため、AIを使ったこと自体は該当しません。ただし事実を与えず長さだけを指定して書かせた原稿は、読者が得る情報がない点で同じ評価になります。
判定されません。ワードサラダは文法が整っていても内容がない文章を指すため、性質が逆です。誤字は読みやすさの問題として直せば足ります。
自分で設置していないリンクであれば、多くの場合Googleが無視するため対応は不要です。過去に外注で意図的に設置した心当たりがある場合に限り、Search Consoleの否認ツールの利用を検討してください。
まとめ
ワードサラダの生成は、マルコフ連鎖や語句置換で単語の並びだけを作る手法として広まりましたが、文脈を解析する仕組みが検索に入った時点で手段としての意味を失いました。今から仕組みを再現しても、順位は上がらず、リンク先のサイトを巻き込んで評価を下げるだけの結果になります。
いま向き合うべきなのは、生成AIで作った記事が同じ「読んでも何も残らない文章」に近づく条件のほうです。事実を与えずに長さだけを指定する、同じ主張を言い換えて並べる、キーワードを文脈と無関係な位置に入れる。この三つを避け、公開前に見出しだけを読む工程と、段落を一つ消して読み直す工程を挟むだけで、大半は防げます。
合同会社Writers-hubでは、SEO記事の制作代行と、社内で書ける体制をつくる内製化支援の両方を行っています。生成AIを使うかどうかにかかわらず、構成段階で事実を洗い出し、執筆者とは別の編集者が点検する工程を通すという進め方は変えていません。
外注と内製、どちらが自社に合うか決めきれないとき
月あたりの必要本数、社内で点検にあてられる時間、扱う領域の専門性。この三つを伺えば、外注と内製化支援のどちらから始めるべきかをその場でお伝えできます。売り込みではなく、進め方の整理としてご利用ください。








